不幸の神様

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1:花梨:2012/11/17(土) 21:16 ID:gUg

一度でいい 誰かに必要とされてみたい

一人でいい 心から笑い合える友達が欲しい


一日でいい───

         普通の生活を送ってみたい



【作者より】          
初!小説です。
いくら漫画家目指してるとはいえ
所詮素人の小説です。
色々と文がおかしいところあると思いますし
まず人が来るかわかりませんが 
スタートしま〜す!    

153:花梨 ◆eQxg:2013/01/08(火) 23:13 ID:CN.

あげ〜

154:花梨 ◆eQxg:2013/01/09(水) 22:56 ID:CN.

屋上に続く階段を駆け上がり、少し錆びた(さびた)重い扉を開ける。
冷たい11月の風が吹き、あたしのこげ茶色の髪が顔にかかった。
少し寒いけど3階建て校舎の屋上から見える景色が好きなんだ。

春には、校庭に植えてある桜の花が開く。
夏には、その花が緑色の葉っぱに変わる。
秋には、近くにある山が赤や黄色に変化する。
冬には、冬休み前に残った仕事を終わらせようと人々が慌しく(あわただしく)動き出す。

春夏秋冬どの季節の景色も大好き。
人もなかなか来ないから、あたしにはピッタリの場所。

一日のうちで此処に居る時間が一番好きだし、ホッとする。
大きく深呼吸をして、床に座る。

「ねぇ、貴方一人?」

不意に上から女の子の声がした。
いつも人なんて居ないのに、ましてや女の子なんて居た試しがないのに。

155:花梨 ◆eQxg:2013/01/10(木) 22:48 ID:CN.

振り向くと、いつの間にか貯水タンクの上に黒髪の美少女が。

あたしと目が合った瞬間、その子はニコッと笑った。
そして、2メートル近くの高さのあるタンクから軽やかに飛び降り、タンクの置いてある屋根の上に立った。

「私、2年2組の近藤麻衣。貴方は?」

理解出来なかった。あたしなんかに話しかけるなんて。
うらら達の噂はすごく有名で、そのうらら達にいじめられているあたしも有名。
全校で知らない人なんていない筈。
この人…近藤さんだってきっと何かしらの噂を知っている。

関わるといい事なんて無い事くらい分かっている筈なのに…。

「どうしたの?貴方の名前も教えてよ」

そう言うと優しく微笑んだ。

「あたしは…2年1組の間宮朝日…」
「朝日ちゃんね!隣のクラスだね。これから宜しく!」

顔は分からなくても、名前を言えば離れていくと思ってた。
なのに宜しくなんて…。
この人だったら大丈夫なのかな?仲良くしてくれる?小学生の頃のあたしとうららみたいに…。

近藤さんが屋根から降りてきて、あたしと手を繋いでブンブンと振った。

「あの…近藤さん…」
「麻衣でいいよ!私も朝日って呼んでいいかな?」

朝日。今はいないお母さんとお父さんが付けてくれた名前。
朝日みたいに皆を照らす、希望の光になってほしいという理由から付けられた名前。
こんなに優しくしてもらったのはいつぶりだろう?

仲良くなりたい。一人でもいいと思ってたのにな。
でも気になっていた事を聞かないと。

「うん、いいけど…あたしの噂知ってる?」

これで知らないなんて言われたらどうしよう?うらら達と関わっている事が分かったら
離れていくに決まってる。

「知ってるよ、鏡見さんの事でしょ?そんなの関係ないよ!朝日は朝日だもん」

麻衣は太陽みたいに笑った。
“朝日は朝日だもん” 嬉しかった。誰にも必要とされてないと思ってたから。

そんな麻衣の笑顔が不気味に見えた気がしたのは気のせいだと思いたい。

156:花梨 ◆eQxg:2013/01/13(日) 12:18 ID:CN.

とりあえず上げましょう うん

157:花梨 ◆eQxg:2013/01/14(月) 16:19 ID:xvU

上げ…?
停電で書き途中だったのが消えやがった…

158:カイ ◆4ymA:2013/01/14(月) 16:30 ID:Sr.

初めまして!!この小説全て見させていただきました!!
主人公の心情が分かりやすくて、見やすかったです!!
頑張って下さいね!!

159:花梨 ◆eQxg:2013/01/16(水) 22:17 ID:xvU

>>158
うわぁぁあ 最近チェックしてなくてレス遅れました ごめんなさい!
ありがとうございます!マイペースに頑張りますね〜

160:花梨 ◆eQxg:2013/01/17(木) 23:55 ID:xvU

「ねぇ、これからお昼休みは一緒にご飯食べない?その方が楽しいでしょ!」

麻衣はそう言って、返事を待たずにあたしの隣に腰を下ろした。
思わず口角が上がる。もう何だっていいや。

「うん……、うん勿論」
「ありがとう!嬉しいな」

素直に自分の気持ちを口に出す麻衣。笑顔はキラキラと光っていた。
黒髪で二つ縛りをした、真面目そうな子。顔は整っていて男子ウケもよさそう。
いわゆる“誰にでも好かれる子”。そんなイメージがある。

「ちょっと朝日、それコンビニのお弁当じゃない!そんなの食べてたら健康に悪いよ」

自分のおかずをポイポイとあたしの弁当に入れていく麻衣。
まだ出会ったばかりなのに、何故そこまでしてくれるの……?
何か、仲良くなることを急いでいるような……。不覚にもそんな事を思ってしまったあたし。

でもそんな思いも、隣で微笑んでいる麻衣を見ると消えていった。
麻衣はそんな子じゃない。
そう自分に言い聞かせて、あたしは微笑み返した。

161:花梨 ◆eQxg:2013/01/20(日) 10:09 ID:xvU

とりあえずそろそろ続き書かないとヤバす!

162:花梨 ◆eQxg:2013/01/22(火) 22:46 ID:xvU

それからあたし達はメールアドレスを交換して別れた。
今まで教室に帰る時は、ダルくて足が重かったけど今日は違った。
そんな事よりも新しく友達が出来たのが嬉しかったし。
何だかんだ言ってもやっぱり、一人は寂しかったんだな。

教室ではうららと美咲、そして千夏の間の空気が重くて、何かされる事は無かった。

そして今は下校中。

「ふふ……」

麻衣の笑顔を思いだす。心が暖かくなって、たくさんの心配事も吹き飛んだ。
麻衣の笑顔は人を安心させる力もあるのかな?

