とりあえず平和なのと迷ったけど。
結局平和なのって難しいよね。というわけで。
周りが書いてるから便乗しちゃった人です。
〈注意!〉
・書き手は気まぐれです。ちょいちょい失踪するかと。なるべく頑張るんで読んでくださるという方は気長に待ってほしいです。
・唐突な思いつきで書くので展開がおかしくなるかも。その際は指摘して欲しいです。
・アドバイス、感想などは喜びます。
・長さがどうなるかは未定。
あ、あと断り入れておきます。
文章書きたいだけなので名前が本当に雑です。
人名にせよ、地名にせよ、です。
大丈夫です、私も独学で書いてます
あとこの話の視聴者になります!
運命。人間の意志にかかわらず、身にめぐって来る吉凶禍福のことである。信じる者もいれば、信じない者もいる。
しかし、これはあくまで「未来を知らない場合」である。もしも、「これが貴方の未来です」と決められた未来を知り、自分にとって悪いものである時、貴方は何を考えるのだろうか。何をしようとするのだろうか。そのまま受け入れるのだろうか、変えようとするのだろうか。
ーーーこれは、運命に抗うことを選んだ少年少女の話である。
>>2
ありがとうございます!駄文の連なりですが読んでいただけるのはありがたいです!!
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エマ=ルシエンテスは少しばかり好奇心が旺盛なところ以外は普通の少女だった。否、普通と呼ぶのは語弊がある。伯爵家というそれなりに裕福な家に生まれ、育った少女だ。大切に育てられた故に世間のことを知らず、世間を知りたい故の気持ちだった。
いつものように部屋で本を読んでいると、何やら屋敷が騒がしいことに気づく。あまりの騒がしさに外の様子が気になり、部屋の扉をそっと開けて顔を覗かせる。辺りを見回し、誰もいないことを確認してそっと部屋を出た。
こんな時、決まってエマは部屋から出してもらえない。だから、こっそり出るしかないのである。
部屋を少し出たところで、エマ様、と声をかけられる。彼女より二つ年上の執事、ヴィクターだった。
「旦那様に部屋から出るなと…」
「しーっ、もう部屋にはいなかったことにして頂戴な。私だって気になるんです、外で起こっていることが」
ヴィクターが全て言い終わる前にエマは言葉を遮る。悪戯な笑みを浮かべて、口元に人さし指を当てると、そっとヴィクターの元を去ろうとした。
すると、ヴィクターはお待ち下さい、と引き止めた。
「…騒動の元はあっちです、そちらには何もござませんよ」
「うふふ、ヴィクター。ありがとうございます」
軽い足取りでエマはスキップしながらその場を去っていく。ヴィクターはお転婆で好奇心旺盛なエマの後ろ姿を見送ることしかできなかった。
使用人がいないことを確認しながら、静かに歩く。足音を立てないようそっと足を差し出していく。しばらく歩くと、庭の方に人だかりが多くできてるのが見えてきた。
人だかりの中心には誰かが倒れているようだった。部屋から持ち出した双眼鏡で庭の方を覗く。倒れているのは金髪の少女のようだ。何故彼女を囲むだけで屋敷の中に運び込まないのかは分からない。おそらくはエマの父親であるルシエンテス伯爵がまだ運びこむなと命令しているのだろう。
その運び込まない理由がわからないのだ。
伯爵は厳格ながら優しい人物で、倒れた人を運び込まないなんていう弾き出すようなことをするような人間ではないのだ。
だからエマは不思議なのである。
「運び込まないのですか、彼女」
思わず自分の立場を弁えずにエマは飛び出していく。部屋から出るなというお達しがでているから自分の父親が事態に気付いていないわけではない。つまりもっと他の理由があるのだ。
「旦那様のご命令です」
「そんなことは分かってますわ。運び込まないのはなぜですか、と聞いているんです」
声を荒げて言うエマの姿が珍しいのか、使用人たちはギョッとする。好奇心が限界まで押し寄せてきた時に彼女は声を荒げる。興味というのは恐ろしいものだ、と使用人たちはひしひしと感じた。
しばらく沈黙が流れて、使用人の一人がついに重い口を開く。
「彼女からは旦那様が感じたことのない魔力を感じるらしくて…」
「なるほど。…私の能力があれば分かることじゃないですか」
「ですが…!!」
「いいんです」
エマの能力は魔力から魔法の特性を読み取るというもので、光の属性魔法の一つだった。父の能力より強力だが、集中力が必要で操作の難しい力である。エマは目を閉じて手を組んで、念じる。エマの頭の中にいろいろな情報が流れこんでくるが、ほとんどが断片的で、よく分からない言葉の羅列だ。ただ一つ、伝わってきたのは。
ーーー吸血鬼、というはっきりとした言葉だった。
全力を出し切った上に力を使い慣れないエマはき、と言葉にできないまま意識を失う。
うぉえ!?
