時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

449:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 18:19

16,わざと ※沖田side

「わかってますよ?それに私、沖田さんが好・・・」

何となく、夏音さんの言いかけた先の言葉が、わかったような。
でも、言うのは無粋だから、あえて聞く。

「私が、好・・・?どういうことですか?続き、教えてください」

「ムリですぅ!」

顔が紅い夏音さんが、菊乃の恥じらう姿と見えて。
嫌々、そんな事はない。
否定し、思わず吹き出した。

「夏音さん、面白いですね」

僅かにこぼした笑みも、すべてが。
似ているけれど、どこか菊乃と違っている。
笑えるのは、反応。
すごく、いじってる土方さんの気持ちがわかった。
わざと、聞くのもありなのかもしれない。   

450:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 19:43

17,相思相愛

ほっこりした空気。
そんな空気を変えたのは、静の一言。

「・・・義経様。本当は・・・」

義経さん、髪をくしゃっとさせて、フイッと顔を背けた。

「・・・大丈夫だ。はやく、京に戻れ。もう、関わらないから・・・」

義経さん・・・。
私、めちゃくちゃイライラ。
少しでも、静の話を聞いてあげても良いんじゃないの!?
そんな、勝手に決めつけるって・・・!

「義経さんって、案外、バカだったんですね」

私は、思わず言ってた。

「なんだと!?」

義経さんの顔が、一気に紅潮。
事実じゃん。

「静の考え、決めつけないでよ。どんだけ、静が悩んでたか、知らないくせに」

言った途端、義経さん、しょんぼり。

「だから、静。話して」

静の顔が、パアッと明るくなった。
義経さんは、顔を上げた。

「実は、私・・・」

静が、悩んでいた事をすべて話し始めた。
初めは、義経さんの顔が死んでた。
でもだんだん、ちょっと明るくなっていった。
極めつけは、

「私は、ずうっと、義経様のお側にいたいです!」

静のこの、言葉。
義経さんの顔が赤くなって、それから明るくなった。

「静・・・」

「義経様・・・」

あのねぇ。
此処で、抱き合わないで。
一応、壇ノ浦、戦の場なんだから。
って、言いたかったけど、止めた。
相思相愛になったから、それでいっか。
   

451: アーヤ◆TQ:2017/10/17(火) 19:48

やっぱりわざとらしく言ったね、土方の弄る気持ちが分かったとは凄い

452:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 20:52

>>451 ありがとう!わざとな感じが良いよね(´V`)♪

453:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 21:08

18,返品

「おいっ!源氏。コレを返しにきた」

あれ?
平氏の船?
船頭が、船を漕いで、言った。
コレって?
船を見て、納得。

「やっぱり、義経はイケメンね〜!」

この発言で、きっぱりわかった。
お母さんだ。
着物を着て、髪も流してるから、わかりにくかったけど、発言のおかげで、確認。

「・・・なんで、コレを返しに?」

来なくて良かったのに。
そんな気持ちを押し込めて、聞く。
船頭が、困ったように、

「建礼門院様は気に入られたのだが・・・。帝がその方の後を追って、海に落ちそうになり、やむなく返しに参った」

あぁあ!
またかよ!

「なんで、迷惑を顧みないのよ!?」

怒鳴れば、お母さんは飄々と、源氏の船に乗りながら、

「迷惑だったの?帝と触れ合ってただけなのに」

「だぁかぁら、それが迷惑なの!」

お母さんは、耳を貸さず、うっとりと、

「でもなぁ。やっぱり、フェルセンの方がカッコ良かったしなぁ・・・」

イケメンを批評している。

ブチッ

これは、私の頭の血管が切れたような音。

「イケメンを選ぶんじゃないわよ!そりゃあ、返品されるわよ!」

お母さんは、耳を後ろに向けた。
むっかぁ!
って言うか。

「桂さんは、放っていいの?」

お母さん、ハッ。

「やっぱし、小五郎さんよねぇ♡」

調子いい。
なんで、世の中は、こんなひどい奴がモテるのよ!?
不平等よ!
お母さんに向かって、睨む。
近藤さんと、永倉さん、藤堂さんが噂してるのが聞こえる。

「怖ぇなぁ」

「怒らしたら、かなり大変だな」

ムカムカムカ。
私は、じろっと、

「・・・なんか言いましたぁ?」

三人、慌てて首を振る。
沖田さんが、クスッ。

「局長が、夏音さんを恐れてる」

うわぁ。
笑顔、ヤバい!
また、胸がキュンって熱くなった。  

454:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 06:34

19,わがまま

お母さんが、じとっとした目で、私と沖田さんの間に割り込む。

「此処で、イチャイチャするときじゃないのよねぇ・・・」

あんたが言うな!

「愛娘の恋路を邪魔するつもりないけど、」

いや、邪魔する気満々でしょ。
そのニヤッとした笑顔だもん。

「時と場所を考えて・・・」

なんで、あなたに注意されなきゃいけないんだろう。
お母さんは、ハッとした顔になって、

「小五郎さんは!?」

と、つかみかかって来た。
いい迷惑だわ。
私は、呆れかえりながら、

「現代に置いて来ちゃった」

仕方ないでしょ!
桂さんは、お母さんが浚われてから、全然、元気なかったもん。

「はやく、戻るわよ!夏音、みんなを集めてよ」

わがままを言うな!
って、言うか。

「どうやって、あの少年────結斗だっけ?の所から逃げてきたの?」

お母さんは、心此処にあらずと言った感じで、

「本能で逃げてきたのよ」

本能で逃げてきた!?
バカと言うか、獣みたいと言うか・・・。 

455:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 18:28

20,源さん

呆れながら、新撰組に声をかけた。

「みなさん、そろそろ現代行きますよ〜」

それぞれが、わいわいとタイムスリップマシーンに乗る。
もちろん、静もね。

「義経様・・・」

ぐずる静を義経さんから引き離して、乗せる。
だってさ。
静と義経さんは、このあともずっとラブラブなんだから。
『平安時代』の『後期』の京都。

「夏音、ありがとうございます。私、これからは義経様としっかり向き合いますわ」

静の微笑みは、勝ち気でそれでいて、優しい笑み。
静を見送って、お母さんがなんかのボタンをポチッ。
風圧。

「幕末なう!」

お母さん、喜びようが・・・。
ってか、なんで此処に?

「新撰組の全員で行くのよ!」

全員はムリでしょ。
せめて、留守番組ぐらいかな。

「私、留守番組の人と会いたいわ〜」

・・・ハイハイ。
呼んでこいって事ね。
沖田さんたちと、屯所へ。

「山南さん、原田さん、斎藤さん、一緒に現代に行きましょう!」

屯所の奥から、喜んでる声が聞こえる。
斎藤さんだな。
いや、原田さんも?
出てきたのは、上品な山南さん。

「城里に紹介したい者がいるんだ」

あえて、城里なのは、その人にバレたらいけないから。
でもなぁ・・・。
すぐにバレそうなのは、気のせいかな。
斎藤さんと一緒に来たのは、顔はほんと武士らしくて、厳ついけど、優しい目。
体格もがっちり。

「井上源三郎だ。よろしくな、城里。・・・いや、夏音か?」

な、なぜ私の名を?

「一から聞いた」

斎藤さん!
あなたが言ったのね!?
ギッと睨めば、斎藤さんはどこ吹く風のように視線をそらした。
井上さんは、笑って、

「みんなからは、源さんって、呼ばれてるけどな」

じゃ、源さんで!   

456: アーヤ◆TQ:2017/10/18(水) 20:47

留守番組が来たよ、斉藤さん達一緒に行こう

457:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:09

>>456 ありがとう!留守番組、久しぶりの登場〜(笑)

458:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:23

21,摩訶不思議な二人

現代につく。
久しぶりだなぁー!
ここんところ、時代をたくさん行き来してたもの。

「茜!」

現代についたら、桂さんが一番に飛び込んできた。
綺麗な顔が、少し青ざめてたのは、お母さんが心配だったからかな。

「心配、したぞ・・・」

「あぁん♡小五郎さんったら、お上手!茜、惚れ直すわぁ」

話し方、変わったね。
いわゆる、ぶりっこって奴?
なんか、二人だけの世界に入っちゃってる。
会話が摩訶不思議だよ。
鈴ちゃんが、KIRURIのLIVEを観ながら、

「この人、夏音たちがどっか行った後、スッゴい心配してたよ?」

へぇぇ。
棒読み口調の鈴ちゃん。
棒読みじゃなかったら、ずいぶん良いんだけどな。
源さんが、視線をあちこち向けて、

「現代か・・・。面白いな」

沖田さんに話しかけてる。
沖田さんは、笑って受け流している。
いっぺん来てるもんね。
しばらく、このメンバーで過ごすのもありかもね。
もう少ししたら、桜星学園の学祭もあるし。
沖田さんと、そこで仲良くなれたら・・・!

