>>789
海「で、これは何の騒ぎ?」
茅「イトナくんが町で暴れてるの」
海「ふぅん」
海はあんまり興味なさそうだった。まぁ、基本彼女は自分に関係なさそうだと、興味なくすんだよね。
カ(シロの性格はだいたいわかった。あいつにとって、周り全てが当たればラッキーの使い捨ての駒。ああいう奴は、何をしてくるか戦術が読めない)
「ほっといたほうが賢明だと思うけどね」
カルマくんの言葉に、僕らは黙ってしまった。だけど、殺せんせーは。
殺「それでも、教師として彼をほっとくわけにはいきません。どんなときでも生徒からこの触手を離さない。せんせーは先生になるとき、そう誓ったんです」
その夜
破壊された携帯ショップの近く。そこでイトナくんを見つけた。
イ「勝てる強さが、欲しい……」
殺「やっと人間らしい顔を見られました、イトナくん」
イ「にい、さん……」
殺「殺せんせーと呼んでください」
イ「うるさい、勝負だ。今度は、勝つ……」
イトナくんは弱りきった目をしながら、殺せんせーをにらみつけていた。
殺「勝負してもいいですが、お互い国家機密の身。どこかの空き地でやりませんか? それが終わったらバーベキューでもしながら、一緒にせんせーの殺し方を勉強しましょう」
カ「そのタコ、しつこいよ〜。ひとたび担任になったら、地獄の果てまで追ってくるから」
殺「当然です。目の前に生徒がいるのなら、教えたくなるのが先生の本能です」
そこへ。
ドーーーーーンッ
なっ!
イ「ぐっ」
殺「⁉」
シ「これが第二の矢。イトナを泳がせたのも、予定のうちさ」
この声は、シロ⁉
白い煙の中で前がよく見えなかったけれど、イトナくんに向かって何かが放たれたのがわかった。
シ「さて、イトナ。これが君への最後のご奉公だ」
エンジン音がしたかと思うと、何かが走り去っていく音が聞こえた。
煙が晴れた向こう側では、ネットに入ったイトナくんが軽トラックに引きずられるようにして走り去っていく姿だった。
殺「みなさん、大丈夫ですか⁉」
磯「多分、全員なんとか……」
殺「では、せんせーはイトナくんを追いかけます!」
マッハで飛び去っていく殺せんせー。
三「俺らを気にして、回避反応が遅れたな……」
海「ゲホッ、ゲホッ……⁉」
茅「海ちゃん、大丈夫?」
海「……うん、気管に入っただけだから、平気……」
海、まさか……。
寺「あんの、シロやろ〜。とことん駒にしやがってぇ……」
海の手、暗くてよく見えなかったけど濡れていた。
いったい、どうして?
殺せんせーはイトナにやっとのことで追いついた。
すぐさま彼の近くに寄ろうとすると、
カッ
殺(こ、これはっ! 私の動きを鈍らせる光っ‼)
続いて放たれる、対せんせー弾。しかし、その方向は殺せんせーではなく、イトナへと向かっていく。
シ「お前は自分以外が狙われると、途端に反応速度が落ちる。結局お前も、自分のことしか考えていない奴だ」
殺「にゅ、にゅ、にゅーーーーーっっ‼」
殺せんせーは着ている服でなんとか対せんせー弾がイトナに当たらないように守っているが、限界が近づいている。
万事休す、かと思われたが。
ドカッ
部下「ぐぉっ」
寺「これ、対タコ用に作られた服だろ? おかげでタコの代わりに俺らが落とさなきゃなんねーだろーが」
寺坂くんが木の上にいたシロの部下の1人を蹴り落とした。
僕らはカルマくんや前原くんや寺坂くんや岡野さんが次々と落としていくシロの部下たちを片っ端から簀巻き(すまき)にした。
シ「なっ!」
カ「こっち見てていいの、シロ? 俺らに注意を向けてたら、ネットなんてあのタコに根元からはずされちゃうよ〜」
シロが後ろを振り向いた頃には、すでに殺せんせーはイトナくんを捕らえていたネットの根元を壊していた。
殺「シロさん、あなたは周到に計画を練りますが、生徒を巻きこめば必ずその計画は台無しになる。イトナくんをこのクラスに残して早く去りなさいっ!」
シ「モンスターにコバエが群がるクラス、か。大層うざったいね。いいよ、そんな子はくれてやる。どうせ、もって3日の命だ」
シロはそう言い残して、部下と共に軽トラに乗りこみ、走り去ってしまった……。
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ま、大方知っての通り、このあと寺坂組がイトナを助けてイトナは正式にE組加入だね。
そこからさらに飛ばして、次からは体育祭行きまーす!