この世は赫〜い天国？

　だったらいいじゃない

(/ ぎにゃん )

(/…やー、待たせたっ)

(/ … 私としたことが、お風呂を浴びてクリームを縫った後のベッドが心地よ過ぎてね … 寝坊しかけてしまった次第さ、面目もない __今日はそうじゃない… ということをどうか 行動で示させては頂けないかね？ )

(/ ... ... ... ...乙女だねぇ 可愛いねぇ ...にひひ
　　...別にさぁ、気にして無いってのに！ ま、とは言え何をしてくれるのか期待ばかりだけれどね！ ...いつも俺の予想を遥かに超えてくれる ...！ )


(/ ...久しぶりに設定とか色々書いてモチベアップ、に繋げようかと思ったけどもそれはまた時間のある時に、かな！ )

　　　「(まぁ)」



( … 城の中へと入り___見えなくなった光点のその後を … 知ることとなるであろう"解答"を心に思うのは … __【手立てを失くした】未来。…この事実は墓まで持っていく気でいた方が良いだろう、…この判断に【ウチ】も頷いてくれるだろうよ ___多分ね )



　　　「　…　頼りにしてるよ？　」



( 殆ど違和感なく … 白機の手前、率直な言葉を吐く )


_____________



　　[　灯の消えた医務室　]


　　　　…ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ…ッ


____営業時間が昔と同じで良かったよ …

(/ ...ん？あ、これひょっとしてこっち待ち？ )

(/ん。…月っちゃんでちょっと反応くれたら
あと全部こっちでやらせてもらうね！)

(/ _______了解 )



　　『 .....カロン、 ...少し 変化 ...いや “元通り” ....
　　　...任せて ...カロン、為 ...私 生きる ...』


　( 命を救う事 ...それが、〖未来〗の白機にプログラミングされた中で最優先事項 .... ...黒機のどんな願いでさえ叶う為に動くだろう ... ...とてもドロドロに



　　　___溶けた心は、もう過去には戻らない事を知りながら )



　　『 大好き ...カロン、...私の希望 ... 』

「(といっても…)

… さて、何処で使えばいいのかな？ 」


【♪.傲慢界 (BGM)】


>　[ 調べる ]

…ふたりは自室に帰ったらしいね、好都合だよ
いつかだか アローがドアのロックを解除して
るとこ、見たときの覚えがまさか役立つとは

監視カメラは…ないか 城のみんなへの信用が
すごいなぁ、おっと 用事に掛からなくちゃ

__________…


>　[ 調べる ]

さすがにカルテを見える所には置いてないか
見る用事はないけど、そのあたりは医者とし
てしっかりしてるんだね、アローがしてるの
かもしれないけけどさ　…

>　[ 調べる ]

…ん？　デスクの上に見慣れない書籍がある…



( これ見よがしにぽつん と置いてある書籍を手に取り、タイトルを確認してみる … 何かありそうだ ビミョーにオーラ纏ってるし …んん？)


・書籍『ブレシュール・ルージュ』を拾った。


「 … わぁ、自伝でも書いてたのかな？
　…黒歴史のひとつふたつ書いてたりして 」


( 期待と … 興味が渦巻きながら___書籍を開いた )

(/ 凄く早いけど落ち着くのだ！！ )

　1ページ:『NO ACCESS』

　2ページ:『NO ACCESS』

　3ページ:『NO ACCESS』



「 …… 何コレ…『ノー、アクセス』? 」


( 本を開くと、…意味不明な文字ががまっさらなページの中央に でかでかと書かれていた___【NO ACCESS】。…要するに あなたはこのページを見られません … 奇妙なものだ、いち 本に記された内容として意図も意味も不明瞭なもので ___"これがただの本ではない"とは、分かるものの )




[ﾊﾟﾗﾗﾗ…]「 … ずっとこんなページが続いてる 」




　806:……

　957:……

　1246:……


　2000: 『 _______



　「　おっ　」

「 そろそろ諦める頃だったよォ… 今んとこ
唯一の手掛かり君なのにヘソ曲げちゃってさぁ？

ページは… 2000。…うーん気持ちいい数字だね 」


( … ようやくこの本を読める さっき出会ったばっかりの、いけ好かないヤツがずばり題名のイメージ良くない本を、僅かにでも読めるのがなぜこうも嬉しくなるんだろうね？___ま とにかく変な気分になった代わりに … 何が読めるようになりますかね　…　と )