「ねぇ、沖田さん。しばらく、此処で過ごしません?」

「そうですねぇ」

沖田さんとまったり、そんな事をしゃべっていたら。
近藤さんたちが割り込んできて、

「いいな!」

「そうしようぜ!」

えっ!?
意外と、良いの!?
って事で、私たちは、現代で過ごすことに!


(Eへ続く)  

459:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:29

あとがき

はいっ、うやむやですね、D。
今回は、平安時代の後期を場所に設定しました!
有名な人と言えば・・・?
義経でしょ!
と言う事で(どういう事だよ)、義経と静御前の恋愛を書きました。
実は、続きも書きたかったんですけど・・・。安徳天皇が可哀想な事になるので、止めました。
そしてそして、初登場の源さんです!
新撰組は、いろんなキャラにしてみました。
好きなキャラがいたら、教えてください(ついでに、タイムスリップして欲しい時代などのリクエストも←)。
コメントくださった皆さま、ありがとうございます!
次も、よろしくお願いいたします。   

460:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 06:35

『時を駆けて、初恋*します。』E

登場人物

城里 夏音
主人公。
明るい。
沖田さんに片想い。

沖田 総司
新撰組隊士。
優しい。
夏音への想いを自覚。

土方 歳三
新撰組副長。
“鬼”と言われているが、夏音に片想い中。

近藤 勇
新撰組局長。
おおらかな何事も気にしない性格。

永倉 新八
新撰組隊士。 
大食い。
好きなのは、女と食べ物。

藤堂 平助
新撰組隊士。
賢く、モテる。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るく、大雑把。
口が軽い。
夏音に片想い中。

山南 敬助
新撰組隊士。
穏やかで、上品。
理知的。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食らいで、妙に永倉さんと話が合う。

井上 源三郎
新撰組隊士。
夏音を妹のように思う。                   

461:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 06:41

1,学祭

桜星学園の学祭は、毎年スゴいんだ。
高等部のお姉さまたちは、コスプレカフェしたり、いろんな内容の出し物をしてくれるの。
もちろん、小等部の私たちも、出し物は出すよ。
今年は、なんになるのかな。
そういや、高等部のお兄さまたちも、去年とか、女装コンテストとか開いてた。
今年もあるかな・・・。

「土方さん、女装したくないですか?」

私は、土方さんに聞いた。
土方さんは、驚いた顔で、

「なぜ、俺だ」

えへへ。
だって。

「土方さん、女装したらかなり綺麗だと思うんですけど」

イケメンなら、女装してもかなり似合うはず。
土方さんは、プイッと顔をそらした。

462:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 18:11

2,久しぶりの学園

その日は、いやにうるさかった。
なんでかって?
男が5人以上いるのよ!
これが騒がずに、いられると思って?

「夏音、酒〜」

「飯も〜」

注文が多すぎる!
ご飯は作り置きして、はやく寝た。
鈴ちゃんは、ソファーで寝てたっけ。

翌朝

「何よ、コレッ!?」

私、思わず叫んでた。
だって、居間は、酒の缶が、そこらじゅうに、散らばっていたから。
ご飯のお皿とかは、水に浸けてあった。
誰かわかんないけど、嬉しいな。
しっかし・・・。
問題は・・・。

「沖田さんたち、おはようございます!」

酔っ払い男たち。
いい加減に、起きろ!
しっかし、見事なほどにみんな起きない。
沖田さんでさえも。

「どんだけ、飲んでたんだろ?」

疑問に思いながら、メモを書いておいた。
私は、学園に行かないといけないから。

「行ってきまーす」

寝ている新撰組に声をかけ、私は学祭へと向かった。

463:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 18:19

×学祭へと向かった
○学園へと向かった

誤字、すいません。

────────────────────

「夏音、おはよー!」

蘭ちゃん!
私は、蘭ちゃんとクラスへ。

「夏音おはよう」

ゆのお姉さま!
穂乃佳お姉さままで!

「学祭まで、あとすこしだな!」

穂乃佳お姉さまは、にっこり。
快活な笑みが、スゴい似合ってる。

「ダンス部は、何をするの?」

ゆのお姉さまが、私と蘭ちゃんに聞く。
私も、蘭ちゃんも、ダンス部なんだ。

「そりゃあ、ダンスですよ!」

そのために、昼休み削って、練習してるもの。

「頑張ってね」

ゆのお姉さまと穂乃佳お姉さまは、微笑んで高等部へ向かっていった。
久しぶりの学園、かなり楽しい!  

464: アーヤ◆TQ:2017/10/19(木) 18:38

男はめんどくさいけど土方の女装ってやっぱりやって欲しい❗

鈴ちゃんが棒読み……
ある意味人の心配していないよなっと思う

465:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 19:49

>>464 ありがとう!土方さんの女装、あるよ〜(笑)
鈴ちゃん、基本、まったり体質だもんね(笑)
お気楽と言うか・・・(*^^*)

466:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 19:58

3,学祭の出し物

滞りなく、授業はあっという間に六時間目に。
学活だから、多分、学祭の出し物を決める。

「何か、いい案はありますか?」

司会は、白鳥真帆ちゃん。
学級委員でしっかりしてるんだ。

「はい」

蘭ちゃんが、手を挙げた。

「イケメンカフェはどうでしょうか!」

イケメンカフェ!?
新手のアイデアだね。
真帆ちゃんが、興味津々と言った感じで、

「それは、どういうことです?」

蘭ちゃんは、ニヤリと、

「イケメンを集めて、執事みたいにするんです!コレだったら、かなりいけると思います」

途端、女子が黄色い声。
私も、賛成かな。
真帆ちゃんが、

「イケメンは、どこから連れてくるの?」

「はーい!」

私は、手を挙げた。
イケメンなら!
私の家に、いるからね。

「私が、連れてきます!」

「おおー!」

みんなから、拍手をもらった。
どんなイケメンか知ったら、かなり喜ぶよ。
私は、ニヤッと笑った。
 

467: アーヤ◆TQ:2017/10/19(木) 20:30

沖田さん達がカフェをやるのってキュン死だね皆が、嫌がる土方が目に浮かぶよ( ̄▽ ̄)=3

468:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 21:10

>>467 ありがとう!嫌がってるのも、さまになるかもね(笑)

469:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 21:21

4,お願い

家に帰って、すぐ宿題。
さすがに、新撰組のみんなはもとに戻っていて、片付けをしていた。
缶はまとめられていて、皿も綺麗になっていた。
宿題を終わらせ、土方さんにすり寄る。

「ねぇ〜え、土方さん♡お願いがあるんですけど・・・」

語尾にハートを飛ばしたからか、土方さんが眉をひそめた。
そんなに怪しまなくても。

「今度、学祭でカッコイい人を中心にした、料亭をするんです。だから、カッコイい土方さんたちに手伝ってほしいんです」

「俺はやりたくない」

案の定、土方さんが即否定。
沖田さんが、

「それは、このみんなでですか?」

「はい、そうで〜す!」

私は、答えた。
沖田さんがにっこり。

「私たちで良かったら、手伝います」

イェーイ!
嫌がる土方さんを無視して、私はスゴく嬉しい。
もとからカッコイい沖田さんがさらにカッコよくなる!
はわわぁ♡♡
ヤバッ、鼻血出そう。

「嬉しい!ありがとうございます!沖田さん!」

私は、沖田さんに思わず抱きついた。
沖田さんの顔が、微かに赤くなった。

「夏音!」

わあっ、斎藤さん!?
なんで、抱きつくの!?   

470:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 15:45

5,オムライス

斎藤さんは、興味津々と言った感じで、

「それは、夏音もなのか!?」

うーむ。
どうなんだろ?

「だったら、良いんだけどなぁ」

要望はようくわかったけど、なぜに抱きつくの?
斎藤さんも可愛い系だから、お姉さまたちに可愛がられそう。

「斎藤さんも、恋文もらいそうですね」

冷やかし半分に言うと、

「そんなのより、腹減った」

と、返された。
原田さんも、お腹をさすって、

「飯〜」

はいはい。
仕方ないな。
今日は、何にしようかな。
そうだ!
オムライスに決定。
手軽だし、美味しいし。
チキンライスさえ、多く作っておけば、男衆の腹も落ち着くでしょ。

「分かりました。ご飯、作りますよ」

原田さんの喜んだ声を聞きながら、私は、台所に立った。 

471:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 17:24

野菜を切って、ご飯を炒める。
ケチャップで味をつけてっと・・・。

「できたっ!」

若干、お肉多めに入れたチキンライスの出来上がり!
後は・・・。
主賓の卵!