7:invincible:2020/06/14(日) 16:37 > エマの能力は魔力から魔法の特性を読み取る
この能力設定、バランス取れてて好き。チートすぎもせず、無駄すぎもせず
思い付きで書いたとは思えないくらいしっかりしてますね
私が書いたものとは大違いです(^-^ゞ
>>6
その驚きはすげぇ、って意味ととらせていただきますね。ありがとうございます!
>>7
ありがとう、なんか唐突にネタが降って湧いてきたぞ()
なんか嬉しいので3つ目書く。
さあ、私は期待に添えるのだろうか。
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エマが目覚めるとベッドの上だった。執事のヴィクターはまだしも、どういう訳なのか先程の金髪の少女もベッドの側の椅子に座っている。
「…一体、何があったんですか?」
エマが尋ねると、ヴィクターは至って冷静に尋問と称して連れてきました、と言った。金髪の少女も和やかに笑っている。いや、それだけじゃあ訳が分からない。エマはもう一度ヴィクターに訳を尋ねた。
ヴィクター曰く、エマが倒れた直後、金髪の少女ことベルディアが目覚めたとのことだった。目覚めたベルディアは自分が吸血鬼のハーフであること、吸血鬼の膨大な情報量を得たことでエマが倒れたということを語ったらしい。
「吸血鬼のハーフですらこの情報量なのですか?そもそも、吸血鬼なんて私達とは関わらないはずじゃ…」
エマの率直な疑問にベルディアは笑って、そうね、と答えた。そして、少し間を空けて続ける。
「私もよく知らないのよ。吸血鬼という種族について、ね。私はこの街に同族の匂いがした気がして来たんだけど」
「匂い?」
「ええ、吸血鬼独特の匂いってものがあるの」
ベルディアはにっこりとどこか妖艶で怪しげな笑みを浮かべる。思わずエマはゾッとするが、彼女としては普通に笑っただけらしく、不思議そうな顔でこちらを見つめている。どうやら表情に出てほしい。
「ところで、こんなこと言ってはなんだけどお願いがあるの」
「何でしょう?」
「エマ様に危害を加えたら許さないぞ」
「ヴィクター、私はいいから話を聞きなさい」
「…申し訳ありません」
ヴィクターの謝罪の後、そうよね、厚かましいものとベルディアはまた笑う。深く息を吐くと、同じように息を吸う。それからベルディアはたった一言、
「吸血鬼について調べたいの、手伝って」
と笑った。
>>8
一応昔作ったネタを漁って拾ってきました。
ありがとうございます!
私、ネタとか無いから羨ましいです
私も書こっと、正に今作っているストーリーは私の好みと一緒の雰囲気ですし
ぬおおぉぉぉ!!
すごい…!
>>11
ネタは思いつき次第メモしたりするといいですよ
そうなんですか、後で読んでみますね。
>>12
おお、ありがと!
さて、暇なんで4つ目書きます。初日のバイタリティすげぇなと自分でも。てかちょっと短いです。懺悔。
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は?と二人の声が重なった。ベルディアはそうよねぇ、と笑って訳を説明し始める。
本人曰く、エマ達に協力を要請したのは吸血鬼が代々持つと言われる運命の力に従ったからだそうだ。血は半分なのに受け継いでいるのか、という疑問には微力ながら受け継いでいる、という返事が返ってきた。他にも疑問は浮かんだもののエマもヴィクターも半信半疑ながら不思議と彼女の言葉を受け入れた。
吸血鬼だとわかると、ルシエンテス伯爵も少し興味が湧いてきたのか彼女を屋敷に住まわすことを許可したのだ。
何かがおかしいような気がした。
何かが狂うような音が聞こえた気がした。
>>13
アドバイス、感謝します
(まだ1ヶ月しか小説書いt )
どこも吸血鬼って運命操るんですね
それとも吸血鬼と言ったら運命なんでしょうか?( -_・)?
