幻想郷の日常メインの場所です。
オリキャラはモブだけで、基本は原作キャラだけでお願いします。
それさえ守れれば、多少のキャラ崩壊や、キャラの経歴等で原作に無い事をしてもOKです!
・・・・・あまりはしゃぎすぎなければいいのですが・・・・・
(怒と哀の人格のフランドール達のことを心配しながらボソリと呟けば、そのまま喜の人格のフランドールの頭をそっと撫でる・・・・・
フランドールの人格は一体何人いるのか気になってくるが、一人一人とちゃんと接することで少しでも本来のフランドール同様に心を許してくれればいいのだが・・・・・)
フラン(喜)
「えへへ〜、もっと撫でて〜。」
咲夜が頭を撫でると、何百年も前に失われてしまったかつての温もりや優しさを思い出す事が出来、それが心から嬉しく感じ、もっと撫でて欲しいと求めてみる。
フラン(喜)
「このまま行けば貴方はそう遠くない内に壊れちゃうと思うけど……私は貴方を失いたくないな……だから……私が貴方を貰うことにしたの!他の誰にも渡さない。お姉様にも、他の私にも、誰にも……!」
喜のフランは地下と言う邪魔の入りにくいであろう場所と、二人のフランが激突した事で注意を引き付けてくれると思ったようで、吸血鬼としての強い腕力を用いて咲夜を押し倒そうとする。
大切な母を失った反動で、自分が大切だと感じた者……ようやく出会えた温もりを二度と失わないようにと、少しばかり独占欲の強くなった人格……それが喜の人格なのだろう。
・・・・・!
(少し前まで普通に子供のように無邪気だったのに、いきなり自分を押し倒してくる辺り、やはり喜の人格も少しばかり歪んでしまっているのが伺える・・・・・
しかし、ここは敢えて抵抗せずに、刺激しない方がいいと判断し、喜の人格のフランドールの顔を見つめる・・・・・)
フラン(喜)
「お姉様は血を飲みきれなくて出来ないし、他の私だと跡形もなく吹き飛ばしてしまうけど……私は力加減がちゃーんと出来るから、安心して眷属になれるよ?」
フランはその小さな口を開け、二本の鋭い吸血用の牙を咲夜に見せると、抵抗しない咲夜を見て、眷属になる事を受け入れてくれたのだと思い、咲夜の首筋から血を吸おうと迫る。
・・・っ・・・・・
(このままでは、フランドールによって同族にされてしまう・・・・・
吸血鬼に仕える専属のメイドという立場上、日中の外出の際は日傘を持ったりなど、吸血鬼という種族の生命に関わる役目もあることから、このままだとメイドとしてのこれからの人生に支障が生じることとなる・・・・・
しかし、フランドールの力に抵抗できるほど強い力も持ち合わせていなく、腕を動かすことすらできない・・・・・)
フラン(喜)
「大丈夫、私なら上手くやれるから……!」
咲夜の首筋に牙を立て、種族的な力の差から満足に抵抗する事すら出来ずに押し倒された咲夜の首筋から血を吸おうとする。
・・・・・お、お待ちください・・・・・フランドール様・・・・・
(そう言うと「私は今はまだ人間です、当然、フランドール様やお嬢様達とは違い、日光の下でも活動することができます・・・・・ですが、今ここで私を同族にしてしまえば、普段からお嬢様が外出しているのと同じように、フランドール様をお外へ連れ出すことが出来なくなってしまいますよ・・・・・?」と、通用するかどうか、一か八かの言葉の説得という賭けに出る)
フラン(喜)
「…………?何を言っているの?貴方も私と一緒に地下で暮らすんだよ?」
咲夜の首筋から顔を少し離して自分は始めから外にでるつもりは無く、咲夜が吸血鬼となった後、ずっと自分と一緒に地下に閉じ籠るつもりなのだと応える。
フラン(喜)
「それに……地下に閉じ籠っていれば嫌な目に合うこともない、日の光に怯えなくてもいい、痛い目や苦しい目にも合わなくて済むし、皆もそれを望んでいる。だって……今までもそうしてきたんだもの。」
自分は姉とは違う、姉のようには慣れない、姉のレミリアがフランの暴走を止められなかった罪悪感と後悔を抱いているのと同じように、フランもまた母を壊してしまった事の罪悪感と後悔に苛まれている。
変わらずにずっと嬉しそうに笑っているものの、その顔はまるで寂しそうにも見える……残酷な現実から逃れるために喜の感情をメインにして別れたこの人格の中にもその罪悪感と後悔が刻み込まれてしまっている……
・・・あなたの意思はどうなるんです?
(フランドールの言葉を聞く限り、自分以外の者達も望んでいることだからこそ、自身がそれに従う形が自身の最適な過ごし方でもあるという風に聞こえてくる・・・・・
咲夜は、フランドール自身の意思はどうなるのか、ということを述べる・・・・・)
フラン(喜)
「…………そんな事はいいの。怪物は怪物らしくしないといけないからね!」
自分の意思はどうなのかと聞かれると少しの間、返す言葉が無く、笑ったままでいるものの、結局は答えることが出来ずに少し自分を卑下するように言う。
・・・・・あなたは怪物なんかじゃありませんわ・・・・・
(そう言うと「フランドール様は、もっと自分に自信を持つべきです・・・・・それに、もしあなたが周りをどれだけ拒絶したとしても、私は・・・・・いえ、少なくとも、私とお嬢様はあなたの味方ですわ・・・・・」と、今まで長い間まともに接することも出来ずにいたレミリアも、フランドールの味方あるということを述べる・・・・・)
フラン(喜)
「……お姉………様……」
自分は怪物なんかじゃない、咲夜や姉のレミリアは味方でいてくれると聞くと、喜の人格は咲夜の眷属化を止めて咲夜から少しだけ離れ、「ごめんなさい…」と小さな声で呟く。
フラン(哀)
「咲夜!大丈夫!?」
左腕が肩から切断され、背中の翼も右側が千切られ、ボロボロの状態になりながらも、辛うじて怒りの人格を抑えることが出来たのか、最初に咲夜が説得することに成功した哀の人格が地下室の扉をぶち破って現れ、咲夜に大丈夫かと聞いてみる。
吸血鬼の再生力をも上回る火力を用いた攻防が行われていたようで、いずれの傷も再生出来ていない。
ちょっ!?それはこっちの台詞ですよ!?
(いくら吸血鬼は生命力が高いとは言え、ここまでボロボロになった状態で大丈夫かと聞かれても、そっくりそのまま言葉を返すような状況だ・・・・・
哀の人格のフランドールと比べれば、というか比べなくても、危なかったものの自分は何ともない・・・・・
まずは手当をしなければと考えるものの、手当でなんとかできるようなレベルの怪我ではないのも明白である・・・・・)
フラン(哀)
「大丈夫、この体は分身だからまた治せる。だけど……」
フラン(喜)
「……貴方は私のものになってはくれないの……?」
哀の人格は自分の今の体はフォーオブアカインドで作り出した分身の体であるため、損傷しても一度分身を解除してから再び分身を作れば治せると応える中、喜の人格は大粒の涙を流しながら咲夜は自分のものにはなってくれないのかと問いかける。
・・・・・
(分身体は簡単に治すことが出来ると知り一安心するものの、自分のものにはなってはくれないの?と聞いてくる喜の人格のフランドールに、なんて言葉を返せばいいだろうかと頭を悩ませる・・・・・
素直に「自分はあなたのものにはなれません」と言葉を返すわけにもいかない・・・・・)
フラン(喜)
「あはは!冗談冗談、気にしていないよ!
