>>465
なんで、こんな格好しなきゃいけないんだ……。
速「自然すぎて、新鮮味がない」
渚「そんな新鮮さいらないよ‼」
……今、場所はダンスとか踊れるらしいパーティ会場みたいなところ。
そこで僕らはとある任務を遂行しなきゃいけないんだ。
ここを行った先にVIP専用のルートがある。そこを抜けないと、最上階にはたどり着けない。そこへ行くには鍵を開けなくちゃいけない。そのための任務なんだ。
でも、男子も連れていっては目立ちすぎるというわけで。かと言って、女子だけでは危険すぎる。そこでカルマくんの提案で僕が何故か。
海「大丈夫だよ、渚。その格好。凛香の言う通り、違和感ないから。その女装」
と言いつつ、海は笑っている。
茅「むしろ、違和感あるのは海ちゃんだよね。その格好」
海「うん。正直まずったけど、そこは潜入捜査が得意な私の見せどころだよ」
潜入捜査をする、ちょっと前のことだ。
渚「やだよ、女装とかっ‼」
カ「かと言ってさ、渚くん。女子ばっかり行かせるのはあんまりじゃない?」
渚「うっ……」
海「大丈夫だよ、渚。君が女装しても私のほうが数倍は目立つ」
不「というよりも、海ちゃんはついてくつもりなの?」
海「当たり前っしょ。じゃあさ、渚。せめて顔を隠すのとかないの? いやま、中性的な顔立ちをしているから目立たないとは思うけどさ」
カ「それなら、あれがあんじゃん。ほら、さっき荷物になるからって寺坂のバッグに入れてた」
渚「あ」
僕は寺坂くんから受け取った。
海「⁉」
渚「海?」
海「え、あ、いや。なんでもない。行こ、みんな」
女子「オッケ」
?「なぁ、そっちで俺と飲まねぇ? 金あるから、なんでもおごってやんよ」
……いきなりなんだ?
片「はぁい、渚。相手しといて」
渚「ちょ、片岡さん⁉」
片「作戦の下見が終わったら呼ぶからさ」
渚「うぅっ」
海「おい」
う、海。
ドスの利いた声はやめたほうが。
海「もしも渚に何かしたら、許さな……ちょっ」
茅野が海を引っ張って退散させた。
片「何が、『潜入捜査が得意』よ。目立つじゃない」
海「う……ごめん」
茅「海ちゃんってさ、何気に渚をかばってるよね」
海「え、そうかな」
不「たしかに、そういう節はあるかも」
速「うん」
矢「そうだね」
岡野「いえてるかも」
海「みんな、そこまで言うことないじゃん……」
(ごめんなさい、大幅に飛ばす! 矢田さんファン、ごめん‼)
階段にて
渚「はぁ……」
茅「どうしたの、渚」
渚「いや、今回女子が全部やってくれたし。僕がこんな格好した意味って」
カ「面白いからに決まってんじゃん」
カルマくんが見せつけてきたのは、僕の……。
渚「撮らないでよ、カルマくん‼」
茅「……そんなことないと思うよ。きっと誰かのためになってるって」
さっき、出会ったユウジくんという少年のことを思いだす。非合法なタバコを吸っていたユウジくん。
彼に、僕は何かをしてあげられただろうか。
ここからオリジナルです。
階段を上がっている途中で。
海「⁉」
カ「今度は何、海」
海「2人」
渚「え?」
海「この先、おそらく2人殺し屋がいる。ここにいるだけでもわかる。異様なまでの殺気」
岡野「2人も⁉」
そんなの、どうやって相手にすれば。
殺「海さん、よく見つけました。烏間先生、動けますか?」
烏「なんとかな……」
と言っても、まだつらそうだった。
海「いや、その必要はありません。ともかく進もう」
矢「どうするつもりなの?」
海「ま、見てて」
海は僕らにウインクをすると、先に進んでいった。僕らも一緒になって進んでいく。
階段を上がってしばらくしたところで。
パーン、パンパン
この音‼
まさか、発砲音⁉
殺「危ない、みなさん避け……」
海「避ける必要はないよ」
瞬間、海が。
海「渚、私が合図をしたら前線に出ろ」
渚「え?」
キン、キンッ
木「なっ!」
弾が床に散らばっていた。
海「まさか、この状況でこのスキルを使うことになるなんて、思わなかったな」
海が手にしているのは、本物のナイフだった。
海「みんな、怪我してないよね?」
茅「う、うん」
海「そ。ならよかった」
目の前にいたのは海の言った通り、2人の殺し屋。
銃を構えていたのだけれど、2人とも驚いていた。
?「何をした」
海「見てたっしょ。このナイフで、弾をはじいた。それだけのことだよ」
す、すごい。
海「コンビネーションを得意とする暗殺者。私が知ってる中ではあいつらしかいないな。えーっと、トゥイードルダムとトゥイードルディ。『鏡の国のアリス』からとった名前だったっけ。小説の中では殺し屋ではないんだけど、君たちは双子の殺し屋。ゆえにその名前だっけ。今回の場合はダムが女性でディが男性なわけか。小説通りにいかなかったのは、作者に対する冒とくっしょ」
海はウェストバッグを腰に巻きなおした。
海「さて、殺し屋さんたち。殺りあおっか」