こんにちは!
今回の小説はおとぎ話っぽい感じになってます。
コメント、感想、どしどしお待ちしてます!
むしろ下さい!←
ツンデレ姫と天然王子もよろしくね(*^^*)
昔々、といってもそれほど昔じゃないですが
美しく栄えた王国に、たいそう美しい姫がおりました。
この姫の名をマシュリといいます。
マシュリ姫は美しく器量も良い姫ですが
厄介で恐ろしい難点が一つだけありました。
その難点とは?負けん気が強いところ?
若い女性が注目しているものに興味を示さないところ?
―いいえ、違います。姫には触れた人間を毒に
犯す事の出来る生まれつきの、呪いのような
体質がありました。
王様は知り合いの魔術師に、姫の名前は
何が良いか、姫に何かおかしな体質はないか等を
聞きました。魔術師は名前はマシュリが良いと答え
それから静かに目を伏せてから、ゆっくり言いました。
「心して聞いてくれたまえ、我が友よ。このプリンセスには生まれつきで、触れた人間を毒に犯すという恐ろしい体質がある」
魔術師の話に、王様は自分の耳を疑いました。
まさか、ようやく生まれたプリンセスにそんな
体質があるとは!ですが、王様もいつまでも悲しんでは
いられません。王様は魔術師にこう問いました。
「―その体質を治す必要は何かないのか」
魔術師は王様の目を見て、その質問に答えます。
「月の雫を姫に飲ませよ。さすれば、この恐ろしい体質は治るであろう…」
魔術師に礼を言い、王様は王国へ戻りました。
そして、召し使いに月の雫を探してここへ
持ってくるように命じたのです。
―ですが、国中、世界中を探しても月の雫は
見つかりませんでした。
王様は悲しみに明け暮れましたが、せめて
このプリンセスを愛情を込めて育てようと決意
しました。そのお陰もあってか、美しく器量の良い
プリンセスに育ったのです。
マシュリ姫も18歳になりました。
―ある夜の事です。マシュリ姫は宮殿を抜け出しました。
自分の体質も、宮殿での生活も嫌になってしまったの
です。マシュリ姫は、いっその事誰も自分の事を
知らない世界、いいえ、誰もいない世界に行きたいと
すら思っているのです。それが叶わなくてもせめて
宮殿を抜け出せば、何かが変わると考えました。
走って宮殿を抜け出したマシュリ姫は
気付くと知らない場所に出ていました。その場所は
王国全体が見渡せる場所でした。マシュリ姫は
少しだけ心を落ち着かせる事が出来ました。
マシュリ姫はしばしの間、その景色を見つめて
いましたが、ふと誰かに声をかけられました。
「―プリンセス、こんな夜更けに何をなさっているんです?」
マシュリ姫は声のする方を見やると、整った顔立ちの
マシュリ姫と同い年くらいの少年がおりました。
姫は驚きました。こんな近くに人がいたのに
気付かなかったなんて。
「貴方こそ何をなさっているのかしら?」
マシュリ姫は言葉を返しました。
少年は笑いながら、こう答えます。
「僕は魔物の見張りをしているです、プリンセス。それが僕の仕事だから」
少年は言いながらマシュリ姫に近付き、手の甲に
キスをしようとしました。マシュリ姫はそれに
気付き、素早く手を引っ込めました。
「おっと、ただの挨拶ですよ。それとも、名前も知らない少年にいきなりこんな挨拶をされては迷惑ですか?」
マシュリ姫は怪訝そうな顔をしました。
まさか、私の体質を知らないの?と。
「あら貴方、私の体質を知らないの?私は触れた人間を毒に犯す事が出来るのよ。それとも、貴方を毒に犯してあげましょうか?」
そんなマシュリ姫の脅しのような発言を聞いた
少年は大きな声をあげて笑いました。
マシュリ姫はまたしても怪訝な顔をするはめに
なりました。
「それって、本当に毒に犯す事が出来るんですか?てっきり僕は、"美しい薔薇にはトゲがある "の類いかと思ってましたけど」
マシュリ姫は驚きました。こんな人間もいるのだと。
今まで、城の人間以外はマシュリ姫の体質を恐れて
マシュリ姫に近付こうとすらしませんでした。
「違うわ。私は本当に毒に犯す事が出来るの。それとも、貴方で試してあげましょうか?」
マシュリ姫は、少年を見つめ、また脅迫のような発言を
しました。少年はニコリと微笑むと
「良いですよ、試しても」
と言ったのです。マシュリ姫は、少年をもう一度
見つめましたが、少年の心意は分かりませんでした。
「貴方、本気なの?私の体質で、貴方は死ぬわよ。死体すら残らないかもしれない」
もしも少年が本気なら、止めようとマシュリ姫は
言いました。少年はまたも大きな声をあげて笑い、
こう言ったのです。
「すみません、プリンセス。冗談ですよ。だからどうか、そんな顔をしないでください」
マシュリ姫はホッと一息。名前も知らない少年に
死なれては困ります。
誤字発見…
急いで書くのは駄目ですね。
>>3の誤字
×「―その体質を治す必要は何かないのか」