ちょっと残念だったけど、嫌なら仕方がない!」
哀の人格が自分を見ている事から、下手に力付くで咲夜を眷属化しようとすれば、怒の人格と同じように攻撃されてしまう事から、迂闊に手を出せなくなり、咲夜から離れて行く。
・・・・・
(なんと言葉を返せばいいのかと悩んでいる中、喜の人格のフランドールは敢えて自身の感情を押し殺してその場から去るのを見れば、複雑な心境になる・・・・・
全ての人格としっかりと話し合いをして打ち解けなければ、完全に信頼を得るのは難しいだろう・・・・・)
フラン(哀)
「……貴方は優しいね。」
喜の人格が咲夜から離れていく中でも、彼女が自身の感情を押し殺して去ろうとしているを見て、幾ら孤独を埋めようとするためとはいえ、眷属にしようとしていた喜の人格に対しても同情を抱き、複雑な心境に陥っている様子を見て優しいねと口にする。
哀のフランは母を壊してしまった事による罪悪感と後悔に取り付かれていた。怒の人格は自分を理解して受け入れられる者などいないとして周囲に対して攻撃的になってしまった。そして、喜の人格は純粋に孤独を感じ、それを埋めたいと思っていた。それぞれが異なる思考や考えを元に行動している……
いえ、私はただの臆病者ですわ・・・・・さらかんじょうをだ
(そう言うと「優しさというものは、自然と出すことが出来る感情の一つです、私の場合はただただ自身の臆病さをカモフラージュするために誤魔化しているだけですわ」と言葉を返す・・・・・
自身のかつての守りたいものを守れなかった経験がこの言葉に繋がっているのだろう・・・・・)
フラン(哀)
「そんなに自分を卑下しないで。貴方は私達の出来ないことが出来たんだから……臆病なんかじゃない。」
四つの人格が不安定な状態で顕現した狂気の人格を前にしても逃げることなく、狂気を沈めたその姿を分裂した人格の一つである哀は覚えており、咲夜は臆病なんかじゃないと言うと、館の至るところで地響きが鳴り響き始める。
フラン(喜)
「あははは!上ではお姉様達が"怒の私"と戦っているみたいだね!」
地上では凄まじい轟音や爆音が生じ始めており、まるで戦争が起こっているような凄まじい衝撃と振動が地下にまで届き、それを感じ取った喜のフランは壁にもたれ掛かりながら天井を見上げて呟く。
・・・・・フランドール様・・・・・こちらのフランドール様を、お任せできますか・・・・・?
(哀の人格のフランドールに、喜の人格のフランドールを任せられるかと問う・・・・・
人格の一つの分裂体とはいえ、レミリアのことが心配でならない・・・・・
しかも、司る人格は「怒」、恐らく容赦という概念はない・・・・・)
フラン(哀)
「………?
……!!まさか、行くつもり…!?」
轟音と地鳴りが響く中、喜の人格を抑えておいて欲しいと言う事を聞くと、最初は意図がわからなかったものの、まさか上で戦っているレミリアと怒の人格との戦いの場に向かうつもりなのかと聞いてみる……
怒の人格は見境がない、全てに対して非常に好戦的である上に、自分と違って話を聞こうともせずに暴れまわっている事から、このまま行けば咲夜が殺されてしまうと心配になり、止めようとする。
私の主はレミリアお嬢様です、従者は主をお守りするのが役目・・・・・主の危険とあらば、どんな状況だろうと向かうのが当たり前ですわ・・・・・
(そう言うと、哀の人格のフランドールに近づいてしゃがんで視線を合わせて両手を握れば「大丈夫です、必ず戻りますから・・・・・」と、生還を約束する・・・・・
しかし、身体能力がどんなに高かろうと、人間と吸血鬼とでは天と地ほどの戦力差がある・・・・・)
フラン(哀)
「………わかった……約束だよ?絶対に戻ってきてね!」
咲夜の覚悟を決めた様子を見て、自分がこれ以上言ってもその覚悟がゆらぐことは無いと言うことが彼女の瞳の中を介して知ると、絶対に帰って来て欲しいと言い、彼女を見送る……
えぇ、勿論です・・・・・
(そう言葉を残すと、咲夜は怒の人格のフランドールとレミリアが戦っている場所へと向かう・・・・・
近づくにつれて、館内に轟く衝撃音が徐々に強く、大きくなってゆく・・・・・
怒の人格のフランドールもだが、レミリアも恐らく容赦せずに戦っているのだろうということが伺える・・・・・)
フラン(怒)
「何処までも腹立たしい!!お前達なんか大嫌いだ!!!」
レミリア
「……………………。」
咲夜が雨雲に覆われた空の下で激突している二人の見える場所まで移動すると、そこでは燃え盛るレーヴァテインを両手に持った怒の人格と、グングニルを展開して手にしてはいるものの、一切反撃すること無く、ただ防御や回避だけをしているレミリアの二人が戦っていた……
レミリアがその気になれば分裂した一人格分の力しか持っていない怒の人格を制圧することは何時でも可能であるにも関わらず、それをすることなく、怒の人格からの罵声や怒声に言い返す訳でもなく、ただ静かに黙って受け身になっている。
お嬢様・・・・・!
(二人の姿が見えると、咲夜はレミリアに向けて呼びかける・・・・・
この戦いは相性が最悪だ・・・・・
見境なしに怒りをぶつける怒の人格のフランドールと、例え人格の一つである分身体だとしても妹相手に躊躇しているレミリアとでは戦闘力の高さがどうこうではなく、どちらが有利かが勝敗の決め手になる・・・・・)
フラン(怒)
「あああああ!ムカつくムカつくムカつくムカつくッ!!
どうしてやり返さない!?まさか……私程度、攻撃する必要も無いって言うの!?」
レミリア
「………フラン……私は…………」
レミリアは咲夜の事にまだ気付いていないのかずっと怒の人格と向き合い続けているのだが、対する怒の人格は右手に持っていたレーヴァテインに込められていた魔力を巨大な太陽を連想させるような莫大な熱量を放つ炎球に変化させ始める。
怒の人格が形成している炎球が放つ熱量はすさまじく、離れた場所にいる咲夜のもとにまでその凄まじい熱気が届いており怒の人格の近くにいるレミリアの肌が少し焦がされ始めている……
お嬢様・・・・・!!!!!
(咲夜はレミリアを戦いから引かせる為に、必死に呼び掛ける・・・・・
いくら怒の人格のフランドールが容赦しない性格であるとはいえ、まさか自身達吸血鬼の弱点でもある太陽に近い球体を作り出すまでとは思っていなかった、予想外過ぎた・・・・・
しかも肝心のレミリアは、戦意を見せようとせずにいる、このままでは戦いの行方は明白だ・・・・・)
フラン(怒)
「館もろとも……燃えて無くなれ!!!」
レミリア
「……スピア・ザ・グングニル。」
《ギュオォォォォォォォォォォ》
レミリアは一瞬、地上から咲夜が自分の事を呼ぶ声が聞こえて来たことで視線を彼女に向けるものの、怒の人格は攻めの手を緩めることはなく、太陽のように巨大で煌々と輝く特大の炎球を放つ。
このままレミリア一人が避けることは簡単だが……そうなれば地上の館に住む者達は確実に全滅してしまうだろう。そうならないように手にした赤槍に紅い電撃を纏わせ、それを太陽のような炎球に向けて投げ付ける。
すると、グングニルの名前の元となった必中にして必殺の神槍と同じように、並大抵の人妖では一生かけても蓄えることが出来ない程の圧倒的な魔力によって形成された太陽をも貫き、その更に向こうにあったぶ厚い雨雲をも綺麗に吹き飛ばし、道中にあった全てのものを薙ぎ倒して消滅させていく。
漸く行った反撃であったにも関わらず、レミリアの放った一撃はフランの体を傷付けることはなかった……
《やっぱりこの戦い・・・・・フランドール様の人格の分身体の方が一枚上手・・・・・》
(レミリアが躊躇っているというのもあるかもしれないが、基本的には怒の人格のフランドールの戦闘力の方が、レミリアよりも一枚上手のようにも見える・・・・・
となれば、自分がやはり怒の人格のフランドールを何らかの方法で説得した方が、比較的まだ周りへの被害も少なく済みそうだが・・・・・)
レミリア
「……咲夜。下がっていなさい……貴方では今のフランは危険すぎる……」
フランは両手で一本のレーヴァテインを持って勢いよくそれを振りかざしてレミリアに迫るとレミリアはすかさず紅槍ハートブレイクを形成してそれを受け止める。だがフランの持つレーヴァテインは炎を纏っているため、ジリジリとレミリアの肌を焼いている……
純粋に殺し合いをした場合、これまで霊夢や魔理沙との戦いだけでなく、永夜抄、萃夢想、想天則、非想天則等、数多くの幻想郷の住人達と戦ってきたレミリアの勝利は揺らがないと思われるのだが、守るべきモノが多く、フランを傷付ける事が出来ないレミリアは嫌でも防戦一方になってしまっている。
・・・・・フランドール様!あなたの相手なら私が致します!
カシャッ・・・・・
(咲夜は、吸血鬼であるレミリアに仕える専属メイドという立場上、吸血鬼という種族が人間よりも遥かに強い力を持った存在であるということさ勿論知っていれば、逆に人間では平気な日光などには物凄く弱いということも知っている・・・・・
だからこそ、力では及ばずとも別人格とある程度打ち解けられた自分ならば、怒の人格のフランドールをほんの少しは抑えることができると少なからず自信を持っている・・・・・
寧ろ、相手がレミリアならば、フランドールを刺激してしまうのではないかと危惧するぐらいに・・・・・)
フラン(怒)
「……私の相手をする……?
