思い付いたときに詩を書いていきます。
詩ではなく短文に思えることもあると思いますが、
本人は詩のつもりで書いております。
乱入は可ですが、感想を添えて頂けると幸いです。
また、こちらからの感想はあまり期待しないでください。
何分、自分の意見を述べるのが苦手なもので。
「夜を奪ってやろうか?」
慈愛に満ち満ちた目で
あなたは
そう語りかける
一寸先は目を焼く光
足元は腐って今にも抜ける
返す踵は擦り切れた
私は迷う
返答に
道に
ずっと前から迷っていた
夜は停滞の温床
寝床で『朝』から
目を逸らす
光に晒されるのが怖くて
自らの醜い姿を
見たくなくて
絶望するのが怖くて
希望を掲げる
勇気もなくて
ずっと
夜で腐っていた
空想の出涸らしを絞って
頭痛の擦り寄る
惰眠を貪る
呼吸をする糞袋
それが今の私
このままではいられない
分かっているけど
「だから」
あなたは再度笑みを深める
「意気地なしの代わりに
俺が追い出してやろう」
__夜から。
君はよく言っていた
「やりたいことが多すぎる」
生きてる間に
やり切れると良いんだけど
そんなお決まりの冗談
やりたいことがたくさんある
いつでも君は言っていた
世界一周してみたい
激辛料理を完食したい
本を出してみたい
ウユニ塩湖に行ってみたい
スリーポイントシュートを決めてみたい
お米だけ山盛りで食べてみたい
夢の世界を誰かに見せたい
山を買ってみたい
髪を真っ青に染めてみたい
漫画のキャラクターになってみたい
超能力者になりたい
誰かの恋人になってみたい
家を建ててみたい
鏡の奥の世界を知りたい
猫を飼ってみたい
お化け屋敷を攻略したい
「ここまで全部ください」って言いたい
虫に名前をつけて飼い慣らしたい
崖から飛び込みしてみたい
ピンヒールを履きこなしたい
誰かと入れ替わってみたい
刀を振り回してみたい
拾った傘を持ち主に届けたい
奇跡の一枚を撮ってみたい
バイキングでスイーツだけ食べてみたい
ヴォイニッチ手稿を解読したい
幸せで泣いてみたい
100人を泣かせてみたい
100人を笑わせてみたい
そんなやりたいことを
いつまでも思いついていたい
やり切れなかったことは
救いだったのだろうか
君はもっと
カラフルな服が好きだったのにな
モノクロのスーツを見て思う
「trick or treat?」
可愛い君が囁いてねだる
相も変わらず
かび臭いマントで
私をすっぽり包んで
笑う
月の光に照らされる
君は特別美しい
でも残念
私はお菓子を持ってないんだ
冷たい冷たい君の手を取る
熱い熱い情を声に乗せて
ねえ可愛い君
私に“いたずら”してみてよ
背後から驚かせる?
冷たい水を浴びせてみる?
……違うでしょう?
ほら首元をくつろげた
見えるでしょう?
青く脈打つ私の命が
分かるでしょう?
それは君にとって
最高のデザート
釘付けになった君の瞳に
仄かに赤が灯りだす
笑みの深まりと共に
剥き出す牙が
銀色の月明かりを浴びる
あどけない表情
しかし想いは
ひどく熱っぽい
君、昔から何も変わらないなあ
……分からない?
でも良いんだ
それで良い
君にとっては
trickもtreatも同じだったね
好きにしなよ
今日は君が主役なんだ
切り裂く木枯らしに
目を瞑れば
美しく絶望を運ぶ
純白の雪にも気付けない
刹那主義でいこう
所詮は馬鹿のキリギリス
つまらない言葉に
耳を貸せば
泡沫の夢も見ずに死ぬ
人生は冬
死ぬまでに打ち立てた
虚像だけが
春を迎える種となりうる
何も無い
何も得られない冬に
騙し盗み奪ったものだけが
命の証となる
傷を負いつつ
醜美を焼き付けるか
身を惜しんで
半端な風に屈するか
何の為に生きる?
