3.[若×い]
【おっこside】
「ウリケン、行ってみようよ!」
長い坂を上っているとき、ウリケンはすねていた。
「お姉ちゃん。このお花いる?」
さっき、女の子4人が、あたしに花をくれた。
「ありがとう。ところで、名前は?」
「世端南(よはな)だよ!」
「嶺千理(ねせり)。」
「わたしは優乃(ゆうの)です。」
世端南ちゃん、嶺千理ちゃん、優乃ちゃん…
みんなキラキラネームだあ。
あたし、織子だから。
「世端南。嶺千理。優乃。お姉ちゃんはなぁ、忙しいんだ。花は後でもらってやるよ。」
「エ〜ン」「ヤダ〜」「ギャ〜」
世端南ちゃんたちは、泣きたい放題泣き出した。
あぁ、泣いちゃったあ。
「世端南ちゃん。嶺千理ちゃん。優乃ちゃん。お花ちょうだい。お姉ちゃん欲しいわ。」
お花を撫でながら歩く。
今、美術館に向かっている。
あたし、旅館にも飾らしていただいているんだけど、美術家の加藤世端祢さんが大好き。
世端南ちゃんと名前似てるけど、気のせいだよね。
『美術館 本日休館』
ガビーン
「ウリケン、どうする?ウリケンが大好きな団子屋さん寄って帰る?」
「美術館の変わりにならねえかもしれないが…」
何々、どこに行けるの?
「植物園はどうだ?次の次の町にバスで行ける。そこに植物園があるぞ。」
「いいわねえ。植物園。旅館の参考にさせていただこうかしら?」
「ひふみ学園って私立学園もある!そうと決まれば出発だ!」
ひふみ学園ーー友達の朝子ちゃんが通ってる学園じゃないの!
早く行きたい!
続きます。
美術館で休みで残念だ。
>>407の続き書くよ♪
4.【い×若】
【モモside】
「朝子ちゃん。おかしくない?」
「でも、展示していただける字が、モモちゃん書けたってことでしょ?すごいことだと思うわ」
朝子ちゃん、冷静だなぁ。
わたしも、冷静に落ち着けば…
でも、どうしてわたしなんかの作品が飾られちゃうの。
「宇田川さん。関織子って女の子が、宇田川さんに電話です。職員室へ」
担任の、(仮に)高野先生が、朝子ちゃんを呼びに来た。
関織子さん…
聞かない名前だなぁ。
あ、そう言えば、ママって春の屋旅館に書道飾らせてもらうんだよね。
春の屋旅館ってどこだろう?
下見にまた今度行くから、ちゃんと見とこっと。
わたしの将来飾れるかもだしね。
趣味だからないと思うけど。
「モモちゃん!あれ、朝子ちゃんはいないの?」
みずきちゃんが呼びに来た。
となりには、リオも立っている。
あ…薫ちゃんもいる!
いつの間に、みずきちゃんとリオ、薫ちゃんと仲良くなったの!?
「おはよう…」
あいさつすると、元気のないわたしをリオが励ましてくれた。
「薫ちゃん、クラス違うけど、みずきちゃんとリオとも馴染んだんだね」
「もちろ〜ん!みずきもリオも、わたし大好き〜」
みずきちゃんは嬉しそうだけど、リオはちょっとゲンナリしている。
リオ、薫ちゃん苦手なんだ。
「朝子は?」
か、薫ちゃん、朝子ちゃんのことも、呼び捨てなの!?
わたしがビックリしていると、朝子ちゃんが職員室から戻ってきた。
「朝子ちゃんっ!」
「今行くわ」
朝子ちゃんは書類を先生の机に置き、わたしの輪に入ってきた。
「薫ちゃん、今日のシュシュもハデな色ね。わたしが苦手な色…」
朝子ちゃん、普通に薫ちゃんと話せるんだ。
タイプ違うと思ってた。
「朝子の言う通り。わたし的にもハデだと思うカラーなの。似合う?」
「似合うよ」
薫ちゃんは、「ふふふ」と笑って、シュシュをさわり始める。
どうして薫ちゃんとこんなに仲がいいの!?
続く