……へぇ、随分と立派な事を言うねぇ?それじゃあ……相手してもらおっか……なッ!!!」
レミリアは呆然と咲夜を見る中、憎悪と憤懣に支配されたフランはレーヴァテインは右手に持ち、咲夜目掛けて横へ薙ぎ払うようにして勢いよく振るうと、強烈な熱波と衝撃波が放たれ、湖の水面が大きく吹き飛ばされ、津波が起こる程の凄まじい衝撃波と呼吸すら困難になる程の熱波が咲に襲い掛かる……
直撃していない余波の時点で周囲に影響を及ぼすこの一撃が直撃してしまえば確実に人間の咲夜は原型すら残らなくなってしまうだろう……
ぐっ・・・・・!?
《なんて力なの・・・・・!?覚悟してはいたけど、こんなに強い力・・・・・》
(時を止める余裕すらも与えられないほどの絶大なパワー、そして容赦のなさ・・・・・
絶対に合わさってはいけない組み合わせを兼ね備えた最強、そして最凶の存在・・・・・
分身体でありながらも、恐らくは本体のフランドールよりも強いのではないだろうかと思えてくる・・・・・)
フラン(怒)
「哀の人格が貴方を好いているみたいだけど……私は違う!!」
レーヴァテインの一振で津波を引き起こす程の一撃を振るって見せた後、レーヴァテインを大きく振り上げ、次は今の一撃を確実に当てると言う意思を示した上で咲夜へ攻撃を仕掛けようとする。
カチッ・・・・・
攻撃が来るだろうとはわかってはいても、やっぱりこのスピードと威力は時を止めるタイミングに影響が出るわね・・・・・
(時を止めればそれこそ攻撃は避け放題ではあるものの、能力を有している咲夜は人間であることに対し、相手は分離した怒の感情のみが存在する怒りの権化・・・・・
能力の有利さだけではなく、能力を使える者が相手の動きに対応できるかどうかも関係してくる・・・・・
咲夜は、フランドールの視界に入らない後方へと移動すると、時を動かす・・・・・)
カチッ・・・・・
フラン(怒)
「…………!!!」
超スピードで回避しようとしても自分の動体視力は誤魔化せないし、防御を展開しようとしても、自分の振るう攻撃は並大抵の防御技では秒稼ぎにもならない。確実にこれで仕留めにかかるが、振り下ろしたレーヴァテインは紅魔館の塀の一部と霧の湖の一部を両断するだけで、咲夜への攻撃が当たらず、咲夜が反撃、或いは説得するための隙を作り出すことに成功する。
・・・・・予め言っておきますが、私はあなたと戦うことはできません、フランドール様・・・・・
(怒りという感情に身を任せることしか出来ないというのは、裏を返せばそれ以外の感情を知ることが出来なかったという悲しい事実の表れでもある・・・・・
咲夜は、フランドールとは戦うことは出来ないと言うが、咲夜からすれば戦いなどではなく話し合いによる平和的解決を望んでの意味を含んだ言葉だが、戦意を見せなかったレミリアとの戦いの後では、この言葉はフランドールには戦うまでもないという意味を含んでいるように聞こえるだろう・・・・・)
フラン(怒)
「……それはどういう意味……?
私となんて戦うまでも無いって事!?
ムカつくんだよ……そういうのッ!!!」
【運命「ミゼラブルフェイト」】
怒の人格が滾る憤懣の感情に任せて手にもったレーヴァテインを振るって周囲を炎の海に変えようとした直前で無数の紅い鎖がフランの四肢を拘束し、彼女の攻撃を不発に終わらせる。この鎖はレミリアが放ったものであり、万が一、フランが手に負えなくなった時、少しでもフランの動きを止められるようにするために編み出された技でもある。
・・・・・お聞きください、フランドール様・・・・・私も、そしてレミリアお嬢様も、あなたと戦うまでもないという意思は持っていません・・・・・
(怒の人格のフランドールの勘違いによる更なる怒りに、咲夜は自分も、そしてレミリアもフランドールのことを見下したりしているわけではないと誤解を解こうとする・・・・・
戦うことでの周りの被害及びフランドールを傷つけることを避けたいという意思表示をする・・・・・)
フラン(怒)
「うるさいうるさい!!私はそんな口車には乗らない……!誰も信じられるもんか!」
憤怒の形相を浮かべた怒の人格はギリギリと凄まじい力で自分を拘束する紅い鎖を引き千切ろうとしている……怒の人格は誰も信じられない、だからこそ全ての者が敵に見え、それらを破壊するために暴れまわる……その心の根底にあるのは周囲への不信と誰も信じられない自分自身への嫌悪から来ている……
・・・・・
スタ、スタ、スタ・・・・・
(フランドールの怒号を聞くと、咲夜はゆっくりとした足取りでフランドールに近づいてゆく・・・・・
咲夜の顔は、どこか寂しそうにも、悲しそうにも見える・・・・・
フランドールのことを哀れんでいるのか、それとも・・・・・)
フラン(怒)
「あはははッ!私を倒そうとしているの?
やれるものならやってみればいい!!!」
あまりにも強い力をかけているからか、紅鎖に食い込む怒の人格の手足からは血が滲み始めるものの、それを一切気にすること無く依然として鎖を千切ろうと力を込め続ける。
身動きの取れなくなった自分にトドメを刺すために近付いて来ていると思った怒の人格は吠えるようにしてやってみろと言う。
・・・・
スッ・・・・・
(咲夜は、そっと怒の人格のフランドールの体を抱きしめる・・・・・
戸惑わせて隙を突くという攻撃に出るつもりか、それとも違う攻撃手段に出る前段階の動きか・・・・・
いずれにしても、自分を倒すつもりだろうという考え方しかしていない怒の人格のフランドールからすれば、この行動自体は予想外の出来事だろう・・・・・)
フラン(怒)
「………ッ!
………………!!?」
動きを封じられた自分に対して何かしらの攻撃を仕掛けてくるのではないかと思い身構えていたところ、咲夜はナイフで心臓を突き刺すのでも、首を切り落とすのでもなく、優しく抱き締めた……
自分を絶命させるまではいかなくとも、戦意を奪うために何かしらを仕掛けてくると予想していた怒の人格は驚いて動きが固まる。
・・・・・あなたがどれだけ私を拒絶したとしても、私はあなたを拒絶しませんよ・・・・・?
(動きが固まったフランドールに追い討ちをかけるが如く、咲夜は上記を言う・・・・・
状況的には追い討ちをかけるような形になってはいるものの、咲夜自身からすれば、偽りのない本心を述べただけであり、純粋に怒の人格のフランドールと打ち解けたいという気持ちが伺える・・・・・)
フラン(怒)
「う……う…………う………!!」
少し唸り、困惑していたところへ、分身の体を使って顕現していた悲の人格と喜の人格がフラン本体の中へ戻る事で怒の人格を弱め、フランの暴走を止める。
複数ある人格の内のどれが表に出てくるか、或いはどの人格の影響が強くなるのかによってその言動や態度が変わってくる。これがフランが情緒不安定と呼ばれる要因となっているのだろう。
フラン
「……もう大丈夫だよ。」
悲の人格と喜の人格が表に出る事で比較的大人しいフランに戻ると、咲夜に対して優しく声をかけ、それを見たレミリアはもう拘束しておく必要はないと判断してフランの動きを止めていた紅鎖を解いて解放する。
・・・・・
(フランドールの言葉を聞き、咲夜は抱きしめている状態からフランドールの両肩に手を置いてフランドールの目を真剣に見始める・・・・・
まるで、親が子供の嘘を見破る時のような行動だが、咲夜本人はどのような本意を持っているのか・・・・・)
フラン
「あはは、もう大丈夫だよ。」
優しく微笑んだまま、自分はもう大丈夫だと応える。
怒のフランが放っていた空間を塗り潰すような強烈な殺意や憤怒は今では完全に消えており、戦闘は終結を向かえることが出来た。
レミリアはフランが放った太陽のような炎弾を紅槍の一撃で貫き相殺した辺りからもわかるように、咲夜が来るまでの間にも、何時でも反撃して力ずくで制圧できたにも関わらずそれをせず、途中で喜のフランと咲夜のもとへ哀のフランを向かわせるために敢えて自分が怒のフランの相手を替わったりと暗躍していたのだが、それを語ることは無かった。
・・・・・一安心しましたわ・・・・・
(もう大丈夫だと言うフランドールに対して、咲夜は「一安心した」と言葉を返す・・・・・
正直、心のどこかにはフランドールをなんとか出来る確信がない部分もあったのかもしれない・・・・・
そんな時にフランドールから大丈夫だと言われ、咲夜は心の底から安心した・・・・・)
【三日後】
フラン(喜)
「咲夜〜!」
様々な人格のフランがフォーオブアカインドによって形成される分身の体を借りて騒動を引き起こした日から三日が経過した中、喜の人格が強く出たフランの陽気な声が館に響く。
幸いにも最初の狂気の人格が出入り口の扉や自室のドアを除いてあまり破壊をしなかった事や、悲の人格やレミリアが怒の人格を抑え込んでいた事もあり、パチュリーの錬金術で建築資材を揃え、美鈴達の協力や、フランに破壊されたものの、一回休みから復帰した妖精メイド達の助力もあって修理が完了していた。
いかがなされましたか?フランドール様・・・・・
(例の件から三日、今思えばフランドールと接するにはどうすればいいのかというある種の事前授業にも思えてくる・・・・・
元気いっぱいに自分の名前を呼ぶフランドールの声を聞けば、咲夜は穏やかな笑みを浮かべたまましゃがんで視線を合わせて上記を言う・・・・・)
フラン(喜)
「お姉様から霧の湖周辺までなら出てもいいって言ってくれたから私と一緒に行かない?」
これまで館の中を歩くぐらいなら出来ていたものの、外に出ようとすればパチュリーが雨を降らせ、外出することが出来ないようになっていたものの、あの戦いの後、レミリアはフランを館の中に封じるのではなく、少しだけ移動範囲を広げることを許可した。
三日前の戦いの中で完全な狂気に呑まれてはいない、まだフランの中にも昔と同じような心が残っているとわかったからだろうか。動きがある程度は封じられる日光の下、日傘の中に限定されるものの、外出出来るようになった。
しゃがんで目線を合わせてくれた咲夜を見て、始めて外出してもいいと言われた事の嬉しさを伝え、自分の事を認めてくれた咲夜と一緒に行きたいと言う。
えぇ、勿論いいですよ、行きましょう♪
(咲夜は、無邪気なフランドールを可愛いと思いながら、穏やかな笑みを浮かべて上記を言う・・・・・
三日前、自分がフランドールと接し始めたことで、レミリアもフランドールに対する見方や接し方が少しでも変わったのかと思うと、自然と嬉しくなってくる・・・・・)
小悪魔
「あ、咲夜さんと妹様、おはようございます!