遺るものなど皆無と言うに
それでもと手を伸ばすもの
全ては雪のように
儚いと知って
それでもと希う望む
愚かであれどそれがひと
厳しい冬を超えられなければ
春はやっても来ないのだ
夜が晴れない
せめぎ合う感情が
クロゼットを浸してゆく
朝を纏えない
透き通るほどの感傷が
未だ舌に残っている
笑わないで
こっちを見ないで
僕が生きてるって教えないで
カメラほど精密じゃない
日記ほど正確じゃない
ただ仕舞われた
ただ遺された
傷
冷たい秋風
紅葉狩り
虫食いのない葉を
ふたりで探して
集めて
視界が真っ赤に染まった
綺麗な綺麗な赤だった
「もったいないね」と笑う
君の鼻も頬も真っ赤で
それがとても可愛くて
何だか私も笑ってしまった
そんな記憶を
掘り起こしてしまうほど
赤い
君のくちびる
どうしたの
なんて聞かなきゃ良かった
知らない声
知らない名前
知らない顔
知らない君
綺麗だよって
ごめんね、嘘だ
透明な季節を過ぎて
大人の赤に色づく君は
この手も届かないほど
遠くなってしまっていた
舞い踊るか狂気
なんと美しい、と息を飲めば
次の瞬間首が落ちていた
刹那の夢幻
逃避行
眼と魂を焼く燦々たる光に
心臓に
鋲を打ち込んで
嗚呼暮れない
日の落ちたあとの感傷が
止まない
完全なる悪意をもってして
たった今罰が下った
後の祭りの延長戦
それを諌めるコールドゲーム
潮騒のような歓声
目も当てられぬ惨状
メサイアすらもかぶりを振った
それは愚痴かと問われれば
否と答える他無かろう
洗脳だと気付いている
気付いていることに
あなたは気付いていない
「愛してるよ」
今日も今日とて
投げかけられる言葉
その瞳は私を見つめていて
それでいて空虚
知っているの
擦り減るほど唱えた愛
私を縛るための嘘
気付いてる
ここに愛なんか無かった
あなたから私への愛なんて
最初から
だから返す
「私もよ」
あなたを信じているんじゃないの
あなたを傷付けたいの
これは愛?
わからない
わからないけど、わかってる
これはほんの執着のたまご
知っているけど
知らせない
気付いてることに
気付かせない
そして
いつか咲かせる逆転の華
それが私のあなたへの復讐
ざらつく舌をなぞった
その嫌悪すら決して
知らせないままに
濁った瞳
見ていないのね
狂った日常
気付いていないのね
対象になる気概も無いくせ
likeでは済ませないのね
俯くことすら許されない
首を捻ることも
応えないことも
君の息の根
止めてしまわぬ様
怨みごとを全部
吐き出してしまわぬ様
今日を明日にするため
今日を終わらせるため
深く深く息を吐いた
夢見たのは私のいない世界
私がいなければ
上手くいなかった
こともあるでしょう
私がいなければ
上手くいったはずの
こともあるでしょう
私がいなければ
この世界は
それはつまらないでしょう
私がいなければ
この世界は
それは平和になるでしょう
私がいなければ
君がここに来る
ことはなかったでしょう
私がいなければ
君はここを去る
ことができたでしょう
私がいなければ
君は
幸せになれたかもしれない
私だけがいなければ
不器用な愛を
どうか受け取らないで
この手を
どうか握らないで
君が君でいるために
いつかきっと
君のいるべき場所へ
帰ることができるように
いつかきっと
こんな私のことを
忘れることができるように
淡い蒼いろの街をあるく
日はおちて
月がのぼって
金星がひかっている
透けてしまいそうな指先を
ぎゅっと握り込む
私はどこにいるのだろう
君はどこにいるのだろう
私はなにになるのだろう
君はどこに行くのだろう
探してみたけど
見つからない
追いかけてみたけど
追いつけない
空虚な先をすすみながら
振り返ることもできない
君の姿を確めるのが
怖くて
後ろに伸びた影を
見ないふりして
くらくなるのを待つ
まちがいを
見なくてすむように
正さなくて良いように
さてその仮定
この惰性で続けた
こんにちまでの日
憧れ妬みに嫉みに恨み
それらも全ては
愛ゆえの狂気
その視線の先が
何処へ向かおうと
きっと迎えに行くからね
私はアナた
挿れるためじゃなく
落ちるための
さぁ堕ちて頂戴
目指すは将来
分かっているでしょう
逃げさせはしないの
この手をどうぞ
どうか取って!
