(昔書いて、失踪した作品の完全リメイクです。ストーリーに関しても全て変更予定。)
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何かと努力家で、新しいもの好きな、
普通の魔法使いこと霧雨魔理沙。
全ての常識が科学で通用する現代の未来世界へと飛ばされてしまい、、そこで待ち受ける物語とは。
※原作、東方Projectの二次創作です。原作基準ではありませんのでご了承願います。
0,プロローグ「奇想天外」
「ここをこうして、ここをこうする……。よし、完成だ!」
彼女の名は霧雨魔理沙
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真冬の朝早い時間から何やら研究をしている。
「これは売れる、間違いない……」
不気味に目をギラリ光らせると、クククと笑いを漏らす。
というのも、この間のこと、、
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(大きな見出し)
【妖怪の山 河童の発明により膨大な富(とみ)を得るか】
この度、妖怪の山に住居を構える河童共々が発明した、その名も「ぽっかぽか河童印の霊力ストーブ」が大きな売上を果たしている。寒い寒い朝昼晩、このストーブがあれば極楽浄土にいる気持ちを味わえる、とのこと。
わずかな霊力でも扱えるため、人里の人間や一部の妖などが愛用しているようだ。皆さまもぜひ買ってみてはいかがだろうか。
文々。新聞より
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このような新聞を目にしてしまった魔理沙であった。
普段であれば文々。新聞など信用しないところだが、人里やあちらこちらの家々で活用しているところを見ると本当のことらしいのだ。
このことを受け、自分でも小遣い稼ぎに何か売れる商品を作ろうと立ち上がったのである。
そして今、それが完成した。
「見た目は悪いが、飲むとたちまち力が湧いてくるはずだ」
効力を確かめるために、魔理沙は外出の支度をすませ、ほうきへまたがり博麗神社へと向かった。
少女移動中‥‥
〜博麗神社〜
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(ほうきで飛び、着地する)
シューーーン シュタ
「おい霊夢〜!」
博麗神社につくと、ほいさっさと霊夢を探す。しかし一つ問題が起きる。おかしい、普段は移動だしないあの霊夢が、珍しく境内から見えないのだ。
「……? 出かけてるのか?」
(激しい物音)
ドッシャーンガラガラ
そう考えた途端、神社の横にある倉から物音が聞こえ出す。恐らく霊夢であろう。
早速倉へと足を運ぶと、扉は開いていた為中を覗く。
しかし中は見られるのを拒んでいるかのような真っ暗闇で、先が全く見えない。
「霊夢ーいるのか〜」
名前を呼ぶが応答がない。なんだ、違うのか?と胸に疑問を抱きつつ、倉の中に興味を惹かれた。
(こういうところには入ってみたくなるよな!)
と、倉の中に足を踏み入れた。
すると、、
中は摩訶不思議な模様が描かれたつぼや巫女の扱う道具などで、それらの物が地面いっぱいに広がる空間だった。
かなりほこり臭く、今にも目がかゆくなりそうな空気、長らく使われてなかったことが伺える。
(小さな物音)
ガサガサ
(!)
再び物音が聞こえてきたので、念の為構えて、物音のする方向を見た。
そこには大きなたんこぶを作った博麗霊夢がしゃがみ込んでいた。
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「あ痛タタ……」
珍しい光景にしばらく呆然としていたが、少ししてから我に戻る。
「どうしたんだ?大丈夫か」
駆け寄り心配の声を霊夢にかけると、なぜか霊夢が睨み返してきてこう言った。
「あんたのせいでしょうが!」
いきなり罵声を浴びせてくるものだから、そりゃないぜとため息をつくと、霊夢が事の顛末を話し出した。
それを聞いた瞬間に再び呆然としたが、すぐに冷静になり返答した。
「頭を打っておかしくなったのか?私は今来たんだ、そんなことあるはずないだろ」
私が霊夢にぶつかっただなんてあるはずもない、と。
魔理沙は双子でもなんでもない、二人いるなどありえないのだ。
「妖怪が化けて出たりでもしたんだろ」
「まさか、そんな妖怪なんて見たことも聞いたことないわよ。しらばっくれるのも程々にしなさい」
意味のわからないことを次々に言い出す霊夢をそっちのけに、魔理沙は先程の薬品を取り出す。
先程も話したが、効果を試すためだ。
もちろん自分は飲まない。
魔理沙は口をニヒヒとさせ言った。
「なあ霊夢、そんなことはいいから少しお茶しないか」
ずっと怒りの言葉を発し続けていた霊夢はそれを聞いた途端にハッとしたような表情を浮かべ、ドタバタと倉を出ていく。
(忙しいやつだな)
そう思うと、霊夢の後を追いかけて行った。
少女移動中‥‥
〜博麗神社(内)〜
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戸を開く音
ガラガラ
神社の中に入ると、霊夢は颯爽()と台所に向かって行く。その間に魔理沙は居間へと向かう。
しばらくしてから霊夢が何かの袋を持ち、軽やかな様子で戻ってきた。
「これよこれ!」
キラキラと輝かせた目を両手いっぱいに高く掲げ上げた袋に向けながらそう言った。
霊夢が言うには、この間人里を歩いていた時に妖夢と鉢合い「買いすぎてしまったので」とおすそ分けてもらった高いお茶っ葉らしい。
「どうりですっ飛んでいく訳だ、高いものに目がないからなお前は」
半ば呆れたようなおもむきで言うと、さっそくお茶をねだる。
「あげる訳ないでしょ」
と袋を魔理沙とは正反対の方向に抱え言った。
「ちぇっ、」
予想はしていた、がこれで薬の効果実証実行に移せると心の中でニヤけ散らかしていた。
霊夢が自分の湯呑をちゃぶ台に置くと、きゅうすに茶パックを入れた。そしてそれを湯呑に注ぐ。
白い蒸気がもくもくと上がるが、湯呑の半分辺りまで湯がいったところで白気は消えた。
「そういえば茶菓子を忘れてたわね」と湯を入れるのを中断し、再び台所へと霊夢は向かって行った。
(今だ!)