家の玄関が見えてくる。
大丈夫、あたしは一人じゃない。おばさんなんて怖くないんだ。
心の奥がモヤモヤしてるけど……。

玄関のドアを開け言う。

「ただいま」

163:花梨 ◆eQxg:2013/01/26(土) 11:23 ID:xvU

上げ

164:莉羽 ◆EppM:2013/01/28(月) 22:11 ID:Lyk

花梨〜♪
来ちゃった☆←

今ね全部、読んだところなんだけど…

ホントに小6!?
あたし、中1だよ…(´Д`;)

なのに、この文才…の差…←

めっちゃくちゃ面白いんですけど!!!

美咲、今は優しいね←
前はニヤリと笑ってたとk((黙
麻衣、なんか嘘っぽい…w
友達かーらーの裏切りィ…って感じかな(笑)←

とにかく、めっちゃ面白い!
これからも頑張って☆

165:花梨 ◆eQxg:2013/01/28(月) 22:54 ID:xvU

>>164
莉羽!来ちゃったn……じゃなくて 来てくれたの!?
年齢詐称はしておりません 小6です!

ありがと〜♪
莉羽年上とは思ってたけど中1だったのか…… 
莉羽の小説見たことないけど普段の様子から絶対上手いって! 私の色々グダグダだしw

美咲はね…… キャラぶれぶれw
麻衣も本当は登場する予定なかったし 途中で大きく路線変更w

ありがとう!さて今から書きますか……

166:花梨 ◆eQxg:2013/02/02(土) 20:35 ID:xvU

この小説を見てくださっている方(もし居るのならば)
もう少しだけ!更新待っていてください……

167:莉羽 ◆EppM:2013/02/02(土) 23:16 ID:Lyk


>>165 花梨

来ちゃったの〜♪←

私、花梨より年上での文才なし…。

文才は無いが、もうそろそろ小説を書こうと思ってるの(笑)
文才は無いけどねw

私は何回か小説を書いてるんだけどね、全部が挫折したwww
路線変更どころか、衝突事故が起こってるww

続き頑張って(´ `*)

168:花梨 ◆eQxg:2013/02/04(月) 17:50 ID:xvU

>>167
私莉羽の小説読んだ事ないから無責任な事言えないけども
自信持って!「自信は成功の一番の第一の秘訣である」
私の小説がダメなのは自信がないからもあるw

衝突事故ってww

今度こそ続き書こうw

169:花梨 ◆eQxg:2013/02/06(水) 18:04 ID:eI2

「あら、お帰りなさい。ご飯は?」

叔母さんが笑顔でリビングから顔を出した。
今日は機嫌がいいみたい。あたしはそれが一番ホッとする。
怒鳴られないから、睨まれないから。

「ありがとう。でもお腹減ってないからいいや」

無理矢理笑顔を作って言った。
少しでも機嫌を損ねないように、言葉を慎重に選びながら。

「そう?お腹減ったら言うのよ」

……よかった。機嫌は損ねなかったようだ。
小さく息を吐き出しうん、と返事をする。

そして階段を駆け上がり、2階にあるあたしの部屋のドアを開ける。

手に持っていたバッグを床に落とし、ベッドにダイブすると久しぶりにまともに人と
関わった疲れや、緊張が一気に押し寄せてくる。

そのまま大きくあくびを1つして、服も着替えずにあたしは静かに目を閉じた。

170:花梨 ◆eQxg:2013/02/06(水) 22:29 ID:eI2

─────ピリリリリ

この音であたしは目を覚ました。

壁にかかった時計を見ると、時刻は午後7時40分過ぎ。
家に帰ってきたのが5時過ぎだから大体2時間40分寝ていたことになる。

ここでさっきの音の正体に気付いたあたしは、急いでバッグをあさった。

「あった……」

小さく呟き、取り出したのは携帯電話。『メールあり』の文字が光っていた。
送り主は麻衣。逸る(はやる)気持ちを抑えてメールを開く。

『こんばんは いきなりメールしてゴメンね でも伝えたい事があったの
 私朝日と友達になれて嬉しかった いつもクールでカッコよかった朝日
 実はちょっと憧れてたから これからよろしくね!   麻衣より』

たった3行の短いメール。それでも十分だった。

ずっと心の奥で遠ざけていた存在“友達”。
あたしを友達だと言ってくれる、必要だと思ってくれる。そんな人があたしは欲しかったんだ。

ねぇ、お父さんお母さんあたし……
                 友達が出来たよ。

171:あゆみ ◆XL8M:2013/02/07(木) 12:20 ID:MCE

小説なんか、同感するとこいっぱい…… !

花梨すごいね〜

172:花梨 ◆eQxg:2013/02/07(木) 15:54 ID:eI2

>>171
本当?ありがとう!
でもあゆみの方が凄いよ 
私には思いつかないもん あんな話!

173:花梨 ◆eQxg:2013/02/10(日) 10:06 ID:eI2

また更新に時間かかりそうなので上げておきます

174:花梨 ◆eQxg:2013/02/12(火) 23:05 ID:eI2

もう1回だけ上げ

175:花梨 ◆eQxg:2013/02/14(木) 22:20 ID:eI2

ダメだ 続きが思い浮かばないぃ!!!