恐れていた病魔が
たった今目を覚ました
重く首をもたげた
膿の詰まったつま先が弾けた
燻ったままだった
腐りかけの生まれかけの
心臓を穿った
目を焼く光に心ごと焦がれた
その妄念に手を伸ばしていた
触れたが最後
触れたが最初
堕とされていた
生きていた
自覚していた
笑っていた
狂っていた
救われていた
届かない手なら
いっそ折れてしまえと哭いた
ただ目指した
誰に褒められようが
謗られようが
関係なかった
ただ目指した
目も霞むような天の頂を
ただ
ただ
それだけを見据えていた
けれど
ほんのひと刹那
その光のかたちを
捉えてしまった
それは到底
皆を照らす光などではなく
昏きに誘う闇などでもなく
思考を奪い心を焦がし
ソラに昇らせまいとする
光を知り
脚を掬い心を惑わし
奈落の底に留めんとする
闇を知り
それでもなお
震える脚で立ち上がり
眩しいほどに輝く
それはまさに
“偶像”
ああ
それは
そんなものは
魂が凍りつくのがわかる
冷静になれば気付いてしまう
まともになれば分かってしまう
研いでいる刃は
内から腐っていると
生を受けた時点
発った場所が違うのだと
この生には限界があり
そして
終点に辿り着いたとて
その頂点に届きはしないと
ああ
それならばと
声が涸れるほど
ただ
手よりも先に
折れてしまった心臓を
未練がましく抱えていた
空を見上げていた
右には地獄が広がっており
左には虚無が広がっていた
後は誰かが隠してしまった
前には何も無いというのに
青は
思わず竦むような群青は
進むしかないのだと
叱咤した
橋が落ちていた
空き家が連なっていた
森が燃えていた
道が塞がれていた
死体が転がっていた
誰もいなくなった
それでも
時計の針が止まっても
時間は進むしかないのだと
頬を伝う
それが傷に沁みる
過ちを
違えてしまった真実を
憎みながら
ただ足だけは
止めてはならないと
青が
誰かが
僕が叫ぶのだ
それはまるで
在りもしない夢物語のような
美しい情景
寄り道にもならない
そんな刹那に
酷く心を惹かれてしまって
まばたきよりも早く
目の前を通り過ぎていった
極彩色を
追いかけたくなった
その夢の
続きを描くのはあまりに無粋で
ifを書くのはあまりに虚しい
それでも
惜しいと思ってしまった
鮮やかで
ふざけていて
無意味で
それでいて愛おしい
幼稚でも
確かに素晴らしき
ひとつの世界
そんな
不安定で曖昧なものに
枠線で形作られた自由に
望むべくもないはずの希望に
一瞬の永遠に
あなたに
恋をした
貴女は何になりたかったの?
答えて、メアリー・スー
貴女は彼に愛されたかった
貴女は彼を愛していた
貴女は彼に愛されない
復唱して、メアリー・スー
貴女は彼に愛されたかった
貴女は彼のために偽った
貴女はエゴのままに偽った
答えて、メアリー・スー
貴女は彼に愛されたかった
貴女は貴女のかたちを捨てた
貴女は貴女の名前を捨てた
復唱して、メアリー・スー
貴女は彼に愛されたかった
貴女は彼に愛された
貴女はもう、貴女でなかった
答えて、メアリー・スー
貴女はそれで良かったの?
貴女はそれを望んだの?
貴女の望みは叶えられたの?
貴女は彼を愛していた
心の底から愛していた
彼が愛したのは貴女なの?
彼に愛されたのは貴女なの?
彼を愛した貴女はどこへ?
