少しづつでも本編を書かなければ。
と思った。
……故の、これ。
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いきなり幾つかの神気が降りてきて、凄い勢いで掻っ攫われたと思ったら、それは勾陣だった。
たとえそれが神将であったとしても、女の人に抱きかかえられるというのは、どうなんだろう。
「昌浩は、純粋で天然で優しくて、多少抜けてはいるが、可愛いくて心が真っ白なんだ。それを、お前達に渡せる訳がないだろう」
ーーー俺は、神将達にどう認識されているんだろう。
出来れば、将来有望の立派な見習い陰陽師、とでも言って欲しかったのだが、もういい、諦めよう。
不穏な空気を漂わせながら六合が目を細めたので、慌てて止めに入る。
「あ、あのさ、皆、落ち着いて。
それから、降ろしてくれないかな?」
「断る。お前を届けるまでが、私達の役目だ」
昌浩のささやかな願いが、聞き遂げられる事はない。
はあ、と脱力した昌浩。
ーーー何かが、頭に引っかかった。
「役目?」
役目という事は、これは命令なのだろうか。
しかし、十二神将を従え、命令を下す事が出来る人物は、ただ一人。
その人物が、己を助けるために神将を遣わすとは思えない。
ならば、何故。
そうこうしているうちに、決着はついていた。
>>264の続きっ!
そして駄文っ!
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そうこうしているうちに、決着はついていた。
「………昌浩…」
六合、敗北。
勝者、勾陣。
どうやら、勾陣と共にやって来た他の神将達が六合の相手をしていたらしい。
昌浩を抱えたままの勾陣は、目を細め、口端を吊り上げる。
「…当然の報いだ」
こ、勾陣さん!?
今、背中を冷たいものが駆け抜けて行きましたけどっ!?
というか、いい加減降ろして頂きたい。
「もう!自分で歩けるってば!」
「ああ、悪かったな。さあ、行くぞ太陰」
昌浩の足が地面に降りた瞬間、今度は猛烈な旋風に巻き込まれた。
「うおっ!?」
思わずよろめいたが、後ろから朱雀が支えてくれた。
「あ、ありがと…」
「気にするな」
…いつからいたんだろう…。
太陰も、勾陣が呼ぶまで気がつかなかった。
混乱していたのもあるが、主な理由としてはずっと勾陣の腕の中にいて、周りが見えなかったからというのもあるだろう。
「邸に着くわよっ!」
「えっ!?ちょ、まっ……!」
ずどーん。
「いててて……」
何故こうも、太陰の風は荒いのか。
白虎の風で来るという手はなかったのか。
背中を思い切り打ってしまった昌浩は、顔をしかめながら立ち上がる。
他の神将達は、涼しい顔で降り立ったのだが。
「ほら、昌浩、急がんか。随分待たせてしまったぞ」
「あ、ありがとう勾陣。
そうだね、急がなきゃ……ん?」
待たせて…?
俺、誰か待たせてたっけ?
立ち止まって瞬きを繰り返す昌浩の耳に、ぱたぱたと微かな足音が届いた。
勢いよく、妻戸が開く。
「昌浩、おかえりなさい!」
「彰子…!?」
いつも以上に元気よく…というか、輝かんばかりの笑顔で出迎えてくれた彰子に、昌浩は戸惑う。
「昌浩待ってたんだぞ!俺を忘れるなっ!」
彰子の後ろから声が響き、白いものが昌浩の胸に直撃した。
「うぐっ!」
昌浩がかろうじて受け止めたもの。
それは、とうの昔に忘れ去られていた物の怪だった。
「ほらな。待っていると言っただろう」
「俺たちは、彰子姫からのお願いで、お前を連れ戻しにいったわけだ」
「彰子姫と騰蛇、ずうっとあんたの帰りを待ってたのよっ!」
口々に言う神将達。
その間も腕の中の物の怪は、瞳をうるうるさせながら、ぶんぶん首を縦に振っていた。
なるほど。あの後紅蓮は、すぐさまこの邸に戻ったのだろう。
彰子に事情を話し、勾陣達に昌浩を取り返しに行ってもらった訳だ。
ーーーふと思った。
六合はどうなったのか?
一人寂しく異界に…なんて事はないだろうか。
もしそうだったら、少し悪い事をしてしまったなあ、なんて思ったりもする。
「おーい、昌浩ー?聞いてるか、昌浩ー?」
我に返ると、物の怪がぺちぺちと自分の頬を叩いている。
「ああ、ごめん、ちょっと考え事してた」
「ったく昌浩の奴め、軽々しく六合に攫われやがって。気を抜いてるからだめなんだぞ。
俺を置いて、勝手に何処かへ行くな」
拗ねたように顔を逸らした物の怪を見て、彰子がくすくすと笑う。
それにつられて、昌浩も笑ってしまった。
「あ、笑ったな!?今お前、笑っただろう!」
騒いでいる物の怪を、勾陣が無言で連れていく。
「ほら、お前達も部屋に戻るぞ」
「離せ勾っ!自分で歩ける!」
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昌浩>>えっ、中途半端…!
(仕方がないじゃんっ!充電がないんだよぉっ!)
多分次で終わるよっ!
駄文すみません…っ!汗