>>14
いえいえ、参考になったなら幸いです。
はて、どこの吸血鬼様ですかね。
そこから拝借したとか内緒ですよ?
全然違うものにするつもりです。ご安心を。
はい。やっぱり1日目しか頑張れないですね。
とりあえず書きますよ。
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しかし、狂いに気づけなかったのも無理はない。ベルディアと過ごす日々はエマにとっては勿論、ヴィクターにとっても楽しいものだったからだ。
街へ出かけたり、草原を駆け回ったり、庭を散歩したり。無論、日差しの強い日は吸血鬼のハーフのベルディアの肌がボロボロになってしまうらしく、一日中を室内で過ごしていた。それでも彼女といる日々は少し気味が悪いほどエマたちにとって楽しいものだったのだ。
「やあ久しぶり、エマ、ヴィクター。…そこのお嬢さんははじめましてだよね?僕はセフェリノ、度々ここに侵入してくるんだ」
「侵入だと率直に言うな」
「そうだねぇ、じゃあヴィクター達に密かに歓迎されている、でいいかな?」
「ほとんど変わってないだろう。結局は公の客ではないと自称してるじゃないか」
呆れた顔でヴィクターはため息をつく。セフェリノははは、と軽い笑いをこぼしてそういえば君の名前を聞いていなかったよ、と話を戻した。
ベルディアは深々と一礼してからベルディアよ、よろしく、と名乗った。
「ベルディア、か。いい名前だね。さて、君は一体どこから来たんだい?この街で見かけたことはないが…」
「そうねぇ、貴方達も知らない遠いところ、かしら。吸血鬼について調べているの。彼らにはその手伝いをしてもらっているの」
「そうかい。いい情報が見つかるといいね」
エマもヴィクターも少しばかり違和感だった。
屋敷の外でも彼らは出会うことがある。
そう、街でだ。セフェリノは街のことなら大抵のことはなんでも知っており、顔も広い。エマたちと言葉を交わさなくとも彼らのことを一方的に見かけた、という話もよく聞く。
なぜベルディアが現れてからの二週間ほどは一切見かけなかったのだろうか?話を聞いていてもいつも通り過ごしていたようで体調を崩して寝込んでいたわけでもなさそうだった。出会わなかったとしても彼の知り合いが何かしら話をするだろう。二人ともそう思っていた。
だが、二人はただの考えすぎだと思ったらしい。ここでもし、どちらかが違和感に気付けていたら。考えすぎだとさえ思わなければーーー。
しかし、結局後悔したところで過去は変わらない。
変えられるのは、未来だけなのだ。
ほうほう
17:御守:2020/06/17(水) 18:52ハーフと言っても血は飲むんですか?(飲んでたらもうハーフじゃないですね((  ̄▽ ̄)笑)
18:遥架◆/RIeTN.:2020/06/18(木) 17:23
>>17
ですねぇ(笑)
まあその辺りも追々書いていくんでね、
よろしくお願いします!
ちょっと展開が思いつかないので遅れそうです。
ごめんなさい。
ほい、わかりました
20:遥架◆/RIeTN.:2020/06/20(土) 17:06
お待たせいたしました、依然思いついてないのでかなり適当です((
ここからなんとか話を持って行けたらいいかな。
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ある日。
エマはバタンっ、とドアが勢いよく開いたことに気づいて飛び起きる。ただ事ではない気がしたからだ。
案の定真っ青な顔でヴィクターが部屋に入ってきて窓からでもお逃げください!と叫ぶ。よく見ると彼の服の袖が大きく裂けているのが見えた。黒い服であるためはっきりとはわからないが、薄ら赤黒くも見える。
「ヴィクター!?どなたに切られたのですか!?」
「お気になさらず!早く、逃げて…」
言葉を遮るように先ほどヴィクターが開けた勢いで閉まったドアが静かに開く。部屋に入ってきたのは口元を赤く染めたベルディアだった。
「べっ、ベルディア…?何を、しているの…?」
手には血のついた包丁が握られている。服には返り血なのか、血で赤く染まっていて、真っ白なワンピースにはよく映えていた。
「何って、教えるわけないでしょう?」
そう言って抗う間も無くエマはグサっと、左胸の辺りを刺される。みるみるうちにヴィクターの顔色が変わっていったが、ベルディアは彼はいない人間の如く部屋を出ていこうとする。
「おい、待て!」
「何?貴方まで殺されたい訳?」
キッと睨みをきかせるとベルディアはそのまま去っていく。
「…エマ様」
急展開ですねΣ(゜Д゜)凄いワクワクしますよ〜!