これから何処かお出かけですか?」
無邪気に喜ぶフランと、穏やかに微笑む咲夜の二人を見た小悪魔は二人につられて嬉しくなり微笑みながら、挨拶がてら二人が何処かに出掛けようとしているのかと聞いてみる。
おはよう小悪魔、これからフランドール様と一緒に霧の湖周辺まで行こうと思っているの♪
(今まで外出が規制されていたフランドールと、フランドールと打ち解けることが出来た咲夜からすれば、ちょっとした外出でもピクニックのような気分になれる・・・・・
フランドールと咲夜、共にこの外出は特別なのだ)
小悪魔
「遂に妹様も外に出られるようになったのですね!これは何かお祝いをしないとですね!では、これは私からのお祝いです!」
長年、自分の能力や生い立ちから、部屋の外にさえ殆ど出ようとしなかったフランが遂に外に出られるようになったのだと知ると、その事を喜びながら、右手で青い魔法陣を描き、その魔法陣から日傘を取り出してそれをお祝いとして咲夜へ差し出す。
特別に、通常の日傘よりも広く、日傘の下に居れば、例え横から日光が入ろうと防ぐことが出来るように小悪魔自身の魔力も込められた特注の物となっている。時折、小悪魔はこうして巧みな魔力操作技術を見せることがある。それはまるで、本来の小悪魔は今よりも遥かに強大な力を秘めている……もしくは持っていたかのように……
ありがとう、ありがたく受け取るわ♪
(心の底では本来ならば普通は持ち合わせていないはずであろう小悪魔の魔力を使ったこの芸当に正直違和感を覚えはするものの、今は祝いの場、あまり深くは考えずに日傘を受け取る・・・・・
これさえあれば、フランドールとの外出もさらに安心したものになるだろう・・・・・)
小悪魔
「私はこれからパチュリー様からお嬢様に伝言があるので行けませんが、ゆっくりして来て下さい!」
外に出れると言うことや、プレゼントを貰った事でますます上機嫌になって小悪魔に「ありがとう!今度は小悪魔も一緒に行こうね!」と言うフランと、日傘を受け取ってくれた咲夜の二人に満面の笑顔で手を振って二人を見送る。
えぇ、そうさせてもらうわ♪
(そう言うと、咲夜も小悪魔の方に手を振りながらフランドールと共に外にでかけ始める・・・・・
レミリアとはよく出かけるが、フランドールとこうして出かけるのはもちろん初めてなので、いつもとは違い新鮮に感じる・・・・・)
【紅魔館 正面門前】
美鈴
「……Zzz……」
小悪魔と別れ、紅魔館の外に出ると、門の傍では館の門番である筈の美鈴両腕を組み、門の傍に背を預け、立ったまま熟睡していた。
今日は庭園の世話も終わり、来訪者が来ると言う予定も無く、暖かい日差しが照らし、過ごしやすい気候だったからか、思わず居眠りしてしまっている。
・・・・・フランドール様、少々お待ちくださいね♪
(咲夜はそう言うと、一旦日傘をフランドールに渡して、美鈴に徐々に近づいてゆく・・・・・
そして、耳元で「めぇ〜りぃ〜ん・・・・・♪めぇ〜りぃ〜ん・・・・・♪」と囁き始める・・・・・
しかも、敢えて優しい感じに囁く・・・・・)
フラン(喜)
「?うん、勿論構わないよ?」
美鈴
「う〜ん……?
…………あァ!!ち、違うんです!誤解です!!」
美鈴は巨大なオオナマズから紅魔館を守る夢を見ていたところ、ふと強い殺気を感じ、一瞬にして現世に引き戻される。この殺気は間違いない……!!
目を覚まして早々に咲夜の顔を見て、眠気が吹き飛ぶと、残像が残る程のスピードで横へ移動し、物凄い勢いで土下座して謝罪をする。
・・・・・フランドール様、少しの間、目を閉じていてもらえますでしょうか・・・・・?
(フランドールには美鈴とはまた違う、本当の意味での優しい笑みを浮かべて上記を言う・・・・・)
美鈴、誤解っていうのは、無実の場合に使う言葉なのよ?
(咲夜はニコニコしながら、顔に影がかかる・・・・・
もはや、言い訳する余地などどこにもない・・・・・)
フラン(喜)
「?よくわからないけど、うん、いいよ!」
美鈴
「え……ちょちょちょっ……待って下さい!ほら、私は能力で侵入者が来たら直ぐに感知して対処できますから、目を閉じて意識を集中させていただけです!誤解です!誤解なんです!だからナイフはもう………」
何かよくわからないものの、咲夜の言うのならその言い付けを守ろうと目を閉じたフランを見て、土下座した姿勢から顔を上げて咲夜を見上げる。
美鈴の顔は真っ青になっており、自分の能力について話すことで何とか極刑から逃れようと色々と言ってみる。
美鈴の能力で侵入者を感知できる事が事実だとしても、職務中に眠ってもいい理由にはならないため、言い訳にもなっていない。
その結果居眠りしていたら意味が無いのよぉ〜?わかっているかしら?
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
(フランドールが目を閉じたのを確認すれば、これで堂々と容赦なく美鈴にお仕置きを与えることが出来る・・・・・
咲夜は表情こそ満面の笑みだが、土下座する美鈴に合わせてしゃがんで顔を近づけると、般若の面にも負けず劣らずのとてつもない鬼の形相にも見えてくる・・・・・)
美鈴
「………あ!そそそ、そう言えば妹様と外出されるのですか?」
両手を前に出して明確な怒りの形相を浮かべる咲夜へ、必死で何とか怒りを納めようと、これまで館外に出ることが禁止されていたフラン……何も疑ったりせずに律儀に咲夜の言い付けを守って固く目を瞑っているフランを見て、外出出来るようになったのかと聞いてみる。
ええ、そうよ?だから早くあなたにお仕置きしなくてはならないの・・・・・♪
(美鈴の誤魔化しも虚しく、咲夜は依然として美鈴にお仕置きを与える気満々であり、早く外出したいから早くお仕置きさせろとまで言い出し始める・・・・・
文字通り、絶体絶命である)
美鈴
「そんな……わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
もう打つ手がなく、困惑する美鈴に咲夜のお仕置きが発動し、紅魔館内にまで聞こえるほどの美鈴の悲鳴が聞こえて来る。半ば日常風景になりつつあるこの光景に、館の住人達は特に意識することさえも無くなってしまっている。
もう目を開けても大丈夫ですよ、フランドール様♪
(居眠り門番へのお仕置きもいつも通り無事完了し、フランドールにもう目を開けても大丈夫だと告げる・・・・・
今回は、いつも通りただ居眠りをしていたから起こされた、からのただの言い訳ならまだしも、フランドールとの外出を言い訳に利用したこともお仕置きポイントに加算され、いつも以上に恐ろしいお仕置きをしていたからこれで少しは門番としての役割を果たそうとはしてくれるだろう・・・・・多分・・・・・)
フラン(喜)
「今凄い声がしたけどどうしたの……って、あれ!?