「美味そう!」

斎藤さん、つまみ食いは、止めてね。

「口に付いてますよ?」

ケチャップが。
私は、ティッシュを出して、斎藤さんの口を拭いてあげた。
なーんかさ。

「夫婦みたいですよね」

それも、新婚の。
斎藤さんは、めちゃくちゃニヤニヤ。
顔が溶けそうな感じ。

「夏音となら、夫婦になりてぇ・・・」

そんなに言われたら、照れるよ。
でもねぇ・・・。
斎藤さん、いい加減に沖田さんと土方さんの殺気に気づいてください。

「一さん・・・」

「斎藤・・・」

あーらら。
そうとう怒ってるよ、これは。

「一回、斬らせてください」

沖田さんが、最上級の笑顔を浮かべた。
でも、言葉と顔が合ってないから、スゴい迫力がある。

「いやいや、総司。こいつは、二百回斬らないと」

二百回!?
いやいやいや。
二百回斬られたら、流石の斎藤さんも・・・。

「いや、俺、それでも夏音と夫婦になる!」

えっ!?
どんな覚悟してるわけ・・・。       

472:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 18:39

6,私は悪女?

私は、呆れかえると同時に、感心した。
沖田さんは、天使のような笑顔で、

「じゃあ、遠慮なく」

と、刀を抜いた。
土方さんも。
斎藤さんの顔に、縦線が入った。

「・・・本気?」

二人は答えないけど、本気だね。
斎藤さんは、慌てて、

「俺たち、仲間だよな・・・?な、副長、総司」

弁解するけど、沖田さんは何にも言わない。
斎藤さんは、話が合わないと知ると、逃げ始めた。
それと同じくして、沖田さんと土方さんが、斎藤さんを追い始める。
永倉さんが、ぼそりと、

「夏音、なかなかの悪女だな・・・」

私は、悪女なの!?

「自覚しないところとか」

うっ!
そうなの!?
私、案外、悪女だったんだ!?
ううう・・・。
かなり、ショック。
  

473: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 18:54

>>469土方はやっぱり即否定していたね……
夏音が沖田さんに抱き付いたのは良いけど何故に、斉藤さんまで抱き付くの!?

>>470.>>471斉藤さん何ていう可愛さなの?
興味津々なところや夏音になついているところが、何だか仔犬みたい!!
それに夏音の冷やかしには(夏音にさえ惚れれば良いし、そう言うのは夏音から受け取る❗)って斉藤さんが言いそう。
それに、夏音の作ったのを斉藤さんだけ味見しているけど端からみれば新婚夫婦間だよね……
それに夏音の巡る争いがやっと観れるとは、斉藤さんも怖いもの知らず知らずだよね最強の二人の視線に気付かないってことは……
沖田さんの斬らせて下さいって怖いもの知らずの沖田さんΣ(゜Д゜)
土方は斬るの止めろって言うかと思えば200だよ、もうめっちゃ殺られているよ……
ってか最強の沖田さんと土方が言った言葉関係無しに本気で結婚って斉藤さんズレている!?

斉藤さんsideを何故抱き付いたのか何故結婚って言ったのか知りたい

474: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 18:58

斉藤さんやっと二人の殺気に気付いたけど…、本当にズレすぎて追うほど怒らせたから遅いね
夏音は夏音で自覚していなかったら鬼にも見えるし小悪魔にも見えるよ……

475:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 20:07

>>473 ありがとう!斎藤さん、天然キャラだね(笑)
ズレてるし、沖田さんと土方さんを着火させる能力はあるね(*^▽^*)
斎藤さんside、書くよ〜(笑)

>>474 斎藤さん、鈍いから(笑)
夏音、小悪魔系と言うか・・・かなりずる賢い感じ(笑)
ずる賢いけどそれは、天然(笑)     

476:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 20:17

7,抱きしめたい ※斎藤side

「私たちで良かったら、手伝います」

「嬉しい!ありがとうございます!沖田さん!」

あーあ。
総司が、真っ赤になってんじゃねぇか。
ずるい。
しっかも、夏音は、総司に抱きついた。
むしゃくしゃ。
腹立つ。

「夏音!」

急に、抱きしめたい衝動に駆られた。
抱きしめてみれば、すごく柔らかい。
女を抱きしめた事はなかったから、驚いた。
驚いた夏音の顔が、可愛い。
なんで、総司しか見ねぇんだよ。
俺だけいれば、良いって思ってほしいのに・・・。     

477: ろぉ ◆:2017/10/20(金) 22:20

斎藤さああああああああああああああん!!!!!!!!!!



   りりかさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 なんとっ!源さん出して下さったんですか!!ありがとうございます!!源さんは、あの土方さんを落ち着かせる?みたいな優しい方らしいのでそんなふうな感じが分かる話なども読んでみたいです。でも今はそんな感じの話じゃなさそうなので、もうお気になさらず。
 斎藤さんかわゆい°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.やばすやばすーでもかわゆい面を持ちながらのかっこよさがあるからですね、ギャップ萌えっすわ。これぞ新撰組!(違います)
 沖田さんはみんなの標的ですね。沖田さんが切られそうで怖いですwまあ沖田さんもかなり強いので大丈夫そうですが。うーん…永倉さんと斎藤さん、近藤さん、原田さん、松原さん、服部さん、藤堂さん、大石さんなど集結すれば(しすぎw)…流石にこれ相手では無理ですよね。まあ術?などで色々変わりますからね(語彙力)実践とか、諸々込ではまぁ色々変わりますよね、練習と本番で人を切るのとではメンタル面などとか圧が違いそうですし。
 イケメン喫茶!おお!(普通に新撰組喫茶でいいのでは…((殴)楽しみです!私は斎藤さんと源さん希望です!!((殴
 まぁ色々リク出してくかもしれませんが、またこいつ…って思ってでも。更新頑張ってください!楽しみにしています~!


 

478: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 22:43

斉藤さんも少し土方に似ているよね、夏音が沖田さんだけ見てムシャクシャするところがまあそこがギャップ萌えだから良いけどね。

沖田さんと土方が怒らせる場面も斉藤さんsideで見たいって思うので、書いてください

479:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 14:19

>>477 
ありがとうございます!
源さん、中和できる感じになります(*^^*)
斎藤さん、ギャップが意外とありますし(笑)
可愛い系です(´V`)♪
沖田さん、土方さんと斎藤さんを敵に回しましたからね(笑)
これからどうなるんでしょ?(笑)
流石にそのメンツだったら・・・(笑)
斎藤さんと源さん、可愛い系と癒し系ですよね(*^^*)
案外、モテる人たちかも。
はい、頑張ります!

>>478 ありがとう!斎藤さん、土方さん要素が少なからずあるよ〜(笑)
怒ったところも、続きで書いていきま〜す!  

480:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 14:29

8,怒らせたら大変な人 ※引き続き、斎藤side

「な、仲間だよな〜・・・」

期待しながら、怒りまくってる、総司と副長に聞く。
おそらく、

「仲間ですよ」

と、総司が言うはずだ。
なんとかなりそうだよな。
しかし、総司は平然と、

「仲間ですけど。二百回、斬らせてくださいね」

にっこりと言った。
嘘だろ・・・。
サッと青ざめ始めたと思わしき、頬。
総司は無理だ。
副長を説得しよう。

「副長・・・」

すがるように言えば、副長は冷徹に、

「いや、総司の言うとおりだ。斎藤、悪あがきはよせ」

言い切った。
血の気が失せてきた、顔を抑えながら、俺は逃げた。
ただひたすらに。
追いかけてくる、鬼のような二人をできる限り、見ないようにして。
 


 
  

481: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 17:32

最強の鬼と最強に怒らせたら怖い二人を、怒らせるからだけど斉藤さん本当に悪あがきはよそうね……
少しだったら良いんだけど、かなり面白いから夏音を《独占したい隊》を作ったら良いかもね……(^-^;

482:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 18:50

>>481 ありがとう!斎藤さん、悪あがきはよした方が良いかもね(笑)
真っ先に、斎藤さんが《独占したい隊》に入るね(≧∀≦) 

483:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 18:59

9,永倉さんの良いところ

ショックでたじたじの私をよそに、永倉さんが肩を叩いてきた。

「飯〜!くれよ」

わがままな!
ムッとしたけど、一理ある。
仕方なく、私は、斎藤さんをじりじりと、壁に追い詰めて斬ろうとしている沖田さんと土方さんに声をかける。

「ご飯、できましたよ」

「本当か!?」

あのう・・・。
原田さん、素直なのは良いけどさ。
私は、沖田さんたちに声をかけたんだよ?
沖田さんと土方さんは、斎藤さんを睨んでから、食卓に着く。

「今日は、オムライスです!」

手抜きできたし、何よりも美味しいし。
お皿に盛り分けて、食卓に持って行く。

「すげぇ・・・」

永倉さん、目を真ん丸くしてる。
原田さんの口から、よだれがダラーッ。

「いただきます」

手を合わせて、オムライスにスプーンを入れる。
うむ!
うまく、ふんわりなってる!
永倉さんが、目を輝かせて、

「夏音!すげぇな!美味い!」

えへへ。
永倉さんの良いところは、素直だし、すぐ感想を言ってくれるよね。

「おかわり!」

原田さん!?
はやくない!?