　2000ページ:『 後には　_____

　_____戻れない 』


　本書は著者の不本意を以てこれ以降のページを消去するものとする、本書の目的としてこれまで記録したB.s ルージュの【運命】を本人 及び彼女の認める非常に親しい人物にのみ開示し、彼女に間接的な関連を持つ【R】系統に於いて彼女が既に知った【運命】以外を恒久的に非公開として封印する(これはおそらく著者の気が変わったとしても)。

　加え、実質最後となるこのページを閲覧可能な者は著者が認めるもののみとし、これは本書の主B.s ルージュは必ずしも当てはまるものではない。

　…　以降のページに続く白紙と、上記に挟み
　著者の著者だけが知る、不本意をここに記す


注:B.s ルージュの【運命】の記録が本書の
　目的だが、下記やこのページはそれに殉ず
　る内容ではないため … 二重のプロテクト
　を【注】に掛けるものとする。






______________



「　………　？　…??　」

(/…【未来カロン】…最後の時がきた
　　この本に見覚えがあるかな？)

(/ ... ... ...翡翠？ )

(/ 昔、やったよね？ )

(/ .....既視感はある、ただ ...ただ ...ど、どこだ...ぁ？ )

(/【ルージュ】の過去に、…【運命】に翡翠が干渉し
　… エンジェル・ドリフトの原型。

【R-6 アンヘル・ドリフト】に出会ったお話だね)

(/ ....あ〜〜〜〜〜！！！！！！？ )

(/ それ、かぁ ...いや確かに見返してみれば ....！！ )

(/一応、あれは目論見通りに進めたけど

【多くの疑問は明かされずに終わった】ね

…なんで翡翠は【危機】を知ってたのか
撃退後、翡翠はどうしていたのか…)

(/それの補修も含めて　…　やろうか)

(/ ____今日はエナドリと薬を飲んで眠気皆無！ ...いくらでも待つしいくらでも見ているよ！！ )

(/ ......んぁ )

(/んぐぇ、…… だいぶ…やった…)

(/ ... ...ふむ、お疲れ様だね、忙しそうだし ... )

(/……赤手、ちょいと　…　待てる？)

(/ ..いくらでも待つさ、安心して欲しい )

(/……正直さ？)

(/迷っとった面もあるんよ … これから、ウチがやろうとしとる物語)

(/ ...ほう？ )

(/これから、ウチがやることは… 確実に救いのない面が出てくる

…昔、ウチが嫌っとったこと　…その、良さと悪さをウチなりに理解してなおやる事が、ちょっぴり酷薄すぎるかもしれへんの … … なんとなく、キミに酷いことしてまうかもしれへん　…　ええかな？)

(/ .....ふむ )

(/ どんな運命でも .....構わない
　俺はなんだって嫌いにならない、受け入れる底無しの杯
　好きにやると良いよ、酷い事？あぁ受け入れよう！！貴女の為になると言うのならば！！...ここでNOはあり得ないのさ


　　“覚悟”は出来ている
　__ GOT READY )

(/　いや、キミそういうの好きで知っとるけれど！　)

(/…それ踏まえてなお、ちょっぴり酷いかも…ってこと)

(/…あみゃ…)

(/……… …ぐぅ)


(/……が〜っ…もう、……あい、わ〜…かった…っやるっ！やるっ！

　……煩悩、ぜ〜んぶシャワで洗い落としてくるわ！待っとりっ)

(/ ...にひひ、あぁ、待っているさ )



　　　熱がどうにも止まないんだ、意欲が止まらないんだ、心を馳せてしまうのも仕方が無いだろう？
　　期待していようか、可憐なる『月』の者よ




(/ ...にひひ___なんちってね )

(/…………何時もみたいに、火ィ付けるかんね)

(/ ____あぁ、なんて唆る響きなのかなぁ ... )

( … ここに来て、もっと意味不明なページが出てきた。読むことの出来ない本の中で、唯一読めるのは訳の分からない言葉の羅列 __それまでに読むことのできる内容が無い中で、なぜこんな注釈みたいな部分だけが読めるのか？その意味を探す為にも　…　残り少ない文字に目を通さなくてはならないだろう)