美鈴!?え、え、あれって大丈夫なの?」
美鈴の断末魔を聞くと、これまで地下に閉じ籠っていたため、館内では唯一美鈴の断末魔を聞いたことの無かったフランは目を開けて咲夜を見上げてそう問いかけるものの、直ぐに視界の端で頭にナイフを幾つもの刺されて、地面に倒れた美鈴を見て驚く。
えぇ、どうやらあれは、美鈴独自の修行らしく、門番をすると同時に、あぁやって鍛えているみたいですよ、それに龍はあれしきのことで死んだりはしませんから♪
(フランドールの心配を拭うように、美鈴はこれしきのことで死んだりはしないという部分はすべて嘘の供述をして、なんとかやり過ごす・・・・・)
フラン(喜び)
「凄いね!私はこんな痛そうな修行は出来ないよ……」
よく見るとピクピクと微かに動いており、辛うじてまだ生きてはいる事がわかると、頭にナイフを刺すなんて事は例え修行の一環であるとは言え自分には出来ないと、咲夜の言葉をそのまま信じて応える。
その気になればもっと刺せるみたいですが、今はあれで我慢しているみたいですよ♪
(そう言うと「そうよね?美鈴・・・・・♪」と、再び美鈴に優しく、鬼のような迫力が静かにこもった声で問いかける・・・・・
これはつまり、次また同じようなことがあれば、もっと突き刺すという意味を含んだ隠語であり、咲夜からの警告でもある・・・・・)
返事がない。ただの屍のようだ。
咲夜の問いかけに対して美鈴は返事をする事が出来ずにただピクピクと痙攣しているかのように指を動かしたりすると言うように生と死の境界をさ迷っているように見える。
フラン(喜)
「(あれ……生きてる……のかな?)」
フランはニコニコと微笑んだまま、内心であれはもう生きていると言ってもいいのかと少し不思議に感じながらも、咲夜から謎の圧を感じて言葉にせはずに「う、うん、わかった。それじゃあ湖の畔に行きましょう?」
ええ、行きましょう♪
(咲夜はフランドールを日光から守るために、再び日傘を持ちフランドールの歩幅に合わせながら、フランドールに日光が当たらないように気をつけながら歩く・・・・・)
フラン(喜)
「…………!!」
門を通って眼前に現れた霧の湖を見て、驚いて足を止めてしまう。
紅魔館は吸血鬼であるレミリアやフランの天敵である日光が入らないように、その広さに反して窓や硝子と言ったものが極端に少ない構造になっている。
そのため、これまで何度か館内を歩いていたフランだったものの、窓の外は常に暗闇が広がっているか、窓すら見ない、見ようとしなかった事もあり、始めて見た広い霧の湖と、日光を受けてキラキラと輝く水面に対して感銘を受けている。
お美しいでしょう?
(咲夜も含めた人間達からすれば日常風景の一つとも言えるくらいの、ありきたりな光景でしかないが、フランドールからすれば今まで知ることのなかった外の世界の幻想的な風景でもある・・・・・
咲夜は、フランドールが感動のあまり日傘から出てしまわないか不安でもある・・・・・)
フラン(喜)
「わあぁぁぁ……!
すごいすごい!私の部屋だけじゃなくて、館の何処よりも広い!
ほら見て咲夜!紅魔館よりも広くて大きいよ!!」
これまでのフランは外の世界に対してあまり興味や関心が無かったものの、特にフランの中にある分裂した人格達の中でも特に幼い思考の喜の人格にとって始めて見る何処までも広がる広い世界はその全てが新鮮に感じているフランの様子はまさに見た目通りの子供そのもの。
紅魔館もどんなに広くてもやはり建物の一つですからね、外の世界と比べれば、やはり狭いものです・・・・・
(元々は外の世界の住人である咲夜は、外の世界にはどんな風景が広がっているのかを勿論知っている・・・・・
しかしそれは、風景に限定した場合であり、咲夜はその風景の美しさを楽しむことすらも外で暮らしていた頃はできなかった・・・・・
全てを失い、紅魔館で従者として仕えることになるまでは、フランドールと同じ風景を見たとしても、所詮はただの景色としか思えなかった・・・・・
だからこそ、フランドールが初めて外の世界を知った今のこの状況は、色々と考えさせられるものがある・・・・・)
フラン(喜)
「私の思っていた以上に世界って広いんだね……!!
ほら、咲夜!あっちに行ってみようよ!」
自分が思っていた世界とは違い、天井や壁と言う隔たりがなく、大地にも空にも限りなんてものが無い……
ヴァルターがいた頃には、空には吸血鬼の弱点である太陽が差し込まないように常にぶ厚い黒雲に閉ざされ、地上には険しい山々が連なり、空にも地にも限りがあるように見えていた……そこには自由と言うものは無く、闇の世界に生きる者らしく、恐怖と暴力による支配しか存在していなかった……
咲夜の服の裾を掴んで指を指して森の傍にある湖の畔を指して、向こうに行こうと言う。
ちなみに、イライザ側の動きについてもお伝えした方が良いですかね?
一応、詰まないように朦朧の巫女を出したり、最初から倒し方についての伏線を出しておいたり、強さの欠点や弱点を意図的に本文に出しておいたのですが、わかりづらいようでしたら、もっとハッキリ描写しようかなと思っています!
悪夢の処刑人の断頭台や、"夢想封印"の発動タイミングみたいにモロに正解の一つを載せるみたいな感じですねwww
ただ、あまりにも露骨にやり過ぎると、戦い方を考える事が出来なくなってしまい、そのキャラが持つ特性や性格による戦闘スタイルが発揮し辛くなると言う弊害もありますが……
あまり慌てると転んでしまいますよ?
(とは言いつつも、日光が照り続けるこの空の下、フランドールが転んで日傘の外に出てしまうことのないように咲夜自身も気をつけている・・・・・
あまり慌てると転んでしまうと忠告するのは、自分も完璧な人間ではなく、もしものことも考えられるためフランドールに忠告をしているのである)
結構ヒントや伏線に気づけないことが多いので、ほんのちょっとだけ露骨だとたすかります!💦
380:幼くして止まった時間◆3.:2021/08/08(日) 17:22 フラン(喜)
「あはははは!私なら大丈夫だよ!
……あ!あの妖(ひと)は昔私を助けてくれた妖(ひと)だね!おーい!」
フランは大丈夫だと言いながら咲夜の手を引いて湖と森の境目にある畔に到着すると、畔ではルーミアが一人、岩の上に座りながら紅魔館の方向を見ているものの、その表情はわからない。
少し前に咲夜の弟が紅魔館へ襲撃した時には、日が昇る中で磔にされていたフランとレミリアの二人を闇玉で覆って日光を受けないようにして助けていた事もあり、フランもレミリアを見て満面の笑顔で手を振る。
ん?あれは・・・・・
(そう言うと、ルーミアはフランドールと咲夜の方へと移動する・・・・・
そして「あなたは確か、紅魔館の主の妹、だっけ・・・・・?」と、珍しく館の外に出てきたフランドールをまじまじと見ながら言い)
フラン(喜)
「そう、私はあのお屋敷に住んでいるフランドール・スカーレット!
……あれ?泣いていたの?」
フランは自分がフランの中に存在する幾つもの人格の一つだとは言わずに、自分の名前だけをルーミアに向けて言う。
何の前触れもなく突然人格が変わったり、複数の人格が混ざりあったようや言動をする事から情緒不安定だと言われてはいるものの、現状ではそれらの傾向は一切見えない。
そんな中でふと、ルーミア自身は気付いていないと思われるものの、右目から一筋の涙が流れ落ちているのを見て不思議そうに首を傾げて言う。
【紅魔館 館内】
小悪魔
「…………………。」
紅魔館にある数少ない窓から霧の湖の方向……フラン達の居る方向を小悪魔は静かに見ている。何も言葉を口にはしていないものの、フラン達を見て微笑んでいた……
潜在的には高い魔力を持ちながらも、決して本当の名前を口にしたり、本来の実力を見せることは無く、大図書館でひっそりと暮らしている小悪魔……その胸中にある想いは………
・・・・・あれ?本当だ・・・・・
(フランドールに言われて試しに指で目元を拭ってみると、フランドールに言われた通り涙が流れていることに気づいて、少々驚く・・・・・
ルーミア自身にも、なんで涙を流していたのか、まるでわからない・・・・・
そして、誰一人として、小悪魔が向けている視線にも気づいていない・・・・・)
フラン(喜)
「……うーん?」
フランはルーミアの顔をまじまじと見て、不思議そうに首をかしげる。
・・・な、何・・・・・?
