上の続き
「………」
そんな笑いも自然にあっさり消えて、いつの間にかいつも皆が見ている無表情の補佐になっていた。
「自分の仕事でもしますかね…」
そう言った瞬間に後ろから元気な声が響いた。
「おいー!補佐ー!」
「ん……あ、王様。」
補佐は王様を見つけると 一礼して、「急いでるので」と言うとあっさり王様の元から去ろうとした。
「おい!たまには遊び相手ぐらいなれよ!」
補佐を引っ張って 無理矢理その場に居させようとするが、補佐が仕事したいという意思には叶わなかった。
「あ"ーもう!!!わかったよ!勝手にしなって!」
「ありがとうございます。」
王様は諦めたのか、苛つき気味に言うと、補佐はそんな顔も気にしないような 無表情で、また一礼するとその場から立ち去った。
「はぁ……ったく。」
王様は去っていく補佐を見ながら、一人で拗ねていた………かな?
一方 補佐の部屋では、テキパキと王様ができなかった 残りの仕事などを済ませていた。
「………」
一刻の遅れも許したくない 補佐の相変わらずの様子が思いっきり顔に出ている。
だが、補佐も補佐で過去はそれなりのものがあったのだ。
続く
>>5 一話目
>>6 二話目
>>12 三話目
>>13 四話目
まとめました。安価がちゃんとついてればそこのレスまで飛べます。全て補佐の話です。
続き
(そういやアイツ猫耳も生えてない。本来ならば生えてるはずなのに。)
補佐は、笑っている少女にこう話しかけた。
「お前は誰だ?」
あまりにも唐突だったが、知り合いってこともわかってる。仲良しだってこともわかってる。お互い__________
「え?」
少女は少々驚いた様子で補佐を見ていた。それは「なんでわからないの?」という目ではなく、「なんでそういうことを聞こうとするの?」という目に見えた。
「あっ、わかった。お前…」
「ちょっと待って!!」
少女は急になき始めた。その少女の手には、いかにも新しい紙をちぎった紙切れがあった。
「もう 忘れないでね。」
少女は補佐の手にその紙切れを握らせると 手を叩いた。
そして、叩いた瞬間に少女は綺麗な花弁となって消えてしまった。
「ちょっ……」
自然と涙が流れてきた。自分は覚えていないけど、どうやら体はしっかり覚えていたようだ。
補佐は慌ててもらった、紙切れをすぐさま見始めた。
続く