暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part4♪

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872:凪海◆3A:2016/04/17(日) 17:54 ID:ySs

 渚が茅野にキスする少し前を書く。

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>>858

カルマside

 これはちょっとまずいなぁ。

「相当酔いが回ってるみたいだね」
「あれで町の中うろつかれたら、大騒ぎになるんじゃないか?」
「うーん……律」
「はい」

 俺は律を呼び出した。

「急いで茅野ちゃんのスマホに連絡して」
「わかりました」
「? どうして渚くんではないのですか?」

 奥田さんの問いに俺は答えた。

「あんな状態で話をつけられるのはおそらく無理っしょ」
「そ、そうですね……」

 しばらくすると、律が戻ってきた。

「す、すいません」

 何故に謝る?

「茅野さんと連絡を取ろうとしたのですが、渚さんに取り上げられてしまい……、挙句電源を切られました」
「……渚くんのは?」
「渚さんの方もです」

 まずい……。

「急いで学校に戻ろう。みんな、超体育着を着て」
「おっ、そっか」
「わかった!」
「それから修学旅行のときの班になって、手分けして2人を探すよ」

 俺らは即座に学校に戻った。


磯貝side

 フリーランニングを使って、俺たち1班は上から行くことにした。

「にしても、どうして渚のだけ酒だったんだ?」
「茅野っちが盛ったっていうのは、まずありえないよね……」
「そのことなんだけど、さっき不破さんが言ってたのよ」

 片岡の話によると……。

 家庭科室にて、不破はお茶の入ったボトルとお酒の入ったボトルを交互に見ていた。

「お酒の入ったボトル、お茶の入ったボトルと似てない?」
「たしかに……」
「お茶がなくなって、冷蔵庫を開けるとお酒のボトルがあった。でも、見た目的にそっくりだから、おそらく茅野さんはお酒のボトルをお茶のボトルと勘違いしたんじゃないのかな」

「その線はありうるかもな」
「あ、カエデちゃんたちはっけーん!」

 倉橋の声に、俺たちはそっちの方向へ急いだ。

「どこだ!」
「ほら、あそこ」

 下を見ると、たしかに2人だった。

「あ、いたぞ!」

 茅野がすぐに俺たちに気づいた。

「ねぇ、磯貝くん! 渚がおかしいんだけどっ‼」
「それは……」

 俺が理由を話そうとした瞬間、渚がこっちに銃を放ってきた!

「うぉわっ」
「渚⁉」

 なんだ、対せんせー弾か。
 焦ったー。

「ちょ、危ねぇじゃねぇか‼」
「うるさい……」

 渚、なんか様子がおかしいぞ。

「これ以上僕らの邪魔をするようなら、誰であろうと容赦しないからっ‼」

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 そんなに変わらんかったなぁ……。 
 許してほしい<(_ _)>


凪海◆3A:2016/04/17(日) 19:19 ID:ySs [返信]


カエデside

 渚……。

「渚、戻ってよ!」
「何が? 僕は普通だよ……、ほらカエデ、行くよ」
「え⁉」
「ちょ、待てよ!」
「おい、カルマ。聞こえるか?」

 私はまた渚に引っ張られて走りだす。
 やっぱり、変だよ……。こんな渚、渚じゃない!

「渚……」
「また、しゃべろうとする……」

 そう言って、またキスをしてきた。
 私は、泣きたくなってきた……。

「カエデ?」
「うっ……うぅっ……」
「それとも、『あかり』って呼んだ方がよかった?」
「ねぇ、渚はさ」
「うん?」
「私のこと、好き?」
「好きだよ」

 き、聞いてから後悔……。
 破壊力が……いやいや、今はそんなこと気にしてらんない!

「誰よりも好きだよ」

 本当の渚だったら、そういうこと即答しない。でも、目の前にいる渚は偽物じゃないこともたしか。1年間、ずっと隣にいた私だからわかる。

「だったらさ、渚。本当の渚に戻ってよ……」
「まだ、やだね」

 ?
 まだ?
 今、まだって言った?

「だって、こんなに楽しいんだもん!」

 たの、しい……。
 渚は目をキラキラ輝かせていた。

「今までにないくらい、楽しい!」
「本当に楽しいの?」

 そう聞き返すと、渚がこっちをにらむように見てきた。
 私は、ちょっとビビった。

「じゃあ聞くけどさ、あかり。今まで茅野カエデとして過ごしてきて、自分の本音すら隠して。僕がそんな子に向かって嘘をつくとかあり得ると思う?」

 たしかに、演技をするなんてありえないけど……。
 途端に渚が悲しそうな表情を見せた。そして、ぺたんと地面に座って、体育座りをした。私もなんとなく、その隣に座った。
 渚は、私の方をじっと見てきた。私も、なんとなく渚を見ていた。
 そして、そのまま……。

 パンッ

「⁉」

 渚が私を引っ張った。
 あ、危なかった……。

「この射撃、千葉くんと速水さんだね」
「よくよけたな」

 渚の視線の先には、渚の言った通り、千葉くんと速水さんがいた。

「何か用?」
「今すぐ学校に戻って」
「やだ」

 なんか、わがままな子どもに見えてきたよ。

「茅野だって困ってるわよ、そんなに振り回されて」
「うるさいなぁ……」

 渚がチラッと私を見てきた。

「あかり、逃げて」
「に、逃げる⁉」

 逃げる必要ある⁉
 てか、そもそもの話。みんなが私たちを追いかけているのは、渚のためであるわけで……。

「早くっ‼」
「え、あ、はいっ!」

 渚の気迫に圧されるまま、私は走りだしていた。


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