__________


　まずは、諸賢に謝らせてほしい。

　本書は筆者が誰の了解も得ず、独断の果てに執筆した到底認められるべき文書ではない。なのにも関わらず 未来 過去を含めた諸賢の【運命】を左右する本書に対し、筆者は 私は責任を取れなくなってしまった。まことに身勝手ながら 筆者はこのようなネクロノミコンを産み出しておきながら その存在を管理し、諸賢の手元から遠ざける事すら出来なかった。


　私は、到底償いようのない罪を背負い また償う事も許されない世界へと消え去る。その前に 本書に記された諸賢らの未来を白紙に戻し、私の独白も含めた内容を 悪用せず【運命】と渡り合える者に向けてのみ読めるようにプロテクトを掛ける。…これで罪が赦される事は無い、これだけしか出来ることはなかった


　…　不甲斐ない私を恨んでくれ、ザレッド君
　私は　…　君たちを守る事が　…　出来なかった


______天楼　翡…羽

　　「　……　これだ　」



　感情と、心が凍てつくような緊張感に包まれ … 呼吸ひとつすら恐怖に苛まれそうな空気の重圧が辺りを包む。__この本に対する謎は尽きないが、必要な情報は抜き出せた … この世界がこの世界である最大の理由。__明らかに未知の驚異を示唆する文、これで充分だ。__本を閉じ、何度も重く息を吸って吐きながら タイトルの下に小さく記された【目標】を確認する )



____20○○　…　○月　○日



「 待って … これ、最近の話だ 」




_____つまり【過去】自分が居た世界…日時と
　　この本が産まれた時期はそう離れていない



　　　　　　「　……[ごく]……　」

____背筋の凍るような事実に 意図せずノドが鳴る

自身の意図しない所で命運を分ける事態が起きていた
その上、…それはもう【過ぎたこと】。この世界から…
帰還できたとして、それを防げる手などある筈もない

… 知るという【恐怖】が苛む　___　震える指で…


( "望遠鏡"を目に当て　…　本が置いてあった机に
ピントを合わせながら__見る時間を調節する …… )



「 (…逃げて、向かってどうなるとか…そんな損得
　　　抜きにしろ…っ___決めたろ…ウチッ！) 」



________【ON】…　________

[ｳ"−ﾝﾙﾙﾙﾙﾙﾙ_______]

「あ 待ってこれ酔うヤツ」


_______桃色と白色が六重の螺旋を描いたものが
　ぐるり ぐるりと残光で視界を多い尽くして行きながら
　曼陀羅めいて重量のある渦になると今度は模様が全て
　ぐるぅり　ぐるぅりと目のなかでかき混ぜられ　…







_______2060


_______2050


_______2040


_______2030


_______20○○　……





〖　…　20　…　〗

( ___医霊が身を賭し … 憑いた【闇】を退散させ___"褒美"の僅かな時間に心や胸、…情緒を踊らせながら過ごしている間 …過去といふ【運命】に彼女を送り届けた__これまた〖彼女〗。…彼女が、本の置いてあった机に向かっている場面　…　)





「　[ぐぐ〜っ]_____ふは−っ　…くたびれた　」


[くた…っと伸びをしながら __ 椅子に体重を任せて]

( … 上着を脱いで、彼女の肉体はインナー１枚を隔てるだけの状態にある。…それも臍は見え 肩は透かして__肌色が見える面積がとても広い 恵まれなくとも育ち良さげなプロポーションを惜しげもなく強調している …ひと汗を流して 艶やかな肌色がしきりに欲を覗かせ… )



「　…… やぁっぱ執筆も体力いるよ、手ぇいたい …

　　っと、… これで終わりじゃぁ無いんだけどね　」




　　　　　[ｽﾞｽﾞ…ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ…ｽﾞｽﾞ…ｯ!!]