その瞬間すかさずに湯呑に薬を投入。やったぜとグットポーズをする。
その後ゆっくりと時が流れ、霊夢が2つの饅頭をお盆に乗せて帰ってきた。
「一つあげるわよ」
「なんだ、結局くれるのか」
意外にも優しいところがあるものだと、感心している隙に霊夢はお茶を入れ終わり、何の疑問も持たずに薬入のお茶が入った湯呑を口元に持っていく。
そして飲んだ。
それから一時間後……
魔理沙は霊夢にボコボコにされた挙句、薬の事を全て吐かされた。
力の湧く薬を作って霊夢に効果を試したこと
その薬を売って儲けようとしていたこと
それを聞いた霊夢は「その薬の商業権を私に預けなさい」と言い出すものだから「それはできない」とたまらず反論をする始末である。
長い口論が始まるかと思ったその時、空間が歪むような音がした。
(スキマの音)
ブゥン
「霊夢〜結界の件の道具、見つかったかしら?」
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八雲紫がスキマから姿を現した。
「紫、ちょっと今それどころじゃないの」
魔理沙もそれにうなずいた。
紫は口論しているその状況を見て、口をにんまりとさせ言った。
「貴方達は本当に仲が良いわね〜」
そう言うとフフフと笑う。
そんなんじゃない、とそんな顔を二人(霊夢と魔理沙)はさせる。
からかいを済ませると、紫は再び落ち着いた口調で言った。
「霊夢、これは真面目な話よ」
それに対して霊夢は体の向きを変え、「はいはい」と魔理沙をそっちのけに言った。
「途中邪魔が入ったけど、見つからなかったわ」
あの倉での事である。霊夢は紫から頼み事を受け倉で探し物をしていたのだ。
何のことかと疑問を持った魔理沙はすかさず質問をする。
「結界?道具?何のことだ」
1,「常識と非常識」
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あれから次の日、、
〜紅魔館(大図書館)〜
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紫はパチュリーに魔理沙の転移をさせる陣の作成、次に見送りを任せた。
「どこに出るかはわからない。スキマ妖怪の提示場所だからね」
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パチュリーがそう言うと魔理沙の足元の術式が陣を描き始めた。
「紫の差金で紅魔館に来たが、まさかお前が私を見送ることになるなんてな」
結局あの後巫女の道具も見つからず、紫も姿を現さなかった。
霊夢もだ。見送りくらい来てくれてもいいだろと思う。二人共結界の管理で忙しいのだろうか。
「そんなんじゃないわよ。別の場所に転移させる魔法なら取り組んだことはあるけど、別の空間に飛ばす魔法なんてそうそうやる機会もないからね」
口元をニヤリとさせ、そうパチュリーは言う。
ここまで来ると知らない魔法なんて無いのではないかと思わせる程の立ちふるまいである。
「そりゃあご苦労なこった、私は実験体ってことか」
そう言いながら苦笑いした。
足元の術式は陣の形に変化し、光り輝き始める。
「そろそろね、準備はいいかしら」
いよいよ黒幕のいる世界に移動だというのに、とてもワクワクしていた。
「…頼む」
(効果音)
キュゥィィン
「さっさと倒してきてちょうだい」
そのパチュリーの声を最後に、辺りは光に包まれた。
キィーーーン
強烈な耳鳴りで目を覚ます、どうやら転移される際の強い魔素にあてられて気を失っていたようだ。
〜???〜
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「ここは一体、、?」
見渡す限りの異空間、まさか転移に失敗したのかと魔理沙は焦る。
しかし、少し離れたところから一筋の光が差し込んでいた。それに気がつくと、持参したほうきにまたがりそこを目指して一直線に飛ぶ。
長い道中にはゴミのような物が浮遊していた。
(河童のところで目にしたものと似てるな…)
道行く末に、まさか河童のたくさんいる世界なのか?とちょっとした冗談を自分に言ってみる。
数分飛んでいると、ふと、帽子のつばの内側に光が入り込んできた。
(青空?)
"穴"が空いていた。
それを見るなり鼓動が早くなるのを感じ、何も考えず夢中になって穴を目指す。不安四分好奇心六分と言ったところだろうか。
(風の当たる音)
ビュゴォォオ
異空間から飛び出すと、風が一気に拭き付き髪や服をなびかせる。そして眼の前に広がっていた情景に魔理沙は思わず言葉を失った。
あちこちを飛び交う鉄の塊や、それに乗る人々の姿。空中に映し出される大きな映像。それら全てが新鮮に写る。既に不安を完全に忘れて目の前の光景に見惚れていた。
そうしてしばらく空中で止まっていたのだが、いきなり辺りが薄暗くなる。反射的にスッと空を見上げると……
(効果音)
『ゴミヲホウリュウシマス ゴチュウイクダサイ』
「、、なんだ?」
そう塊から音が発せられた途端、塊の姿が変形しだす。
(効果音)
ウィィィィン
よく見ると、後ろには異空間中に漂っていたゴミがたくさんに積まれていた。
そして、そう考える間も少ない内にそのゴミが後ろの異空間への穴に向けて降り注いできた。
いきなりの事だったので、魔理沙は間一髪でそのゴミを交わす。
「なんだなんだ!?」
そんな魔理沙の驚きの声に見向きもせず、その塊はさっさと別方向へと体を向け、去っていった。