答えて、メアリー・スー
何もかもを捨てたもの
何もかもを失くしたもの
何もかもを忘れたもの
何者でも無くなったもの
誰でもない私
ねえ、メアリー・スー
君の本命になりたいな
君の本命になりたい
君から香る
知らないシャンプー
スクロールしきれない
新着メッセージ
ポストからはみ出た
ラブレター
サイズの合わない
汚いTシャツ
君から溢れる
知らないだれかの
どろり
君の本命になりたいな
最近ほんとに思うんだ
君の本命になりたい
どうしても
君を嫌いになれない
君を殺せない
贅沢は言わないからさ
せめて
君がその厚化粧を
落とす日が来たら
君が君でいたく
なくなったら
そのときは
君を繋ぎ止める術なんて
知らないから
ずっと傍にいたい
なんて言わないからさ
せめて
死ぬ時くらいは一緒がいいな
私が満ち足りない世界
握りしめる燻んだ一色
見上げるだけの虹
両手に掬い上げる誰かが
憎くてしょうがないけど
汚い薔薇色の吐瀉物
搾り出して
握り直す古びた鉛筆
残されたただひとつの道
何も無くて成すことなんて
到底出来やしないけど
完成しない
ハッピーエンド妄想癖
現実を見ろと何度
バッドエンドを突きつけられた
何でもない
言葉なんていらない
変わり映えなんてしなくたって
日の目を見ない
浮かばれやしない
劣等感に押しつぶされたって
マイナスで終わらせたくはないんだろ
何だかんだ奇跡を期待したいんだろ
下劣最低見苦しくても
これこそが私の最高点だって
最近
空が青くないんだってね
ざまぁないって思ったよ
今更お前に
興味なんざ無いけどさ
どうだい?
承認欲求を塗りたくった
自我を見せびらかして
裏切られた感想でもひとつ
溝でも浚って探してみなよ
唾飛ばして語った理想とやらを
ああ良い夜だね!とびきり
このご時世じゃ珍しいくらい
救われたい自覚があるから
救われない覚悟しといてよ
救われない私を笑って
救った気になってた愚かなお前
随分と平凡に生きたものだ
なんて自分で思う
気怠い生ぬるさの中生きている
死ぬ気なんかひとつも無いまま
悔いのない生涯なんて不可能だ
だって時間が足りないのだから
何を成すにも
造るにも
終わらせるにも
人生はあまりに短いのだ
納得のいく幕切れは
どうやら期待できそうにない
しかし
それでも
限られた時の中で
満足なんて夢と知って
悔いのまま死ぬとしても
無駄に無力に生きるとしても
それでも足掻くのが
人間というものなんだろうか
それならば
なんて素敵なことだろう
形だけの心臓なんて
いらないわ
真っ赤に脈打つ中身なんて
とっくのとうに当の貴方に
盗られてしまっていたんだもの
雨風に晒される
冷え切った身体
きっときっと明日こそ
そんな期待を踏み潰されてきた
初めて触れた確かな温度
それがたとえ
幻であったとしても
ええ
好きなようにすると良いわ
心は此処に
貴方と共に
今
視界に広がる浮ついた目
後悔に怯え震える眼が
それでも良いと迫るのならば
心臓なんていらないの
ああ、きっと今
たった今失くしたの
傘を
肩にぶつかる水の弾丸
冷たくて
染み込んで
もう二度とは拭えない
救えない
ええ、分かっている
防げない
寒さも不快さも
笑えない
笑えないの
あなたがいなきゃ
私病んでしまうわ
雨に打たれて生娘のように
咳をしては愛を吐いて
嚔をしては哀と泣いて
それでも駄目なの
あなたはもう
傘をさしてはくれないの
もう、何度目かの恋をした
彼には大切な人がいる
私よりも
誰よりも
自分でさえも二の次なほど
とってもとっても大切な人が
私はどうしたって一番になれない
いつもそうだ
ずっとそうだ
今までの全ての恋は、
恋以外のなにかに破られて
私はいつだって
蚊帳の外で
視界にすら入れない
思考にすら入れない
私の存在は埃の一粒に等しい
見た目を磨こうと
内面を磨こうと
何もかも、
意味はないと知っている
知っているのに
また、恋をした
それはまるで、
寄生虫のような
蠢く恋
意志など端から無かったように
あなたのために生きている
わたしの中で
あなたが生きている
脈動している
支配される身体
侵されていく
すべて
あなたを離さない
寄生する恋
心臓に絡みつく脈動
あなたの
細胞のひとつまで
足元をすくわれたように
一転する視界
ぐらりと揺らいだその先に
眩しく煌めく光のかたまり
それが何だか
ものすごく美しく見えて
ものすごく哀しく思えて
ものすごく欲しくなった
追憶するは在りし日の夢ごと
あの頃はただ虚しくて
纏わり付く光の粒が妬ましくて
瞬きさえも鬱陶しくて
涙も枯れるほど
恋焦がれていた
人生の根本から
すくわれてしまったように
あなたに出会って
変わり果てた人生
それは存外、悪くない
ヒーローになんてならないで
偶像になんてならないで
誰かの理想が貴方を汚す
誰かの想いが貴方を縛る
誰かの祈りが貴方を×す
ヒーローになんてならないで
誰かを救おうとなんかしないで
御伽に騙られた貴方は まるで傀儡
あんなに輝いた過去は
今や曇り硝子の向こう側
差し伸べた手は千切れてしまった
掬い上げた腕は捥がれてしまった
守ろうとしたものは
何処
ヒーローになんてならないで
笑いながら泣かないで
きっと貴方も救われたかった
ねえねえねえ
あなたにわたしは救えるの?
