-マジュside-
私たち11人『メカクシ団』は、ショッピングモールに来ている。
「こんなに服がたっくさん!!あ〜♪」
マリーは、宝石のようにキラキラした洋服を見て、目を輝かす。
「マリー、欲しかった服があったら買ってやるっすよ」
「ほんとっ!?じゃ、じゃあ…これとこれとあれとそれと……」
「わかったっす全部買うっす」
「おい、セト…マジで言っているのか…」
メカクシ団の団長もといキドはセトに冷静に突っ込みをし、セトは「マジっすよ」とあっさりと返した。
「でも、マリー引き籠もるから買っても意味ないよね?あはははは!!」
「……プツン」
「あはははは!!は…」
バカノはマリーの『目を合わせる』能力とメデューサのチカラで動きが止まった。
「さて、バカノさんは置いといてさっさと買い物を済ませましょう!」
『そうですね、あんなバカノに付き合っている暇があったらそうしましょう』
私がそう言うと、バカノ以外全員はすたすたと行った。
*
「マジュちゃん、似合っているよ」
『そ、そう?あ、ありがとう……』
「くだらねぇ〜…」
「シンタロー、そんなこと言っちゃ駄目だよ」
「そうですよ!ご主人!!ご主人みたいな豚野郎にはそれなりの用があって来たんじゃないですかっ!!」
「豚野郎ってなんだよ!!豚野郎って」
シンタローとエネの会話に私は少し笑っていた。
「……」
『コ、コノハ!?か、影薄いですね…』
「そう…?」
『はい…』
私たちが少しぐたぐたした会話をしているとヒビヤが乱入してきた。
「おばさんとおじさんたち早くしてよ」
『今、なんか言った?』
「私が後で蹴ったり、ぶん殴っておきます」
『あ、はい…』
ガチャンッ
「…!?」
「な、何!?」
『あれ、見て下さい!!』
私たちが見たのは警報が流れていて、目の前のシャッターが閉まるというもの。
私たちは急いで走ったけど、マリーとセト、ヒビヤ、ヒヨリ、シンタロー、エネ、アヤノは走り遅れて別々になってしまった。
『みんなっ!!』
「どうすればいいんだ!?」
「キド!!私たちは別々から抜けて後で合流をしましょう!!」
>>517のつづき
「団長さん、どうしますか!?」
「どうすんだって言われてもな…」
「キド、如月ちゃん、方法はあるはずだよ?」
「ん?どういうことだ?」
「はい?」
バカノは私を見てウインク的なことをした。
『あっ!!私に任せて下さいっ!!』
「ん?いいだろう」
私は目をゆっくりと閉じ、心を落ち着かせ、能力を発動させる。
『…………!!』
「(よくやるねあの子、ただ者じゃなさそうだね…)」
「ね、ねぇマジュちゃん、何の能力を行おうとしているの……?」
『私の能力は特殊、セトの『目を盗む』能力、ヒビヤの『目を凝らす』能力…そして…『目を動かす』能力…この3つを上手くコントロールして行っている』
「能力ありすぎだろ!?」
『確かに、私は結構持っているからコントロールも最初はムリでした。今でも、少し負担が掛かります……』
「じゃ、じゃあ…どうしてっ!!」
モモは私にムリをしようとしないでほしいという気持ちで止めようとする。
『(それしかないんだ…)っ!!』
「どうした!?」
『近くに制御室を見つけた…けど、そのロックがいろんなところで掛かっている』
「そんな!!」
「マジュちゃん、それは何ヶ所くらいですか!?」
『6ヶ所はある……』
「え〜…つらいじゃないですかぁ〜…」
「僕なら行けます」
『確かに、マーブルくんの能力なら…なんとかなります…』
私はマーブルくんに合図をして、能力を発動する。
マーブルくんの能力はセトとヒビヤの能力と『目を移す』という能力を持つ。
つまり、マーブルくんは瞬間移動ができる、でも、私みたいに多めに使うことはできないというデメリットがある。
「マーブル、任せたぞ」
「はい」
そう言って私たちは1ヶ所目のロックを解除しに行く。