暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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659:凪海:2016/04/13(水) 22:49 ID:ySs

>>649

「凛香、大丈夫?」
「うん、平気……」

 私は家に帰ると引きこもってしまった。母さんが心配して様子を見に来るけど、どう言えばいいのかわからないから、とりあえず「大丈夫」や「平気」を連発するしかなかった。
 すると突然、LINEの通知を知らせる音が鳴った。

「千葉⁉」

 慌ててスマホを見ると、そこに表示された名前は矢田だった。

「やっほー、凛香」

 私はちょっと落胆した。

「何?」

 そう返信すると、矢田の返事は意外なものだった。

「なんか落ち込んでる? いつもより返信が短い気がする(・_・;)」

 私は驚いた。
 そんなに私、落ち込んでた?

「なんでわかったの?」

 そう聞くと、

「わかるよー。だって1年くらい一緒にいるんだよ! 何かあったの?」

 私は泣きたくなった。

「電話、してもいい?」
「え、いきなり⁉ 別にいいけど」

 私は矢田に電話をかけた。

『大丈夫?』

 第一声がそれだった。

「どうしよ、矢田……」

 声が自然と涙声になっていた。

『えぇっ⁉ ちょっと、本当に大丈夫なの?』
「ダメ、かも……」
『え、え、どうしよ‼」
「いや、そんな慌てることない……」
『でも、ダメって』

 私は流れていく涙を服の袖(そで)でぬぐった。

「私、今日。千葉に冷たくしちゃった……」
『あー。それで落ち込んでたのかぁ』
「どうしよう……」

 渚は今日、私のことをすごいって言ってたけど、全然そんなことない。すぐに折れちゃうし。自分にやっぱり、自身がないんだ……。

『ねぇ、凛香』

 矢田の声が耳に届いた。

『どうして、千葉くんに冷たくしちゃって「どうしよう」って思っちゃうのか。そんなに心が苦しくなっちゃうのか。もう一度よく考えてみたら?』

 考える?


凪海:2016/04/14(木) 02:02 ID:ySs [返信]


 私は一晩、色々と考えてみた。
 私が千葉に対して抱いている罪悪感とか、そういうものを。
 でも、考えれば考えるほど、ますますわけがわからなくなっていった。気づいたときには、朝になっていた。
 どれだけ考えすぎたのだろうか、私は。
 それに、寝不足に等しいから気分も悪い……。

「凛香、入るわよ」
「うん」

 母さんが部屋に入ってきた。

「顔色悪そうね。大丈夫?」
「平気」

 すると母さんはため息をついた。

「あなたはそうやって、いつも本心を隠そうとするのよね……」

 え?
 いきなりそんなことを言われるとは思っていなかったから、ぽかんとした。

「今日は休みなさい。母さんは午後からちょっとでていかなきゃいけないから、とりあえずお昼はコンビニでなんか買っておいてあげるから」

 母さんはそう言って私の部屋からでていった。
 私はすぐにLINEで矢田に連絡した。

「体調が悪いから学校を休むことにします」

 すると、すぐに返信がやってきた。

「平気なの? 昨日からずっと変だったけど……」
「別に行ってもいいんだけど、母さんに『休め』って言われたから」
「そうなんだ。それじゃ、体に気をつけてね」
「ありがとう」

 会話を終えると、私は急に襲ってきた睡魔に勝てず、ゆっくりと目を閉じた。


 家じゅうに鳴り響くドアフォンの音で目が覚めた。
 うん。さっきより冴え冴え(さえざえ)としてる。どうやら寝不足だったみたい。 
 私は午後になったら母さんが家にいないことを思いだし、慌てて玄関へ行ってドアを開けた。

「すみません、待たせました……」
「よっ」
「千葉……」

 学校から帰ってきたばかりという出で立ちの千葉が、そこには立っていた。


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