暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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447:凪海:2016/04/05(火) 17:33 ID:ySs

>>437

 ビッチ先生は言葉巧み、行動巧みにロビーの警備をうまく導き、僕らを先に進ませてくれた。
 それにしても、ビッチ先生のピアノ。上手だったなぁ。いや、上手ってもんじゃない。もうあれは次元が……。

烏「普段の彼女から甘く見ないことだな。君らに外国語を教えているのは、世界でも1、2を争うハニートラップの達人なんだ」
殺「私が動けなくても、さすがですねぇ」

 経験と知識を兼ね備えたプロはさすがだ。殺せんせーが動けなくても、大丈夫だった。
 でも、僕らは知らなかった。敵もまた、経験と知識を兼ね備えたプロだということに。

ホテル廊下

烏「さて、ロビーを抜けてしまえばあとは客のフリができる」
菅「え、俺らくらいの年ごろの客なんているんすか?」
烏「聞いた限り、けっこういるそうだ」

 そうなんだ。

烏「ところで、海さん。一ついいか」
海「何ですか」
烏「さっき、イリーナが言っていたが。ストッパーとはなんだ」
海「ああ、あれね」

 海はウェストバッグを肩に持ち替えた。
 いつも思うんだけど、あれの中にはいったい何が入ってるんだろうか。

海「うーんと、私が二重人格って話はしましたよね? それで、そのストッパーっていうのはカイのこと……あ、カエデ。ごめん」
茅「ううん、大丈夫」

 そうか。
 カイは転校初日に茅野を襲ったことがあったんだっけ。

海「カイは優しいけど、好戦的なんだ。口より先に手が出るタイプ……ってやつかも。だから、あいつが暴れずに済むようにストッパーの役割が必要なんだ。ストッパーの合図がない限りは、カイはでてこない。この前はたまたまだったんだけどね」

 そうなんだ。

海「にしても、先輩ったらさぁ。なんで先生に任すかなぁ。生徒だったら楽だったのに」
カ「俺だったら今すぐに呼び出すけどね」
海「ははは」
カ「海はプロだけど、ビッチ先生みたいなことはできないの? 実践的なこと」
海「うーん……、私こう見えて情報収集とかの方が得意でさ。戦闘には不向きなんだよね」
片「そのわりにはナイフも銃も成績いいのにね」
海「基本はとりあえず、一通りかじってるからね」

 しばらく歩いているけれど、敵らしい敵らしいがいないなぁ。

寺「ヘンッ、中に入っちゃこっちのもんだな。とっとと先に進もうぜ」
烏「こら、待て」

 寺坂くんと吉田くんが走りだした。
 正面からは人が歩いてくる。

不「⁉ 寺坂くん、そいつ危ない!」

 不破さん?
 僕らがあっけにとられていると、烏間先生が走りだした。
 あっと思う間もなく、正面から歩いてきた人がポケットに手をやり……。

 ブシュッ


凪海:2016/04/05(火) 23:35 ID:ySs [返信]


 ⁉

烏(ガスかっ!)

 謎のガスが部屋一面に広がっていった。
 と思ったら一瞬で消えてしまった。
 これは一体?

男「殺気を見せずにすれ違いざまに殺る。俺の十八番だったんだがなぁ。何故わかった」
不「だっておじさん、ホテルでサービスドリンク配ってた人でしょ」

 ……あっ!

男「断定するには証拠が弱いぜ」
不「ふふん。夕飯を食べずに映像編集をしていた三村くん、岡島くんも感染していたことから、ウィルスは昼間のドリンクにしぼられる。よって犯人はあなたよ、おじさんくん」
男「ぐぐっ」

 ドサッ

海「烏間先生⁉」
烏「くっ……」
男「俺専用の室内用麻酔ガスだ。一度吸えば象すらオトす」
殺「毒物使い。しかも、実用性に優れている」
男「お前たちに交渉の余地がないのはよくわかった。交渉決裂、ボスに報告でもするか」

 道を引き返そうとした毒物使いの殺し屋。僕らは急いで烏間先生に言われた通りの行動をした。
 すなわち、逃げ道をふさぐこと!

男「⁉」
烏「敵と遭遇した場合、すぐさま逃げ道をふさぎ、連絡を絶つ。指示は全てすませてある」
男「ふん。お前が倒れれば統制がとれず、逃げだすだろうさ」

 瞬間、烏間先生は毒物使いに膝蹴りをもろにくらわせた!

男(はぇー……、人間の速さじゃねぇ……。だがな、おっそろしい先生よ。お前の引率もここまでだ……)

 烏間先生が倒れた。

皆「か、烏間先生!」

廊下

 烏間先生は磯貝くんに支えられながらなんとか歩いていた。

菅「象すらオトすガス浴びて、歩ける方がおかしいって」
不「あの人も充分バケモノだよね」

 さすが、経験と知識を兼ね備えたプロは本当に強い。
 僕らの力だけで、勝てるのか。

殺「いやぁ、いよいよ夏休みって感じですねぇ」

 ………。

片「何よ、自分だけ絶対安全な形態のくせして!」
菅「渚、振り回して酔わせろ!」

 僕はビニル袋に入った殺せんせーを振り回した。

殺「にゅやぁぁぁぁぁぁっ!」
カ「ねぇ、寺坂。これねじ込むから、パンツおろしてケツ開いて」
寺「死ぬわっ!」

 あはは。
 ところで。

渚「なんでこれが夏休み?」
殺「夏休みとは、学校を離れ自立性を養う場でもあります。大丈夫です、君たちにならクリアできます。この暗殺夏休みを」


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