「こっちも」

近藤さん、ちゃんと噛んでますか?
クスッと笑いながら、チキンライスをお皿に盛った。   

484: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 20:32

原田さんの流しヨダレが凄い……
おかわりも凄い。

新しい小説を作ったので思い付きだけど前世と来世のストーリーです

485:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 21:26

>>484 ありがとう!原田さん、大食らいだからね(笑)
新作、楽しみだよ(´V`)♪

486:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 21:32

10,乱入者

「美味しかったです」

沖田さん!
嬉しい。
手作り料理、食べてくれるなんて、全女子の憧れだよ。
しかも、あの新撰組の天才剣士、沖田総司がだよ!
はぁあ。
死んでも、良いかも・・・♡

「ごちそうさまでした」

沖田さんが、手を合わせて、お皿を持って行った。
助かるなぁ。

「沖田さん、卵付いてます」

うっかりしていて、なんだか可愛いなぁ。
沖田さんは、慌てて頬を抑える。
子供っぽくて、愛らしい仕草。

「拭いてあげます!」

ティッシュで、沖田さんの頬に触れる。
ティッシュ越しでわかる、温かい体温。
ふふふ。
なんか、嬉しいな。 

487: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 21:56

沖田さんにも可愛いところあったんだね🎵
でも惚れている二人の反応が気になるo(^o^)o

488:RINA:2017/10/22(日) 01:23

アーヤさん私と友達になりませんか?

489:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 08:38

>>487 ありがとう!沖田さんのギャップは、案外ヤバいかも(笑)

>>488 すみません。此処は、私の小説スレなので、勧誘などは、おやめください。
それをするなら、アーヤの小説スレでお願いします。   

490: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 09:34

可愛いギャップの沖田さんを、もっとみたいですし一番怖い人が急に可愛いって思うと本当にヤバイですけどもっとみたい

491:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 11:08

>>490 ありがとう!沖田さん、ギャップ萌えするよね(●´∀`●) 

492:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 11:15

めっちゃ、幸せ。
このまま死んでも、悔いはない!
むしろ、キュン死しちゃう。
イイ雰囲気になれた!
今まで、斎藤さんだの、土方さんが邪魔してたから。
私の目、ハートになってたりして。
ところがどっこい。
雰囲気を読まない、ヤツがいる。

「夏音〜。ご飯、ちょうだい」

お母さんだ。
私の目は、打って変わって、殺気を宿したと思う。
隣ですまなさそうにしてる、桂さんは兎も角。

「ちょうだいって。人にモノを頼む、言い方じゃないわよね?」

イイ雰囲気を壊された怒りと、調子いいお母さんへの怒りを込めて、言ったら。

「はいはい〜。じゃ、よろしくね」

むっかぁ!
乱入者のくせに!

「・・・仕方ない!やってやろうじゃないの!」

お母さんが、ニヤニヤと笑って、拍手した。     

493: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 11:37

kYな一人はまたしてもおかわりする原田さんかと思ったらお母さんだったのね!!

それにしても邪魔する二人は酷いけど、邪魔じゃあなくって好きだからって二人告白せずに沖田さんに奪われて良いのもどかしいって毎回思う(/-\*)

494:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 12:41

>>493 ありがとう!お母さん、KYだからね(笑) 
告白は・・・まだ難しかったり(笑)  
もどかしいのは、あるね(笑)  

495:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 12:51

11,ショッピング

その後、私が苦労して二人分の昼飯を用意したかは、ご想像にお任せします。
お母さんがぺろりと、昼飯を食べ終えて、

「ねぇ。このあと、ショッピングしよ♪小五郎さんの服とか買いたいし」

うぬう。
お母さんにしては、説得力あるな。
確かに、今時、着物と袴の人、いないもの。

「わかった。いこう」

お金の問題は兎も角、行っといた方が良いに違いなく。

「車乗って!」

お金の車は、五人乗り。
つまり、何人かは残らないとダメで。
残るのは、原田さん、山南さん、源さん、永倉さん、藤堂さん、近藤さん。
もちろん、不平不満はタラタラ。  

496: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 13:13

五人ってことは夏音、沖田さん、土方、斉藤さん、運転手は大人のお母さんかな?

これってお母さんは除外してみると、怖くない……夏音とお買い物で浮かれる四人が見てみたいね🎵
斉藤さんは絶対に何かしろ珍しいものをみたら騒ぎそうだって思う

497:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 15:25

>>496 ありがとう!斎藤さん、絶対騒ぐね(笑) 

498:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 15:35

「何で、局長が出てはいけないのだ!」

「イイ女を、捜したいのに」

「食い物が欲しいだけなのに」

他にも、たくさん不平不満を言われたけど。
結局は、沖田さんと土方さん、斎藤さんに、お母さんと私で決定。

「何で、桂さんを入れないの?」

って、聞いたら、お母さんは、澄ました顔で、

「取られたくないからよ♪」

ふぅん。
お母さんも、そんなこと言うんだ。
私は、ビニール袋を三人分用意。
お母さんの運転、荒いからね。

「行ってきまーす♪」

不満タラタラの人たちを置いて、いざ出発。
走り始めて、二分くらいで。

「う゛・・・」

沖田さんたちの顔が青くなり始めた。
ヤバいなぁ・・・。
お母さんは、そんなことに気づかず、

「イェーイ!」

なんて、言ってる。
私はと言えば、お母さんの運転には慣れてる。
小さいときから、乗ってるもん。
友達が毎回、お母さんが運転する車に乗る度、気分が悪くなってるから、もはやビニール袋は必需品。
沖田さんたちは、口元を抑えてる。
こみ上げてくるものがあるみたい。

「ヤッフー☆着いた!」

やっとだ。
沖田さんたちの顔は、真っ青を通り越して、真っ白。
ビニール袋を渡せば、三人ともあっちを向いて、ビニール袋を口元まで持って行った。
あーあ。

「なぁに。遅いわねぇ。はやく行くわよ〜」

あんたの運転が荒いんだよ!
ツッコミを入れながら、沖田さんたちの気分が良くなるまで待った。   

499: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 15:47

…………何と酷い運転手ですなι(`ロ´)ノ

でも不平不満の人は、駄目なところがあるからね……言葉通りだって思うけどね?

私も更新しています。

500:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 16:45

>>499 ありがとう!お母さんの運転、スゴい荒いからね(笑)
確かに、女と食べ物とかにしか興味ないからね(笑)
読むよ〜(*^^*) 

501:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 16:55

祝、500!
これからも、頑張ろうと思います!
コメントをくれた方々、本当にありがとうございます!
感謝です!
────────────────────

12,興味津々

ショッピングモールの中に入る。
途端に、たくさんの女の人たちが、はぁっと溜め息。
何故か。
それは・・・。
土方さんがいるからだ!
イケメンのフェロモン、ヤバすぎ。

「マジイケメン♡」

「カッコ良すぎ〜」

モテまくってるじゃん。
そのくせ、本人は至って、冷たい。
気にしてないのか?

「なんだ、これ?」

あっ、斎藤さん。
冷たい土方さんとは反対に、斎藤さんは興味津々。

「それは、チークって言って、女の人のメイク・・・お化粧に使うんです」

「へぇ・・・」

斎藤さん、めっちゃ興味津々だね。
沖田さんが、

「進んでる世の中なんですね・・・」

しんみりと、言った。
確かに、江戸時代とはだいぶ変わってる。
スマホとか、チークとか。
SNSとかそういうのが、流行ってるし。
洋服売場に着くと。

「これ、小五郎さんに似合いそう!」

お母さん、大はしゃぎだねぇ。

「サイズ、わかるの?」

お母さんは、んんーっと唸って、

「何となくで良いでしょ。似合えば、それでよし!」

明るく笑った。
何となくで良いのかな。
ピチピチだったり、しないの?    