月光の第三楽章を聴きながら読みました
なんかクラッシックが合うストーリーでとてもいいですね〜
作者さんもクラッシックを聴きながら描いたらかなり物語の想像出来る用になりそう……(意味.中の人物達と同じ気持ちになるのが大事なのでその場に合った雰囲気、空気の曲を聞くとかなり想像が出来る用になりますよ)私は何時も曲を聴きながら書いてます(クラッシック縛りではありません)
小説下手からのアドバイスで申し訳ありませんが(´Д`)
>>21
ありがとうございます!ワクワクしてもらえたなら良かったです!なるほど、むしろ音楽は聴いてたらなんも思いつかなかったんですが世界観にあってなかったのかもしれませんね。ちょっと試しにやってみます。
全く、気まぐれって怖いですね。5日も空けたくせに今日は更新するらしいです。この次は本気で決めてない。あとネーミングセンスの無さはご了承下さい。そしてほぼ説明会。ごめんなさい。
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「…去った、のか?急がなくては…!!」
そう言ってヴィクターはエマに両掌を向け、何かを念じ始める。時間が経つにつれて頭を抱えたり、体がフラフラすることが増えていっているように見える。
「…ヴィク、ター?」
すると心臓を刺されたはずのエマが起き上がる。代わりにヴィクターの方は彼女が目覚めたことを確認すると力尽きたかのようにフラッと倒れこむ。
エマの心臓の傷はいつのまにか消えていた。
「…またあの能力を使ったのですね。私の為に無理をしたというわけですか」
彼の能力は生命力を分け与えることで相手の傷を回復する能力である。ヴィクターの生命力は人より少し多く、回復も少し早いのである。これはヴィクターに限らず、誰しもが少なからず持っている「魔術適合体質(まじゅつてきごうたいしつ)」と呼ばれるもので、体質で向いている魔術が決まるというものだ。勿論、体質に向いている魔術しか使えないというわけではないが、大抵の人間は体質に向いた魔術を駆使する。
エマは体格が良いヴィクターを軽々しく持ち上げ、自室のベッドに寝かせる。気を失っているヴィクターを連れて歩くわけにはいかないと判断したからだ。
ベルディアの返り血がついた姿をヴィクターを治療しながら思い返す。ヴィクターの傷だけではあんなに多くの血の量にはならないだろう。それに、自室に誰かが駆けつけてくる気配もない。つまりは…
「っ、お父様、お母様ぁ…」
エマはおそらく殺害されてしまった母と父の姿を思い浮かべて涙を浮かべる。使用人が大切でないわけではなかったが、肉親を失った悲しみは何よりも大きかった。
治療を終え、一人涙を拭うエマの耳に足音が響いた。誰かが廊下を歩いているらしい。
お母様とお父様だわっ!
