ひなみと梅は電車に乗った。
ひなみは、電車の中で話すことがなかったらどうしよう、と心配した。
だが、心配する必要はなかった。
梅との話は弾んだ。
普段の学校の話やテレビの話、また、2人が好きなシャーロックホームズの話など、話すことがたくさんあった。
電車に乗っている時間は30分ほどだったが、ひなみには10分という短い時間にしか感じられなかった。
2人はとある駅で降りる。
「梅くん、どこに行くんですか〜?」
「もうすぐ見えてきますよ…ほら!」
梅が指差す方向には…ある建物が見えた。
>>124の続き
「まあ、花園水族館ですね!!」
私は言います。確か、この前リニューアルオープンしたはずの水族館です。
「はい!知り合いから無料招待の券をもらったので…」
「そうなんですか…私なんかが使ってしまっていいんですか?」
「もちろんです!」
「ありがとうございます…!私、リニューアルオープンしてから初めて来ます!」
私は笑顔で言いました。
「ひなみさんが喜んでくれて良かったです!」
梅くんは照れているようです。