第1章 B友達だけど、譲れないものがある8
凛ちゃんが5分休憩に私と話そうとしていたけど、私はトイレに行くって言っちゃった……
凛ちゃんが来てくれたのは本当に嬉しいから喜んでも良いのに、何故か胸の奥が痛いんです…
「初音っ!!」
「え……?」
私はトイレの方に向かっていると,遥君の声がしたから後ろを振り向いてみた。
「な……何で遥君が!?」
目を大きくして驚いていると,遥君が優しい声で言う。
「初音の顔が酷い辛そうな表情が、見えた……から」
遥君は漣君と同じぐらい人の観察力を持っている様に,私のことも見ている推測とかもして少し恥ずかしいぐらいなんです。
「…………その…一番の親友が来て嬉しいのに、私は水辺市国であったらいけない物をこの中に棲みつきそうなの……」
私は睫毛を伏せて遥君に教えた。
「駄目なのに、私の不幸の種って消えるのかな?」
遥君は私の言う言葉に困ってないか思ったんですけど……
遥君はいきなり何かを言うというより言ってきた。
「だったら、不安と不幸の感情をどうしたい?」
「えっ……」
私は何を言われたのか分からなかった……
「俺だったら、初音の可愛いところとか好きだから笑って欲しいよ(漣が好きなのかは気になるけど……?)」
水辺市国にはあったらいけない不幸の種を棲みつかない様に,漣君と凛ちゃんの仲を見ているのは辛いけど隠し通したいと思った。
そして遥君は笑顔で私を励ましてくれた。
「初音と漣の仲は強いから、大丈夫だってこと見せ付けてやれ!」
「うん…………、ありがとう…遥君……」
そう言ってからトイレに行って、何もなかった様に教室に入った。
>>31は初音sideです。
第1章 B友達だけど,譲れないものがある9
私が教室に戻ってから、席に座って午前中の授業が終わって昼休みになった。
凛ちゃんは昼休みになった途端に、私の肩を揺らしながら笑顔で言った。
「ねえ初音,一緒に弁当食べよ!」
私はうんと頷いた。
「漣も勿論一緒に食べるよね!」
無表情な漣君は凛ちゃんを見ずに私を見ているから、何だろうと思っているとツインテールの先っぽを触ってきた。
「僕は、良い二人で食べて」
そして遥君は私を見て耳許で囁かれた。
「一緒に食べても良い?」
「…………へっ!」
遥君の意外な言葉に困って、私は「良いよ……」と言ってしまったんです。