暗殺教室〜もうひとつの物語〜Part5♪

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369:凪海◆L6:2016/05/02(月) 01:27 ID:ySs

>>270

海「教えてほしいこと?」

 僕はカイの問いかけにうなずいた。
 どこかから、僕らを呼ぶ声が聞こえてきたけれど、僕らは互いに黙ったまま。その声に反応しなかった。

渚「例えば……、海があの時僕にしたこと。あれは、一体……」

 あの時とは、僕が海に誘われてカフェ店に行った、あの時だ。(「part4 590,636」)

海「そのことについては、俺には何も言えねぇよ。それに、俺が持っている思いや行動の決定権は俺じゃなくて海。俺は口出しできるほど偉い立場にはない」
渚「………」

 僕はずっと気になっていた。海はもしかしてって、ここ最近。何度も何度も思うことがあった。
 雨の日は体調が悪くて、プールや海で泳げなくて、甘い物が大好きで……。
 考えすぎなんじゃないかって、思われるかもしれないけど……。正直、聞くのも怖いし。

海「なぁ、潮田」
渚「何?」
海「お前、海のこと好き?」

 僕は何を聞かれているのかわからず、ぽかんとした。それから、しばらく色々考えて……。

渚「ま、ままままま待った。それ、どういう意味⁉」
海「どういう意味って……、あぁ、そういうことね。別にどの好きでもいいよ。友だちとしてでもいいし、異性としてでもいいし」

 そ、そういうことか。

渚「好きだよ」
海「昔と変わらず?」

 僕はうなずく。
 だって今、ここに僕がいられるのは、海のおかげでもあるんだから。

海「そ。なら、約束をしてほしい」
渚「やく、そく?」

 今度はカイがうなずいた。
 口が、動く。
 とまることなく、スラスラと。
 まるで、朝に「おはよう、いい天気だね」と言う日常会話のように……。
 彼の口が止まった時、僕は驚愕のあまり何も言えなかった。

海「……それが俺の、俺たちの願い。お前への約束だ」

 僕は、胸が苦しくなるのを感じた。
 なんで、どういう意味? 何がしたいんだ。
 わからない、わからない、わからない……。彼が、そして海がどうしてその結論に至ったのか。どうして、その選択をしているのか。
 そして、そのとき。僕に何ができるって言うんだ……。
 そこへ。

カ「……渚くーん、カイー」
渚「カ、カルマくん」
海「おー、お疲れ」
カ「お疲れじゃなくてさ、もうみんな集まってんだけど、そろそろ帰ろうぜ」
海「え、もうそんな時間⁉ やっば、俺そろそろ寝るわ。おやすみ」
渚「え⁉ 寝るって……」

 僕は驚いてカイに声をかけたけれど、彼はすでに寝ていた。
 その寝顔を見て、僕は逆にとても安心感を覚えてしまうのだった。


凪海◆L6:2016/05/03(火) 01:14 ID:ySs [返信]


カルマside

 ったく、あの2人どこ行ったんだよ。

「渚くーん、海…でいいんだったかな」

 たしか片岡の話だと、体育館裏にいるって言ってたよな。
 俺はそこに行くことにした。
 そこで。

渚「好きだよ」

 ⁉
 そっと、のぞくようにしてそちらを見た。
 そこには渚くんとカイがいた。
 もしかして告白か?
 これはからかいのネタになりそうだ……。

海「そ。なら、約束してほしい」
渚「やく、そく?」

 うん?
 告白した割に、空気がイマイチ暗くない?
 カイの口が開いた。

海「海はいつか、クラスメイトの誰かを殺す」

 ⁉

渚「何、言って……」

 渚くんが驚くのも無理はない。俺も、驚くよりほかない。
 クラスメイトの誰かを殺す、だって?
 

海「そのとき、お前は海の助けになってほしい。海が、誰も殺さないで済む方法を。海が、幸せになれる方法を。それが俺の、俺たちの願い。お前への約束だ」

 そろそろ、でるときか?

カ「……渚くーん、カイー」
海「カ、カルマくん」

 渚くんが青ざめた顔をしながらこちらを見た。



渚side

海「ふぁーあ、よく寝た」
渚「おはよ、海」
海「あれ、ここどこ?」
カ「体育館裏だよ。てか、もうみんな帰り始めてるから早く帰ろうぜ」

 僕らはみんなと合流した。

茅「あ、来た」
前「ったく、どこ行ってたんだよ」
海「ごめんごめん」
磯「じゃ、帰るか」

 僕らはうなずいてE組の校舎めがけて歩きだした。
 その道すがら、僕は海の言葉を思いだしていた。

夏休み

海「あ、そうだ。渚。これだけは教えておかないと分が悪いかも」
渚「え?」

 僕が不思議に思っていると、海は、僕の耳もとにそっと自分の顔を近づけてきた。
 え、何してんのさ!
 僕は慌てて身を引こうとしたけれど、海の言葉で、思わずとまってしまった。

海「君には、あの教室の真実が見えていない」

体育館裏

渚「やく、そく?」
海「海はいつか、クラスメイトの誰かを殺す」


海「どうしたの、渚」

 海がこっちを向いてきた。

渚「……ううん、何でもない。行こう」
カ「………」

 この教室で、何が起きているのか。僕にはまだわからない。
 でも、たとえどんな未来が待っていても。
 僕らは……。


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