176:花梨 ◆eQxg:2013/02/19(火) 20:13 ID:eI2

暖かい布団の中で聴こえる音。
鳥の声、目覚まし時計の音、そしてもう1つ、昨日と同じ携帯の着信音。

体を起こし、重い瞼を持ち上げるとボヤける視界に映りこんだあたしの部屋。
目をこすって周囲を見渡すと、目覚まし時計を発見。
スイッチを押し音を止めた。

「んーっ!」

大きく伸びをして、勢いよくベッドから降りると勉強机の上の携帯を開く。
案の定、送り主は麻衣だった。

『おはよ! 後で朝日の家の前に行くから一緒に学校行こう!』

家の前に行くから……?何であたしの家を知っているんだろう。教えて……ないよね?
疑問が渦巻く頭の中。

とにかく、早く着替えてご飯食べよう。
最終的にはこんな結論に至った。

クローゼットからセーラーの制服を取り出し、寝間着を脱ぎ袖を通す。
カーテンを開け、一度鏡で身なりを確認してからスクールバッグを持ちリビングへ向かった。

既におばさんは起きてきていて、キッチンで食パンを焼いていた。
テーブルの上には苺ジャムとマーガリン、そしてコーンスープに野菜ジュース。
朝ご飯のお手本のような朝ご飯。栄養面も問題ない。

「おはよう」

たった一言だけ挨拶をして椅子に座る。

「おはよう」

向こうからも一言だけの挨拶が返ってくる。

ん。機嫌は悪くないみたい。天気も良い。なるほど、いい事あるかも。
そんな淡い期待を抱いているとチン、とオーブンから音がした。
キツネ色をしたパンがお皿に乗って登場。

この家族、そしてあたしはバターよりマーガリン派だからパンに付けるのはいつもマーガリン。
丁寧にマーガリンを塗り、苺ジャムを重ねる。
角から頬ばり飲み込み、野菜ジュースを一気飲み。
コーンスープにも手をつけていると、気付けば時刻は7時50分。

そしてその時、

_____ピンポーン。 来客を知らせるチャイムが鳴った。

177:花梨 ◆eQxg:2013/02/22(金) 16:40 ID:eI2

上げた方がいいのかな?

178:花梨 ◆eQxg:2013/02/27(水) 22:15 ID:eI2

「はーい」

おばさんが、パタパタとスリッパで走る音を響かせながら玄関へ向かって行った。

ドアを開ける音と同時に聞こえたおばさんの声。
まさか……!
パンを片手に玄関を覗いてみると、そこにいたのは思ったとおり麻衣。

「あっさひ!おはよう」

麻衣はあたしに気付くとニッコリと笑って、腕が千切れそうなほど手を振った。
思わずそのテンションの高さに驚き、パンを落としそうになるほどだった。

「お友達?」

おばさんが目を見開いて言った。
そりゃ、あたしが友達連れてきた事なんて無かったしね。

「うん、まぁそんなとこ……かな」

ちょっと照れながら言うと麻衣はさらにニコニコと嬉しそうに笑った。

「ほらほら、何パンなんて食べてるの! 早く行かないと遅刻しちゃう」

そんな気持ちを隠したいのか、いーち、にーい、と数を数え急かす麻衣。

「待って待って!」

急いでスクールバッグを取りにパンを咥えながらリビングまで戻り、
それと同時進行で愛用しているカーディガンも着た。

「23秒! ギリギリセーフ!」

麻衣はそう言いながらドアに手をかけ外に出る。
あたしも靴を履いて麻衣に続いた。

______そんなあたし達の様子をおばさんはどんな表情で見ていたのかな?


 

179:花梨 ◆eQxg:2013/03/03(日) 13:48 ID:eI2

本来なら家から学校までは10分で着く。これは前話した通りだ。
でも今日は麻衣と話しながらだったからか、かなり時間がかかった。
やっと学校が見えてきた時、校舎に付いている時計の針は8時10分を指していた。
家を出たのが7時55分だったから、つまりピッタリ15分。

それにしては長く感じなかった。
好きな本の話やクラスメイトの話、好きな音楽などの他愛の無い話だったけど楽しかった。嬉しかった。
明るくて一緒に居ることが楽しい所がうららと重なったな。

麻衣とは職員室に用があると言っていたから、靴箱で別れた。
その途端不安な気持ちに襲われた。そして憂鬱なあたしのクラス、1組に向かう。

その途中誰かがぶつかってきて転んだ。見事にスネを打って、激痛が走る。

「いった……」
「あははははっ、ごめんね朝日。でも朝からアンタの良い転びっぷり見れてよかったわ」

声を聞いて確信した。

「うらら……、アンタ達もう仲直りしたの?」

視線の先にはいつもの3人組。
当たり前のように千夏も一緒に立っている。

「なあに? 喧嘩なんて元々してないもの」

澄まし顔をして千夏が答える。
……嘘つけ。昨日思いっきりしてたじゃない。
気まずそうに美咲がうららの方を見ていた。それにうららは肩をすくめ答える。

「何はともあれ……今日もいっぱい遊んでね……!」

千夏はそう言って、あたしに黒く笑いかけた。
どうやら波乱の1日になりそうです。

180:花梨 ◆eQxg:2013/03/06(水) 16:36 ID:eI2

あげ〜

181:花梨 ◆eQxg:2013/03/08(金) 21:38 ID:eI2

1話で上げを使えるのは2回までとしよう……

182:花梨-karin- ◆uPA.:2013/03/13(水) 20:50 ID:j6A

やっべぇ マジでヤバいぞ 続きが思い浮かばないという事態に……

183:鏡時 ◆MUNk:2013/03/17(日) 09:43 ID:5zI

花梨、読んだよ!

何が駄作だよ、全然面白いじゃん!

情景描写もたくさん入ってて読みやすいし!

184:花梨-karin- ◆uPA.:2013/03/21(木) 21:01 ID:vLI

>>183
ありがとぅーす!←
その言葉を励みに頑張りますw

185:匿名さん:2013/03/24(日) 17:56 ID:vLI

机や椅子が倒れる音が教室中に響き渡る。

「いった……!」

クラスメイトの冷たい視線、クスクスと堪えるような笑い声。そして、倒れた机に埋もれたあたし。
教室の中の事全てが普通では無かった。
ううん、これが普通なんだ。このクラスでは普通なんだ。これが当たり前の光景。

「ちょっとー、何そんな所で寝てるんですかぁー」
「やっだ、机が汚れるわ!」

頭がガンガン痛む中、嫌味ったらしい千夏とうららの声が聴こえた。

反論したくても言葉が出て来ない。それが悔しい。
誰かと一緒じゃないと何も出来ないくせに……!
だから人間って嫌い。汚くて弱い。

「仕方無いな、あたしが綺麗にしてあげる」

今まで黙っていた美咲も冷たい顔で口を開いた。
ボーっとしていた為、言った事が理解出来なかったあたしだけど美咲が持った物を見てその言葉の真意に気付く。

目の前には水が滴るモップ。
小学生の頃うららに見せてもらった漫画にもこんな場面があったな……。

そんな事を考えていると右腕を鋭い痛みが襲う。
同時に冬の水の冷たさ、服が体にまとわりつく気持ち悪さも感じた。

人間はどうしてこんな事をしてじゃないと自分を主張出来ないのだろう。
何故あたしはこんな所にいるの?何故あたしは生きているんだろう。
まず、あたしは生きているの?こんな毎日生きているなんて言えるの?

