本編と変わらない状況が続きそうなので、数学だけやろっかな。
>>426
数学
殺「一生懸命に勉強すれば、おのずとわかるようになりますから」
殺せんせーの言葉がふと、海の頭の中をよぎった。
海(って、言われてもなぁ……。やっぱわかんないもんはわかんないって)
銃を持ちなおして、海はどこに弱点があるのかを探った。
海(でも、殺せんせーに中間の頃、約束しちゃったもんな。『次はもっと頑張れる!』って)
それと同時に、授業中。常に隣にいるカルマのことも思いだす。
海(頑張ってみますか)
こうして、怒涛の期末テストは終わった。
テスト返却日
殺「さて、テストが返ってきました」
ごくり。
僕らの間で緊張が走った。
不破さんが紙の準備をしていた。どうやらそこにA組とE組の勝ち星を記入するらしかった。
殺「まず、英語から。E組の1位、そして、学年でも1位!」
え⁉
殺「中村莉桜!」
中「へへん、どうよ〜」
僕らは中村さんに向かって拍手した。
殺「続いて、国語。E組の1位は神崎有紀子! ですが、学年ではA組浅野学秀!」
神崎さん、すごい!
でも、やっぱりどこか残念そうだった。とはいえ、浅野くんに勝つのは難しいだろう。
殺「神崎さんも大躍進です、充分ですよ」
次は社会だ。
殺「続いて社会。E組1位は磯貝悠馬くん! そして学年でも1位です」
磯「よっしゃ!」
殺「マニアックな問題が多い社会で、よくぞこれだけ取れました」
菅「次は理科、奥田か」
殺「理科のE組1位は奥田愛美。そして学年では……」
殺せんせーが次をためた。
殺「おめでとう! 浅野くんを抑えて1位です」
菅「すげぇぞ、奥田」
杉「触手1本お前のもんだ!」
不「3勝1敗!」
磯「数学の結果を待たずして、E組が勝ち越し決定!」
僕らの間で喜びが走った。
木「てことは、賭けのあれもいただきだな」
倉「楽しみ〜」
竹「あとは、数学だけですね」
数学の、学年1位は……。
カ「チッ」
殺「さすがにA組は強い。それは当然の結果です。A組もE組の皆も負けず劣らず勉強をした。怠け者がついていけるわけがない」
カ「何が言いたいの?」
殺「よゆーで勝つ俺、かっこいいとか思ってたでしょ。恥ずかしいですねぇ」
カルマは思わず頬を赤く染めた。
殺「君は今回、暗殺においても賭けにおいてもなんの力にも戦力にもなれなかった。今の君は暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢げにかかげた、ただのガキです」
殺せんせーはナメ顔になり、触手でカルマの頭や頬をぐりぐりし始めた。
カルマはその触手を振り払い、校舎へ戻っていった。
烏「いいのか、あそこまで言って」
烏間が殺せんせーに声をかけた。
殺「大丈夫です。立ち直りが早い方に挫折させました」
殺せんせーはカルマが立ち去っていった方向を見た。ちょうど海が現れたところだった。
殺「彼は、多くの才能に恵まれている。ですが、力ある者はえてして未熟者です。本気でなくとも勝ち続けてしまうために、本当の勝負を知らずに育つ危険性がある。才能のある者は負ける悔しさを早めに知れば、大きく成長できます。テストとは、勝敗の意味を、強弱の意味を教えてくれます」
(成功と挫折を胸いっぱいにつめこみなさい、生徒たちよ。力の意味を、強弱の意味を。今!
私が最後まで気づけなかった、とても大事なことだから)
校舎前にて
海「カルマ」
カ「なぁに?」
海「私、頑張ったから」
カ「はぁ?」
カルマはいったい海が何を言いたいのかわからず、ポカンとした。
海「だから、次回頑張ってよ。私がカルマのために、席。とっといたから」
海は紙飛行機をカルマに向かって飛ばした。そして、そのまま彼女は校舎内に入っていった。
カルマは紙飛行機を開いた。そこには。
カ「ったく、生意気だな〜」
海の成績表は「国語:学年2位 数学:学年4位 英語:学年2位 社会:学年2位 理科:学年5位」とあった。
カ「てか、席とっといたとか。総合2位じゃん」
カルマは海の成績表を丁寧に折りたたんで、制服のポケットにしまった。
数学の学年1位、浅野学秀。