502: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 17:10

斉藤さんが夏音に似合う洋服を選びそうですね、この状態だったら。

503:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 18:17

>>502 ありがとう!たぶん、なるね・・・(笑)( ̄ー ̄) 

504:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 18:25

13,バトル??

「すげぇ・・・」

斎藤さんの口、あんぐり。
顎が落っこちそう。
可愛い・・・。

「夏音なら、これ、似合いそうだな!」

斎藤さんが、可愛い服を持ってきた。
ふふっ。

「嬉しい・・・。ありがとう、斎藤さん」

お礼を言ったら、斎藤さんの顔が、緩んだ。
厳つい感じの顔が、デレーッてなって面白い。
しかも、服のデザインが良い。
レモンイエローで、可愛い。
肩出しで、今時って感じ。
センス、めっちゃあるじゃん、斎藤さん!

「こっちの方が、似合いますよ」

沖田さんも!?
嬉しいなぁ。
しかも何か、負けず嫌い感がスゴいある・・・。
ギャップ萌え!

「土方さんは、どれが・・・土方さん?」

土方さんの顔が、スゴくやりきれない切ない顔で、ドキッとした。  
 

505: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 19:25

土方だけ参加しないってことは、やっぱり夏音が沖田さんが選ぶ服に?

でも斉藤さん可愛すぎですけどね
夏音初めて土方の切ない表情でドキっと高鳴ったって感じだよね……意外に強気でイジワルしているけどふとあんまり見せない表情を見せたら心配するよね……

夏音揺らいで欲しい沖田さんと土方にずっと一途だったら寂しいよ……
好きなのかなって戸惑って、土方はそんな切ない表情を一瞬で消えずに一人になりたいって弱音を誰かに吐いて欲しい。
私はいつも毎回我慢する土方の切ない表情を今はもう辛いよ見ていたら幸せになって欲しいよ夏音が気付いて欲しいね弱音に弱いところ見せたら良いんだよ……

506:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:48

>>505 ありがとう!確かに、意地悪な人が、切ない顔になったら、少なからずドキッとなるよね(*´ω`*)
たぶん、本音を出せるのも、夏音にだけかも・・・。
素直になるのが、難しいのかも(笑)
  

507: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 19:51

その前に何故土方が切なくしたのが気になるから、土方side見てみたい

508:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:56

14,ホントの気持ち

「ね・・・ぇ・・・土方さん・・?」

どうしたんですか?なんて、言えなかった。
聞いたら、ダメかもしれないって思ったから。
僅かに、土方さんの眉が上がったけど・・・。瞳はずっと、翳りを見せたまま。
そんな哀しい目を見ていたら、周りの音も、景色の色も吸い込まれるように、見えなくなった。

「・・・・・どうしたんですか・・・?」

意を決して、聞いてみる。
そんなに哀しい顔、しないでよ。

「孤独感を感じるんだったら、私がずうっと、隣にいますよ?」

土方さん・・・。
何か言ってよ。
私は、いたたまれなくなってきた。

「・・・ホントの気持ち、教えてください」

私で良ければ。
一人で、抱え込まないでほしい。

「・・・・・・すまないな・・・」

なんで謝るの?
でも、土方さんの顔が少し明るくなったように見えたのは、気のせいじゃないよね。     

509:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:56

>>507 ありがとう!書くよ〜(笑)

510:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 21:19

15,この気持ちを ※土方side

「嬉しい・・・。ありがとう、斎藤さん」

アイツの顔は、嬉しかったのか、赤くなっていた。
それに競うよう、総司も、

「こっちの方が、似合いますよ」

と、口説いた。
刹那、どこか諦めてしまった。
俺は、素直になれない。
それは性でもあるし、これから先ずっとできない。
そんな事を、どこか遠くで感じている俺がいた。
アイツに想いは、伝えられるのか?
伝わるのか?
どっ、と力が抜けていく。

「孤独感を感じるんだったら、私がずうっと、隣にいますよ?」

優しいな・・・。
ずうっと、か・・・。
それだったら、良いな。

「・・・ホントの気持ち、教えてください」

気持ち、か・・・。
言えるわけない。
少なくとも、しばらくは。

「・・・・・・すまないな・・・」

何に向かって、謝ってるのだろう。
わからない。
アイツに気持ちを────この想いを伝えられるなら。
どれだけ、救われるんだろう。  

511: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 21:26

やっぱり土方が刹那的に諦めてしまう人になる。
土方がこのままずっとこんな感じの状態だと、夏音から遠ざける形で避けるに違いない!!

幸せを祈っています

512:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 18:18

>>511 ありがとう!土方さん、幸せにさせます(*^▽^*) 

513:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 18:28

16,可愛い生き物

その後、近藤さんたちの分の服も買い、ショッピングは終了。
お母さんの運転にツッコミながら、心はどこかぼんやりしていた。
土方さんの事が、気になってしまって・・・。
これから、どう接すれば!?

「夏音さん、着きましたよ・・・う゛」

沖田さん、大丈夫ですか?
ビニール袋を差し出して、家へ。

「近藤さん・・・土方さん!?」

リビングに入ろうとすると、土方さんがぐったりと、私にもたれ掛かる。
汗、ヤバい。

「ちょっと、待ってください」

私は、体温計を使う。
土方さんの体温は・・・39°。
熱じゃん。

「ソファーに寝てください。お粥、作ります」

土方さんを横たわってもらって、私は、台所へ・・・。
って。
土方さんが、私の腰を掴む。

「・・・行く、な・・・」

きゅうん!
そんなに、トロンとした目で見ないでよ!
何、この可愛い生き物は!?    

514: アーヤ◆TQ:2017/10/23(月) 19:29

あの土方さんが熱を出したとは、驚きだよ!!
夏音にもたれているけど、「行くな」の一言で夏音には素直になって欲しいって思えるよ。

夏音も土方さんの事を、どうしても気にかかっているのは普段の土方さんじゃないからだよね?
沖田さんばっかり想って一途に考えていたけど、今度は土方の事を心配している夏音が可愛い生き物土方さんじゃなくって男性として見て欲しいねだんだんと異性としてね。

この展開は夏音の心が、揺れ動いているって思える二人に(斉藤さんも良いですけどね……(^_^;))楽しみにしてます。

515:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 19:42

>>514 ありがとう!今回で、素直になれたりして(笑)
今は、生き物でも、異性として見るかもね(*^^*)
多少、揺れてるよ〜(笑)

516:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 19:50

17,母性?本能

ヤバい・・・♡
トロンとしている、土方さんなんて稀の稀!
なかなか、見ることができないよ!
しかも、なんか子供っぽい、純真な目。
ヤバァイ・・・。
母性?本能が!

「土方さん、可愛すぎですっ!」

思わず、抱きしめちゃった。

「・・・行く、な・・・。夏音・・・」

今、夏音って言ったよね!?
嬉しい。
小童なんかより、夏音ってちゃんと言ってくれて、嬉しすぎる! 
膝枕、してあげよっかな。

「土方さん・・・」

言い掛けて、止めた。
もう、スースー寝ちゃってる。
よし。
その間に、お粥作ろ。
離れようとしたら、

「・・・んん」

ぎゅうっと、手を握られた。
無意識のハズなのに。
あぁ!
可愛すぎる〜♡  
   

517: アーヤ◆TQ:2017/10/23(月) 21:04

どっちも可愛いよ二人

518:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 21:12

>>517 ありがとう!かわいい系でのほほんとしてるよね(笑)

519:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 21:19

18,嫉妬心 ※沖田side

「土方さん、可愛すぎですっ!」

癪に障る。
理由は、言わずもがな。
夏音さんだ。

「行く、な・・・。夏音・・・」

土方さんも、土方さんだ。
胸の中が妙にもやもやして、霞がかかったようだった。
夏音さんの頬が、ほんのりと上気したように、紅くなった。

「総司ぃ。どうすんだよ」

永倉さんのにやにや笑い。
苛つく。

「どうも、しませんけど」

答えれば、永倉さんは更ににやにや。

「格好つけんなって」

いっぺん、一さんと一緒に斬ってやろうか、永倉さん。
・・・何回、嫉妬心を燃やしてるのだろう。
そっと、嘆息した。   

520:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 17:59

19,大騒ぎ

土方さんが、寝落ちして、私は、台所へ。
お粥だから、お米の水を多くしてっと・・・。
炊くまで、まだまだ時間がある。
おかずは何にしよう。
玉子焼き?
うーむ・・・。

