>>418
死「言っとくけど、そのペロペロ続けたら全員の首輪爆破してくよ」
海「………」
殺せんせーががっくりと肩を落とした。
当たり前だろ。
死「海、君にはこれを渡しておくよ」
海「だから気安く呼ぶなっ!」
死神が海に何かを渡す。海はそれを見てすぐに耳にはめたあたり、通信機か何かだろう。
死神が「放水路に水を流す」と言って立ち去ろうとすると、烏間先生が死神の肩をがしっとつかんだ。
死「なんだい、この手は。政府としては大助かりだろう」
烏「日本政府の見解を伝える……」
烏間先生は、死神をなぐった!
烏「28人の命は、地球より重い。もしお前が生徒ごと殺す気なら、俺が止める」
殺(か、かっこいい……)
死神が走り去る! その後ろを烏間先生が追いかけていった。
ビ「たしかにカラスマも人間離れしてるけど、彼はそれ以上。あのタコですら簡単に捕らえたのよ?」
倉「ビッチ先生、本気なの?」
カ「怖くなったんでしょ。プロだプロだ言ってたあんたが、ゆるーい学校生活で殺し屋の感覚を忘れかけてて、俺ら殺してアピールしたいんだよ。『私、冷酷な殺し屋よ〜』って」
俺が挑発するように言葉を投げかけると、ビッチ先生は自分の首についていた俺らと同じ首輪を投げてきた。その首輪は檻に引っかかった。
ビ「私の何がわかるのよ……。考えてもみなかったのよ! 自分が、こんなフツーの世界で過ごせるなんて。私の世界は、そんな明るい世界じゃないっ……」
海「………」
死『イリーナ、手伝ってほしい。爆弾を仕掛けたから、烏間がてこずっている間に背後から撃て』
ビ「わかったわ」
ビッチ先生が走り去っていった。
海「……殺し屋の世界は、E組みたいに温かいわけじゃないよ。本来の世界は、もっと残酷。先輩はそれを知っているから、現実と、E組との板挟みになってるんだと思う……」
矢「……海ちゃんは、どうなの?」
海「私だって、ときどき迷うときはあるよ」
渚「海……」
渚くんが海に声をかけた。
海「どうしたの? さっきまでぽけーっとしてたのに」
渚「うん……。ねぇ、海はさ。殺し屋になって後悔したことってある?」
海「あるよ」
⁉
海「後悔だらけだよ。殺し屋になってよかったなんて思ったこと、一度だってない……。あ」
海が何かに気づいたように声をあげた。自分の耳に手をあてると、
海「先輩、撃つ気なら銃をあと5センチ高くあげて。死神はあと12歩下がって」
ビ『わかったわ』
死『了解』
カ「何の指示?」
海「烏間先生が先輩と死神に挟み撃ちされてるみたいだから、2人に指示をして成功確率をあげさせようとしてるだけ」
倉「⁉ 海ちゃん、烏間先生を殺すつもりなの⁉」
倉橋さんの言葉に海は歯ぎしりをした。
海「みんなを助けるためには、こうするしかないっ」
海はそう言って立ち去ろうとする。
海「私がやっている間に、みんなはみんなで牢屋からの脱出方法を考えて」
殺「なるほど、わかりました。では海さん、頼みましたよ」
海は殺せんせーの言葉にうなずくと、走り去った。
海が烏間たちがいるところにたどり着くと、そこはすでに天井が落下していて道らしい道がなかった。
海(やっぱりな……)
爆発音が通信機から聞こえる前に、なんとなく死神ならそこまでやりかねないだろうという気はしていた。
海(そういう奴だ、死神は。目的のためなら仲間だろうとなんだろうと、平気で捨て駒にする)
「烏間先生!」
海が声をあげると、烏間がすぐに姿を見せた。
烏「海さん……」
海「死神は?」
烏「操作室へ向かった」
海「先輩は無事?」
ビ「……ここよ」
声のした方を見ると、そこにはイリーナがいた。海はほっとしてそちらへ向かった。
海「見た感じ、死神に裏切られたんだね」
ビ「あんたはわかってたみたいね」
海「当たり前だよ。あいつのことなら、この私が誰よりも知ってる……」
海が歯ぎしりをしながら答えているのに、烏間は不思議に思ったが今はそれどころではない。
死神がこちらに向かっているのだろうか、足音が聞こえる。
烏「生徒たちの言う通りになったな。イリーナ、お前のいた世界がどんな世界かは知らないが、俺たちがいる世界にお前は必要だ」
ビ「………」
海はとっさに違う場所へ隠れた。
死神が戻ってきた。
死「イリーナ、烏間は?」
ビ「どっかへ行ったわ。ひどいじゃない、死神。私をおいていくなんて」
死「……僕らの世界はだましだまされの世界だろう?」
ビ「……そうね。私も、すぐ別の男に乗り換える、ビッチだから」
死「え?」
瞬間、烏間が死神の背後にやってきて彼を拘束すると、地下へバンジージャンプのように飛び降りた。
海(さすがというか、死神も脅威だけど烏間先生が互角に戦っているなんてな)
海は烏間の動きに注意しながらウェストバッグから長方形の箱を取りだした。そこにあるボタンを押す。
ビュンッ
それに気づいた死神は顔をあげつつ、烏間の攻撃を避け続けている。
死「海かっ!」
海「ふん、なめるなよ。死神。仲間を殺そうとした罰受けてもらう!」
飛ばしたそれは、ワイヤーだった。ワイヤーは下の床にささった。海はそれに飛び乗り、下まで急降下するようにくだっていく。
海「3、2、1……」
バァンッ
死(なっ……、クラップ、スタナー……)
海「今だよ、烏間先生!」
死「待、て。僕、以外に誰が奴を、殺れると…」
烏「スキルなら、うちに全てそろってる!」
烏間は死神を思い切り殴って気絶させた。
殺「ヌルフフフ、全生徒、全先生でつかんだ勝利ですねぇ」
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ここから話はさらに飛び、進路相談になりまぁす。