>>427
カ「チッ」
殺「さすがにA組は強い。それは当然の結果です。A組もE組の皆も負けず劣らず勉強をした。怠け者がついていけるわけがない」
カ「何が言いたいの?」
殺「よゆーで勝つ俺、かっこいいとか思ってたでしょ。恥ずかしいですねぇ」
カルマは思わず頬を赤く染めた。
殺「君は今回、暗殺においても賭けにおいてもなんの力にも戦力にもなれなかった。今の君は暗殺者じゃない。錆びた刃を自慢げにかかげた、ただのガキです」
殺せんせーはナメ顔になり、触手でカルマの頭や頬をぐりぐりし始めた。
カルマはその触手を振り払い、校舎へ戻っていった。
烏「いいのか、あそこまで言って」
烏間が殺せんせーに声をかけた。
殺「大丈夫です。立ち直りが早い方に挫折させました」
殺せんせーはカルマが立ち去っていった方向を見た。ちょうど海が現れたところだった。
殺「彼は、多くの才能に恵まれている。ですが、力ある者はえてして未熟者です。本気でなくとも勝ち続けてしまうために、本当の勝負を知らずに育つ危険性がある。才能のある者は負ける悔しさを早めに知れば、大きく成長できます。テストとは、勝敗の意味を、強弱の意味を教えてくれます」
(成功と挫折を胸いっぱいにつめこみなさい、生徒たちよ。力の意味を、強弱の意味を。今!
私が最後まで気づけなかった、とても大事なことだから)
校舎前にて
海「カルマ」
カ「なぁに?」
海「私、頑張ったから」
カ「はぁ?」
カルマはいったい海が何を言いたいのかわからず、ポカンとした。
海「だから、次回頑張ってよ。私がカルマのために、席。とっといたから」
海は紙飛行機をカルマに向かって飛ばした。そして、そのまま彼女は校舎内に入っていった。
カルマは紙飛行機を開いた。そこには。
カ「ったく、生意気だな〜」
海の成績表は「国語:学年2位 数学:学年4位 英語:学年2位 社会:学年2位 理科:学年5位」とあった。
カ「てか、席とっといたとか。総合2位じゃん」
カルマは海の成績表を丁寧に折りたたんで、制服のポケットにしまった。
数学の学年1位、浅野学秀。
磯「浅野」
期末返却後はほどなくして終業式だ。僕らは五英傑を体育館前で待っていた。
磯「さっき、報酬の件についてメールで伝えたけど、あれでいいよな」
浅野くんが黙っていると、寺坂くんが進言した。
寺「なんなら五教科の中に家庭科を入れてもいいんだぜぇ?」
……つい、さっきのことだった。
寺「おいタコ、五教科1位は3人じゃないぜ」
殺「うん? 3人ですよ、寺坂くん。国・英・社・理・数……」
寺坂くんは村松くん、吉田くん、狭間さんと一緒に殺せんせーの前に立って。
寺「ちげぇよ。五教科つったら、国・英・社・理、あと家だろ」
教卓に投げ出されたのは、4枚の答案用紙。しかも、100点の!
殺「家、家庭科ぁぁぁぁ⁉ ちょっと、家庭科なんてついででしょうに」
カ「なんてって言っていいの、殺せんせー? 五教科最強の家庭科さんにさ」
菅「そうだぜ、殺せんせー。最強の家庭科さんで4人がトップ!」
倉「合計触手7ほーん!」
そして、7本コールが始まり、収集がつかなくなった。
磯「それと、殺せんせー。これはみんなで相談して決めたんですが。今回の報酬に賭けも加えさせてもらいます」
殺「What?」
というのが、家庭科が五教科の中に入る理由……。
僕らが体育館に入ろうとすると、小山くんが海に声をかけた。
小「おい、お前」
海はそれを無視していた。
茅「海ちゃ……じゃなかった。海くん、呼ばれてるよ」
海「僕、お前なんて名前じゃないし」
あはは……。
どうやら海は相当怒っているみたいだった。
別に、1位を取れなかったことじゃないとは思うけど。
小「本郷海!」
海「なんか用?」
小「お前の名前、覚えたからな」
海「キョーミなしっ!」
海はそう一言言うと、体育館に入っていった。
E組にて
殺「触手7本の大ハンデにも関わらず、周囲をせんせーの苦手な水で囲む。正直に認めましょう、君たちは本当に侮れない生徒になりました」
今回の、A組との賭けの報酬。それは!
殺「沖縄リゾート2泊3日!」