(まじまじと見つめられては、まだ涙が出ているのかと思い指で目元をぬぐってみるものの、今度は特に何もなく、それではフランドールは何故不思議そうに首を傾げているのか疑問に思い始める・・・・・)
フラン(喜)
「貴方、私に似ているね!」
自分と同じ赤い瞳に金色の髪をしているルーミアをまじまじと見て、自分と相手が似た容姿をしているのを見て、自分と似ているねと言ってみる。ふと思ったことを口走っただけであり、特に深い意味は含まれていないと思われる。
そういえばそうだね、目の色も髪の色も同じだからかな?
(容姿以外にも、年齢はともかく背丈や種族も何かと通ずるものがあることから、確かに似ていると思う・・・・・
たまたまだとは思うものの、こうして似ているのも何かの縁を感じる)
フラン(喜)
「でも貴方は日光の下でも平気なんだね!羨ましいなぁ。」
容姿が似ているとはいえ、自分は日光の下に出てしまえば灰となって消えてしまうのだが、ルーミアは日光が苦手だがそれを浴びたところで消滅したり、ダメージを受ける訳では無い様子を見て少し羨ましいと言う。
私は吸血鬼じゃないからね、苦手じゃないわけではないけど・・・・・
(そう言うと「これからどこへ行くの?」と、これからどこかへ向かうであろうフランドールと咲夜に聞いてみる
せっかく偶然再開したのだから、ついて行こうかどうか迷っているらしい)
フランドール(喜)
「んー?お姉様には湖の周りだけって言われていたけど、私は湖以外にも行ってみたいな!」
姉には霧の湖の周辺だけと言われていたのだが、湖以外にもまだまだ自分が知らない場所が沢山あるから出てみたいと答える。
言葉通りに捕えれば、湖の周辺から離れてしまえばレミリアからの罰が出されてしまうのだが、咲夜の同行を許し、フランの外出の許可を出しレミリアには、最初から湖の周辺だけで終わるとは考えておらず、自由に出歩く事になると言うことまで見抜いているのだろう。
・・・・・仕方が無いですね、ですが、あまり遠すぎるのもいけませんよ?
(咲夜はレミリアの意思を見抜いた上で、仕方が無いと呟けばフランドールの湖以外にも行ってみたいという要望を聞き入れる・・・・・
ほんのちょっとのわがままを受け入れれば、もっとわがままを受け入れてもらえるという勘違いをされる可能性もあるにはあるが、細かいことは気にせず今は咲夜もフランドールとの外出を楽しみたい・・・・・)
フランドール(喜)
「本当!?やったぁ!!
ありがとう咲夜!大好き!!」
フランは湖の外にも行っていいと聞くと、咲夜に抱き着いてその嬉しさを伝えようとしてみる。
《いけないいけない落ち着きなさい咲夜私は従者でフランドール様に今支えている身の上自身を保ちなさい咲夜しっかりしなさい》
(フランドールに抱きつかれれば顔を真っ赤にして心の中で自分自身に落ち着くように言い聞かせる・・・・・
もし自分に娘がいたら親の気持ちはこんな感じなのだろうかとか、もし自分に妹がいたらこんな感じなのだろうかとかそんな生易しい話ではなく、ある意味自分が危険人物であるという可能性が浮上してきてしまっている・・・・・)
フランドール(喜)
「ねえねえ!咲夜達は何処か楽しそうな場所を知ってる?
折角外に出たんだから思いっきり楽しみたいの!!」
思考の根本が幼いまま止まってしまった喜の人格にとって、他の人格達が受け入れていた地下での生活も苦痛でしかなったようで、咲夜に抱き着いたまま宝石のような翼をパタパタさせながらルーミアの方も向いて幻想郷の中で楽しい場所は無いかと聞いてみる。
他の人格達も……あの怒の人格でさえも介入せずに喜の人格のやりたい事をさせようとしている事から、表には出さなかったものの、フラン自身もこうして自由に外を出歩くと言うこともしたいと願っていたのかもしれない……
ルーミア「うーん・・・・・人里、とかかな?」
(ルーミアからすれば食べ物がいっぱいいる人里が楽しい場所に該当するのも納得だが・・・・・)
咲夜《・・・・・万が一のことがあったら、人里だと多大な実害を出しかねない・・・・・》
(もし自分の力が及ばずに、また以前のように別の人格が現れて暴れ出したりでもしたら、人里の場合は取り返しのつかないことになってしまうと考えると、人里は危険すぎる・・・・・
ともなれば、別の場所を候補として挙げるしかない・・・・・)
フランドール(喜)
「人里にはどんなものがあるの?」
幻想郷に来てからもまともに外出をした事が無かったため人里と言っても、そこがどんな場所なのか、どこにあるのかがわからないため、不思議そうに首を傾げてルーミアに聞き返す。
ルーミア「美味しい人間がいっぱいいるよ!」
咲夜「フランドール様、今の言葉は忘れましょう」
(ルーミアの言葉を聞けば、咲夜はフランドールに悪影響だと判断して今の言葉はすぐに忘れるように促す・・・・・
人喰い妖怪の感覚を押し付けられてはたまったものではない・・・・・)
フランドール(喜)
「人間?美味しい……?
うん、咲夜が言うのならそうするよ!」
フランはこれまで直に人間を喰らった事はなく、食べ物として加工されたものでしか見たことが無かった。だからこそ人間と食用加工された人間を同じものだとは考えていなかったのもあり、ルーミアの言葉を聞いてますます不思議そうにするものの、忘れて欲しいと言う咲夜の言葉を聞いてそのまま素直に受け入れる。
ルーミアは人間の事が美味しいと言ってはいるものの、彼女からは人間の血の臭いは全くしない事から、実際には彼女は面倒がってか積極的に人を襲っているような様子でもないことがますますフランを混乱させていた。
ルーミア「あとは、食べ物屋さんとかあったかなぁ・・・・・あ、食べ物っていうのは人間の食べ物ね」
(人里には人間がいっぱいいるという以外では、食べ物屋さんがあったということを思い出せばフランドールに教えるが、人喰い妖怪の自分が言うとどうもややこしい表現になるからか、食べ物屋さんの食べ物というのは人間ではなく、人間が食べるものだと付け加える・・・・・)
フランドール(喜)
「人間の食べるものって私達妖怪や吸血鬼と違うんだよね?
どんな味がするのか気になるね!」
ふと、地下に閉じ籠っていた時にたまに大図書館から借りて暇潰しに読んでいた本の中に料理に関連する本があり、そこでトリュフや、ケーキと言った食べ物の名前や意味を把握した。
だが、自分が食べているものと、人間の食べているものが違うと言うことも知識として知っていたため、人里にあると思われる血が入っていない料理はどんな味がするのかが気になり始める。
ルーミア「予想だけど、少なくとも血の味とかはしないと思うよ」
(自分達妖怪や吸血鬼と違って、人間が人間を襲えば罪に問われて捕まってしまうことから、少なくとも人間の食べ物には人肉や人間の血は混ざっていないと思うと予想する・・・・・
よくよく考えれば当たり前のことだが・・・・・)
フランドール(哀&喜)
「料理を作るのは人間だけ。けれども料理を食べたり好むのは一部の妖怪も同じ。作ることは出来なくとも楽しむことが出来るのだから人里に行く意味はありそうね?」
ふと、フランドールの中にあった喜の人格に加えて哀の人格も加わった事で幼さが残るものの、静かな雰囲気を持ち始めて応える。始めて見る人間達の集落と言うことから喜の人格だけでなく、哀の人格まで好奇心に突き動かされるように現れた事から、フランの性格の根底にある好奇心は共通しているのかもしれない。
フランドール(哀&喜)
「そうと決まれば早速人里に向かいましょう!
折角遠出出来るんだもん、館の近くには無いものを沢山見たいな!」
無邪気な喜の人格と、憂いを帯びた哀の人格、一つの体に二つの人格が合わさった今の状態は、端から見ると感情の起伏が激しかったり、突然言動が変化する変わった者に見えるかもしれない。
咲夜「それでは、人里へと向かいましょう、ですが、あまりはしゃぎすぎるのはいけませんよ?」
(咲夜は、フランドールがはしゃぎすぎることで日傘からもし出てしまったらということと、はしゃぎすぎることで里の人間達がフランドールを迷惑がって出禁にしてしまう可能性もゼロではないかもしれないということを考えて予めフランドールに忠告をしておく・・・・・
それに、もしかしたらこの前のように暴走する可能性だってあるかもしれない・・・・・)
【旧灼熱地獄】
尤魔
「クックック…
相変わらず此処は熱いな。
だが私の体を焼くほどではない。」
旧血の池地獄から這い上がり、地上に向かって進んでいる。
畜生界から此処を通って血の池地獄へ行った時と同じく灼熱地獄の炎でさえ喰らい吸収した事で灼熱地獄の中でも平気でいられる耐性を獲得していたため、平然と炎の中をも突き進めている。
尤魔の目指すのは、地上に流出した石油の回収と、かつて自分を破壊したフランドールと再び会う事だ。
咲夜「・・・・・フランドール様、せっかく遠出なさるのでしたら、おめかししてからにしませんか?」
(咲夜は相変わらず優しい笑顔で上記を言うものの、一見遠出するならちょっとしたお洒落をしてから行こうという何もおかしなところはない言葉に聞こえるものの、この言葉に隠されたもう一つの意味は、何かを感じたから念の為にバレないようにちょっとした変装をしよう、という意味になる・・・・・
根拠はないが、咲夜は何かが近づいているような、第六感的な何かで本能的に感じたのかもしれない・・・・・)
フランドール(喜)
「うん、わかった!