今のエマに冷静な判断は出来なかった。母と父だと思い込んだエマは即座に廊下に出ていく。そこにいたのは母でも、父でもない。
ーーーベルディアだった。
最近忙しい時期ですもんね(´Д`)仕方ないですよ
疲れている時とか、気持ちよくわかります
>>23
まあ最近6時間授業始まったんでね、確かに少々疲れてますね…。でも書けないほど忙しいことはなくってですね、本当に、ただただ続きが思いつかないんです…(笑)
さて、1日空きましたが書きます。
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「やっぱり生きてたのね。通りで貴女の魔力に反応が強いと思ったら…」
屋敷の庭で発見されたどこか怪しく、どこか弱々しい雰囲気は失せていた。ただただ禍々しいだけの狂気を纏って静かに近づいてくる。なんとも言えないその空気感にエマは一歩ずつ、一歩ずつ下がる。廊下も永遠に続くわけではなく、ついに端までたどり着いてしまう。
「さあ、ここで終わりよ、エマ・ルシエンテス」
口角を上げて、まるで今から遠足にでも行くかのように楽しそうに近づいてくる。溢れんばかりの狂気と抑えきれない愉快な感情に満ちた笑顔。それは間違いなく、この状況を、エマを殺そうとしている状況を楽しんでいるからだ。
今にも飛びかかってくるかもしれない、なんて怯えながらこれ以上下がることもできず、エマは壁にもたれかかる。エマが手に握った包丁を振り上げた瞬間。
「やっぱりか。初めて会ったときからおかしいとは思ってたんだよ」
エマの足元の影から黒い影が伸びてくる。やがてそれは実態を伴い、見慣れた銀髪と少し濁った赤目の姿に変わる。
「僕に君の情報が一切入ってこなかったのは君のせいだったというわけか、ベルディア。さあ、怪我をしていないのは幸いだ。エマを怪我させてヴィクターに怒られるのは僕なんだからさ?やめてほしいね」
先ほどまでの緊迫した空気を溶かすようにセフェリノは続ける。ベルディアもさっきまでの狂気が嘘だったかのような余裕そうな表情を浮かべる。
「…貴方じゃ分が悪いわね。出直すわ」
そう言って軽々しく近くの窓から飛び降りて姿を消した。無論、ここは普通の人間が飛び降りて無事な高さではない。が、ベルディアは普通の人間ではないのだからそう軽々と死ぬわけがないのである。
「大丈夫かい?エマ」
先ほどの張り詰めるような殺意は消えて、セフェリノはこちらを見て優しく問いかける。微笑むとまではいかないものの、穏やな表情だ。
しかし、彼の穏やかな表情を見ても、エマは動揺したままだった。親を殺された上に自身も殺されそうになったからだ。当然のことだろう。
「落ち着いてからでいいから何があったか話して?」
少し気を使った側面があったのだろう、セフェリノは優しく微笑んで、そっとエマの腕を引き、彼女の自室の方へと向かう。セフェリノが握った腕からは微かな震えが感じ取れた。
自室へ戻るとセフェリノの目にはすやすやと眠るヴィクターが目に入った。目立った傷がないことから大方何があったかを察する。震えたままのエマをそっとヴィクターの隣に座らせて、セフェリノは一旦廊下に出る。
敵がいないことを確認すると、念のために足音を忍ばせ、息を潜めてゆっくりと歩く。想像通りではあったが、誰も生き残っている者はいないようだ。しばらく進んでいくと、エマの両親の部屋へたどり着く。
そこに広がっていたのは、セフェリノの予想を裏切るものだった。部屋は血に塗れているどころか、むしろ彼らの生前と変わらぬほどに綺麗だった。横たわるエマの両親の死体は動脈を切断されていたが、ほとんど血液は溢れておらず、所々血痕が残るだけだった。
先ほどのベルディアの返り血、切られた動脈…これらを見れば彼女が彼らの血液をどうしたかなんて一目瞭然だ。
「これは…色々知る必要がありそうだね」
俺も洋風ぷんぷんさせたStory書いてるからお互い頑張ろうw
27:遥架◆/RIeTN.:2020/06/28(日) 09:29
>>26
はい、がんばりませう!ありがとうございます!
なんか皆様頑張ってるので私も頑張ります!(しかし私の小説は朝から読む話ではない)
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セフェリノはまずルシエンテス家の書庫へと向かった。二人が戦えない以上あまり遠くへは行けないからだ。敵襲があってもいいようにゆっくりと歩を進め、息を潜める。書庫にたどり着くと少し気を抜くように、はあ、と一息ついてセフェリノは書庫の本を漁り始めた。
