「――な。ほら、三角形になってパスしようぜ!」
「…クロ。俺もういいでしょ?帰っていい?」
「絶対ダメ。――も一緒にやりたがってるから」
「いっしょにやろ!」
帰ると言ってきた研磨の袖を掴んで止めると、ソイツは自分のボールを頭より上に上げて『バレー、やろ!』と研磨を誘う
流石の研磨もソイツのキラキラ輝く目に揺らいだ…というか、負けたのか、ぐっとちょっと困ったように眉を寄せて『……わかった』と呟いた。
思わず口角を上げて研磨を見ると、笑ったのがバレたらしく、じろりと睨まれる。おー、怖い怖い。
「んー…、てつろう?くろ?」
ふと目を研磨から移すと、ソイツは俺をじっと見つめて『てつろう?くろ?どっち?』と首を傾げていた。俺の事を『鉄朗』と呼べばいいのか、研磨みたいに『クロ』と呼べばいいのかわかんなくなったらしい。
「『鉄朗』でも、研磨みたいに『クロ』でもどっちでもいいぞ?」
「えーっと…じゃ、てつろう!」
「よし!」
「けんま!」
「えっ!?あ、うん…」
いきなり名前を呼ばれた事に驚いたのか、それともソイツの目が自分に来た事に驚いたのかわからないが、その時研磨はかなりびっくりしたみたいで、肩をビクッと跳ね上げたのを俺は見た
それでも、ちゃんと自分の名前を呼んでくれた事が嬉しかったのか、少しだけ頬を染めて俯いた
「えっと…――」
「!けんま!」
顔を上げる事なく俯いたまま、お返しだとでも言うように研磨が小さな声でソイツの名前を呼ぶと、ソイツは嬉しそうに笑って研磨を呼ぶ。笑ったソイツの顔をちらりと見た研磨は、珍しくつられて微笑んだ
その後、大人しくなった研磨とソイツと一緒にバレーしたんだが、ソイツが俺達と一緒にいたのはその日も含めてたった3日だけだった。
見ない顔だったからここら辺の奴じゃないんだろうな、とは思ってたけど、そんなあっという間にいなくなるなんて思ってもみなかった。
あと少し、きっともう少し。心の何処かでソイツがずっとここにいてくれると思って…願ってたんだろう。だけどソレは叶うはずがなかった
研磨は残りの夏休み、ずっとそわそわと誰かを待っているように周りを見ていた。余所見してたせいであの時の俺みたいにボールが当たる事が多くなったし、いつも以上に集中なんてできていなかった
たった3日だけだったけど、ソイツの存在は俺達にとって、いつの間にか大きすぎるものになっていた
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「…クロ、名前覚えてないんでしょ」
「おっ、覚えてるよ研磨サン」
「ウソつき」
「ぐはっ!!」
私が住んでるとこ何も無いから、テンション上がった!
二条城に行けなかったから、八坂神社に行ったんだけど結婚式が行われててめっちゃ綺麗やった!
関西弁もめっちゃ良い!!
>>78 >>79
研磨出たァァァァ!!