( … "本"から闇色の粒子が漏れだし__紙面は
　絵具で染まったみたいに黒色が拡がって行く

　___泥水の噴水のように"闇"を噴き散らし
　今にも何か　…　不吉なものが飛び出しそう )



「 …… "宇宙(そら)より覗き 宇宙より来るもの"

　　"悉くを連ね 喰らい 染め上げる只悪しき星"

　　… ホント、はた迷惑だね　____【キミ】達 」



　　　　　　　______[ギｮロﾘ]

「 … 邪険にしないでよ わたしだってこんな事ぉ
　したかぁ無いんだから … ね？機嫌直してよ 」


( 緩急弛く物を言いながら … 脚にひじを突いて翡翠はじっ、と溢れだすそれを…【闇】をじぃっ…と眺め返している。…黄色い瞳孔と 赤い線とで黒く噴出し うごめくナニカから睨むように此方を伺う … 色濃い【闇】、刻一刻と本から溢れるように這い出る 正気が萎縮しかねない異物感がほうぼうに撒き散らされながら … 徐々にその気配を強めている…___翡翠は、睨み返すでもなく 見つめ返すばかりだ )




・【 遂に姿を見せたな 忌々しい小さなネズミめ 】

「 へぇ キミ達の世界にもネズミって居るんだね 」


(__口はなく … 金属製のさざ波めいたおぞましい音
　…声という 生易しい枠組みから外れた"攻撃"が
　脳膜 …無理やり押し込むように鼓膜へと流れる)


・【 戯言を利くな もう逃げられんのだ 】

「 ………… 」



・【 最後の刻を狭苦しい部屋で迎えた事を
　永遠(とわ)に悔いて もがき苦しむがいい 】



　　　　　　[ｽ"…ｯ ｽ"ｽ"……ｯ____]


(___【闇】が幾つもの枝分かれを本から引き抜きながら
　… 触手の群れた黒い蛸と化し、__今にも飛び掛からんと)

　「 … 宇宙がどれくらい広いかって片鱗に
　　触れながら、ヘンな事を言うんだねぇ？

　　宇宙というものが【無限】か〖有限〗か
　　その答えを知っているなもしれない一族

　　…　なのにまぁ　狭い事を言うんだね
　　宇宙(そら)の小さなわたし１人に …

　　　天下の【闇】がなんて小さいこと 」


・【 妙な言い真似はよせ お前は呑まれるだけだ 】



( ___本から抜け出し … 枝分かれした【闇】が
　　覆い被さるように　___翡翠の身体を呑み… )

　　　　　[ギﾁ"…ｯ]　_____込めない。



・【[ｷﾞｷﾞｷﾞ…ギギ]】


「 … まぁまぁ　落ち着きなよ？ 」


( 翡翠が__左手で【闇】の瞳を抑えると同時に、…部屋に張り巡らされた半透明の糸が、"翡翠色"にかがやき …___【闇】に絡み付いてその動きの一切を封じていた。____糸の根本は、翡翠の左手首に装着された腕輪型の機械であり〖針金鉄線(ﾊﾘｶﾃｯｾﾝ)〗と呼ばれる魔法融合機械。…___しかし悔しがる素振りも見せず、【闇】は呆れたように音のトーンを変える)




・【 … この程度が __ 足掻くのは呑まれて
　　無様にもがく刻にしろ…今は時間のムダだ 】

「 …… ____　いい加減にしときなよ？ 」



「 …そういう[ごそ]____


[　キラ…ァ―――――――ン …　]…勝手な上から目線 」


(____翡翠は小さく空間を引き裂き…何処かの場所から)


〖　淡い虹色を混ぜた　___　白く輝く結晶を抜き出す　〗



・【　…　何だと　】

(/ ... ...ふむ ... )

・【… なぜ ある ネズミが持ち得る筈がない】

　　　　 「 … 持ってるから？ ​」



( ___ｶﾞﾁｶﾞﾁと鉄線に力を籠める … ねじ切ろうとする気持ちの悪い音が継続して響き、明らかに【闇】の音が狼狽したものに変わる … しかし、表情や気配などで触れられる変化は特になく … 所謂生への執着めいた焦りではない 落ち着いた不気味な焦りだと ___見ているだけでそれは知れた。…不気味が、あまりにも過ぎる )