○「―その体質を治す方法は何かないのか」
>>6の誤字
×「僕は魔物の見張りをしているです」
○「僕は魔物の見張りをしているんです」
マシュリ姫は少年に名前を問いました。
こんな変わった少年とこんな場所で出逢ったのも
何かの縁ですからね。姫は一応、自分の名前も
名乗りました。この少年なら、自分の名前も知らないと
言いかねないからです。
「僕はシュラード。よろしく、マシュリ姫」
そうして少年の名前と年齢を知りました。
どうやら、この少年はマシュリ姫と同い年の
ようでした。シュラードは、マシュリ姫に
「プリンセス、どうだい?僕と一緒にドラゴン退治に行かない?大丈夫、僕が守るから」
誘いをかけました。
マシュリ姫はチャンスだと思いました。
宮殿を抜け出せば何かが変わると思っていましたが
この少年、シュラードと出逢った事により
何かが変わろうとしている。マシュリ姫はそう
感じました。
「良いわ、貴方と一緒にドラゴン退治しようじゃないの。大丈夫よ、私、うぬぼれの強い何処かの守ってもらうようなヤワなプリンセスじゃないから…」
そんな姫の言葉にシュラードは笑みを漏らし
「それは頼もしいな。それに、こんなに美しい姫が相手ならドラゴンも逃げてしまうかもね」
と言いました。
こうして、マシュリ姫とシュラードの冒険が
始まりました。
シュラードは自分の大きなリュックから
寝袋を取り出しました。
「何、してるの?ドラゴン退治に行くんじゃなかったのかしら?」
マシュリ姫は言いましたがシュラードは
今日はドラゴンはいないから夜が明けるまで
眠りにつくと答えました。どうやらこの少年
ドラゴンが出るか出ないか、匂いで分かるらしいの
です。マシュリ姫の分の寝袋を取り出して夜が明けるまで
眠りにつきました。
そうして、夜が明けました。
マシュリ姫は朝の王国の景色を地べたに座りながら
眺めました。朝と言っても、まだ早く、歩く人も
少なかったですが、それでも美しい景色でした。
シュラードもそんな姫につられて起き、素早く狩り用の
服に着替えました。マシュリ姫にも狩り用の服を
渡しました。
「これに着替えるのに、何か意味があるの?」
「…君は破れたドレスで狩りをするつもりなの?いくらなんでも危険過ぎるよ。防御の高い服じゃなくちゃ」
マシュリ姫は誰にも言わずに宮殿を抜け出したので
ドレスのままでした。破れたのはきっと、走っている
最中に何処かに引っ掻けてしまったのでしょう。
マシュリ姫はシュラードに向こうを向くように言ってから
さっと着替えました。
「―さぁ、行こう!」
二人のドラゴンを退治するという冒険が始まりました。
先を行くシュラードに着いていく形のマシュリ姫。
見える景色はどんどん王国から遠ざかっていきます。
マシュリ姫はふと、不安になりました。
このままドラゴン退治の為に王国から遠ざかり
得体の知れない場所で、やっていけるのかと。
きっと、王国の王である父は、マシュリ姫を
血眼になって探す事でしょう。そんな不安に
気付いたのか、シュラードは
「大丈夫だ、僕が傍にいるよ」とマシュリ姫に
微笑みました。彼の笑顔にドキドキしている姫が
いました。これが恋、なのでしょうか?
道の途中、シュラードが急に歩みを止めました。
「ちょっと、何かあったの?」
マシュリ姫は心配気に問いました。
シュラードは真剣な眼差しで答えます。
「"気配 "がするんだ。もしかしたら、ドラゴンとは違う、魔物が近くにいるのかも…」
"気配 "。彼は匂いや気配で近くに魔物がいるのかなどが
分かるのです。彼はマシュリ姫を守るような体勢で
周りを見つめます。シュラードは手持ちの剣を取り出し
握りしめますが、一向に魔物は現れません。
とはいえ、油断は禁物。気配は消えていないのですから。
―すると。
「きゃあ!」
マシュリ姫の叫び声がシュラードの背後で響きます。
シュラードがパッと後ろを振り向くと姫が
魔物に襲われています。
マシュリ姫は魔物の恐ろしさに怖気づきましたが
勇気を振り絞り、魔物のゴツゴツした体に触れました。
―シュウゥゥ。煙りとともに、魔物がどんどんと
溶けてゆきます。そうして最後には消えてなくなりました。
「どうやら、私の体質は魔物にも効くみたいね」
肩で息をしながら、マシュリ姫は自虐的な笑みを漏らすと
そう言いました。素早くシュラードが姫に近寄り、
「大丈夫…みたいだね。にしても、凄いじゃないか!魔物をやっつけるなんてさ」
と、尊敬の眼差しでマシュリ姫を見つめました。
その屈託のないシュラードの微笑みにマシュリ姫は
救われたような気持ちになりました。
と、同時にある想いが姫の中で生まれました。
―彼に触れてみたい。という気持ちです。
今まで、マシュリ姫は月の雫をほしいとは
思いませんでした。ですが、彼と出逢い、この
恨めしい体質を治したいと思うようになりました。