…………!!?」
おめかししてから遠出しようと言う咲夜の言葉を聞いて満面の笑顔でわかったと応える。
そんな中、饕餮が地上に向かって来ていることを、咲夜と同じく直感的に感じ取ると、これまで表に出ていた純粋無垢な喜の人格に加えて、少し冷静かつニヒルな面もある楽の人格が現れて来る。
フランドール(喜&楽)
「……フフッ、何だか懐かしいような感覚がするなぁ。」
喜の人格に加えて楽の人格も表面に現れると、彼女らが個別に保有していた記憶と、共通の記憶が合わさり、少し前に摩多羅神に連れられて血の池地獄に行った時に戦った饕餮の事を思い出し、楽しそうに微笑みながら言う。
最初の頃のフランドールは人格の切り替わりの頻度が激しく、人格ごとに異なる性格になる上に、人格同士が組合わさることでまるで異なる性格や言動を取っていた事から"情緒不安定"と呼ばれており、今となって改めてその不安定ぶりが露呈してくる。
咲夜「では、早速お着替え致しましょうね、せっかくのお出かけですもの・・・・・」
(咲夜は、フランドールをあまり刺激しないように、人格が変わってもなるべく落ち着いて接するようにする・・・・・
こちら側がうろたえては、出現している人格によってはその人格の思うがまま、ただのおもちゃの人間程度にしか見てもらえなくなってしまうと思ったからか、咲夜は落ちついた様子で早速お着替えしましょうと、一旦フランドールを紅魔館へ連れて帰ろうとする・・・・・)
フランドール(喜&楽)
「うん、お願いするわ。
遠出する事がバレるとアイツがうるさいからこっそり行こうね?」
姉レミリアの事をアイツと呼びながらも、咲夜との外出を楽しみにしている事を言う。
【地底/地霊殿 門前】
尤魔
「……っと、漸く灼熱地獄を抜けられたな。
業火の中にいたからか、この地底は少し肌寒くさえ感じる。
……たまには肉を喰うかな?」
見捨てられた最悪の地獄である旧血の池地獄から旧灼熱地獄を通り、地上に向かう最中、地霊殿の前に出る。
だが、灼熱地獄の中に含まれる数多の憎悪や憤怒が尤魔の性格にも影響を及ぼし始めており、地霊殿を見て舌なめずりをしながら右手で地霊殿の門を抉じ開け、敷地内へ侵入し始める……
咲夜「そ、そうですね・・・・・」
(あまり刺激しないように、反論することはしないようにはしているものの、レミリアをアイツ呼びするフランドールの言葉に賛同するのはやはり抵抗が生まれるものの、フランドールもフランドールで苦労しているのを知っている為、複雑な気分になる・・・・・)
路空「ん?あれは・・・・・」
(堂々と門から不法侵入する相手を見て、そっと近づき「もしもーし?いきなり正々堂々と門から不法侵入って何考えてるのー?」と言いながら、口調は特に攻撃的なわけではないものの、いきなり何してくれてんじゃと言いたげな表情で迫る)
【地霊殿 敷地内】
尤魔
「よし、最初は鶏肉にするか……!」
敷地内へ侵入した尤魔を止めようと近付いて来た空に対し、尤魔は手に持った巨大なスプーンを空の腹部に向けて目にも止まらぬ速さで突き出して先制攻撃を仕掛けようとする。
空からの問いかけに対して何も応えずにいる事から話し合いによる平和的な解決は毛頭望んでいないことがわかる……
路空「うわ怖っ!?」
(巨大スプーンという、まず見かけることのない物を持っていることから、何かしら仕掛けてくるのではと思っていたところ案の定、しかも食べる気で襲ってきた・・・・・
一応いつでも逃げれる準備をしていたが、それでもギリギリでなんとか避ける・・・・・)
尤魔
「クックック、お前とは旧灼熱地獄を通った時に一度会っていたな?今の私は血の池地獄の怨念と灼熱地獄の憎悪が渦巻いている状態だからな…!悪いが遊びは無しだ!!」
尤魔は巨大なスプーンによる刺突が避けられると、スプーンを持っていない左手に灼熱地獄の炎を集束させた爆炎弾を空に向けて投げつけ、そのまま爆破しようとする。
路空「そうか・・・・・どこかで見たことあると思ったら・・・・・」
(などと呑気に言っていると、今度は爆炎弾が飛んできた為「おぉっと危ない!」と言い避ける・・・・・
地霊殿はできるだけ巻き込みたくない、となればなるべく早急に決着をつけた方がよさそうだと判断すると「大人しくそこでじっとしててくれるんなら、美味しい物をあげるけど?」と言う)
《ドゴオォォォォォォッ》
尤魔の放った爆炎弾を空が避けると、そのまま地霊殿の遥か後方で大爆発を巻き起こし、その凄まじい熱風が空達のいる場所にまで届いて来る……もし直撃していれば確実に地霊殿の一角は確実に吹き飛んでいただろう。
尤魔
「あー…?
何か喰い物をくれるのか?
だが……今の私は大人しく待っているつもりは無い!」
今の尤魔は吸収した灼熱地獄と血の池地獄の持っていた怨念によって性格が変わっているため、依然として戦いを行う手を緩めず、左手の掌に赤黒い血のような炎を生成し、それを空に被せるようにして放つ。
今度は爆発する事はないものの、触れたモノを焼き尽くす事に長けており、まともに受ければ地獄鴉であり、八咫烏の力を宿した空でもダメージを受けてしまうだろう……
路空「だーかーらぁーっ!待たないと食べられないよ!!!!!」
(爆発しようとしなかろうと、相手の攻撃を跳ね返そうとしたり、なんとかして受け止めて打ち消そうとしたりなどということはせずに、相手から感じる禍々しさから、相手が隙を見せた時でなければ簡単に攻撃を避けられたり、相殺されてしまうと考えた路空は相手が食べ物という話に釣られて気を緩めたところを一気に攻め落とす気でいるからか、今は攻撃を避けることと相手が食べ物に釣られる瞬間を待つ・・・・・
そこでこの一言「待たないと食べられない」)
尤魔
「待つ必要は無い、今ここでお前を倒して喰えばいいだけなんだからな………!!」
《ジュオォォォォォォォォォォォ…》
普段の尤魔であれば直接戦闘は最後の手段にしているのだが、旧といえ、二大地獄の力を吸収してしまった事で、普段とは打って変わって好戦的かつ凶暴な性格になってしまっている。
尤魔の放った赤黒い炎が空にかかると、そのまま彼女の体を焼き始める……神の炎を使えるお空だが、尤魔が使うのは禍々しい地獄の炎であり、ダメージを受けることは免れないだろう……
路空「ちょちょちょちょっと!?熱い熱い熱い!!!!!」
(路空は地面に崩れのたうち回りながら暴れる・・・・・
リアクションと内心が釣り合っていないが、今路空の心境は、地獄にも等しい苦痛を極限まで味わっているというような状態であり、その苦痛は言葉で表すのは非常に難しい・・・・・)
尤魔
「ほう、地上にある全てのモノを焼き尽くす灼熱地獄の炎をまともに受けて原型を留めているとは流石だな?」
尤魔は自身の周囲に灼熱地獄の炎を無数に生成し、それらを炎の塊として浮遊させながら、魂をも焼く灼熱地獄の炎が直撃したにも関わらず、原型を留める事が出来ている空を見て少し褒める。
尤魔
「よし決めたぞ、お前の力を全て喰うまでは生かしておいてやるよ!」
だが、それによって空が持つ炎の耐性を自分も獲得しようと思い始め、手にした巨大なスプーンに灼熱地獄の炎を纏わせて焼くだけでなく、強力な打撃による二重のダメージを与えられるように細工を行い始める。
空「・・・・・た、助けて・・・・・」
(もはやのたうち回る気力もなくなっていき、相手に助けを求める・・・・・
じわじわと地獄の業火に焼かれることにより、人思いに一気にやられるよりも苦痛を味わうやられ方の究極系とも言うべきか、視界がぼやけてくる・・・・・)
>>420
尤魔
「おいおい、敵に命乞いなんて情けない真似をするなよ?