_____"…星が産み落とす、聖なるメモリー"


「 … これが産まれる星は限られてるし、此処には
　どうやったって産まれないんだ。…そりゃ、驚くよね

　　… でも、どう使うか知ってるって言えば 」




_____もっと　…　驚くんじゃない…かな…っ！

　[グ"ギ……ッッ！！]・【 うぅおぉっっ 】



「 …っ 逃がさないって…!?こっちの…台詞だよっ！
　もう逃がすもんか…っ わたしの…未来も【運命】もっ

　全部… 全部…っ 全部奪ってこれ以上何が…何がぁっ！」



(___絶叫と共に握り締めたクリスタルが振り下ろされた
　… 幾重にも守り重ね【闇】が身を削られながらも受け…
　糾弾は止まることなく呪詛のように彼女は力を強める)




「　くたばれ…っ　くたばれ、くたばれっくたばれｯ!!　」


　　　　　　・【　グｩ　…　ｩｫオ…ｯ!!　】

　　　　[　ﾊﾞﾊﾞ ｷﾞｷﾞｷﾞ ... ｼﾞｼﾞｼﾞｨｨ…ｯｯ　]


( クリスタルの光は どうも【闇】が苦手とする類いであるらしく、翡翠の手に血が滲み…直も突き立てられる鋭角な先端は【闇】への到達を阻んでいる幾重もの触腕を …霧散させながら、じりじりと瞳孔に迫っていた__ )



　　　「　(やれる…　やっと　…　やっと…っ)　」



____瞳孔へ。【闇】へと光が届く刹那 … 彼女は感慨に
　　思わず心の、ひいては腕へと籠めていた気を緩め



　　　　・【 … 乗るな　死に体の分際で 】



_______【闇】はその一瞬を見逃さなかった。

　・【 [ﾁﾘﾁﾘ____ｼ"ｼ"ｯ] 】

　　　「　………　う…っ!?　」


　　[バﾘ"ﾘ"ｯｯ　ｶﾞァンッ！！]


( 瞳孔から大気を吸い込むように【闇】の粒子が収束し…黒く迸る雷撃となって放たれ クリスタルと … 放つ光と拮抗し、まばゆい閃光と …激しい衝撃が入り乱れ____気を緩ませた最中の反撃に …___翡翠の手から、クリスタルが飛び抜け 床へと撥ね飛ばされた )



_____ｶｧﾝｯ　ｶﾝｯ　…　キリリｯ　




　…　!"!…！



「　うわぁ…っ　_____ぁ　…　」




　　　　　・　…　ｽﾞﾙﾘ。

(/ 月尾、大丈夫？ )

(/うん、まだいける… 赤手は？)

(/ 大丈夫、余裕、全然いける、やっぱり俺がどうにも歪んでるのかもね、あぁ平気だとも )

(/…それって嬉しいってコト？)

(/ なんだろうね、なんでだろうねぇ、凄く楽しいよ、凄く凄く_____ アイデアが止まらないんだ！！！)

_____________…



　　「 ___________っ　………………　 」



　耳をつんざく静寂が か細い乙女の呼音を帯びる
…母親の胎で"目覚めた"赤子が蠢くように 生々しく
　あたたかな 呼吸の音 … 鼓動のリズム、【恐怖】


　そこなら【闇】は消え、身体を抱く乙女がひとり
　… カーテンの靡く窓 月のひかりを映す木の床

　【何か】に怯えて身体を抱き締める乙女の姿

　____恐ろしくも美しい　…　絵画のようだ





　　　　「　………………………っ　………　」


( … 時間が、迫っている。___潜り込まれた感覚と、…鼓動の元から支配の枷に絡め取られる恐怖感が　じっくり じっくりと脳裏へ侵食する …逃れようのないという、シンプルで…絶対的な生物としての恐怖。…今にも叫び、もがこうと悲鳴を上げる神経に必死のストップを掛け 翡翠はただ　どうするべきかを考えた_____己の身は、とうに諦めた上で。)

「　……　……　……　__は…はは
　やっぱ…　…キャラじゃない事　…
　するもんじゃ…　なかったね　」



( … うわ言を呟き ___身元を整える。…本から〖医霊〗を呼び戻し、…後先の未来を、…【運命】を描く本の後半を白紙へ還し、___"あとがき"を遺す。……クリスタルと、上着に手を伸ばすも　…　…　もはや掴む事すら叶わない。…____よたよたと…生気のない足取りで　… )



