「………」
気づいたらその日は夕方。
周りは補佐を見てなにやら話をしているようだ。
「補佐って笑いませんよね」
「本当にそうだよな。いっつも笑わないから人が寄り付かないんだよ。地味だし」
語尾に(笑)をつけてるような口調で、周りは話していた。そんなこと元からどうでもいい補佐は ただ前を見て どこかへ突き進んでいた。
そしてかなり時間がたっただろうか……
気づけばそこは高台だった。補佐は周りを見渡すと、そこには椅子に座った少女が見ていた。
「補佐……500年ぶりでしょうか」
その少女は、古い紙切れを持って、補佐をただ見ている。
「500年ぶり?何の話だよ」
「あら?忘れてませんの?北の大地で産まれた者は他の普通の人間と100年程遅く成長してるはずです。」
「………」
んなもんわかってるつもりだったと言わんばかりに 自ら持っていた紙切れを少女に渡した。
「あら。またまた……嬉しい」
「次会える日は3年後でもいいか?」
「ずいぶん先なのね。一時間後はダメなの…?」
少女はきょとんとして、補佐を見ている。補佐はため息をついて 笑うと
. .
「普通の時間じゃすぐだぞ。」
「いいじゃない?…というか珍しいわね、笑ってくれるなんて」
少女も満面の笑みを見せると、自分が持っている時計を見ると、そろそろ時間なのかその場から立ち上がった。
「じゃあそろそろ戻ります。一時間後ここに来て。」
少女はそう言うと跡形も無く消え去った。
続く
>>5 一話目
>>6 二話目
>>12 三話目
>>13 四話目
まとめました。安価がちゃんとついてればそこのレスまで飛べます。全て補佐の話です。
続き
(そういやアイツ猫耳も生えてない。本来ならば生えてるはずなのに。)
補佐は、笑っている少女にこう話しかけた。
「お前は誰だ?」
あまりにも唐突だったが、知り合いってこともわかってる。仲良しだってこともわかってる。お互い__________
「え?」
少女は少々驚いた様子で補佐を見ていた。それは「なんでわからないの?」という目ではなく、「なんでそういうことを聞こうとするの?」という目に見えた。
「あっ、わかった。お前…」
「ちょっと待って!!」
少女は急になき始めた。その少女の手には、いかにも新しい紙をちぎった紙切れがあった。
「もう 忘れないでね。」
少女は補佐の手にその紙切れを握らせると 手を叩いた。
そして、叩いた瞬間に少女は綺麗な花弁となって消えてしまった。
「ちょっ……」
自然と涙が流れてきた。自分は覚えていないけど、どうやら体はしっかり覚えていたようだ。
補佐は慌ててもらった、紙切れをすぐさま見始めた。
続く