「沖田さん、土方さんの好きな食べ物、教えてください!」

それなら、土方さんも元気になるかも。
でも、沖田さんは、虚ろな感じで。
代わりに答えてくれたのは、源さん。

「副長が好きなのは、たくあんだよ」

へーっ!
意外。
買ってくるのが良いのかなぁ・・・。
考え込む私をよそに、近藤さんたちが騒ぎ始めた。

521:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 19:51

「副長の分、食べてやる〜」

「歳、無理するなよ〜。飯は、有り難くいただくからな」

はぁぁ。
もう、ご飯の心配ですか。
土方さん、そっちのけじゃん。

「夏音〜」

斎藤さん!?
そんなに、すりすり寄らないで。
可愛いけどさ。

「飯は、やっぱりなぁ・・」

山南さん、この人たち止めてくださいよ。
原田さんと永倉さんが、肩を組む。

「綺麗な女と、食べるに限るよな〜」

むぅぅ。
どーせ、私は、綺麗な女じゃありませんよぅ。

「・・・ゴホッ、ゴホッ・・・」

土方さんが、咳をした。
汗、ヤバいよ。
さっきから、玉のような汗が流れてる。
こりゃあ、重症だなぁ。
と・・・。

ピーンポーン

ほへ?
誰かが、インターホンを押してる?
誰なんだろ?

「ハーイ」

外に出ると。
そこにいたのは・・・。   

522:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 21:23

20,告白紛い?
 
廉(れん)だ。
幼なじみの、蓮井廉。
不良っぽくて、そこが良いというマニアックな子がいる。

「何、廉。私、用事あるんだけど」

無愛想に言えば、廉は真っ直ぐにこっちを見た。
そ、そんなに真っ直ぐ見ないでよ。

「・・・俺さ、・・・夏音が、好き・・・だったり」

だったり!?
何よ、それ!
はっきり、言い切ってよ。
スゴいイライラする。

「ねぇ。廉。今は、そんな事・・・」

突然、廉が怒ったように、私をみた。

「そんな事じゃない。夏音は、どうなんだよ!?」

どうなんだよ!?って、言われても。
別にねぇ・・・。

「私には、もう好きな人が・・・」

答えかけたとき、リビングから、

「夏音さん!土方さんが〜・・」

土方さんが!?
何があったの?
沖田さんに返事して、リビングへ向かいかける。

「夏音!」

あーあ。
コイツが居たんだった・・・。

「もうっ!めんどくさい。話したいんだったら、上がってよ!」

そう言いつけて、リビングへ向かった。              

523:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/25(水) 18:23

21,逆ハーレム?

沖田さんが、私に気づいてにっこり。
だけど、後ろの廉を見て固まる。
私は、ソファーに駆け寄った。
土方さんに顔が赤くなってて、更に熱い。

「冷えピタ・・・どこかなっ?」

あったあった。
棚の中から、冷えピタを取り出す。
土方さんの額に冷えピタを貼る。

「これってさ・・・。逆ハーレムじゃねぇの!?紅一点、ヤバくね?」

確かにねぇ。
逆ハーレムっちゃ、逆ハーレムだよね。
でも、ギリギリ、紅一点じゃない。

「お母さん、いるから紅一点じゃないよ」

廉は、首を傾げる。

「おばさん、女って言っていいのか?」

うーむ。
廉の言い方に、納得。

「それより、学祭のイケメンカフェ、この人たち─────新撰組が執事になるからね」

「嘘、かよ・・・」

何、廉は驚いてんの?
まあ良いや。        

524:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/25(水) 21:26

22,接近

土方さん、綺麗な顔だな〜。
そこいらのアイドルより、綺麗じゃない?
汗が浮かんでるのが、またさまになってる。

「・・・ん」

僅かに、目が開く。
ふう。
ちょっと、安心。

「はっ!ご飯・・・」

忘れた!
土方さんの目が、またまたトロン。

「・・・やっ・・」

ギャアァ♡
この人、男だよね!?
可愛すぎ〜♡♡
しかも、そのトロンとした目で、見上げないでよ!
キュン死・・・♡

「熱い・・・」

着物、脱いだ方が良いかな。
って・・・!
女の私に、やらせるつもり!?
なんか、照れる。

「永倉さん、お願いします」

私は、永倉さんにお願いして、今度こそ台所へ行った。 

525:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 18:21

23,おかず作り

うーむ。
消化が良いものが、良いよねぇ。
玉子スープとか。
うん!
それが良いな。

「よっし!」

決意を固めた。
と・・・。

「夏音〜?何を作ってる?」

藤堂さんが、声をかけた。
ふふふっ。

「お味噌汁、作るんです」

藤堂さんの瞳が、キランと輝く。

「俺も手伝う!これでも、料理当番、してたんだぜ」

えへへ。
嬉しいな。
私は、藤堂さんとスープを作った。
と・・・。

「晋作ったらぁ♡」

む・・・。
聞き覚えのある声が。
しかもさ、♡が付いてるし。
振り向けば、面長の男の人と、手を組んでるお母さんがいた。 
 

526:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 19:54

24,修羅場からの!

「・・・・・・茜!?」

あーあ!
此処に、今、きてほしくない人が来ちゃった。
私と、藤堂さんは顔を見合わせる。
よりによって、桂さんだし。

「・・・・まさか、俺を・・・」

ヤバい!
マジ切れしてる!
流石のお母さんも、慌てた顔。

「違うわ、小五郎さん!晋作とは、そんな仲じゃ・・・」

墓穴を掘ったね。
呼び捨てなんて、恋人にしかしないよ。

「小五郎・・・?」

晋作さん────後で知ったけど、高杉晋作の事────は、怪訝そうに見た。
知り合いなの?
だったら、なおさらヤバいやつじゃん。

「俺は、茜を愛してた。なのに・・・」

ヤバい、桂さんの顔が歪んでる。
逃げた方が良いかなぁ・・・。     

527:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 21:20

「俺、帰るな・・・」

廉〜!!
一人で逃げんなぁ!!
と言う願いを無視で、廉は帰って行った。
はぁぁ・・・。

「茜は・・・」

大嵐が来るぞ!
逃げましょう!
何処に、逃げれば良いかなぁ・・・。

「沖田さん、近藤さんたちに伝えてください。・・・外に逃げま〜す!」

私は、それだけ伝えてもらった。
熱に唸る土方さんをよそに、私たちはとりあえず家を飛び出した。   

528:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 19:05

25,沖田さんファンクラブ!?

はぁ・・・。
溜め息。
なんでかって?
それはね・・・。

「綺麗ですぅ・・♡」

「はぁん♡」

沖田さんの周りに群がってる、女の子たちのせいで。
なぜにこうなった・・・。

五分前

暇だなぁ。
なんて、思って近所を、新撰組(土方さん除く)と歩いていた。

「京より、安全なんだな・・・。今の世は」

源さんが、しみじみと言った。
幕末の京都って、かなり治安が悪かったらしいもんね。

「いっそ、此処で暮らすのはどうかね?新八っつぁん」

原田さんが、そんな事を言い出した。
永倉さんも、うなずく。
って、おい!
アンタら、新撰組だろ〜!
新撰組は、京都を守るためにあるんでしょ?

「俺は、賛成!夏音と居れるから!」

斎藤さん・・・。
素直に喜んで、良いのかなぁ?
と・・・。

「キャアッ」

ええっ!?
悲鳴!?
振り向けば、ポオッとした目の女の子たち。
スススと寄っていく。
その先には、沖田さん。

「カッコ良すぎ♡」

惚れちゃった系!?          
 
 

529:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 21:18

「ウチらで、あなたのファンになります!」

げええっ。
沖田さん、めちゃくちゃ困った顔。
仕方ないよね。
でも、私は、止める気は毛頭無い。
一人の子が、

「名前を教えてください♡」

と言った。
沖田さんは、戸惑いながら、

「沖田総司ですが・・・」

女の子たちから、黄色い悲鳴が飛び出した。

「ヤッバーい!」

「沖田総司さまぁ♡♡♡」

さまぁ!?
ハハハ・・・。
私は、笑うことしかできなかった。   

530:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 21:33

26,お父さんの思い出 

家に戻って、リビングへ入ると。

「だーかーらぁ!晋作とはぁ・・・」

お母さん、防御から一転、攻撃に行ってる。
桂さんの目は、つり上がったまま。

「その言い方が気に入らない!それと」

桂さんは、お父さんの写真を入れた、写真立てを指さす。

「・・・この男は何なのだ!?」

この男って、ひどい!
スッゴく、腹が立った。

「私の、元夫よ」

「・・・・・何が、元夫よ!」

ついに、私は、口火を切った。
お母さんの言い方も、ひどいし、お父さんに対する言い方が嫌だった。

「お母さんにとったら、お父さんはそんなのだったの!?・・・私にとったら、たった一人のお父さんなのに!」

沈黙が、あたりを包み込む。
お母さんと、桂さんは気まずそうに顔をそらした。
私は、フイッと顔をそらす。

「・・・もういい」

それだけ言って、私は、お父さんの写真を入れた、写真立てを胸に抱えて、リビングを出た。       

531:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 09:13

あんな言い方、しなきゃ良かった。
自分の部屋に籠もりながら、ふと思う。

「どうすれば良いんだろ・・・」

一応、新撰組には私の部屋から出てもらってる。
仮にでも、乙女の部屋よ?

