rk 【エンジュ×シンデレラ】
>>104の続き
「まず、手紙を出したのは僕だよ。
それから…君の事は、森で見て、一目惚れしたんだ。それから君の事が頭から離れない。愛してるよ」
「なにこのひと怖い」
質問に答えていくエディ。
今の話をきく限りでは、一目惚れした、名前も知らぬ相手に毎晩熱いラブレターを書く変態(超絶美形)
シンデレラはかなり警戒しつつ、残った質問を再度繰り返しました。
「…っそれで、魔王って、どういう事なの?
私の知ってる魔王くんは、そんな甘く微笑んだりしないわよ」
さりげなく魔王をdisりつつ、一番聞きたかったことに触れると
「ああ。彼は国に雇われて『魔王』を
名乗っているだけだよ?
世界創造の時から、魔族を統制してきた僕が、本物の魔王。」
これはとんでも事実です。
「表舞台どころか、人間と会話したの君が初めてだし、存在は知られていないけどね。」
それもとんでも事実です。
確かに、エディが存在すると
知られていれば、魔王様は『魔王』で
いられなかったでしょうけど。
「で、これで質問は終わりだよね?
僕と婚約してくれる?」
「お断りします」
「子供は二人欲しいね、シンデレラ」
「私は子供が嫌いです」
考えることを放棄したシンデレラは、
エディとの、中身のない会話を続けることにした。
「おやどうして嫌いなの」
「私が子供ですから。自分のこと嫌いなんですよ、私」
「僕は好きだよシンデレラ」
「私は好きじゃないですけどね。」
rk 【エンジュ×シンデレラ】
>>106の続き
「じゃあシンデレラは、どんな男が好みなのかな?」
口をつんと尖らせたエディが、シンデレラに問いかけます。
初めて顔を会わせたあの日以来
三日に一度だけ、森の奥で会っている
エディとシンデレラ。
(『魔王様を殺されたくないよね?』
という脅しに屈した)
「魔王くんみたいな人です、というか魔王くんです」
「俺かぁ、照れちゃうな!」
「違います。」
「じゃあ具体的に特徴を言ってよ。性格とか外見とか…」
めげないエンジュはごねります。
そんな彼に、シンデレラは淡々と答えました。
「自分で選んだ、誠実で優しい、私よりも長生きしてくれる男性が好きです」
「…それ、だけ?」
「はい。」
「他には、なにも無いの?」
「私を愛してくれたら、更に嬉しいですね。」
相思相愛って、奇跡じゃないですか?
そう言ってシンデレラはふわりと微笑みました。
その笑顔にたまらなくなり……
初めて彼女を見た日から、ずっと我慢していた事を聞いてしまいました。
「……魔王は、君を愛しているの?」
その問いに、シンデレラは一瞬固まりましたが、まばたきし終える頃には再び元の笑顔に戻っていました。
【そんなの、私が一番知りたいです】
唇が、そう動いた気がしました。