>>778←こ、れ、が、前、だ、!
NOside(という名の逃げ)
プルルルル
そんな音が鳴り響いたのは、アスカ達が蒼太の所に向かっていた時だろうか。
「え?...えっ」
珊瑚が見たのは、電話機に無機質な文字で書いてある、''ニック''の文字。
失敗したから消される____そんな文字が珊瑚の頭に浮かぶ。
それでも、全く知らない様子で受話器を握る。
「何ですか?...ええ、了解したわ。」
内容だけ告げられた、1:30秒の短い電話を切り弐に呼び掛ける。
「行くわよ」
と。それで弐が疑問に思ったのは当たり前で。
「え?何処に?」
疑問だけを三文字で告げる。それに対して珊瑚は、何時もの感情のない声で。無表情な顔で。
「ニックの部屋」
とだけ簡潔に告げる。それを聞いた弐の顔がみるみる青褪めていって。
「そ、それ、大丈夫なの!?」
思わず声が上がってしまう。
当たり前。消される___それしか考えつかないのだから。
「五月蝿い。…………今更考えても無駄だろ。」
それだけ言って直ぐに部屋を出てった珊瑚に、「はぁ」と溜息を吐きながら追い掛ける弐。
………中々の苦労人だ。
ーニックの部屋到着ー
珊瑚はドアを開け、速攻で、「何の用?」とだけ言った。
相変わらず弐は、怯えた様子で部屋に入った。
ー切りまーすー
>>783の続き
NOside
「殺れなかったのかい?」
何時もの笑顔でニックはそう訊く。
弐はビビっているが、珊瑚は何故か嗤った顔でこう答える。
「ええ。ってか殺る気ないでしょ」
「何故気付いたのか、教えてくれないかな?」
「えっ!」そんな叫び声を上げる弐を三発殴ってから珊瑚はこう答える。
弐は放心状態だ。当たり前だろうか。
「怪盗レッドは貴方のお気に入り。お気に入りを殺るか?それにここ来た時あんま怒ってなかったし」
「流石だね」
ニックと珊瑚は笑っている。弐は漸く放心状態が解けた様で考えこんでいる。
「で、用件は?」
珊瑚の一声に弐は弾かれた様に顔を上げる。ニックも少し驚くが、直ぐに表情を戻す。
「この学園に入ってくれないかな?」
資料には、私立春が丘学園と言う文字並べてある。
珊瑚はちらっと資料を見ると、「何故だ?」と、当たり前の疑問を零す。
「紅月 飛鳥と言う生徒がいてね。楽しそうな学園だそうだ。普通の人付き合い何かをやって貰いたくてね」
珊瑚の声が聞こえたかの様にニックがそういう。
珊瑚が怪しそうに目を顰め呟く。
「建前は分かった。本音は?」
と。それに対してニックはこう言う
「君達の従兄弟も通うそうだ。それに怪盗レッドは紅月家じゃないかと言う情報があってね」
珊瑚が「それが本音か」と言うと当たり前の様に頷く。
「分かった。行けば良いんだろ」
と吐き捨てる珊瑚。弐は驚いているが、「OK」と呟く。
「ああ。それと転校は明日だ。気をつけてね」
珊瑚達は絶句する。そしてそのまま部屋を出て行く。
ー切りまーすー
いきなり場面が飛びます。
かなりいきなり場面が飛びます。(何時もの事ですが......)