ねえ
あなた わたしを救ったつもり?
ママはわたしに優しいの
嫌なことなんにもしないのよ
良いこともしてはくれないけれど
それでもわたしはしあわせよ
パパもわたしに優しいの
上手くできたら褒めてくれるわ
失敗したらきつく叱られるけど
それでもわたしはしあわせなのよ
ねえ
しあわせなのよわたし
しあわせだったの
知らなければ
知らなければしあわせだったの
ねえ
ここに愛が無いだなんて
どうしてそんなこと言うの
どうしてそんなこと
どうしてそんな ひどいこと
幸せな夢から引きずり出して
汚い現実に顔を漬けさして
『お前のいた場所はこんなにも』なんて
ねえ
ねえねえ
愛してくれるわけでもないくせに
救ってくれもしないくせに
どうしてくれるの
ねえ
後悔しています。
340:レミング◆yc:2023/01/17(火) 22:55 月が綺麗だね
今日はどこまで行こうか
昨日より遠くへ行こうよ
空気がつめたくて気持ち良いね
鳥がとまってるよ
水辺がキラキラしてる
風が吹いているね
雨の匂いは久しぶりだ
花が咲き始めたみたい
街灯が無くてもよく見えるよ
いつからだろうね
星が瞬いているよ
いつからだろう
月が欠けないね
いつから?
君はどこにいるの
太陽が昇らなくなったね
人の声が聞こえなくなったね
毛布がないと寒いね
光が眩しいね
君はいつから喋らなくなったの
君はいつからここにいたの
昨日はないよ
明日もないよ
君とずっと今日のまま
ずっと消えない夜のまま
変わらない景色に歌でも唄おう
君が寂しくないように
僕が消えてしまわぬように
またいつか
君と笑って出会えるように
ああ!
全くもって許し難いねその愚行
反撃も意図してない?
それこそ愚の骨頂!
売られた喧嘩は高く買おう!
さぁルーラー、
すぐさまレートを上げてくれ!
是非最高値で買ってやるから
言い訳は無用?
正当防衛まで割愛かい
ああまるでやってらんない
幸先はお前の屍のその向こう!
突然の暗転
お涙のヒステリー
ほら次第にメランコリー
聞くも語るも失笑まじり
散々な人生なんです
デバフなんかも盛っちゃって!
平均以下を誇っちゃって!
さてそろそろ競りは終わった?
感性マグロちゃん!
あんたのいない寝覚めが嫌いだ
呟けば
一秒待って へらりと笑う
気に食わない
緞帳は降りている
最初から
ここはぼくらの独壇場
誰にも邪魔されない
誰にも見つからない
星が舞う
雨がふる
それを見ている
たにんごと
あんたの隣でしか
息が吸えない
カーテンが揺らめく
真空
ブルーサイダーの夜
闇夜を照らす
あなたの微笑み
その輝きを閉じ込めた幾億の宙が
今夜もあなたのためだけに歌う
星々の瞬き 交響曲
それらを指揮するのは私
あなたという光に導かれて
無粋に彷徨う陽光は
やがて喪われるのでしょう
白夜の微睡み
永遠の彼方
繰り返す音色に身を委ねて
朝の来ない儘
夜に囚われた惑星で
いつまでも
あなたを歌っていられたなら
狂える綺羅星の煌めきに
網膜を焼かれた者同士ならば
あなたの創る私の旋律が
この宇宙の全てを彩る
美しい夜に祝杯を
明けないように鍵をかけて
永遠の真似事をしよう
金星を醒ます歌声を
君だけに聴かせてあげる
緞帳を降ろして
カーテンを閉めて
この舞台は僕らだけのもの
拙い演技などやめてしまって
僕は君の小夜曲になりたい
迷える仔羊に暖かな光を
眠れぬ君に甘ったるい闇を
穴兎の白昼夢
恍惚と憂鬱
紛い物の救いをもう一度
星座のパレードを眺めながら
片手間の愛でも語り合おう
どうせこの世界は終わるのだし
神様ぶった僕の仮面を
どうか君だけが撃ち抜いてしまって
あなたがあなたという光であり続ける限り
私の世界はずっと美しいままだ
『アッブルパイの唄』
