>>120のつづき
「も…もしかして、このデンキZって…」
「私が作ったものです」
ハラさんの言葉にサトシは黙り込んだ。むしろサトシは何故カプ・コケコからZリングをくれたのかが気になっていた。
「あれは、カプ・コケコが何故かデンキZごと持っていたんですが…まさか、サトシ君だったとはね…」
「え?何のことですか?」
サトシはハラさんの言っていたことがよくわからなかった。ハラさんは「いや、こっちの話です」と言う。
「……………」
「それに、してもサトシ君」
「はい?」
「あの凶暴なポケモン…“キテルグマ”がサトシ君に懐いてるのが……」
「へぇー、キテルグマって言うのか…」
キテルグマはサトシを強く抱きしめていた。サトシは首を閉められて窒息死しそうになる。
「ゴホッ!!ヒヘブフハ!フフヒヒ…!!(キテルグマ!苦しい…!)」
「キーッ!!」
キテルグマはすぐに首を閉めるのをやめた。サトシは「死ぬかと思った…」と大袈裟に言う。
>>121のつづき
「サトシ君は、ポケモンに愛されてるんですな」
「あっ…はい……。あっ!ハラさん!」
サトシはピカチュウを見たか聞いてみた。ついでに探してくれようとしていたゲッコウガについてのこともついでに話していた。
「ゲッコウガなら、見ましたよ。」
「あ、案内してくれませんか!?」
「分かりました…でも、その前に…」
ハラさんは、キテルグマをジーッと見ていた。キテルグマは首を傾げていた。
「ごめんな、キテルグマ。また会いに来てやるからな…」
「クゥ…」
「じゃあな……」
*
サトシたちはキテルグマと別れて、ピカチュウを探しに行くことにしていた。すると、ゲッコウガの姿が見えていた。
「ゲッコウガ!」
「コウガ!」
1人と1匹は再会を喜んでいた。
(やはり、サトシ君は気になる人ですな…)