　　　[ガッ　…ﾊﾞﾘﾊﾞﾘｯ!!]___〖空間を引き裂く〗


　　　　「 …… 悔しいなぁ　____　…ねぇ？」





______ごめん　…　ザレッド　…_____君






(________傷は閉じ　…　ぬけがらの医霊と

　…………____クリスタルと、…上着が其処に残る)





　　　　　　…　…　ｩ　…ｩ"…っぉ…ェ…っっ

　ぅう"ｩえｫおぇeeeeeeeee"eeeeeeee


　　　　　　[(NICE BOAT)]

__________




[ｶﾞﾁｬ…]　_____ぁ"…あ"…ぁ"ぁ……


「 … 月跳かんれ"んの…コ"レ…ぇ"………
　どぉ"にか"なん…な"いの……？…ｳﾞぇ… 」


( ____苛まれて臓物に詰め込まれた内容物を
　　リバースした黒機がぐ…ったりした様子で
　　W.Cの扉を開けて来る…__口元を拭っては
　　未来、電磁移動を実用化した経緯を　…
　　憂いつつ、同情しながら___記憶を辿る )



「　ぅ"グ…　…___ｯﾝ。…(またまた情報過多だね。)

…( 翡翠 ナゾの【闇】と敵対しており、医者の記録から
　飛び出てきた(呼び出した？)【闇】の討伐に失敗。… )

[ｼｬｶｼｬｶ]

…(見てた限り〖取り憑かれた〗？…被害が及ぶ前に何処か
　遠いところに移動した…感じかな。__これが〖原因〗？

　　…だとしたら〖翡翠〗とやらが無事じゃなきゃ
　　ウチの世界はどんどんおかしくなるって事か…

　… つまりウチらの為に色々してくれるのかな…？
　_____ダメだ、未確認の要素が多すぎるよ…)　」




_____っあ…


「 そうだ、"クリスタル"！あの【闇】特効っぽいの
　何処行ったんだっけ…!?あれさえ確保しといたら…！

　…　____その辺り、まだ見てなかったっけ…？ 」

(/ わぁあ、中々な地獄だなぁ... )

(/ た〜〜〜〜〜〜のし )

〖_____現実逃避開始〗


「 …… っと、【運命】の本…コレが読めなかった理由ってプライベートたっぷりだから…ってだけじゃぁ 無いね、コレ。…ってかイチから書いてたんだ、う〜〜ん、未来何が起きるか…って少しでも確認出来たらなぁ―っ… 」

( … )


「 …… ってか【闇】と〖翡翠〗の因縁っぽさが気になる…あの迷惑そーな感じからして【加害者】はあの黒っぽいやつだね、…〖翡翠〗はアレを何とかするためにこのお城に来たのかな？____って…未来のウチは本人から過去ウチが来るって聞いた…ってたし、あの取り憑きは何とか…出来たんかな…？ 」



(…)



「　…　はぁ、分かったよ　」



______見るしかないって？…　もぉ

(/ あはは、楽しいねぇ さぁさ、待ってるよ )



(/ ...しばらく月尾ばかりに書かせてるねぇ、なんだか申し訳ない ... ....なんかして欲しい事あったらいいなよ？ )

(/は、反応がなんか怖いね…?？)


(/んん〜… …… …… …… 話が終わった後で考えるよ！)

(/ これでも抑えてる方だよぉ？きょうき )


(/ おっけぇ、なんでもするから安心しな！ )

[ ｩィｨｨ ｨ ｨ　ｨ ｨ … ﾝ ]



( …イヤ〜な感じが強くても、やらない理由も暇もない。__再び月跳の眼を着け 息を吸い、…同じ場面を____我慢して、じぃ…っと )



　　　…………



　　　「 …… んん？ 」


(____軽く首を振り、二度見 三度見　…不思議と今は吐き気よりも、今 見えているナゾへの興味が尽きない。…だって、今　…　見てるコレが正しいなら…　)

( ___やっぱり無視できないキモチ悪さに、耐えるかどうかギリの所をキープしながら高速で〖月跳の眼〗ぇ外すと やっとおいしい空気にありつけた。…けど、そのまたすぐに思い浮かんで…というか行動に移ってからでも考えるのは〖クリスタル〗の在りか。____…早々ネタバレしちゃうケド )