技を出せ、さもなければそのまま喰われろ!!」
空を見て、つまらなさそうに敵に命乞いをするのではなく、反撃の一つでもしてみろと言うと、手にした灼熱地獄の炎を纏ったスプーンを大きく振り上げ、それを空の頭目掛けて振り下ろし、この一撃で仕留めようとするを
空「技も出せないほど追い詰めたのはそっちのくせに・・・っ・・・・・!」
スッ・・・・・!
(空は立ち上がらなければここで○されると悟り、急いで立ち上がり、フラフラの状態で相手に右腕を向ける・・・・・
何が技を出せ、だ・・・・・技も出せないほど、命乞いさせるほどにまで一方的に追い詰めたのはそっちの方じゃないか、そんな気持ちでいっぱいだが、やらなければやられるというのもまた事実・・・・・)
《ドゴオォォォォォォッ》
尤魔の振り下ろした獄炎を纏ったスプーンがお空の右腕の制御棒と激突すると、周囲の大地を焼く強烈な熱風が吹き荒れる。
かつては獣神とも凶獣とも呼ばれた尤魔の腕力は凄まじく、並みの者であれば受けてしまえば一撃で叩き潰されてしまう程でありながら、灼熱地獄の炎まで纏っているため、強烈な打撃に耐えたとしても灼熱の業火に焼かれてしまうことになってしまうだろう……
それに対抗するためには此方もまた地獄の炎に比肩する神の炎を使わなければならない。
空「・・・・・そう・・・・・そっちがそう来るなら、こっちだって全力だよ・・・・・!」
【核符「クリーピングサン」】
(とにかく何かしら反撃をしなければ先にこちらが力尽きてしまうと感じた空は、いよいよ本格的に反撃に出る・・・・・
これで少しでもダメージ、もしくは時間稼ぎができれば何とかなるかもしれないが、相手はかなりクレイジーかつかなりの力の持ち主、通用するかしないかは五分五分、といったところか・・・・・)
《ジュオォォォォォォォォォ…》
強い不浄の念を含んだ怨念の炎である灼熱地獄の炎に対し、核融合や核分離から成る莫大な熱量と八咫烏の力を備えた空の生成した炎では、空の太陽の方が火力が高く、神格の効果もあって尤魔の操る業火を圧倒し、尤魔もまた、相性的な不利を悟り後方へ飛び退く。
空の方が高い火力を有しているため、純粋な力比べでは空の方が有利である上に、相性の不利もあるにも関わらず、尤魔は不敵な笑みを浮かべる。
尤魔
「クックック、ようやく力を見せたな?」
《ゴオォォォォォォォォォォォォ……》
尤魔は口を大きく開けて空の生成した太陽を吸い込み、自らの力として吸収していく……尤魔はあらゆるモノを喰らい吸収する力を持っている……
尤魔にも吸収限界やデメリットがあると思われるものの、普通に考えれば勝ち目は無く、絶望的な状況なのだが……
空「っ・・・!?ちょっとちょっとちょっとぉっ!?そんなのアリなの!?」
(今になって、もしかして相手は最初からとことん自分を追い詰めてプライドを傷つけた後に、敢えて攻撃をしてくるように仕向け、その攻撃を吸収することでさらなる力を得ようとしていたのではないかと気づき始める・・・・・
だとしたらこの戦い、自分に勝ち目はない・・・・・)
尤魔
「もっと、もっとだ!
もっと私に力を寄越せ……!!」
尤魔は自身の周囲に浮遊させていた炎塊を空に向けて撃ち出す事で空に再度攻撃を仕掛けようとする。
尤魔が満足するのが先か、空の力が無くなるのが先か……
吸収によりどんなデメリットが生じるのか……
その全てが現状では不明となってしまっている。
空「冗談じゃないよ!私は疲れる一方でそっちは強くなるじゃん・・・・・!」
ヒュッ・・・・・!
(空は炎塊を必死に避けながら、力を寄越せという相手に自分は相手への攻撃や相手の攻撃からの回避、そしてさっき地獄の業火に焼かれたことでただでさえ体力を消耗しているのに、相手はこちら側が放った攻撃を吸収して更に強くなるという、反則級の性質・・・・・
もし相手が吸収できる力の量に限界があったとしても、相手の様子から、その限界はまだまだ訪れそうにもなければ、先にこちらが力尽きてしまいそうだが、戦わなければどの道やられてしまう・・・・・
こうなったら、力を吸収されないように、敢えて肉弾戦に持ち込んだ方がいいだろうか・・・・・?いや、相手が悪すぎる・・・・・)
尤魔
「クックック……ああ、そうだ。
お前は私の餌に過ぎないんだからなぁ!」
尤魔は空に撃ち出した炎塊の他に、空に向けて左手を翳し、その掌から巨大な太陽を思わせる巨大な炎球を形成し、空は自分の餌に過ぎないと言い終えた瞬間にそれを放ち、空に追撃をしようとする。
太陽のような形状を取れるようになった事からこれまでのような灼熱地獄の炎だけでなく、今はまだ吸収量が少ないため不完全ではあるものの、空の中にある八咫烏の力をも使えようになりつつある……
空「私あなたのご飯になるつもりないんだけど・・・・・?」
【焔星「十凶星」】
(相手が自分の力で攻撃してくるなら、こちらもそれに対応してただただ対応するのみ・・・・・
技と技の相殺になれば、相手に技が吸収されることもないと思われるが、どの道また相手に攻撃され追い詰められる・・・・・
となれば、この攻撃が終了すれば、相手の吸収スピード、もしくは吸収限界を超えるほど連続で技を放った方がいいか・・・・・)
尤魔
「クックック…!
潔く諦めなぁ!お前にとっては戦いでも、私にとっては単なる食事に過ぎないんだからなぁ!!」
《ゴオォォォォォォォォォォォォ……》
スペル名の通り、大量の太陽と炎弾を見て、尤魔は嬉しそうに笑うと、形成した獄炎の太陽を消し、その代わりに大きく口を開けて吸息し、次々と太陽と炎弾を呑み込んでは吸収し、自分の力へ変えて行く……
戦えば戦うほどに尤魔の力が増していく一方、空は消耗を強いられてしまう……誰から見ても絶望的な状況なのだが、空の放つ太陽を喰らうにつれて尤魔から感じられていた禍々しい邪気が少しずつ薄れ始めている。
力の増大は変わらないものの、この変化が何をもたらすのかはまだわからない……
空「あぁそう!それなら思いっきり強くなってからでも遅くはないでしょ!!!!!」
【爆符「メガフレア」】
ゴォォオオッ!!!!!
(空は一か八か、この不利な状況においてスペルカードでの連続攻撃という賭けに出る・・・・・
相手から感じられる邪気が薄れているのはわかるが、これで相手が多少穏やかになって少しは話し合いが通用するようになるのか、それとも自分が力尽きるのが先か・・・・・)
尤魔
「…………………。」
尤魔は特に何も答えること無く、空の放つ赤白の巨大な太陽を、縮小するよりも先に丸ごと吸い込み、自らの力としていく。
既に尤魔からは最初のような荒々しく禍々しい気は無くなっているものの、尤魔の持つ力そのものは加速度的に増大している……
もし、尤魔が元々好戦的な性格だった場合、邪気が無くなったところで戦いは終わらない……それどころか絶望的な戦いを強いられてしまうだろう……
空「なんて奴なの・・・・・これじゃあ本当にキリがないじゃん・・・・・」
(こっちはもう既にボロボロなのに対して、相手は体力を消耗するどころか、傷一つ負わずに自分が放った攻撃を吸収してどんどん強くなってゆく・・・・・
空の表情にも、次第に疲れが見え始める・・・・・)
尤魔
「あっはっは!
いいぞいいぞ!もっと寄越せ!
私は空腹だぞ!!」
貪欲な性格は変わらないものの、今の尤魔は純粋により多くのエネルギーを吸収したいと言う衝動に駆られており、最初の頃のような無差別な破壊ではなく、空が持つ八咫烏の力を渇望しており、より多く吸収出来るように再び空に向かって飛び掛かり、接近戦に持ち込もうとする。
空「・・・・・ぁぁああああっ!!!!!こうなったらもうやぶれかぶれだ!!!!!」
【焔星「フィクストスター」】
(こうなったら、体力が尽きない限りは、相手に対してとことん攻撃してやろう、やれるだけやって駄目ならもうどうにでもなれの精神で攻撃を繰り出す・・・・・
だが、叶うなら少しくらいはダメージを負わせたかったという思いもある)
H「パーフェクトフリーズ」
いっけえええええええええええええ