>>444の続きです。(この数字ってまさか……😱)
えっ!!!
驚き過ぎて声も出なかった。
だってそこに立っていたのは……
私と殆ど背丈が変わらない女の子だった。
ピッタリとした黒いスーツを着て、体のラインに合わせてオレンジのラインが入っている。
腰には、色々な武器を装備していた。
スタンガン、折りたたみナイフ、今床に刺さっている刃だけになっている小型ナイフ、玩具みたいな銃。
ただの警備員や一般人のわけが無いのは誰が見ても分かる。
女の子は顔を隠してなくて、顔から上の部分は丸出し。
顔立ちはかなり整っている。
髪は、オレンジ色に近い、明るい茶髪をしている。
私はスカーフで顔を深く覆う。
「あなたは誰?」
私は声色を変えて聞く。
「あら、そういうあなたこそどちら様?ま、その格好からして、怪盗レッドってところかしら?」
な、なんでレッド(わたし)の存在を知ってるの?!
「あら、やっぱりその顔はレッドなのね。会えて嬉しいわ」
女の子はニヤリと笑った。
ゾクリ
な、なんなの……この子。
背筋が凍るような、冷たい微笑み。
怖い。
でも……
なんだろう……
何か、引っかかる……
「でも、レッドの実力もあんまりね。私はあなたの存在を知っているのに、私の存在は調べなかったの? 残念だわ」
女の子は呆れたような顔をした。
この子の存在?
『アスカ、今さっき調べたところ、彼女は多分、このビルで橙の月(オレンジムーン)の警備の仕事についているスパイだ』
ス、スパイ?!
そうなの?!
「あなたは、スパイ……なの?」
私は、なんとか冷静を保った顔を続けた。
「あら、知ってるんじゃない。そうよ。私はスパイ。もっと詳しく言うと、今回、橙の月(オレンジムーン)の警備の仕事を依頼されたティーンスパイ。ブラッドと呼ばれているわ。」
ティーンスパイ?ブラッド?
『ティーンスパイとは13歳〜19歳までの若者のスパイのことだ。ブラッドっていうのは、英語で血を意味するが、彼女の場合、ブラッドオレンジのブラッドから来ているらしい。ブラッドオレンジっていうのは、オレンジの品種の一種だ』
ケイが説明してくれる。
でも、なんでスパイなんかが……
『警備が薄かったのはそういうことだったんだ』
どういうこと?
このビルの社長は自身があったんじゃなかったの?
『妙に思っていたんだ。金庫のセキュリティは3つもあったし、そのうち2つはハッキングか社長本人を使わないと絶対に開けられない。そんなに簡単には開けられない。それなのに、社長は念には念を入れてということで、ハンドルをわざわざ外してまで違う金庫に入れて置いたんだ。そんな心配性の社長がこんなにも警備を甘くするか?』
確かに、そう言われてみれば……
『監視カメラの映像を調べてみたが、警備員が隠れている様子は映っていなかった。そうすると、今までの警備員の強さなどもろともしないような強さを持つ協力者がいると考えられる。ただの警備員よりは協力させるのに少々の費用が必要になるが、警備員を大量に雇うよりかはずっと安かった、という理由も考えられる。』
な、なるほど……
『さっきから少し気になってはいたが、確信もなくアスカに知らせて、アスカの気が散ってしまうと悪いと思ったんだ』
あ、気づいてはいたのね。
まあ、気遣ってくれたんだし、別に良いよ。
「さて、早速だけど、橙の月(オレンジムーン)は返してもらうわよ。私の仕事だもの」
「残念だけど、そういうわけにはいかないわ。仕事だろうがなんだろうが、私は悪事を許さない。それが私の仕事でもあり、意思でもあるの」
「そういうと思ったけど、力ずくでも返してもらうわよ!」
女の子―ブラッドはスタンガンを素早く引き抜き、私に向かってきた。
<続く>
正解は四番かー(ですよね〜)
トリプル4だしね〜
もしかして、プロローグに出てきた女の子?
>>457の続きです。
速い!
スタンガンをなぎ払うように攻撃してくる。
私は上半身を後ろに倒し、紙一重でかわす。
更なる追撃を、身を引き、しゃがみ、手を払い除けるなどして避け続ける。
でも、物凄く速い。
とても身軽で勢いもある。
こちらから攻撃する隙が無い。
でも、さっきから気になる点がある。
時々足を払うとか、見せかけて、みたいな隙を作ろうとすることがあるけど、攻撃はスタンガンで済まそうとしている。
もしかしたら、一つひとつの攻撃は軽いのかもしれない。
一撃くらい食らっても、大したことは無いのかもしれない。
あのスタンガンさえ落とせれば!
「あら、攻撃してこないの?もう少しレッドの実力を期待してたのに」
ブラッドはいかにも演技というふうな、残念そうな顔をして、攻撃を辞める、
ここで私はわざと息を切らし、余裕が無い振りをしながら、息を整える。
「はあああ!」
私はわざと声を出し、右手で掌底を打つ。
ブラッドは余裕の顔で身を引いてかわす。
ブラッドはすぐにスタンガンを突き出してくる。
それを待ってた!
私はブラッドの腕を掴み、思いっきり引っ張る。
ブラッドも予想しきれなかったのか、前のめりになる。
そして私はブラッドの手首部分にチョップをかました。
「うっ……」
ブラッドが顔をしかめてスタンガンを手放す。
もらった!
私はすぐにスタンガンを蹴り、遠くにとばす。
「あら、なかなかやるじゃない。でも、これで終わりだと思って無いわよね?」
ブラッドは腰に手を掛けて、玩具みたいな銃を取り出してる。
ああーー!!しまったーーー!!!
他にも武器があること考えてなかった!
っていうか、あの銃は何?
見た目的には大したこと無さそうなんだけど……
ギューン!
危なっ!
私はなんとか横に跳んでかわしていた。
ってか今光が飛ばなかった?
その光が飛んだような方向を見ると、壁に穴があき、そこの部分が黒く焦げて、小さく煙を上げている。
あれって……?
「ふふ、これは組織が独自で開発したレーザーガンなの。すごいでしょ?」
光線銃?!
ブラッドは不気味に微笑んでいた。
<続く>