暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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503:凪海:2016/04/06(水) 23:14 ID:ySs

今更だけど、渚と海のコンビネーションの戦いの題名。
「コンビの時間」とさせていただきます。

>>501

 幼いころの経験は、それだけで人を懐かしくさせたり、運命を変えてくれるということがよくある。
 テレビとかでもよく耳にする。「○○のおかげで、今の自分がある」とか。
 僕にとって、とある少女との出会いがそうだった。
 よく公園に入り浸っていて、着物が私服という、変な子だった。
 僕は彼女によって救われた。彼女のおかげで、今の自分がある。そう断言できるくらいに、だ。
 彼女が町を離れると知ったとき、僕は悲しい気持ちになった。「行かないでほしい」と言った。でも、彼女は寂しい表情を浮かべたまま「ごめんね」と言い、最後に。

「私たちの運命は、きっとつながってる。きっとまたどこかで会えるよ」

 そんな保障なんてどこにあるんだと、問い詰めそうになったとき。彼女はさらに言った。

「だからさ、再会できたときの印(しるし)にさ。私が持ってるこれと、君の持ってるこれを交換しない?」

 そう言って、彼女は自分がかぶっていた帽子を僕にくれた。僕はその代わり、彼女に自分が髪にさしていたヘアピンをあげた。

「きっと、会えるよ」


現在

渚「ジャン、ヌ……?」
皆「はぁ?」

 僕は海のヘアピンに目が釘付けになってしまった。みんなは唖然として僕を見ている。

渚「そう、だよね……」
海「……その名前、懐かしいね」

 僕は海の言葉に、目を見開いて驚いた。
 やっぱり、そうだったんだ!

渚「どうして、今さら……」
海「あはは。言わなかったっけ? あの日、『私たちの運命はつながってる』ってさ」
渚「言った、けど……」

 あんな言葉、信じろと言うのが不思議だよ。

カ「ねぇ、お取込みの最中悪いんだけどさ。渚くんと海ってどこかで会ったことあんの?」
海「……昔ね。小6の頃だったんだけど」
茅「それってもしかして、修学旅行のときに話してた、あれのこと⁉」
海「そう、それ」
矢「すっごーい! 運命の再会だね」
不「ここからすさまじい事件がっ‼」
渚「何言ってんの、不破さん……」

 僕は思わず突っこんでから、涙があふれそうになった。

海「……その話はあとあと‼ まずは目の前の標的に集中しろっての‼」

 海の言葉に、僕は我に返った。
 そうだ。まずはみんなを助けるために治療薬を奪い取るのが先決だ。


凪海:2016/04/07(木) 20:34 ID:ySs [返信]


 銃使いの殺し屋との戦いに勝利した僕らは、やっとの思いで最上階に到達した。
 僕らは烏間先生の指示のもと、個々の役割を確認していた。
 そこで僕は気づいた。

渚「寺坂、くん?」

 思わず彼に声をかけて、そして彼の首に手をのばした。
 熱いっ!?

渚「すごい熱だよ⁉ まさか、ウィル……んっ」

 寺坂くんは慌てた様子で僕の口をおさえてきた。

寺「黙ってろ。俺は体力にだけは自信があんだからいんだよ」
渚「そんな、無茶だよ‼」

 ウィルスで苦しんでいた中村さんたちの姿が浮かんだ。
 あんな苦しそうな彼らを見てなんていられなかった。

寺「烏間の先公が麻痺ガスを浴びちまったのは、俺がヘタに前にでたからだ。それ以前に、俺のせいでクラスみんな殺しかけたこともある。こんなところで、足手まといになってたまるかよ……」
渚「寺坂くん……」

 烏間先生が出発の号令を下し、僕らは出発することになった。
 本当に大丈夫なんだろうか、寺坂くん……。

 最上階の部屋の見張り役をしていた男から、すでにルームキーは奪ってあった。
 烏間先生がそのキーでドアを開ける。
 実はさっき、律から最上階の部屋の監視カメラに潜入してもらっていた。今回の事件を引き起こした張本人と思われるその人は、僕らが泊まっているホテルにいる、ウィルスで苦しんでいるみんなが映っている映像を見ていた。
 この状況を楽しんでいるのが、カメラ越しでもわかった。
 殺せんせーがさっき言っていた。

殺「黒幕の人は殺し屋ではありません。殺し屋の使い方を間違っています」

 間違ってる?

殺「彼らの力はフルに発揮されれば、恐ろしい威力を発揮します。たとえば、カルマくん。あの殺し屋が廊下ではなく、日常的に忍び寄られていたら瞬殺されていたでしょう」
カ「そりゃね」
千「たしかに、さっき相手にしたあの銃使いも狙った的は1センチたりともはずさなかった」
殺「そうですね。では、海さん。たとえばあなたが私たちの敵であったとしたら、あなたはどうしますか。どうやって私たちを殺し尽しますか?」
海「殺し尽すって……。うーん、そうだなぁ。さっきせんせーが言ったように日常的に忍び寄るかもね。たとえば、ロビーで普通の客のフリをして、すれ違ったところを皆殺し、的な」

 怖っ。
 僕らの大半はそう思った。

殺「おそらく私がこのような姿になったので、彼らを見張りと防衛にまわしたのでしょう」

 烏間先生から指示がだされる。
 取り押さえられれば、ベスト。
 烏間先生の責任で、さっき奪った銃を使って犯人の腕を打つ。ウィルスの入った治療薬が入ったスーツケースについているのは爆弾。その起爆スイッチを押されないようにするためだ。

殺(おぉっ、ナンバ! 忍者も使うと言われていた歩法。どうりで、最近の暗殺は物音がたっていなかったわけです。決してあせらず悲観せず、皆さんは私の自慢の生徒です。だからこそ、目の前の敵に、決して屈してはいけませんよ)
?「かゆい……」

 ⁉

?「でも、そのせいかなぁ。傷口が空気に触れるから、感覚が鋭敏になるんだ」

 この、声は……。

烏「どういうつもりだ、鷹岡‼」

 椅子に座っていた犯人が、こちらを向いた。
 その顔は、見間違うはずがない。
 鷹岡、先生だった……。


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