>>290の続き
ピンポンパンポン♫
「1年◎組、藤崎律可、今すぐ◯◯先生のところまで来なさい」
放送が流れた。
「リッカ、担任が呼んでるらしいぞ。悪いことでもしたのか?」
「…もしかして、掃除をサボったことがバレた?いや、提出物を忘れたことかも…」
「貴様、心当たりがありすぎだろ」
梅は呆れる。
「じゃあ、俺行ってくるわ!」
リッカは図書室から出ようとする。
「待ってください!行っちゃダメです!」
ひなみはリッカを引き止める。
「え、ひなみん、俺がいなくなると寂しいから引き止めてくれるの?」
「バカ!ちげーよ!今の姿で行っても、お前が高校生の藤崎律可だと誰も信じてくれねーだろ!」
梅は強い口調で言った。
「あ、そっか…忘れてたよ…ありがと、ひなみん!」
「リッカーー!どこにいるーー⁉」
外で、リッカの名前を叫ぶ声がする。
「うわ、担任だ…放送で呼び出しておいて何で探しにくるんだよ…」
「放送で呼ばれても、リッカは行く気がないと思われているんだろう」
「ふ、2人とも、カウンターの下に隠れましょう!」
ひなみが言った。
おもしろい!
それに、リッカドジだね。
梅くん小さくなっても冷たい。
それに、しっかり周りが見えてるよ。
>>297
そう、解散だよ。
続き更新は今日中にするよ♪
>>296の続き
ガラッ
リッカの担任の先生が図書室に入ってきた。その先生は図書室の奥へと消える。
カウンターの下では、ひなみ達が息を潜めて隠れている。
カウンターの下は狭く、3人はぴったりとくっついている。
ひなみは緊張していた。手には汗をかいている。
(いくら3歳児になったとはいえ…梅くんやリッカくんとこんなに密着していると、ドキドキします…)
先生が図書室の奥から戻ってきた。
「リッカはここにはいないようだな」
先生は小声で呟くと、図書室から去っていった。
「もう大丈夫みたいだよ」
リッカがそう言うと、ひなみは抱っこしていた2人を下ろした。
そしてカウンターの下から出てくる。
3人はホッとした。
カウンターの下に隠れていたのはほんの数分だったが、ひなみには、長い時間に感じられた。
ここで、あることに気がついた。
ひなみが隠れなくても、リッカと梅だけが隠れていれば良かったのではないか。
そうすれば、ひなみが先生に対処することができたし、あんなにドキドキすることもなかった。
あの時は慌てていて、そこまで考える余裕がなかった。
ひなみはそんな自分が情けないと思った。