・おいしいよな
アッブルパイ
大好きなんだよ
美味しいのに
理由なんかないさ
単純に好きなんだよ
大好物さ
甘ずっぱい
カリッコリッの
毎日たべても
あきない
アッブルパイ
『三つ葉の付箋』
・ボクの三つ葉の付箋
三つ葉の付箋
ボクのだよ
すごく大切にしてるんだ
あの机の上の本に
挟んでいる
付箋だよ
ボクの付箋
>>346 >>347
無邪気な子供のような、可愛らしい詩ですね。
真っ新であどけないようでいてどこかノスタルジーを感じ、ふと子供の頃を懐古してしまいます。
空中ブランコで宙を蹴った
土星が泣いている
君が玩具を取り上げたから
沸き立つ雲は
燃える快晴は
みんな君を責め立てていた
被害者だった
そんなような気がしていた
帰り道には飴を買って
水銀製の蛇口で手を洗おう
ひとり多い遊戯場から目を逸らして
ちゅうぶらりん
インスタントカメラには映せない
焦燥 懐古 狂悦
二度と帰ってこないでね
虹が滲んだ雨上がりは
もう全く煙ってしまっていて
君の顔はわからなかった
青と藍の境目を探そうか
斑模様にピントが合わないうちに
夏と冬の境目を探そうか
飽きが来ないうちに
浮かばれない声が
聞き取れないうちに
貴方だけを見ていてあげる
鍵穴の外側から
孤独な貴方を
惨めな貴方を
大好きな貴方を
亡霊なんかに盗られた貴方を
怨嗟と呪詛が聞こえてくる
鍵穴の向こうから
私はそれを子守唄に
今日も眠りにつこうと思う
貴方は夜な夜な吐き出している
切らなくても擦らなくても
吐き出されるそれは
紛うことなき血の想いだ
飲んであげる
苦くて酸っぱくて
嫌な匂いのするそれを
全部残らず飲みほして
私の喉を焼いてあげる
ね
貴方 私を好きだと言ったのにね
月明かりに夢見てしまったのね
可哀想な人
ねえ
まだ許してあげるから
少しだけ私を見てちょうだいよ
まだそこに戻ってあげるから
みんなみんな忘れてあげるから
ねえ
ねえ……
貴方が死んだら
そうしたらきっと私
貴方のお家に行って
貴方の嫌いな人を
みんな残らず殺してあげる
棺桶に眠る貴方を見て
鼻で笑って
攫ってあげる
空っぽの底に
菊の造花を一輪残して
だからね 今日も見守ってあげる
鍵穴を覗いて
饐えた匂いの箱庭に
たったひとり閉じ込められた貴方を
ずっとずぅっと見ていてあげる
桜の樹の下には
今日に至るまで
何度繰り返された詩だろう
桜の樹の下には死体が埋まっている
憂鬱の彼は考えたのだ
満開の桜があまりに美しいから
それには対価があるに違いないと
桜の樹の下には死体が埋まっている
では、
桜を前にしてなお輝くばかりに美しい
あなたの足元にも
死体が埋まっているのだろうか
桜の樹の下には
あなたが踊るように歩む
全ての道の先にも後にも
死体が埋まっている
それを足蹴にしておきながら
養分を吸いさえしない
あなたの完璧な美しさは
あなたのみで完結する
あなたの下には
淡い花曇りの空の下
咲き誇る幾万の花の下
死体が
色素の薄い虹彩が
全ての輪郭を溶かす
埋まっている
桜の樹の下
その上に立つあなたの足元には
死体が埋まっている
風に乗って運ばれる微かな香りに
満開の桜さえも霞むようなほほえみに
あなたの足元になら
埋まってやってもいいとすら思った
あなたの下に
あなたの
花弁を踏みつける足取りの
なんと軽いことか
救いの無い因果だと吐き捨てた
安酒の酔いは未だ醒めやらず
洗浄しきれない橙が
喉の奥に溶け残っている
盛り立てた奇跡は
感謝さえ取り溢して
水溜まりに映る空中庭園にすら
希っていた
明る日の後悔が呼んでいる
帰り来る憧憬が死んでいる
投げ出すこともできず、
ただ百年後の白夜に怯えている
砂粒ほどの結晶が
空気を圧縮した白色が
あの日からずっと
俺を責め立てている
