暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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563:凪海:2016/04/10(日) 20:04 ID:ySs

>>562

 鷹岡は突然の柏手(かしわで)に驚き、体をのけぞらせた。

鷹「何が、起こっ……」

 渚はそのまま、2本目の刃――スタンガンを鷹岡にあてた。
 走る、電流っ!
 
寺「とどめさせ、渚。首あたりにたっぷり流しゃ気絶するっ……!」

 渚はスタンガンに鷹岡のあごをのせた。

渚(殺意を、教わった。抱いちゃいけない種類の殺意があるってことを、それからその殺意から戻してくれる友達の存在も……。ひどいことをした人だけど、それとは別に授業の感謝はちゃんと伝えなきゃ)

 鷹岡に、再び寒気が走った。

鷹(やめろ……。その顔で終わらせるのだけはやめてくれぇっ。もう一生、その顔が、悪夢の中から離れなくなるっ)

 渚は、笑った。
 にっこりと、なんの恐怖も殺意も抱かずに。

渚「鷹岡先生、ありがとうございました」

 スタンガンのスイッチを押した。

木「……たお、した?」
岡野「ということは……」
菅「ぃよっしゃぁぁぁぁっ‼」
磯「ボス撃破ぁっ」

 みんなの歓声が聞こえて、僕はほっとした。

海「うぅっ……」
茅「あ、海ちゃん!」

 茅野が慌てて海に駆け寄っていった。僕もヘリポートから降りると、みんなと合流した。

海「あー、疲れた……」

 海は頭をぶんぶん横に振ってから、僕を見た。

海「渚、お疲れ」
渚「海こそ」

 僕らが笑いあっていると、カルマくんが不思議そうな顔をしながら聞いてきた。

カ「ところで、海さ。さっきどうやって鷹岡から薬を奪ったの?」
海「あー、あれね。うーん、この位置から私は見えにくいのか」

 海は解説を始めた。

海「……私はまず、鷹岡の足音を聞いてどのくらいのテンポで歩いているのかを考えたんだ。そこから、鷹岡の意識の隙をついて薬をくすねた。そのままヘリポートまで全員にバレないようにゆっくり降りてきたんだ。いや、落ちたかな? 梯子なかったし」
矢「ずいぶん無茶したね」
海「あはは、そうでもないよ」

 海はゆっくりと立ち上がった。顔色はほぼよくなっていた。

烏「みんなはここで待機しててくれ。俺が毒使いの男をつれてくる」
皆「はい」
?「お前らに、薬なんざ必要ねぇ」

 声がした方を向くと、そこにはあの殺し屋さんたちがいた。

ガ「ガキども……そのまま生きて帰れると思ったか?」
烏「やめておけ。俺は回復したし、生徒たちも充分強い。これ以上、互いに不利益を被る(こうむる)ようなことはやめにしないか」
ス「ああ、いいぜ」

 ⁉
 いいの?

ガ「そもそも、ボスの敵討ちは契約に含まれてないからな。それに言ったろ? お前らに薬は必要ねぇってな」
海「どういう意味?」
ス「お前らに盛ったのはこっち。食中毒菌を改良したやつだ」

 ビンが一つだされた。それから、もう一つのビンがでてきた。

ス「ボスに言われたのはこっちだ。これを使ったら、お前らマジでヤバかったぞ」

 毒使いの殺し屋は僕らに向かって何かを放ってきた。僕は慌ててそれを受け取った。

ス「その治療薬、患者に飲ませて寝かしてやんな。毒を飲んだ時より体調がよくなったって、感謝の手紙が届くほどだぜ」

 アフターケアも完璧だ。

烏「薬が効くかどうかは生徒に飲ませてからだ。それまでは防衛省でお前らを拘束させてもらうぞ」
ガ「ま、しゃあねぇな」

 ヘリポートにヘリが止まった。
 殺し屋さんたちがヘリに乗ろうとしたところで、カルマくんがグリップという殺し屋の前に立った。

カ「ねぇ、おじさんぬ。俺のこと、殺したいほど恨んでないのぉ?」
グ「俺は私怨で人を殺したことはないぬ。殺してほしければ、狙われるぐらいの人物になるぬ」

 グリップさんはカルマくんの頭をたたくと、ヘリに乗りこんだ。

海「双子の殺し屋さん、さっきはごめんね。急に襲いかかったりして」

 海?

デ「別に気にしてない」
ダ「そうね。驚きはしたけれど。でもね、かわいい殺し屋さん」

 トゥイードルダムが海の顔を正面から見て言った。

ダ「私から言わせてもらうと、あなた。1人で戦うよりも大勢で戦う方が向いてると思うわ。どうして再び殺し屋の前に姿を現したかは知らないけど、あなたは周りを信じて戦いなさい」
海「むぅ……、なんかムカつく」

 海は不満そうに口をとがらせた。


凪海:2016/04/10(日) 20:29 ID:ySs [返信]


 僕らは泊まっているホテルへ戻るため、ヘリに乗りこんだ。

海「烏間先生、さっきはいい判断ありがとうございました」
烏「いや。あれで正しかったのか、俺には判別しかねたぞ」
海「私だけじゃ、あのピンチは切り抜けられなかったんで良かったですよ。あ、それと先輩には連絡しました?」
烏「ああ、イリーナのことだ。おそらくそのままホテルへ戻ってくるだろう」

 僕は寺坂くんにお礼を言った。

渚「ありがとう、寺坂くん」
寺「あ?」
渚「あのとき、声をかけてくれて。間違えるとこだった」
寺「ケッ、てめぇのために言ったわけじゃねぇ。仲間が1人減ればタコ殺す戦力が減るじゃねぇか」

 僕はほっとして言った。

渚「うん、ごめん……」

 ホテルに戻ると、僕らはウィルスで苦しんでいたみんなにもう大丈夫なことを伝えた。それぞれの無事を確認すると、僕らは泥のように眠り、起きたのは次の日の夕方だった。

茅「渚、もう平気?」
渚「うん」
杉「みんな体育着だな」
木「まぁ、これが1番動きやすいしな」
不「2日分の私服、全員分考えるのはエグすぎるしね」
渚「何言ってんの」

 海があくびをしながら現れた。

海「あー、寝たりない……」
茅「あ、海ちゃんは和服だ」
海「体育着持ってくんの忘れてたみたい……。代わりにもう1枚和服あったから着ちゃった」

 僕らは視線を海辺に移した。

木「烏間先生は?」
渚「不眠不休で指揮とってるよ」
磯「疲れも見せず、すごい人だな」
前「ああ見えて、ビッチ先生もすごい人だし」

 殺せんせーは今、海上に設置されている巨大爆弾の中にいる。

海「果たして成功するかなぁ」

 爆発音がとどろいた!

杉「爆発したぞっ‼」
木「殺ったか⁉」

 とはいえ、みんな結果はわかっていた。
 頭の上に、何かが乗るような感覚がした。

殺「みなさん。敵と戦い、ウィルスと戦い、本当によく頑張りました」

 そこにいたのは、殺せんせー。もうすっかりタコ型に戻っていた。

渚「おはようございます、殺せんせー」
倉「おっはー」
殺「おはようございます、みなさん」

 僕らは殺せんせーのことを、笑顔で出迎えた。

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 夏休み編、終了! ここから大幅に飛ばします。えーっと、普久間島での最後の日とか、夏祭りの話、竹林の話も……。
 その前に、番外編ですね。リクがあった千速っ! それからAさん。私があなたのリクに答えてもよろしいかな??


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