「脳界探人」
彼の者の
脳界は
実に不思議だ
階段は
階段の意義を
成してはいなかった
空の色は
目眩がする程の
橙と黒が
白砂を歩いていたら
生物は住んでいない
汚濁な海で
否 生物はいた
生きていない物だったが
コクリコの様に
赤い森の中で
桃色の象が
酔っ払いみたく
機嫌良く踊っている
近付いたら
頭蓋を
潰されそうに
良く見たら
怒って
暴れているのだった
危ない 危ない
案内の
猫と足跡が
跡絶えた
目の前に
杉の木と鋸が
切り倒したら
元の世界へ
帰れたが
戻れなかった
第拾弐部
『釘と標本』
>>134
『脳界異探』
>>135
『言ノ葉の魔法使い』
>>136
『傲慢女王 首バケツ』
>>137
『叶わぬ夢は己為の娯楽』
>>138
『脳界探人』
>>139
『炬燵漫談』
>>140
『賽子賭天獄博』
>>141
『達磨の愛し君』