双葉はもう芽を出さないよ
お前が摘んでしまったから
レコードは音を紡げないよ
お前が初めを壊してしまったから
あの子はもう戻って来ないよ
お前があの子の匙を奪ってしまったから
お前があの子の朝を奪ってしまったから
救いは
あったはずだった
お決まりの因果だと吐き捨てた
朝の次には昼が来て
昼の次には夜が来て
起きれば朝になっているのだから
それらが地続きなのだと
てんで疑いもせずに
例えば
雨の夜にワルツを踊るとか
ふたりでドレスを着るだとか
一度死んでみたりだとか
あなたとしかできないようなことがしたい
あなたとしか分かり合えないことがしたい
甘い甘い瞬きは
まるで永遠みたいに感じられて
子どもの頃みたいに笑いたい
恋するみたいに死んで生きたい
そんな
そんな ふたりだけの箱庭
屋根裏部屋より微かな光
糸を紡ぐより微かな音
ただ流れ合う時間だけを
あなただけを いつまでも見つめていたい
カーテンを閉め切って
光さえも締め出してしまって
無粋な言葉なんかも無くて
今更何を言ったってきっと
あなたに似合いの言葉なんて
存在しやしないのだから
ただ
私があなたの名前を呼んで
あなたは何も言わず
そっと心音を寄越すような
そんな
ふたりだけの箱庭
昨日昇っていたはずの
太陽の色が思い出せない
最後に空を見上げたのは
いつだった?
最後に眩しさに目を細めたのは
いつだった?
最後に、あの青色を見たのは
鉛筆で描く空には
綿のような雲があって、
歯車のような太陽があって、
夜空には三日月が浮かんでいて、
五芒星をいくつか散らして、
その全ては
一体いつから記号になったんだろう
今日昇っていたはずの
太陽の色が思い出せない
明日はまた見られるだろうか
まだ間に合うだろうか
あの歯車でない太陽を
熔岩の星でない太陽を
まだ、私は、私のこの目は、
太陽好きっすね✋️
356:レミング◆yc:2024/11/07(木) 17:01 >>355
同意していただけるのですね。
私は太陽が好きです。私の愛する世界の全ては、太陽の反射光で構成されているので。
いっぱい文字書けてえらいね😅
358:レミング◆yc:2024/11/19(火) 00:42 >>357
ありがとうございます。
一行以上文字をしたためると心が落ち着きますよ。どうか試してみて。
あなたは秋が似合うね
郷愁って、ほら
秋が入っているから
私きっと
あなたの胎から生まれたの
だから還りたくて私
あなたを見ると悲しくなるの
疑ったことなんてなかった
あなたのいない人生なんて
思ってもみなかった
考えたこともなかった
だって私
あなたの腕の中じゃないと
息ができないの
落ち葉を踏む
私は今外にいるんだっけ
それとも心の中にいるんだっけ
なんだか夢みたいなの
平衡感覚も失って
もうてんで現実味がなくって
女の心は秋の空、とか
ねぇ、嘘みたいね
だって私の心は生まれてこの方ずっと
変わったことなんてないのに
ぐらりと視界が回って
ねぇ、私泣いているの?
それとも転んだの?
教えてくれないとわからないの
あなたが教えてくれないと
なんにも
終末を過ごすなら
あなたと一緒だと思ってたの
花が落ちたのを報せるのは
葉が舞うのを隣で眺めるのは
目が覚めて最初に見るのは
目を閉じる前に最後に見るのは
生まれ変わっても出会うのは
純白のドレスを着るのは
一生をかけても誓えるのは
おはようを言うのは
おやすみを言うのは
この人生のタイトルになるのは
鮮やかな紅葉が散らばる
赤いままで朽ちていく
色づいたまま
褪せないまま
きっといつまでも
このままずっと
ねぇ、私
ずっとあなたの一番だと思ってた
あなたが死んで未だなお続くこの世界の、
なんと情緒のないことでしょう