苦手なもの克服俺編(ラスト)
「さぁて、今度はべるなにだよね?」
椅子に縛られるように乗せられたべるなに。
そして一言。
「おいアスカ、これは何の真似だ?」
「そりゃあ、私たちが頑張ったんだから、べるなにも頑張るよね?」
と、べるなにの前には、アスカたちが(毎晩必死に翼に土下座してお願いして娘の涙に耐えられない翼が頑張って)作ったトマトジュース、そして響が(琴音にがお願いして三時間ほどかけてなるべく苦いのを厳選してきた)持ってきたゴーヤで(数時間ほど苦労して)作り上げたゴーヤチャンプルー。
「おい、俺だけ二品っておかしくねえか!?」
「正攻法でやらせた二人の恨みだって。」
アスカが親指を立てて言う。
「畜生、アスカは恨まんのか。優しい子やなぁ」
「え?何言ってるの?この後、アイスおごってくれるって約束でしょ?」
「してねえ約束なすりつけるんかーい!」
べるなにはツッコむ。いきなりアスカがしてない約束を言うのだから。
「じゃあ、飲んでね」
アスカはいつもの元気そうな高い声はなく、トマトジュースをべるなにの顔面にグイグイ押し付け―。
「やめろ・・・やめろ・・・やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお(ry」
数分後、べるなには倒れていた。
トマトジュースを飲んだ苦痛のあとに、ゴーヤを無理矢理口に突っ込まれて飲み込まされたのだから。
吐いたトマトジュースで「ゴーヤ」と書いて倒れていた。
>>592の続きです。
べるなにはあのあと、散々飲まされたゴーヤとトマトの入り混じった味がまだ口の中に残っている。少し口直しとして、何か飲み物を飲もうと隣の自販機まで向かったのだ。
太陽が眩しく光り、地面がかなり熱くなっているのが足元に伝わってくる。炎天下の中、段々汗をかきはじめてきた。そして自販機でジュースを買おうとしたときだったのだ。その時、ある男性が通りかかる。それは色黒く、しかし服から分かる筋肉質な体。そしてその眼光はまるで狙った獲物は必ず仕留めるという程の鋭い目付きであった。べるなには何やらその男性を一度チラ見したがその容姿やふいんきに少し違和感を感じ二度見してしまう。そう、何故か見たことがある人物だったのだ。するとその男性はべるなにの存在に気づいたのか
「どうした?」
「え?いや………。」
「喉、乾いてんのか?」
その男性の言葉はまるで一つ一つが名言に聞こえた。そして彼はその質問にただ答えるだけであった。男性は
「来いよ、俺んちに。」
「え?」
べるなには困惑する。炎天下で体中蒸し暑かったその体は彼の一言により一瞬暑さを忘れたのだ。そして少々沈黙が続き
「ほら、俺んち…すぐだから、な?」
「はぁ………では…その、お願いします。」
これもまたただ単に答えるしかなかった。べるなにはやはりその男に見覚えがあった。しかしそれが中々思い出せなかった。そんな違和感を抱きながらその男性の自宅に向かうことに。するとその自宅はかなり大きかった。どうやらこの男性は独り暮らしらしく、それにしてもかなりのデカさだった。べるなには無論他人の家に入るので、緊張する。しかしそれでも男性の自宅に入るしかなかった。もはや逃げ道はなかった。男性は飲み物を用意するとキッチンに向かう、そしてべるなには近くにあるソファーに座ることに。冷房が効いているので外の暑さから解放された気分だった。このままシャワーに入りたいという気持ちであったが流石にシャワーは貸せないか、と思っていた。少し一段落しふぅ、と一息ついた。そしてカップを二杯持った男性が現れる。そしてその飲み物を貰う。
そして男性はこう言った。
「アイスティーしかないけど、いいかな?」
これ以降彼の記憶はなかった。そして彼が目覚めたのは外だった。気がつけば自分が裸になっていることに気づく。そして財布も少々抜き取られている。さっきまで自分が起こっていたのはなんだったのか。そしてあの男性は一体何者だったのか。彼は疑問だらけの中、すこし股間あたりがすっきりしていると感じた