ひなみは確信し、声をかける。
「リッカくん、梅くん!」
「ひなみん!」「ひなみさん!」
2人は同時に言った。
「本当に、リッカくんと梅くんなんですね⁉なぜこんな姿になっているんですか⁉」
「それが分からないんだよね〜梅と一緒に図書室に入ったら、いきなりぱあーって周りが明るくなって、気づいたらこんな姿に…」
リッカが言う。梅も隣で頷いている。
「ていうか、なぜケンカしていたんですか?図書室の外まで声が聞こえていましたよ!」
「あー、ケンカっていうか、決闘、だよ!なんかさ、この小さくなった姿で戦いたくなって…勝ったほうがひなみんとデートすることになって…」
「な、何でですか⁉か、勝手に約束するのはやめてくださいよ〜!!」
ひなみの顔が赤くなる。
>>290の続き
ピンポンパンポン♫
「1年◎組、藤崎律可、今すぐ◯◯先生のところまで来なさい」
放送が流れた。
「リッカ、担任が呼んでるらしいぞ。悪いことでもしたのか?」
「…もしかして、掃除をサボったことがバレた?いや、提出物を忘れたことかも…」
「貴様、心当たりがありすぎだろ」
梅は呆れる。
「じゃあ、俺行ってくるわ!」
リッカは図書室から出ようとする。
「待ってください!行っちゃダメです!」
ひなみはリッカを引き止める。
「え、ひなみん、俺がいなくなると寂しいから引き止めてくれるの?」
「バカ!ちげーよ!今の姿で行っても、お前が高校生の藤崎律可だと誰も信じてくれねーだろ!」
梅は強い口調で言った。
「あ、そっか…忘れてたよ…ありがと、ひなみん!」
「リッカーー!どこにいるーー⁉」
外で、リッカの名前を叫ぶ声がする。
「うわ、担任だ…放送で呼び出しておいて何で探しにくるんだよ…」
「放送で呼ばれても、リッカは行く気がないと思われているんだろう」
「ふ、2人とも、カウンターの下に隠れましょう!」
ひなみが言った。