朦朧とした頭の中はそんな疑問でいっぱいだった。
でももう教室に響く笑い声も聴こえなくなってきていて……。

186:花梨-karin- ◆uPA.:2013/03/24(日) 18:01 ID:vLI

久しぶりの更新 名前を入れ忘れるという重大なミスを犯してしまった←
更にこの文を別の方のスレに書き込んでしまうとは……

187:花梨-karin- ◆uPA.:2013/03/28(木) 23:15 ID:kJU

思った以上に沈んでました
明日辺りに更新出来るかな……?

188:花梨-karin- ◆uPA.:2013/03/31(日) 00:49 ID:kJU

「ちょっと、何してるの!?」

遠ざかる意識を引き戻すように聞こえたあの声、一気に目が覚めた。
教室は静まり返り一斉に振り返り、視線が一人の少女に集中する。
しかし、気にせずあたしに歩み寄り、

「大丈夫!?」
「麻衣……」

黒髪の二つ縛り、大きな瞳、少し高めの声。一瞬で麻衣だと分かった。
滲む視界に映る麻衣の表情は……。

「アンタ……2組の近藤! 何勝手な事してんのよ!」

千夏のヒステリックな声で教室はざわめきを取り戻す。
近くの美咲とうららを見てみると驚きと困惑の混ざり合った表情。何かが不自然に思えた。

189:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/01(月) 17:34 ID:kJU

上げます

190:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/04(木) 23:58 ID:kJU

再び上げ

191:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/06(土) 01:38 ID:kJU

「あなた達最低よ、朝日がアンタ達に何をしたっていうの!?」」

麻衣があたしを庇って言ってくれた言葉。
でも正直、意味が分からなかった。
何故相手を煽るような事を言うのだろう、これじゃあ逆効果じゃないか。
案の定クラスメイトの表情は引き攣り、固くなっていた。

「近藤、自分の立場分かってる?」

怒りを押し殺したような千夏の低い声、思わず鳥肌がたった。
麻衣は……あたしに巻き込まれて嫌がらせをされたりしないかな?
数々の感情が渦巻く脳内、そして麻衣と千夏の間には火花が散りそうな睨み合いが起こっていた。

「麻衣……! あたしは良いの、だから……っ」

あたしはこの空気に耐えられなくて、そして麻衣が巻き込まれるといけないからこの言葉をかけた。

「朝日……」

そう呟き振り返る麻衣の口元は、何故か歪んでいるように見えた。
千夏の殺気立った声よりももっと怖い、狂気に満ちたような表情。

目を疑い、蛇に睨まれた蛙のように固まった。
しかしもう一度瞬きしてみるとそんな麻衣は消えていて、心配そうな表情をした麻衣に戻っていた。
もしかして見間違いだったのか……?うん、きっとそうだ。

「何ゴチャゴチャ言ってんの、ちょっと近藤……!」

そう千夏が何かを言いかけた丁度その時、あの学校特有のキンコンカンコン音のする予鈴が鳴った。
良いタイミングなのか悪いタイミングなのか……。
クラスメイトも各々の席に着いて行った。

「あっ、予鈴。朝日ゴメンね、何かあったら言うんだよ。すぐ飛んで来るんだから。」

まだ何か言いた気な表情で、あたしを見ながら立ち上がるあの子。
あんまりアッサリと行ってしまおうとしているのだから少し切ない気持ちになったけど、それもあたしの我が儘。

「……うん。ありがとう……ね」
「じゃあね! また来るから」

弾ける笑顔で去って行ったその姿と言葉。

「……あたしの事は人事……っか」

ただ教室の端に一人で座り込む声は誰にも届く事は無かった。

192:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/07(日) 23:09 ID:kJU

とりあえず上げ
2、3日に一度の更新を目指します!

193:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/09(火) 16:54 ID:kJU

中学校入ってバタバタなので更新遅れるかもです
または短くなるとか……

194:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/12(金) 22:11 ID:kJU

そしてその後あたしはいつも通りつまらない授業を受け、いつも通り悪口の書かれた紙が回されて来て。
本当にいつもと同じ、全く変わらない日常なの。

なのに今日は何故かとてもイライラしていた。胸の奥がモヤモヤ霧がかったようで、息が詰まる。
紙は破り捨て、授業もろくに聞かなかった。休憩時間も1人で本を読んでいると、不機嫌な事が分かったのか誰も近寄って来なかった。
……意外と良いかも、これからいつも不機嫌でいようかな。でも流石にしんどいか。

そんなこんなでまあ、昼休み。
千夏と美咲は委員会の事で呼び出されたようだ。うららは1人じゃ何も出来ない子だから今日は静かに過ごせそう。

表情を緩ませあたしは屋上へ向かう。

「ねえ、そういえば来週期末テストだよ」
「あたし勉強とか全然してないんだけど……」
「ちょっとそれヤバイってー!」

あははははっ、と笑い声を上げながら通り過ぎて行く少女達。
あたしは将来苦労するだろうな、呆れながら見ていた。

195:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/13(土) 11:22 ID:kJU

本当に短かったですね しかも見直しもしかなかったから変な所が多過ぎる……
すみません!

196:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/14(日) 21:48 ID:56s

上げ 
次の更新は>>194書き直しになるかもです
あまりにも酷いので;

197:匿名さん:2013/04/21(日) 08:31 ID:1AY

上げ

198:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/21(日) 08:34 ID:1AY

あら また入力してなかった

199:匿名さん:2013/04/22(月) 22:01 ID:1AY

本鈴が鳴り、同時に先生が入って来る。
1時限目は国語、担当は酒井愛美先生。若くて可愛く生徒……特に女生徒からの人気が高い。
あたしも、優しいし叱る時は叱ってくれるし好きな方の先生だ。

でも、この人の授業はあまり好きじゃない。教科書に沿った内容を行うだけで、正直退屈だ。
……まあ、時折ギャグを織り込ませるから他の奴らは楽しいんだろうけど。

うとうとしながらも必死に意識を保ち、話を聞いているといきなり後ろから小突かれた。
目を擦りながら振り返ると、ニヤニヤと笑いながら紙切れを差し出すクラスメイト。
大体……いや、全て理解出来た。あたしだって、そんな鈍感じゃないから。

開いてみるのも無駄だから、千切ってスカートのポケットへ突っ込む。
きっと内容は『ブス』や『死ね』というクラスメイト全員分の中傷。こんな事は毎日あるからもう慣れてしまった。

それにしても、何か変な気持ちだ。
……別に変わった所なんてないのに。いつもと変わらない、つまらぬ日常。
なのに、何故だろう。
深く霧がかった森の中をさまよっているような、どうしようもないようななんとも不安な気持ち。

あぁ、もう何も考えたく無い、とにかく今は1人にしていて。
そんな気持ちが滲み出ていたのか、休み時間でも落ち着いて本を読む事が出来た。

そうか、不機嫌だと人は寄って来ないのか、ならばこれから毎日不機嫌でいれば良いんじゃないか?
……そんな事が頭の中をよぎった。それにしても何て安易な考えなのだろうか。精神的にストレス溜まるだろ。

ふう……と1つ深く溜め息。そして大きく伸びをする。

200:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/23(火) 15:38 ID:1AY

はい 200でございます〜
まさかこんなに続くとは……

201:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/26(金) 18:10 ID:1AY

……からの上げ

202:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/29(月) 20:06 ID:yXM

とりあえず今続き書いてます が 今日の所は一旦保存して風呂入って勉強して寝ます

203:莉羽 ◆EppM:2013/04/29(月) 23:30 ID:oNo

あああ…やっぱり、いじめは止まらない…><
朝日ちゃん、本当に強いね…!((

204:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/30(火) 13:20 ID:yXM

>>203
莉羽久しぶり〜! また来てくれるなんてすっごく嬉しいです!
朝日は……まあ強いか←

今日早帰りなんでじゃんっじゃん書きます!……なんて事が出来たらいいな←

205:匿名さん:2013/04/30(火) 17:14 ID:yXM

4時限目は社会だった。
寝不足のあたしは遠慮なしに居眠りをしていたけど。

何度も自分で言うのはどうかと思うが、あたしは頭が良い。この間の事があってもまだ先生達から評判の娘だ。
ていう事で居眠りをしても怒られない。
学校としては決して良い学校とはいえないが、あたしはとりあえず数学の勉強が出来れば良いのだ。

……ガタガタと音が聞こえる。その後少ししてから聞こえた人の声。
あぁ、授業が終わったのか。
ふわーあ、と欠伸をしてから、あたしは机の横にかけてあるトートバッグを持ち、教室を出た。

206:花梨-karin- ◆uPA.:2013/04/30(火) 17:14 ID:yXM

何でいつも名前入れ忘れるんだろうな
とりあえず一旦切っての更新

207:莉羽 ◆EppM:2013/04/30(火) 23:07 ID:oNo


朝日ちゃん、お気に入りかぁ…(((
そういうのって、特するよね(笑))

朝日ちゃんは意地を張ってるんじゃなくて、純粋に強い感じだよねー^^
てゆか、そうだよね?(焦)


ごめん、質問←

【ふわーあ、と○○をしてから__。】
       ↑↑
    コレ、何ですカ?
   読めましゅえーん((死

208:光希 ◆XHe2:2013/05/01(水) 13:47 ID:6RU

>莉羽さん
【アクビ】ですよ。

209:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/01(水) 18:11 ID:yXM

>>207
でも生徒から嫌われるでしょうね←

まあね〜 とりあえずはw

あくびだよ〜 歓っていう漢字の部首もあくびって言うよ

>>208
光希……光希……ごめん rinだっけ?((

210:光希 ◆XHe2:2013/05/01(水) 19:03 ID:6RU

>花梨

rinそうだよ(
忘れるなんて、酷い←

211:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/01(水) 19:05 ID:yXM

>>210
((; =゜з゜=)) 〜♪ ←

212:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/03(金) 13:07 ID:yXM

廊下を人を避けながら駆け抜けるとき、緊急の呼び出し放送があった。
足を止め聞いてみると、千夏と美咲の所属する委員会、美化部で、何か問題があったらしい。
教室で、1人でうろうろしているうららが思い浮かぶ。
……まあ、私には関係無いけど。

あたし達2年生の教室は3階、屋上へ上がる階段も近い。
3年生だと2階になって、不便になるから嫌だな。受験だって面倒。

スピードを落とし歩き出すと、窓枠に寄りかかり話すこんな2人の少女の会話が耳に入った。

「ねえ、来週期末テストだけどさ……」
「あっ、確かにそうだね。勉強してる?」
「してる訳ないじゃーん!」
「だよねー!」

何て軽い会話だ。
あははははっ、といういかにも馬鹿そうな笑い声が彼女達の性格を表すよう。
平静を装って通り過ぎたが、頭の中は彼女らへの哀れみの気持ちでいっぱいだ。
まず大学へ行けるかどうかも怪しい。窓から覗く晴れ渡る空が、そんな未来を皮肉んでいるようにさえ見える。

でもまあ、お弁当食べるのにはちょうど良いかな。麻衣が待ってるかも、急ごう。
そしてあたしは再び走り出した。

213:莉羽 ◆EppM:2013/05/03(金) 20:58 ID:oNo



あ、今頃でアレなんだけど…。

麻衣ちゃんは、何か企んでないよね!?

214:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/03(金) 21:46 ID:yXM

>>213
ん〜 どうだr((

215:莉羽 ◆EppM:2013/05/03(金) 21:48 ID:oNo


>>214

ええええe((

私のスレ、人が来なくて悲しいよ(´;ω;`)

216:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/04(土) 09:37 ID:yXM

>>215
大丈夫 そのうち来る(`・ω・´)b

217:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/04(土) 23:38 ID:yXM

上げげ

218:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/05(日) 19:22 ID:yXM

更に上げ

219:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/06(月) 15:01 ID:yXM

そろそろ更新しなくちゃヤバい

220:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/06(月) 20:21 ID:yXM

階段を昇る音が、狭い通路に反響する。
冷たいドアノブを握り、一旦呼吸を整えドアを開くと、
眩しい太陽の光が端から徐々に暗い階段に差し込んできた。

「わ……」

思わず小さな声が漏れ、一瞬踏み出す事を躊躇する。
しかし、手すりの側に座り込む麻衣の姿を見つけて、光の差す地面に足を踏み出した。

気配を感じたのか、こちらを振り返った麻衣。
あたしを見つけた途端、この太陽にも負けないほどの明るい笑顔を見せた。

「朝日っ! 遅かったじゃない」

ニコニコと手招きをする麻衣の膝には、お弁当が入っているであろう包みがあった。
あたしが来るまで待っててくれたんだ。遅くなって悪かったな。

「ん。ゴメン、ちょっとね」

適当な言い訳をして麻衣の隣に座る。
まさかお馬鹿な少女の会話を盗み聞いていたなんて事は言えまい。

221:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/07(火) 18:49 ID:yXM

http://yaplog.jp/mazikkarin/ ブログ開始です 良かったら見てやってくださいな

222:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/08(水) 18:02 ID:yXM

とりあえず上げ
そのうち更新

223:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/08(水) 19:14 ID:yXM

「いただきます……」

申し訳程度に手を合わせ、小さく呟く。
今日は、おばさんの作ったお弁当、黄色い卵焼きがツヤツヤと美味しそう。

「朝日ってちゃんといただきますって言うんだね、何か意外」

さらりと失礼な事を言う麻衣。
まあ、確かにそう思う人は多いかもね。

「うん、お母さんとした約束だからさ」
「ふーん、朝日のお母さん……かー」

麻衣にはあまり興味無さそうに反応されたけど、これもお母さんといられた短い日々の思い出の1つだ。
今も忘れないで大切にしている。

『朝日、ご飯食べる前にはご飯を食べられる事に感謝して“いただきます”って言うんだよ』

小さい頃にお母さんに言われた言葉。
まだ、世界を知らなかった小さいあたしには、
何故何かを食べられる事に感謝しなくてはならないのかが分からなかった。

でも大好きなお母さんの言う事だから、とりあえず守っていたな。

……もう1度お母さんとお父さんに会いたい。
分かってる、叶わない願いだって。こんな風に考えてしまう自分が悔しい。
ホントバカ。ただ悲しくなるだけって分かってるクセに。

「朝日……?」
「うわっ!」

……変な声出た。すぐ後ろのフェンスにもぶつかってガシャン、と音がする。
でも、急に話しかけられ、しかも目の前に麻衣の顔が現れたんだから、驚くのも無理ないだろう。

「あ……、ごめん」

あからさまに顔を顰め(シカメ)られてしまった。
でも……、悲しさが紛れた。

「ありがとう」
「え? 何? あたし何かしたっけ?」
「ううん、何でも無い」

この時間がずっと続けば良い、凄く安易な考え。
でも……この時は本当にそう思っていたんだ。

224:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/09(木) 16:02 ID:yXM

この板は下がるのが早いなぁ〜
あぁ 遠足疲れた

ていうか私高校生じゃないから高校の話書くの難しいな
設定変えるのはプライドが許さないから次作は中学設定にしよう

225:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/10(金) 21:46 ID:yXM

上げ

226:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/12(日) 11:15 ID:yXM

ぐっふぉ! 沈んでる←

227:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/12(日) 12:39 ID:yXM

http://yaplog.jp/mazikkarin/

ブログに朝日のイメージ画うpりました〜
次回作情報もありです

228:匿名さん:2013/05/12(日) 18:29 ID:yXM

「あれ、麻衣何してんの?」

あの屋上での出来事から数日。あたし達はすっかり打ち解けていた。
でも、最近麻衣が不審な行動をする事が多い。あたしに何か隠しているような……。

「あっ……! 朝日。ごめん、何でも無い」

今日は何かの写真を見ていて、あたしが近づくとすぐに隠してしまった。
でも……、ポケットに写真をしまうまでの、その一瞬の間に見えた写真に写る人物は紛れも無く……あの『岡野瑞希』さん。

「岡野……瑞希さん……?」
「え……」

無意識の内に呟いてしまったこの言葉に、麻衣は肩を大きく震わせ、過剰なほどに反応した。
麻衣は何かを隠している、確信した。

何故瑞希さんが?麻衣との繋がりは何?

「あっ……何でも無い! 本当に何でも無いから!」
「そっか……」

訊きたい事は限りなくある。
でも、訊いた所でこの様子では絶対に答えてくれないだろう。

じゃあ……あたしが探るしか無い!

笑顔を作り答えている間、こんな探偵じみたくだらない事を考えていた。
でも割と本気で。

久しぶりに本気になれるもの見つけた気がする。
まあ、人の秘密を探るという悪趣味なモノだけど。

229:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/12(日) 19:40 ID:yXM

私はもう名前の入力忘れには触れない←

230:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/13(月) 09:31 ID:yXM

……とは言ってもあたし友達いないから、聞き込みは難しいかな。
先生だと、どうせ『個人情報だから教えられない』とか言うだろうし。
直感的に無理だと分かった。

じゃあ……、どうすれば……。
でも、こんな事考えるのも楽しいかも。

「朝日? どうかした?」

その声に顔を上げると、至近距離に麻衣の顔。
今度はもう驚かないぞ。

「何考えてたの?  何か楽しそうだったからさ」
「さあ、何でしょう」

ニコリ、と優しく微笑んだ……つもり。

「……何か怖い」

本当失礼だな。
まあ笑う事なんて滅多に無いから、引き攣ってたかも。

「まあ良いや、お弁当食べようか。昼休み終わっちゃう」

とりあえず麻衣が話変えてくれて良かったかな。
こんな麻衣にも……、隠し事ってあるのか。うん、想像付かない。

考えれば考えるほど胸が高鳴り、ワクワクしてくる。

よし、放課後から活動開始だ。

231:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/14(火) 19:01 ID:yXM

「ところでさ、麻衣の出身中学ってどこ?」

さりげなく……、を心がけ聞いてみる。

「急に何!? 南中だよ、朝日は?」

ニコニコと笑いながら、怪しむ様子も無く答えてくれた。
うん、イケるかも。

「ちょっと気になって。あたしは東中」

平静を装って答える。
放課後が楽しみだ、帰宅部で良かったとつくづく思う。

……探偵ものの本の読み過ぎかな?

