怪盗レッドのオリジナル小説書いてみます!(8)

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489:星月夜 杏里:2017/04/02(日) 19:47 ID:RaQ

>>457の続きです。




速い!

スタンガンをなぎ払うように攻撃してくる。
私は上半身を後ろに倒し、紙一重でかわす。
更なる追撃を、身を引き、しゃがみ、手を払い除けるなどして避け続ける。

でも、物凄く速い。
とても身軽で勢いもある。
こちらから攻撃する隙が無い。

でも、さっきから気になる点がある。
時々足を払うとか、見せかけて、みたいな隙を作ろうとすることがあるけど、攻撃はスタンガンで済まそうとしている。

もしかしたら、一つひとつの攻撃は軽いのかもしれない。
一撃くらい食らっても、大したことは無いのかもしれない。
あのスタンガンさえ落とせれば!

「あら、攻撃してこないの?もう少しレッドの実力を期待してたのに」

ブラッドはいかにも演技というふうな、残念そうな顔をして、攻撃を辞める、
ここで私はわざと息を切らし、余裕が無い振りをしながら、息を整える。

「はあああ!」

私はわざと声を出し、右手で掌底を打つ。
ブラッドは余裕の顔で身を引いてかわす。
ブラッドはすぐにスタンガンを突き出してくる。

それを待ってた!

私はブラッドの腕を掴み、思いっきり引っ張る。
ブラッドも予想しきれなかったのか、前のめりになる。
そして私はブラッドの手首部分にチョップをかました。

「うっ……」

ブラッドが顔をしかめてスタンガンを手放す。

もらった!

私はすぐにスタンガンを蹴り、遠くにとばす。

「あら、なかなかやるじゃない。でも、これで終わりだと思って無いわよね?」

ブラッドは腰に手を掛けて、玩具みたいな銃を取り出してる。

ああーー!!しまったーーー!!!
他にも武器があること考えてなかった!
っていうか、あの銃は何?
見た目的には大したこと無さそうなんだけど……

ギューン!

危なっ!

私はなんとか横に跳んでかわしていた。

ってか今光が飛ばなかった?
その光が飛んだような方向を見ると、壁に穴があき、そこの部分が黒く焦げて、小さく煙を上げている。

あれって……?

「ふふ、これは組織が独自で開発したレーザーガンなの。すごいでしょ?」

光線銃?!

ブラッドは不気味に微笑んでいた。

<続く>


星月夜 杏里 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒dice6:2017/04/09(日) 22:04 ID:IZQ [返信]

>>489の続きです。




ブラッドは不気味に微笑んでいた。

ん?……怖い?
なぜかさっきより怖くなくなっている気がする。
なぜ?
私はよくブラッドを観察しようとした。
でも、その前にレーザーが飛んでくる。

ああ、もう!
考えるのは後!

でも、スタンガンは近距離武器だった。
それに比べてレーザーは遠距離武器。
スタンガンよりかは正確性は欠けるし、避け続ければ良いだけ!
私はレーザーガンの攻撃を避けながら、ブラッドを良く観察してみた。

すると、あることが分かった。

彼女の目。
今まで色んな犯罪者を見てきた。
その犯罪者の目には、必ず濁りがあった。
どこかで人生の道を間違えてしまったかのように。
ニックのような、残酷で冷酷な人は、冷たい輝きを放っていたこともあった。
でも、彼女は違った。
目が澄んでいた。
宝石にも負けないような輝きを放つ、綺麗で真っ直ぐなオレンジ色。
そこに挫折の濁りなど一切無いように見える。
初めて見た時の、響のように。

私は目を疑った。
ブラッドに近づいた瞬間だった。
レーザーガンの引き金を引く瞬間、指が震えていた。
それも毎回。

ん?
今目を擦らなかった?
……え?
こ、これは流石の私でも予想外だよ……。

彼女の目が涙ぐんでいた。
流石に流したりはしてないんだけど。
その顔は物凄く悲しく、辛そうだった。
なんで……そんな顔してるの?

そんな間でもレーザーの雨は止まらない。
ああ、もう!こ・う・な・っ・た・ら!!
私は素早く睡眠薬入りの玉を取り出し、握りしめた。

<続く>


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