暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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464:凪海:2016/04/06(水) 00:19 ID:ySs

>>463

 しばらく歩いていると。

海「⁉」
渚「海?」
海「みんな、気をつけて。これはちょっとまずい」
茅「え?」

 正面を見ると。
 あ!

矢「あの雰囲気……」
吉「ああ、いい加減見分けがつくようになったわ。間違いなく、殺る側の人間だ」

 海が警戒している。
 ということは、相当にヤバい殺し屋かもしれない。

烏(くっ。実弾の銃がほしい。よもやこの島で必要になるとは思わなかった)
 「海さん、銃はあるか」
海「さすがに持ってません。ナイフならあるんですが」

 ピシッ
 
 ⁉

寺「なっ」
木「素手で窓にヒビいれたぞ」
男「つまらぬ。足音を聞く限り、手ごわそうな者が一人もおらぬ。精鋭部隊出身の引率の教師もいるはずなのぬ、だ。どうやらスモッグのガスにやられたようだぬ。でてこい」

 僕らはゆっくりでてきた。
 それより、なんていうか。
 怖くて誰も言えないんだけど……。

カ「ぬ、多くね? おじさん」

皆(言った! よかった、カルマがいて!)
男「ぬ、をつけるとサムライっぽく聞こえると小耳にはさんだぬ。かっこよさそうだから試してみたぬ」
渚(なんだ、外国の人か)
海「………」

 手をゴキゴキ鳴らしながら男は言う。

殺「素手。それがあなたの暗殺道具ですか」
男「こう見えて需要があるぬ。身体検査に引っかからない利点は大きいぬ」
海「たしかに、そうみたいだね……」
男「近づきざま頸椎をひとひねり。その気になれば、頭蓋骨も握りつぶせるぬ。だが、殺しの技を学ぶと他の分野でも試してみたくなる。すなわち、強い敵との戦いだぬ。だが、お目当てがその様子では試す気も失せたぬ。ボスに連絡して皆殺しだぬ」

 なっ!
 瞬間。

 バリーン

カ「ねぇ、おじさんぬ」

 次に窓にヒビを入れたのは、植木鉢を片手にしたカルマくんだった。

カ「プロって意外とふつーなんだね。ガラスとか頭蓋骨なら俺でも割れるよ。てゆーか、そっこう仲間呼んじゃうあたり、中坊とタイマン張るのも怖い人?」
烏「やめろ、むぼ……」
殺「ストップです、烏間先生。顎がひけている。
  普段の彼なら余裕を見せて顎を突き出し、相手を見下す構えをしていた。ですが、今は違う。目は油断なく相手の仕草をつぶさに観察している」
 (どうやら敗北からしっかり学んだようですね。存分にぶつけなさい、高い大人の壁を相手に)


凪海:2016/04/06(水) 00:50 ID:ySs [返信]


寺「おい、海」
海「何?」
寺「カルマは勝てるのか?」
海「わからない。でも、殺せんせーは彼に任せるみたいだし。私も任せるしかない。ただ、もし彼を死に追いやるような状況になったら、殺せんせー、それから烏間先生も。みんなをつれて逃げてください」
渚「どうするつもり⁉」

 すると海は不敵に笑った。

海「とてもアマチュアには見せられないようなことを、するまでだよ」

 カルマくんは殺し屋と戦っている。
 それにしても。

茅「すごい。全部避けるか捌いてる」
殺「烏間先生の防御テクニックですねぇ」
烏(殺し屋にとって防御技術は優先度が低い。だから授業で教えた覚えはないが。目で見て盗んだな)

カ(よけられるけど、こっちから攻め込んだらつかまるからなぁ)
男「……どうした。俺を倒さなければここを永久に抜けられぬぞぬ」
カ「どうかなぁ。俺がひきつけるだけひきつけといて、みんながちょっとずつ抜けるってのもあるかと思ってー。……安心しなよ、そんなコスいことは無しだ。今度は俺から行くからさ。正々堂々、素手のタイマンで決着つけるよ」

 カルマくんが走りだした。
 すごい、殺し屋と戦ってる!
 カルマくんが殺し屋の足にキックをくらわせると、殺し屋は足を痛めたのか背中を向けた。

カ(チャンス!)

 瞬間!

 ブシュッ

 え、あのガス……。

男「ふぅ。長引きそうだからスモッグの麻酔ガスを試してみることにしたぬ」
吉「き、汚ねぇぞ!」
男「俺は一度も素手だけとは言ってないぬ」

 殺し屋は片手でカルマくんの頭をつかんだ。
 まずい!
 僕らが焦るなかで、海だけが笑っていた。

海「さすがだわ。とてもマネできない」
渚「? 何言って……」

 ブシュッ

 ⁉

男「ぬ、ぁ……」
カ「奇遇だね、2人とも同じこと考えてた」

 カルマくんが持っていたのは、麻酔ガス⁉

海「おそらく、さっきくすねたんでしょ」

 カルマくんは襲ってくる殺し屋をしめあげて、倒してしまった。

カ「ほら、寺坂。早く早く。ガムテと人数がなきゃこんなバケモン勝てないって」
寺「へーへー。お前が素手でタイマンの約束とか、もっとないわな」

 数人が殺し屋の上にのしかかり、ガムテでしめあげた。

カ「それにしてもこのガス、使い捨てが勿体ないくらい便利だね」
男「俺は素手しか見せていないのに、何故ぬ」
カ「当然っしょ。素手以外の全部を警戒してたよ。ここで俺らを止めるためなら、どんな手も使うべきだし。俺もそっちの立場ならそうしてる。あんたのプロ意識を信じたんだよ。信じたから、警戒してた」
海「ふふっ」
殺(一度の敗北を実に大きな糧にした。君は将来、大者になれます)

 殺し屋の男は笑った。

男「負けはしたが、楽しい時間を過ごせたぬ」
カ「え、何言ってんの? 楽しいのはこれからっしょ」

 カルマくんは寺坂くんが持ってきていたバッグから小さな袋を取りだした。
 その袋には、「そなえあればうれしいな」の文字……。

男「なんだぬ、それは」
カ「わさびアンドからし〜。おじさんぬの鼻の穴にねじこむの」

 ⁉

カ「これいれたら、専用クリップで鼻ふさいでぇ、口の中にトウガラシの3倍辛いブート・ジョロキアぶちこんでさるぐつわして、しょちかんりょ……」

 そこへ、海がカルマくんの手を止めた。
 ホッ。

海「カルマ、私ね。この前陽菜乃と見つけたんだぁ」

 え?
 海はウェストバッグからビンを取りだした。

海「これ、1匹のゴキブリに対しての卵ぜぇんぶ。人の中にぶちこんだら、どうなるかなぁ?」

 ⁉

海「一度でいいから、試してみたかったんだよねぇ」

 ここにも、悪魔がいた……。


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