でも、あくまでも犯罪まで行かないように注意。

「そっかー……」

何かを考えてるような麻衣。
視線が鋭くなったような気がしたんだけど……、気のせいか?

人の変化には人一倍敏感なあたしだけど、麻衣は何だか分かりづらい。
表情が変わったと思っても、いつの間にか元の表情に戻っていたりして、本当に変化があったのかが分からなくなる。
何ていうか……不思議な子。

凄く興味が湧く。




でも……あんな事になるなら……知らない方が良かった。

232:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/15(水) 18:04 ID:yXM

最近毎日更新中〜!

233:匿名さん:2013/05/16(木) 18:22 ID:6RU

ガンバ~~~

234:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/16(木) 18:30 ID:yXM

まさかの光希ww

235:匿名さん:2013/05/17(金) 19:38 ID:yXM

そして、待ち侘びていた(マチワビテイタ)放課後。
あたしはすぐに南中に向かった。

しかし、此処に知り合いがいる訳でもないあたしはただ校門の前で下校途中の生徒達を見送る事しか出来ないでいた。
これは計算違いだ、あたしとした事が……。

半分諦めかけた、そんな時、

「あれ、その制服! お姉さん西高の人でしょ?」

明るい、よく通る声が聞こえて来た。

西高、それはあたし達の通っている学校。
間違いない、あたしに向かって言っている。

反射的に振り返ると、そこには、何となく麻衣に似ている、ニコニコとした可愛らしい顔があった。
赤いネクタイのブレザーからして、この子は此処の学校の子だろう。

「え……? そうだけど……」

いきなりの事で戸惑いながら答えるも、その子はまるで気にする様子も無く言葉を続けた。

「やっぱり! しかもスカーフがエンジ色だから2年生だよね? 麻衣ちゃんと同じだ!」

今にもぴょんぴょんと跳ね回りそうなほど、満面の笑みの少女。
しかし、そんな事よりも『麻衣』。この単語に反応した。
きっとあたしの顔は今、驚きで溢れているだろう。

「麻衣……?」
「そうだよ、2年2組に近藤麻衣っていう私の従姉妹がいるの!」

“ドクン”、心臓が大きく波打つ。
これまでに無いほどの鼓動の早さ。
もしかしたら……この子なら瑞希さんとの関わりを知っているかもしれない。
緊張と期待の混じり合った感情。逸る(ハヤル)気持ちを抑えきれない。

「じゃあ……麻衣と岡野瑞希さんっていう子との関わりを知っている……?」
「うん、瑞希ちゃんはね……」

少女が言葉を言いかけた時、急にその子の表情が緊張に変わった。
それでも次の言葉を待っていると……、

「何……してるの?」

あの聞き慣れた声がすぐ後ろから聞こえてきた。
振り返らずとも分かる、この声はあの子しかいない!

「ま……い……!」

ゆっくりと頭を回して行くと、次第に見えて来る黒い髪に大きな瞳。
ニコリ、いつもと変わらず微笑む麻衣は、スタスタと真っ直ぐに少女の方へ向かって行く。

「理緒ちゃん、何勝手に個人情報を教えているの?」
「ご……、ごめんなさ……」

少しも表情を変えずに喋るその姿は、あたしの知っている麻衣では無かった。
笑顔なのに威圧感が半端じゃない。いや、笑顔だから余計に怖い。
理緒というらしいその子の顔も恐怖に歪み、涙目になっている。

体が固まったかのように動かない。

そして、麻衣はそのまま理緒を引き摺るようにして、あたしの方には見向きもせずに帰って行った。

初めて知った、麻衣のあんな一面。




あたしは……あたしは……。

236:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/17(金) 19:39 ID:yXM

あれっ さっきまで名前入ってたのに……

237:jimnhs:2013/05/17(金) 19:45 ID:cnE

おもしろーい^^
私も小説書いてます!
頑張って下さい(^ー^)d

238:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/17(金) 19:47 ID:yXM

>>237
ありがとうございます!
最近前以上に面白くないなって思ってたんで嬉しいです

239:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/18(土) 12:41 ID:yXM

携帯のアラーム音がこの空間に響き渡る。

スッキリしない目覚め、布団から出る気がしない。

そういえば……あれ……、あたし何してたんだっけ……?

昨日は……、確かあの後1人で家に帰って……。

そうだ、それですぐに布団に入って眠ってしまったんだ。

嫌だな、学校行きたくない。
何か……凄く嫌な予感がする。

でも行かなくちゃいけない、そんな事分かってる。

重い気持ちで起き上がり、床に足をついた。

ぐだぐだと制服に着替え、ぐだぐだと髪を整え。

あたしは、何故此処でこんな事をしているんだろう。
自分自身が本当に嫌になる。あたしの勘が絶対なんかじゃないのにうだうだ悩んで。

胸の中に大きな岩を放り込まれたよう。
何をするにもやる気が起きない。

「行ってきます……」
「あら、もう行くの? 朝ご飯は?」
「今日はいらない。ありがとう」

麻衣は、昨日からメールが1通も無いから来ないだろう。

足が凄く重い。

「あっ……!」

足を引き摺りながら歩いていた為、小さな石に躓いて(ツマズイテ)しまった。
ズザザザッ、と音をたて盛大に転ぶ。

膝から流血して、ズキズキ痛む。

本当にツイてない。
泣きそうになってくる。
こんな事で泣いてたまるか、必死に涙を堪える。

240:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/18(土) 13:05 ID:yXM

http://img-origin.yaplog.jp/timg/18/pc/m/a/z/mazikkarin/0/21.jpg&w=360

この前ブログに載せた朝日のイメージ画
キツい感じで近寄りがたいような……そんなイメージです
制服は断然セーラー派なんで(`・ω・´)

で 隣が次回作予定の主人公です

241:匿名さん:2013/05/19(日) 16:23 ID:yXM

だんだんと、登校する生徒達も増え、校門も見えて来た。

1歩を踏み出すごとに気持ちが重くなる。
ヤダ……帰りたい。
麻衣がいない、そんな事だけでこんなにも不安になるなんて、あたしは何て弱くなったんだろう。

さっき転んだ時の傷が、絆創膏を付けてもまだ痛んだ。

「はよー」
「はよっす」

そんな声が聞こえるたびに、胸の鼓動は速くなり、足が震える。

1歩1歩ゆっくりと……でも確実に校門は近くなってきている。
ここは、あたしにとって苦痛でしかない所。
いくら数学の勉強が出来ても、好きだとは思えない。

でも……麻衣はあたしの味方でいてくれる筈、そんな考えがあたしを救ってくれた。

242:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/19(日) 17:03 ID:yXM

大きく息を吸い、校門をくぐる。
真っ直ぐ前を向き、震える足を大きく前へ進める。

昇降口に着くと、まず最初に2組の靴箱に行き、麻衣の靴があるかどうかをチェックした。
上靴がある。まだ学校には来ていないみたいだ。

もしかして……今日もあたしの家に迎えに来てくれたり……?

