【しばらく来れなくてごめんなさいっ‼】
>>137
「…それが出来れば、こんなこと、してない」
小さくはあったが、強い意志がこもっていて。
「根元を折れるなら最初からやっている。でも無理なのよ。この奴隷法に黒幕なんていないし、あまりに規模が大きすぎる。…私たち解放者は、確かに上の存在。だけど、それがどうしたって程度なの。私達ができるのは開放のみ。奴隷からすれば凄いのでしょうけど、世界を変えるほどの力はない。……つまりは、私の、力不足…。だから、一人一人でも、それがたいしたことない事でも、私は開放を進める」
その表情はよく見えないが、とても悔しそうだ。
どうやら本心を言っている。
彼女もこの世界がおかしいことには気づいている。
しかし、何億何万といる奴隷、奴隷主、闇人…それらを全て変えるなど、
解放者であっても難しいのだ。
「それに、中には奴隷が生きがいって奴もいるしね。私が望むのは、皆が幸せな世界。ありきたりだけど…。それが私の望む世界だから。奴隷のままがいいっていう奴がいるんなら、その法を無くしてしまってはそいつに悪いわ」
奴隷のままを望む者もいる世界。
面倒臭いものだが、彼女はそれも含めた上で今を保っているのだ。
>>138
「へぇ、それは楽しめそう。でもごめんなさい。…私が勝つ」
そう断言する。本気のようだ。
>>140 葡萄
奴隷が生き甲斐? そんな考えが、本当にあったなんて……。通りで奴隷制がなくならないわけね。
(奴隷制に黒幕などいない、でもなく自分達には開放しかできない、でもなく自分の意思で隷属を望む奴隷の存在に何より驚き。解放を望み、解放者によって望みを叶えられた者はまだいい。奴隷解放を解放者の特権とする事には疑問を持っているが、まだいい。ただ、奴隷のままでいることを望む者がいるのは理解できず。自分の意思を持っている様で自分の意思を持たず、ただ主人に従うだけの楽な道を選んだ奴隷は、自分達が奴隷制を維持してしまっている事に気づいていないのだろう、と表情には出さず呆れ)
>>141 イリア
じゃあお言葉に甘えて。やりもせず、やらせもせず諦めて、得られるかもしれない可能性を切り捨てるのは愚かじゃないのかしら? 愚かじゃないなら何なのか、是非ともご教授願いたいわね。
……蔑まれて心理戦に強くなるなら大抵の奴隷は心理戦に長けてる事になるんじゃない? 用事が無いならもう行くわ。どれだけ心理戦に強いのは気になるけど、今は……ふふ、調べ物を優先したいの。
(半透明の板をさらに浮き上がらせ、いつでもアトリエに戻れるよう準備を整え。実際の所、環のイリアに対する興味は指名手配されない、戸籍のない犯罪者という一点以外かなり薄れていて。冷徹ぶった仮面をひん剥いたら闇社会の下っ端にも及ばない、年相応のお嬢ちゃんが出てくるとかならまだ面白そうなのだが、この手の相手は子供扱いすると子供扱いするんじゃない、と子供っぽく癇癪を起こすのがオチだろうと考え。この考えもきっとイリアはお見通しなのだろうが、蔑まれた奴隷は自分一人と言わんばかりのあの自信満々っぷりはひょっとして本当に子供扱いされたくない、子供っぽいタイプかな? と思いつくと途端に微笑ましくなり、ついつい笑いが漏れ)