三十分ほど探してみたが、吸血鬼に関する資料は見つからなかった。ルシエンテス家の書庫はそこまで大きくない。故に吸血鬼に関する資料がないのも無理はないだろう。二人の意識が戻った時に改めて探すことにしようと考え、セフェリノは元来た道を戻っていく。
部屋の前まで戻ってくると、何やら違和感を感じる。そっと扉を開いて、中を覗き込む。そこにいたのは意識を取り戻したらしいヴィクターと、ベッドの側にぼーっと立っているいつもと雰囲気の違うエマだった。
「エマ…じゃないね、誰だい?」
『ほう、中身が別人だと気付かれてしまいましたか。隠すつもりはありませんでしたがね。はじめまして、私はロイダです。簡単に言ってしまえば吸血鬼の情報の管理者、まあ情報に意思があるくらいに思ってください』
エマの姿、声をしたロイダという人物は彼女の可愛らしい声で淡々と語る。それでも中身が違うのだから、雰囲気というのも変わるものである。
『安心してください、私はあなた方の味方です』
「…そう、まあ今はそういうことにしておくよ」
セフェリノは半信半疑でロイダの言葉を受け入れた。なんせ謎が多すぎるのだ。なぜ情報に意思があるのか、なぜエマの体に意思である彼、もしくは彼女が宿っているのか、そもそもなぜ彼らを味方するのか。考え込む彼にロイダは
『何から聞けば分からないって顔ですね。とりあえずエマさんの体に私がいることの説明から始めましょうか』
と、エマの姿で微笑んだ。しかし、彼女が微笑んだ時の可憐さとはうって変わって、どこか読めない怪しい笑みだった。
『そういえば貴方はいらっしゃいませんでしたが…実は屋敷でベルディアが見つかった時、エマさんは能力を使ったのです』
確か彼女の能力は魔力から魔法の特性を読み取るというものだったはず、とセフェリノは脳内で整理する。続けて、とセフェリノが言うとロイダは椅子に腰掛けて続ける。
『その時彼女は魔法の特性を読み取ると共に、吸血鬼の情報も読み取ったのです。結果、莫大な情報量と私を受け入れたことで彼女は倒れてしまったというわけです』
「つまりあの時エマ様が倒れたのは…」
『ええ、彼女の実力不足もありますが…根本的な理由は吸血鬼の情報量を受け入れられなかったことによるものなのです。私が彼女の中に入り込んで、情報を整理し、彼女に馴染んだことで彼女は意識を取り戻したってところです』
ロイダは足を組んで、少し誇らしげに語る。ヴィクターもセフェリノも納得したような表情で頷いた。
「なるほど。それで…君が表に出てきたことには何か理由があるんだろう?何故かってこと、答えられるかい?」
壁にもたれかかったセフェリノが尋ねるとロイダはふふふ、それも気になりますよねぇ、と笑う。ロイダは再び立ち上がって
『貴方達を手伝いに来たのです。彼らから守るためにね』
と意味深長に笑った。
「…彼ら、か。つまり君はベルディアの他の敵について知っているということかな?」
セフェリノの疑問にロイダはふふ、と上品かつ怪しげに微笑み、その辺りは内緒ですよ、と笑う。それなりに切れ者であるヴィクターにもセフェリノにも彼女の思考は読めなかった。
『さて、そろそろエマさんに体を返してあげないと。彼女、とても怯えていますもの』
「っ、貴様ぁ!!!」
「ヴィクター、やめなよ。まだこの人が敵なのか味方なのか分からないんだから」
『やめてください、疑われたら表にでてきにくいじゃないですか。その点については嘘じゃないですから。そうそう、運命に逆らうことのできた貴方達には『アスピヴァーラ家』を訪ねて頂きましょうか。それでは、またいつか』
それだけ言い残してロイダ、もといエマの体は力なく傾く。まだ動くことが困難なヴィクターに代わって、セフェリノが倒れようとする彼女の体を支えた。少しばかり焦った表情を見せたヴィクターもほっとした顔で、悪い、と一言だけ零した。
「アスピヴァーラといえば山に住むと言われる魔術師の一族か何かだったかな。とりあえず、僕は一旦街の人たちに聞いてくるよ」
「…悪い、頼む」
「君、本当にエマ以外にはありがとうって言えないんだね」
そう嫌味っぽく耳元で囁くと、セフェリノはお大事に、とドアを閉めて去って行った。
セフェリノが去ってから、ヴィクターは意識を失ったエマの方をただただ見つめていた。早く目覚めてほしい一心だったからだ。もしかするとあのまま彼女は目覚めないかもしれない、なんて不安も混じってなかなか落ち着くことはできなかった。できることならベッドに寝かせたいが、彼の体は全く彼の言うことを聞かなかった。それを分かった上でセフェリノも仕方なく、彼女をソファーの上に乗せていったのだろう。
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『お嬢さ…』