あたしの中で喜びと申し訳ないような気持ちが混ざり合う。
そうと決まった訳でもないのに、心はなるべく前向きな方向へと考えようとする。

もしかしたら、昨日の麻衣はただの幻だったんじゃないか、そんな無理矢理な考えまで浮かんできた。

今にでも麻衣が後ろから『あーさひっ!』と、飛びついてきそうな気がして後ろを見てしまう。
でも、やっぱりそこに麻衣がいる筈も無く……。

自分を安心させようとする行動が、逆にあたしを苦しめる。

もしかしたら、麻衣はあたしの事を嫌ってしまったのかもしれない。

もしかしたら、麻衣はもうあたしに興味など無くしてしまったのかもしれない。

もしかしたら、麻衣はあたしに失望してしまったのかもしれない。

もしかしたら……もしかしたら……。

今度は次々と湧いてくる『消極的』な感情。

あたしは何をしたいの? 
自分自身が分からない。結局どうしたいの?
あたしを安心させたいのか、苦しめたいのか。

ああ、とにもかくにも早く教室へ入ってしまおう。
此処にいると、頭が可笑しくなりそう。

もう一度、大きく深呼吸をして、上靴を取り出す。




そして、あたしのよく知るあの人に、一連の行動を見られていた事も知らずに歩きだした。

243:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/20(月) 16:32 ID:yXM

めっちゃ下がってるw

上げ〜

244:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/20(月) 20:48 ID:yXM

更にもう1回上げ〜
更新は明日っぽいです

245:乃愛:2013/05/20(月) 22:22 ID:RNw

花梨〜っ♪
レス数が多いから読む気湧かなかったんだけど……めっちゃ面白くて時間を忘れて読んでしまった(笑)
明日、修学旅行なのに〜(泣)

246:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/21(火) 16:33 ID:yXM

>>245
ん? 今何か面白くて時間を忘れたとかいう有り難い書き込みがあったような……?
でもきっと幻だろうな〜……ってえ!? 幻じゃn((ry

嫌だ めっちゃ嬉しいw ありがとう! 修学旅行お土産待ってるn((

247:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/21(火) 18:05 ID:yXM

ぼちぼち書き始めるかな……

248:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/21(火) 20:26 ID:yXM

やべえ 更新間に合わねえ

保存して明日に回します!

249:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/23(木) 20:09 ID:yXM

教室に入った途端に感じる、異様な気配。
いつもとは明らかに違う……、あたしに集まる、突き刺さるような冷たく、でも好奇心も混じった視線。
まるで……これから何かのショーが始まるような……。

瞬間、背中を走る悪寒。

息が止まりそうになるほどの
、威圧感。
この感じは記憶に新しい、まさか後ろにいるのは……!

恐ろしさで、振り返るのを躊躇
していると、容赦無しに襲ってくる衝撃。

その時に起きた風に乗って香ってきたのは、あの……うららのお気に入りのフレグランス。
薔薇の花の、うららにピッタリな上品で、とても心地良い香り……。

そんな、つかの間の幸せを振り払うように、床とあたしの距離はゼロになる。

胸が強く当たり、息が上手く出来ない。
それに加え、朝の擦り傷がズキズキと痛んだ。

「いった……!」
「ふふっ……」

そして背後から聞こえる、唇から漏れ出したような笑い声。

振り返ると見えるのは、複雑な表情をした、いつもの3人組……そして、麻衣……?

「何で……麻衣が……!?」

面白くてたまらない、という様子でクスクスと笑う麻衣の姿は、今までの暖かさや、明るさなど微塵も感じさせない。
全身が『黒』で満ちあふれている。

「何で……? そうだなあ……、何でだと思う?」

麻衣は、あたしをあざ笑うかのように答える。

ダメだ、頭が混乱する……。
麻衣、どうして……?

250:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/23(木) 20:11 ID:yXM

あれ 何か変な所で改行されてる 変なの……

251:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/24(金) 22:14 ID:yXM

教室に入った途端に感じる、異様な気配。
いつもとは明らかに違う……、あたしに集まる、突き刺さるような冷たく、でも好奇心も混じった視線。
まるで……これから何かのショーが始まるような……。

瞬間、背中を走る悪寒。

息が止まりそうになるほどの 、威圧感。
この感じは記憶に新しい、まさか後ろにいるのは……!

恐ろしさで、振り返るのを躊躇
していると、容赦無しに襲ってくる衝撃。

その時に起きた風に乗って香ってきたのは、あの……うららのお気に入りのフレグランス。
薔薇の花の、うららにピッタリな上品で、とても心地良い香り……。

そんな、つかの間の幸せを振り払うように、床とあたしの距離はゼロになる。

胸が強く当たり、息が上手く出来ない。
それに加え、朝の擦り傷がズキズキと痛んだ。

「いった……!」
「ふふっ……」

そして背後から聞こえる、唇から漏れ出したような笑い声。

振り返ると見えるのは、複雑な表情をした、いつもの3人組……そして、麻衣……?

「何で……麻衣が……!?」

面白くてたまらない、という様子でクスクスと笑う麻衣の姿は、今までの暖かさや、明るさなど微塵も感じさせない。
全身が『黒』で満ちあふれている。

「何で……? そうだなあ……、何でだと思う?」

麻衣は、あたしをあざ笑うかのように答える。

ダメだ、頭が混乱する……。
麻衣、どうして……?

252:花梨-karin- ◆uPA.:2013/05/24(金) 22:15 ID:yXM

やっぱり改行可笑しいんで 修正して再投稿


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