>>189
隠れていたつもりだったので桜空に声をかけられたことに驚いたが、予想外の出来事についていけず気配を消し忘れていたことを反省する。
「いえ、知らない人ですがあなたを助けに来たわけでもないです。というか、今はそれどころではないでしょう・・・」
動揺していることに気づかれないようにそっけなく返事をする。
声をかけてきた人物を湊はよく知っていた。彼女が崇拝する氷華の弟である桜空を湊はあまり良く思っていなかった。
>>190
仮面の人物
「ふむふむ、今のファーストなら簡単に壊滅させられると思っていたんだけど……これは認識を改めた方が良さそうだ。」
まるで空間を切り取ったかのような灰色のキューブの中にいる仮面の人物が二人を見て、口を開く。
その人物は声も中性的で、話し方にも男女の特徴が見られず、素性や素顔はおろか、男なのか女なのか、はたまた人間なのかどうかですら伺い知れない……
桜空「だが正直な話、どうやらそこのそいつとは違って、俺に敵意をむきだしているわけでもなさそうだ・・・・・」
(謎の不気味な人物とは違い、自分は敵として見て、そして今にも命を奪おうとしているわけではなさそうだと、謎の人物と湊をちゃんと敵か味方かを区別して答える・・・・・
正直、まだ素性がわからない相手と危機を脱しようとしているというのも変な話ではあるが、湊からは特別自分を敵視しているとは見えなかったあんしんかんから安心感があるのか、それとも別のものを感じたのか・・・・・)
桜空「・・・・・なぁ、一つ、質問してみてもいいか・・・・・?」
(今のファーストなら壊滅させるのも簡単だと思っていた相手に向けて、目的などは聞かずにまず真っ先に一つ質問をしてみてもいいかと言葉を返す・・・・・
桜空は何かを感じたのか、相手を睨んでいる・・・・・)
>>191