______ごそごそ　…



　　　「 ………… 」


___________


[事件後-10分経過]＿変化ナシ

[事件後-20分経過]＿変化ナシ


________22分経過ごろ



( … とつぜん 医務室の扉が開いて見慣れたひとりの人物が…怯え、慌てたように現れた。そのコは…しばらく、きょろきょろと回りを見渡すと 熟睡する医霊をなんども振り返りつつ … 落ちた〖光〗を、翡翠の上着に包んで　…　持ち去ってしまった　__　その…包んだ物の名前は )


_______



　　　　　　「　………　」


〖　瑠和の包み　〗を取り出した。

　　[___ごそごそ…　ぶわっ]


　　　　「　……　マジだ　」




　〖　ナゾの水晶　〗が入っていた。


( 続いて、水晶を抱えながら〖包み〗を拡げると … )


　〖(おそらく)翡翠の上着〗を手に入れた。

________________


　　「 ……… 」



( 突然〖ｷｰｱｲﾃﾑ〗ふたつが手元に。…OK、分からん。現実へのアンダｧスタン が追い付かなくならないよう、情報をせいり…___アレ？ )



　　　　「 …… "医務室"の ___届けもの…?？ 」



( _____とうぜん …"翡翠の事実とｷｰｱｲﾃﾑ"のことを
〖ブレシュール・ルージュ〗と〖ドリフト〗は知らない。ましてや、これらの【持ち主】が居るわけがない。… )

( …… 食いぎみに考えよう。__布団も掛けずに眠ってる"医霊"を放ったまま〖ｷｰｱｲﾃﾑ〗を急いで持ち去るキツネちゃん。…明らかにヘンな動きの理由になるだけの【事情】があるとすれば____思い出すのは【自分】の顔 )




　「　…　まさか　ウチのこと　…　」


　　　　「　存じてました♪　」




　　　　　　　　　[　(　悲　鳴　)　]




_______________

(/____アップテンポだけど、どう？)

(/ わぁ、ァ.... ....大丈夫、ただ、おん ...おん、やべぇな ....あぁ、だからか ...？ ... ..と、兎に角まぁ、見てるから、ね！ )

・ ドッキリエンカウント 2分後




「 … ったくもォ　したたかって言えるけどさぁ？ 」

　( ____ 机と、お茶を挟んでおきつねカオの… )


　　〖 蓬莱目附乃方・瑠和 〗。…【八尾狐】


　「　心臓まろび出ちゃうよ ホント、…うぇ　」



「 ____ しかと覚えてずっとの約束でしたから
　　ついつい 瑠和も遊(あそび)とうございましたの 」



( …全てを知るのが、まさかのこの狐(こ)だった。頭とついでに心臓を殴られるような衝撃に ___ 出した答えが気絶と悲鳴。ウチにしちゃ情けないったらありゃしないよね、… ____良い性格してんなこのヤロ )



「　… で、どういうコト？　なんで瑠和ﾁｬﾝが色々と
　知ってて、しかも見事に踊らせてくれちゃったワケ？　」



　　「　___ うふふ　…　"約束" でしたから　」

[ぴく](___思わせ振りに…思い当たる【名】)


「 …… たぶんもう〖ウチ〗にﾈﾀﾊﾞﾗｼされてたから言うけど … それも【翡翠】の頼みごとってコト？ 」


( これ以上。…振り回されてると自尊(プライド)がしんどい なるべくオブラートに、かつ単刀直入に。…斬り込んじゃったら のらり…ひらりと躱してふわっと包みこむ言葉であっさり負けちゃう )


　「 あら ___ そんなにお急ぎにならなくても 」



__________じろ〜っ




「　はぁーっ　負けたよ、負け。結論急いだウチが無粋でした！…じゃ？お聞かせ願えるかな？　」


「　はい　なんなりと♪　」



__________…なんだか勝てる気がしない

「　…　かろん様がお覗きになった"夜"、るわは帳簿で 遅くまで火を灯してました。___蓬莱さんも あの日はぐっすり眠ってて … 」


_______________




[ﾊﾟﾁ ﾊﾟﾁﾊﾟﾁ]　_____ 夜なべに鳴るは算盤の


「 ……… ん __ ここならもう少し節約できるかも 」



( ろうそくの灯り … 小さな眼鏡がめんこいばかりで、夜ふかし帳簿がなぜだか似合う ___ 時おり、ふとんにくるまる "小さな亭主" のかお色を見ながら、今日も … しずかに過ぎる夜 )