『やめてください!私はお嬢様ではありません、エマ・ルシエンテスですわ!エマでいいですわ」
『ですが…』
「ならばエマ様とお呼びください」
『…エマ、様?』
「そうです!ありがとうございます」
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彼女とのそんな懐かしいやりとりを思い出す。ヴィクターが執事としてこの家で務めはじめた頃、10年ほど前のことだっただろうか。それ以来彼はエマのことを「エマ様」と呼ぶようになったのだ。理由は未だに知らないが、彼女がそう言うなら仕方ない。そう思ったからだ。
「う、ん…?私、また…?」
「エマ様っ!!」
ばっと飛び起きることはできず、反動でベッドに戻される。エマの方はゆっくりと椅子に腰掛けてから、ふふ、とお淑やかに笑ってヴィクターの方を見つめた。
「貴方の能力は当分動けなくなるんですから…無理しないでくださいな」
聞こえてくる声、それは間違いなく主の声。口調も、笑顔も、全部全部、エマのものだった。少しの間の話だったのになにがこんなにも恐ろしかったのだろうか。それはヴィクター自身にも分からなかった。
一方、セフェリノは彼の家の近くに住むある男のもとを訪ねていた。コンコン、と軽くノックすると中から誰だ?と低く、太い声が聞こえてくる。
「やあ、僕だよ。ちょっといいかい?」
「ちょっとだぞ?」
はいはい、と軽く受け流してセフェリノは中から出てきたガタイの良い男の家の中へずけずけと遠慮なく入っていく。
「…で、何の用だ?リノ」
「アスピヴァーラ家について尋ねたくてね。バルタ、そういうことに詳しいだろう?」
バルタと呼ばれた男、もといバルタザールは話の趣旨を理解したらしく、あいつらに関わるのはよせ、と顔を強張らせてさらに低いトーンで言う。
「いいよ、僕は彼らについて知る必要があるからね」
「…なにがあっても知らんぞ」
ごほん、と咳払いをして、バルタザールは話を始めた。
「あいつらは吸血鬼たちを絶滅させた一族の末裔なんだよ」
「…え?」
セフェリノは思わずその場で絶句してしまった。バルタザールは絶句する理由をいまいち掴めず、どうした?と端的に尋ねた。
「それじゃあ今は吸血鬼が存在しない、ってことだよね?」
「そうだぞ。お前、絶滅の意味もわからないほどのバカだったのか?」
バルタザールの茶化す言葉なんてものは一切聞こえず、セフェリノはただただ今突きつけられた現実に思考を張り巡らせることとなってしまった。吸血鬼が、絶滅…?そしてある一つの結論にたどり着く。
じゃあ、ベルディアは一体何なのだ…?
「…ごめんよ、話の途中で。それで、アスピヴァーラ家は現在どこに住んでいるんだい?」
しばらく時間が経って、思考を落ち着かせると、セフェリノは再び説明を求めた。バルタザールも落ち着いたセフェリノの姿を見て落ち着きを取り戻したらしいことを察して説明を再開した。
「この街の端、方角で言えばあの山の見える方だな。子供の頃に聞いたことないか?あの屋敷の噂とかよ」
「確か…『アスピヴァーラの屋敷に足を踏み入れし者は運命を狂わされ、未来を歩むことができなくなる』だっけかな。子供ながら死ぬことができないなんて恐ろしい、とか考えてたよ」
「それは子供の発想じゃねえだろ…なんにせよあの屋敷になにがあるかは分からねぇ。気をつけて行ってこいよ」
バルタザールは引き止めることを諦めたのか、少し心配そうにセフェリノの方を見て言った。セフェリノは何も言わなかったが、重々承知と言わんばかりに彼の方を見つめてから立ち上がり、玄関の方まで歩いていった。バルタザールが玄関まで見送りに来ることはなかった。彼のことだ、おそらくは「絶対に帰ってこい」といった意味合いなのだろう、とセフェリノは悟った。
とりあえずちゃんと読んでくださっている方ももしかしたらいるかもしれないので。そして気づいたのが今更でごめんなさい。
今回謝罪したいのはエマが倒れた理由についてです。本当のところは実力不足が見せかけの理由で、情報量でぶっ倒れたのが真の理由です。つまりは>>9の段階で真の理由を出してしまっていたのに>>28で真の理由をはじめて出したかのようになってます…。
行き当たりばったりで書いててこんなことになりました。ごめんなさい。この小説に関しては同じようなミスがまだあるかもしれません…次作以降はこうはならないように対策致しますのでどうか寛大な心で読んでいただけるとありがたいです。
とりあえず今から書きます。しばしお待ちくださいまし。読んでくださる方がいるかは分からないけど…
小説のミスの説明レスとか見たことない…
ほんっとうにごめんなさい。