暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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569:凪海:2016/04/10(日) 23:48 ID:ySs

>>566

 かわいらしいカフェ店に着いた。

海「お昼まで時間あるけど、どうする? やっぱりレストランにでも行く?」

 僕はカフェ店に着いてから気づいた。そっか、これはデートじゃないんだ。目的は他にあるってことか。

海「渚?」
渚「あ、大丈夫だよここで」
海「そっか。なら入ろう」

 僕らがカフェ店に入ると、店員が明るい声で「いらっしゃいませー」と言った。

店「何名様ですか?」
海「2人です」
店「どの席にいたしましょう?」
海「えーっと、テラス席空いてますか」
店「はい」

 テラスに移動して、僕らはそこの一番端の席に座った。

店「ごゆっくりどうぞ」

 海は早速メニュー表を見ていた。

海「この前のプリン爆殺計画、おしかったなぁ。でも、結果的にプリン食べられたし、いっか」
渚「そうだね」

 海はメニューを見て、やがて満足したようにうなずくと僕に渡した。

海「ここのショートケーキは絶品でさ、でも今日は違うのにしよっかなぁ」
渚「海は甘い物好きだね。なんか、殺せんせーみたい」

 あれ?
 何気なく口にしただけなのに、海が驚いたような顔をしている。

渚「海?」
海「え、あ、なんでもないよ。うーん、殺せんせーと一緒にされるのは嫌だなぁ。だって私、人間だし」

 あはは。

店「注文はお決まりですか?」
海「渚、平気?」
渚「うん。決まった」
海「じゃあ、えーっとこのチョコパフェとアップルティお願いします」
渚「僕はミルクティで」
店「かしこまりました」

 店員が去っていくと、海はメニュー表をたてかけた。
 そのとき、袖の内側――というか、腕が見えたんだけど。

渚「海。それ、どうしたの?」
海「え?」
渚「ほらそこ、怪我でもしたの?」
海「⁉」

 海は慌てて袖を引っ張りその傷を隠した。
 そう、傷だった。けっこう長めの線が数本入っていたんだ。

海「これは……、小さい頃にちょっとあってね」
渚「そうなんだ」

 聞いちゃいけなかったかな。
 話題、変えよう。

渚「それにしてもびっくりしたよ、海。まさかあの時の……ジャンヌだっただなんて」
海「懐かしいなぁ、その名前」
渚「今思うと、海って名前にも納得だよ。だって海さ、『名前を知っちゃうと愛着が湧いちゃうから互いに偽名を名乗ろう』って言ったから」
海「潮田渚。たしかに、海っぽい名前だよね」

 そう、僕は海の前で「僕は海って名乗るよ」って言ったとき、とても彼女は驚いていた。そのとき、僕は不思議がるしかなかったんだけど、今思えば本名がそれの人に同じ名前を名乗ったんだから、変な話だ。

渚「そうだ、海。これ返すよ」

 僕は頭の上に手をやって、それをはずした。 
 そう、3年前に海が再開の印に僕にくれた物。それは帽子だった。

海「いや、持ってていいよ」
渚「でも、なんか悪いし……」
海「それは特注品なんだ。だから、渚に持っていてほしい」
渚「それじゃあますます……」
海「いいからいいから」

 海はそう言って自分の頭に手をやった。

海「その代わり、このヘアピン。もらってもいいかな?」
渚「あ、うん。いいよ」

 このデートの本来の目的。

渚「海、あのときはありがとう。僕を助けてくれて」
海「うん? ああ、3年前のね。別に気にしなくていいよ。そんなことよりさ、渚。真剣な話。私に聞きたいことがあったんじゃないの?」

 店員さんがパフェと紅茶を置きに来た。海はさりげなく「ありがとうございます」とお礼を言ってから、パフェにぱくついた。

海「う〜ん、やっぱおいしいなぁ……。今度もう1度カエデと来よっかなぁ」

 僕は視線をそっと店内に向けた。
 ちょうど茅野が海とまったく同じ商品を食べているところだった。
 ここにいるよ、茅野は。

渚「聞きたいことは、特にないよ。ただ、お礼を言いたかったんだ」
海「あ、そうなの? ……もぐもぐ」

 って、もう完食しそうじゃん。
 僕は驚きあきれる思いでそれを見つめた。

渚「あえて質問があるといったら、ちょっと1つだけ」
海「うん?」

 僕は深呼吸を1つした。

渚「海はどうして、殺し屋になったの?」

 瞬間、海は殺し屋の目になった。


凪海:2016/04/11(月) 00:06 ID:ySs [返信]


 僕は少し怖気づいた。でも、これだけは聞いておかなきゃいけない。
 きっと僕らがあった3年前。あのときからすでに海は、殺し屋だったんだから。

渚「海、どうして君は殺し屋になったの?」
海「聞きたいの? それ。どうしても」

 僕は真剣な目をしてうなずいた。海は紅茶を一口飲むと、口を開いた。

海「人間、誰しもそうなりたいと願うための、それ相応の理由がある」

 不思議な言葉から、海は始めた。

海「野球選手のプレイにあこがれて、少年はプロ野球選手を目指す。親の背中を見て、自分もそうなりたいと願う。またはポジティブな理由ではなく、ネガティブな理由である場合もあるんだ。私にだって、それなりの理由があり、殺し屋になった」

 そして、紅茶をもう一杯飲んだ。

海「渚、私が殺し屋になった理由はね。至極簡単なんだ。私が殺し屋になった理由、それは……

















































殺し屋を殺すため、なんだよ」

 え?


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