[ ﾁﾘﾝ チリン … ]

(___少しだけ うつらと半眼を閉じるきつねの…耳がぴんと立つ。…時代おくれなドアの鈴。____おそくの夜なべに…めったに鳴らない音がする)



「 … ん はぁーい　… (こんな時間に？__うぅん)」



　　　　　　　　　　[　ｶﾞﾁｬﾝ　]



___________

「 … 其処に居たのが … 」


_____おきつねがこっくりとうなずく


「 翡翠さんでした。… そのときは、服が乱れてひどく焦った様子で びっくりしていたるわの肩をお持ちになって お頼みごとをなさったんです 」

_____________



　　　　…　あなたの助けが欲しい　…

　　何も言わずに、頼まれてくれないか？


_____________



「 ………… 」


( 怪しめ、断れと「一般的な感覚」でツッコミ入れるのは簡単。…でも、関わりは薄くっても〖身内〗。___おきつねの人となりを知る以上、断らなかったのかだとか … 言うのは野暮だ、そもそもウチはこの世界で生きてる訳じゃないし。)



　　　「 ふむむ　…　それで、頼みごとって？ 」

　「 具体に習いましたら ___おおきく3つ。」



1.医務室に赴き、〖水晶と服〗のみを持ち帰ること

2.そのふたつを隠し、誰にも言わず通すこと

3.___このときを迎えた暁に〖芝居〗を打つこと



「 このうち3つめを聴いたのは __つい最近のこと 」


( ___ 机に転がした〖水晶と上服〗をちらりと見て )


「 … ご存知。__〖カロン様〗とおなじ翡翠さんです
　お時間を越えて足をお運びになるお客様のことも … 」

____________

(/ ...おぁ〜〜〜〜〜〜 )

(/ごめんごめん。…ちょっと爛れちゃっててさ？)

(/ 大丈夫？？？？ )

(/……ん？)

(/ ....え、いや、だって、爛れるって ...え、だ、大丈夫 ...？？？ )

(/………昔、こういう感じで言ってたっけ)

(/……爛れた欲望。)

(/ ......あっ ...あっ、あ〜〜〜〜っ、そ、そっち、そっちね？ ... ...まぁ、うん ...そりゃあ枯渇するよね ... )

(/うーん。…だからちょっと休んでた、__んひ)

(/もすこし気分、爛れるからもうちょい休む、…にゃ)

(/ ....うにゃむにゃ、そう言う欲望を発散させてあげたいとも思いつつ ...とは言えゆっくり、休みなよ？ ...にひひ )

(/やぁやぁ、無理は言わせないよよ　…)

(/ .....最近そう言う夢見る事多いし )

(/……明日はお休み。…んん)

(/ ...お昼からならあいてると思う！ )

「 …えへへ 」

「 .....最近は特に、頑張ってくれてるね？_____ありがとうね 」

「 … そう言われたくも、聞いて欲しくもあったからね 」

　「 ...実際さ、最近毎日楽しみにしてるんだよね ...にひひ ...だから、もっと言わせてよ ...ありがとう、って 」

　

「 ……… 」

[ すりすり ]

　「 ... ...だ〜〜い好きなのさ、にひひ ...まぁ、その分ほんと、昨日見た夢の中身がとっても恥ずかしいんだけど 」

　　[ ...ぎゅうぅ〜 ... ]

「 … 言ってご覧よ ザレッド君？ 」

　[じぃ____にこ。]

　　「 ....その、んと、えっと 」



　　[ ...顔がじわじわ、かぁああ... ]

　「　…　言っておくれよ〜　ザレッドくぅん　」


( ずい、と膝上に登って股掛け ___首を抱いた )

(/ .....うん、寝落ちしてた！久しぶりに！ ... ....あ、あ〜〜〜〜、その、えっと ...夢の話の続きはさ、...また後で、ね？ )