「・・・お父さん」

胸に抱えた、写真を見る。
穏和な顔で、少しふっくら。
目尻が少し垂れている、私のお父さん。

「なんで死んじゃったの・・・?」

お父さんが、死んだのは突然だった。
私が生まれて、一週間後のこと。
交通事故に巻き込まれて、死んでしまった。
事故を起こした犯人は、捕まったけれど・・・。
私は、許せない。
命日になれば、流石のお母さんも、涙ぐんでいる。

「お父さんが居れば、良かったのにな」

お母さんが、現を抜かすこともなかったし、何より、こんなケンカをしなかった。
唯一、お父さんとの思い出と言うか、記憶が残っている。

「夏音」

お父さんがそう言って、私を抱きしめたっけ。
それだけ。

「夏音〜・・・?」

斎藤さん・・・。
気遣ってくれてるのか、声に明るさはない。
ずうっと、引きこもってるのもアレだな。
私は、思い切ってドアを開けた。
目に飛び込んできたのは、永倉さん、原田さん、藤堂さんの驚いた顔。
続いて、沖田さん、近藤さん、斎藤さんの心配した顔。
源さんは、土方さんに付き添ってるのか、居なかった。

「泣いてた・・・?」

永倉さんの声に、ハッとした。
いつの間にやら、涙が頬を伝っていて。
私は、そうっと涙を拭った。     

532:アーヤ◆PY:2017/10/28(土) 09:58

なんだかお母さんにも色々事情があるんだね…
そして、土方さんの風邪が治ってほしいです

533:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 13:29

>>532 ありがとう!治るよ〜(笑)
(支援あげ、ウザかったですよね。すみません<m(__)m>)  

534:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 13:39

27,健康祈願

新撰組の優しさに触れ、ホッとした。
私は、一人じゃない。
安心して、リビングに戻る。
まだ、修羅場なのかなぁ・・・。
覚悟を決めて、リビングに入ると。
なに・・・これ・・・。
お母さんと、桂さんが泣きながら、抱き合ってる。

「・・・すまんな・・・」

「いえ、私こそ・・・」

いつもだったら、白々しいと思ってたけど。
ふぅ。
なんか、安心。
ただ、高杉さんがマヌケな顔をして、突っ立っていた。

「俺は、どうしたら良いんだ・・・?」

思わず、クスッと吹き出した。
高杉さんの顔が、面白くて。

「副長の熱、下がったぞ」

あっ、山南さん。
良かった。
源さんが、土方さんのそばで眠ってる。
あれ、眠かったの・・・?

「芹沢さん・・・止め・・・」

寝言?
芹沢さんって、誰?
でもあどけない顔で、スゴく可愛い。
土方さんが、微かに目を開けた。

「小童・・・」

あーあ、まぁた小童呼びに戻った。
夏音で良いのに。   

535:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 15:26

「健康祈願って、事で、出掛けるわよっ!」

お母さん!?
桂さんと、手を繋いでるのは良いとして・・・。

「どこに?」

聞くと、お母さんはニヤリと笑みを浮かべた。怪しい・・・。
今まで、この笑顔で何回も騙されてるから。

「ナ・イ・ショ」

ナイショ!?
山南さんが、ニコニコと、

「行きたいなぁ」

と、恐ろしい事を言った。
ゲゲゲ。
そんな事、言っちゃって良いのかなぁ・・・。お母さんは、更にニヤニヤ。

「じゃ、発明室へlet's go☆☆」

ぬぬぬ・・・!!
コイツは、絶対にぃー!!!

「夏音ちゃん♪そっから先は、ナイショよん♪」

かぁぁー!
私の腕、鳥肌が立った。
ぞわわわ〜。
案の定、そこにはタイムスリップマシーン。

「嫌ぁ!」

悲鳴をあげる、私を、お母さんはタイムスリップマシーンに押し込む。
あがこうとしたら、じゃんじゃんと新撰組が乗り込んできた。
私は、溜め息を吐いた。                   

536:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 18:19

28,故障

お母さんが、ルンルンと、鼻歌を歌いながら、ボタンを押そうとする。

「ちょっと待て!」

私は、ボタンを押そうとするお母さんを、止めた。
今までの経験と言うか、アレだけど・・・。

「どこの時代と、場所に行くつもりなの!?それだけ教えてよ」

と言うか、教えろ。
半強制的に、お母さんに突っ込む。
お母さんは、にっこり微笑む。
嫌な予感が、頭をよぎった。

「ナイショって、言ったじゃない♪楽しんだ方が、良いでしょう♪」

ピキッと、私の表情筋が、固まる。
怒りと、呆れが入り混じる。

「・・・なぁーにが、楽しんだ方が良いでしょうよ!」

怒鳴り散らすと、新撰組一同+高杉さんと桂さんが固まった。

「結局、困るのは私たちなのよ!」

お母さんは、耳をふさぐ。
ひどいな。
娘の忠告を、聞こうとすらしないなんて。

「ま☆行くわよ〜」

お母さんは、ニヤリと笑ってから、ボタンを押した。
いったい、どこに!?
風圧が・・・来なかった。
お母さんが、ニコッと、

「故障しちゃったみたい☆バラバラになる可能性あるから、誰かと近くにいた方が良いわ☆」

はぁー!?
故障!?

「どういう・・・」

事よ、と聞こうとしたとき。

ピカッ

「キャッ!?」

眩しい光が差して、私は、目を閉じた。


(Fへ続く)            
     

537:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:10

あとがき

ハイッ!
これで、Eが終了です!
Eは、現代編で書いてみました。
もしも、新撰組が現代に行ったら・・・!? そんな突飛な考えで、生まれました(笑)
今回、夏音が少し土方さんを意識しました(笑)そう仕向けたのは、作者ですけど(笑)
Fでは、再びあの時代に。
悲劇の武将・・・(ネタバレ)
いろんな思いが交錯する、Fになったら嬉しいです。
恐らく、Fの後半から、学祭が始まります。
土方さんの女装、イケメンカフェ(新撰組カフェ)は成功するんでしょうか!?
刮目して待っていてください(←偉そう)
オシメンバーがいたら、教えてください(笑)
コメントをくださった方々、ありがとうございます。
Fでも、よろしくお願いします。           

538:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:21

『時を駆けて、初恋*します。』F

登場人物

城里 夏音
主人公。
明るく、沖田さんに片想い中。
案外、男勝り・・・?

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく、平等。
夏音とは、両片想い・・・?

土方 歳三
新撰組副長。
ドS、夏音に意地悪。
実は、夏音が好きな美男子。

近藤 勇
新撰組局長。
おおらか。
大食い。

永倉 新八
新撰組隊士。
おおざっぱ。
明るく、女と食事が好き。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しい。
夏音とは、苦労人と言う事で、共通するものがある。

原田 左之助
新撰組隊士。
明るい。
大食いで、夏音と平助を困らせる天才。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るく、素直。
夏音が大好き。

山南 敬助
新撰組隊士。
上品。
優しく、良識がある。

井上 源三郎
新撰組隊士。
愛称、源さん。
明るく、あの土方を穏やかにさせるおっとり系。                    
            
 

539:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:28

1,意外な時代にタイムスリップ!?

眩しい光が、消えた。
ふうっ。
私───城里夏音は、溜め息を吐いた。
なぜこんな事になったか。
ワケは・・・お母さんのせい。
それだけで、察してください!

「夏音さん」

あっ、沖田さん!
沖田さんが居てくれるだけで、かなり嬉しい〜!

「良かったな、小童」

相変わらずの意地悪っぷりを出してるのは、土方さんですねっ。

「三人だけ、ですね・・・」

沖田さんに言われて、気づいた。
確かに。
さっきまでは、新撰組+高杉さんと桂さんが居たのに。

「なんか、静かですね〜」

ワチャワチャしてた、斎藤さんや永倉さん、原田さんや近藤さんが居ないからね。
って言うか、どの時代にタイムスリップしちゃったんだろ!?              

540:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 11:33

ドキドキと言うより、やっちゃった・・・って感じ。 
歴史を歪めないようにしつつ、またみんなと会わないといけないからなおのこと。
と・・・。

「ははっ・・・。面白いな」

男の人の声?
真っ暗で、すぐそばの沖田さんと土方さんの姿しか見えないから、ドキドキ。
しかも、なんか聞き覚えが・・・。

「月が綺麗だな」

へっ!?
最近、聞いたことがある。
ガラッと何かが開いて、外を見下ろすその人の姿が見えた。
ウッソ・・・。

「信長公だな・・・」

土方さんの漏らした声が聞こえたのか、信長さんがクルリとこっちを見た。

「おお!夏音ではないか!」

完全、信長さんじゃん。
細い目も、キュッと引き締まっ顔も、最近見た信長さんのまんま。
信長さんは、快活に笑った。

「入れ、入れ。外は、寒い」

こんな、気のいい人だったけ・・・?
どっかぶっ壊れたとか・・・?
頭のネジ、絶対外れてるよね。                

541:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 11:46

誤字

キュッと引き締まっ顔×
キュッと引き締まった顔○

でした。

────────────────────

2,ご機嫌の理由

招かれて入ったのは、お寺。
信長さんとお寺と言えば・・・。

「此処、何処なんですか」

予想がついてたけど、聞くと。
信長さんはニコニコと、

「本能寺だ」

やっぱり!
恐らく、このあと本能寺の変があって・・・。

542:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 12:59

信長さんが、自害しちゃう。
うーむ。
いくら、お市さまに対して、シスコンでも、知り合ってるから、なんかビミョー。

「なんで、信長さんはご機嫌なんですか?」

地球が滅んだ頃なら、ありそうな話だと思ってたけど。
まさか、此処で笑顔を見るなんて。
私が聞くと、信長さんはコロコロ笑った。
珍しいな・・・。

「碁を打ってたからだ」

囲碁をしてたからなんだ〜。
ゲームが好きなんだねぇ。
と、信長さんが言った。

「そなたたち、暇なら、光秀のところへ行ってやれ」

暇?ではないんだけどな。
私たちは、顔を見合わせた。

「行くのか?」

土方さんが、問うけど。
うーむ。
よし。

「行きます!」

信長さん、更ににっこり。
怪しすぎる・・・。
ヘンなキノコでも食べたの?
信長さんは、後ろを振り仰いだ。

「結斗。術を使ってやれ」

「御意」

現れたのは、白い水干姿の黒髪を結った少年。どっかで見たような・・・。
少年は、ニヤリと笑ってから、ヘンな呪文を唱える。
途端に。

ピカッ

また、眩しい光が差した。        
 

543:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 14:25

3,側室騒ぎ

目を開けたら、さっきとは全然違う場所に。
外なのは変わりないけど。

「そこにいるのは、何者だ」

ギョッとして、振り向くと。
甲冑を着ている、涼やかな顔の人。
その人は、不思議そうに眉をひそめる。

「私は、城里夏音ですけど」

自己紹介をしたら、その人は更に眉をひそめた。
何にも言わないから、私は、しびれを切らして、聞く。

「あなたこそ、何者なんですか!」

その人はやっと、視線を上げた。

「明智光秀だ」

えっと・・・。
マジ・・・ですか?
本能寺の変を起こした人!?

「そっちの二人は何者」

光秀さんは、刀の刃を、沖田さんと土方さんに向けた。

「沖田総司です」

「土方歳三だ」

光秀さんは、首を傾げた。
知りっこないよね。
後の新撰組の、天才剣士と副長と知る由もないよね。
光秀さん、更に追及する。

「何処から来た?」

向こうからしてみれば、突然現れたんだもん。
ビックリして当然。

「ほ、本能寺から」

答えたら、光秀さんの頬が、ピクリと引きつった。
光秀さんが、口を開けたとき。

「殿ぉ〜!」

また甲冑を着た、人が駆け寄ってきた。
そして、私を見て目を丸くした。

「・・・殿の新しい側室ですか?」

ハァ!?

「そんなわけ・・・ムガッ」

光秀さんが、私の口を手で塞ぐ。
何をするのよ!
噛み付いてやろうかな。
光秀さんは、表情一つ崩さずに、

「ああ。もちろんだ」

と、答え、私を自分の腕の中に閉じ込めた。                      

544:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 18:11

なぜに!?
驚く私をよそに、甲冑を着た人が、光秀さんに言う。

「なかなかのおなごですな」

「・・・うむ」

なかなかの!?
ちょっと憤慨しながら、私は、そうっと光秀さんを見上げた。
目には、なんの感情も浮かんでない。
武将が、チラリと光秀さんを見て、

「殿。羽柴殿のもとへ行きますか?」

光秀さんは、どこか茫洋とした目だった。

「あのっ・・・いい加減、離してくれません?」

私の言葉で、やっと光秀さんは、ハッとした顔になった。

「ああ。いや・・・皆に伝えよ」

そういや、なんか戦支度をしてる。
馬に乗ってる武士たちの、厳つい顔。
全権を、光秀さんに委ねてるんだ。
もしや・・・。
私は、光秀さんの腕の中から抜け出す。
よくよく思えば、沖田さんと土方さんは、光秀さんを睨んだまま。
そこいらの不良より、ヤバいな。

「本能寺の変が起こる・・・」

沖田さんが、ボソッとつぶやいた。
私は、ただただ、嫌な予感が当たってほしくないと祈った。   
        

545:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 20:01

3,敵は本能寺にあり!?

でも、その予感は的中してしまう。
光秀さんが、カッと目を開ける。
え・・・?
一瞬、光秀さんの目が赤く光ったような・・・。
気のせいか。

「敵は本能寺にあり!」

始まってしまった!
私は、ゾワリと鳥肌が立つのを感じた。
武士たちが、どよめきながら、動いていく。
信長さん・・・!

「お前たちも、来い」

光秀さんの目が、心なしかギラッと光る。
私たちは、それぞれ武士たちの馬に乗せられた。
と・・・。

「あーあ。防げなかったね」

うそ。
空から、白い水干姿の少年が現れた。
しかも、その少年は・・・。

「結斗くん!」

私たちを、此処まで連れてきたあの少年───結斗くん。
結斗くんは、ニヤリと微笑んだ。

「明智光秀が、信長を裏切るように差し向けたのは、僕なんだよ。術を使ってね」

そんな!
結斗くんは、少し溜め息を吐いた。

「術の効果もあったし、光秀も信長を嫌っていたからね。予想外の効果があったよ」

ひどい。
光秀さんに術をかけたなんて・・・!
結斗くんは、クスッと笑った。
人を不安にさせる笑みだ。

「君たちにとっては、良いことじゃないかな。・・・歴史を変えれるんだよ」

それだけ言って、結斗くんとスウッと、空へと昇っていった。                 

546: アーヤ◆TQ:2017/10/29(日) 20:59

また、土方さんがSに戻って嬉しいけどやっぱり夏音呼びも良かったのでまた名前で呼ぶのを待ってます。
それに、夏音が揺れ動いていた時間が少なかったためにまた惚れて欲しい。

更新は明日になります

547:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 21:20

>>546 ありがとう!夏音呼び、またあるよ〜(笑)
惚れ直し(?)もあると思うよ(*^^*)
更新、待ってまーす!(^^)!  

548:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 21:30

4,命賭しても

「殿に続くぞぉ〜!」

「お〜!」

ヤバい。
武士たちが、最高潮に興奮してる。
光秀さんの目のギラギラも、更に増している。

「行くぞ〜!!」

私は、先頭に馬を走らせている、光秀さんのもとへと行こうと思ったから、馬から飛び降りる。
っぐ・・・!!
痛い・・・。

「小童!」

土方さん・・・。
土方さんまで、降りなくても・・・。
でも、私は、光秀さんの所へ走る。
武士たちの馬もいるから、走りにくい。
息が乱れる、疲れがドッと、押し寄せる。
それでもなんとか、走り寄ると。

「止めてっ、・・・ください・・・!本能寺に行かないでくださいっ・・・!」

道の真ん中に立って、手を広げた。
此処から先に、行かせたくない・・・!
光秀さんが、刀を抜いた。

「退け。退かなければ、斬るぞ」

その感情のこもってない、目が私を捉える。
怖い・・・!
でも、退くわけにはいかない。                   


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