(7章)
↓
木の下にて
惰眠を貪る
狼は
まだ知らない
己に迫る
磨羯による怨嗟の音が
狼を見つけた母山羊は
裁縫鋏で
狼の丸腹を切り裂いた
わらわら出てくる
母山羊の子ら
代わりに何を詰めよう
そうだ石を詰めよう
いっぱい詰めよう
ゴロン ゴロン入れて
ギュウ ギュウ押して
縫い 縫い
縫い合わせて
母山羊達去りし後
眠りから覚めし狼は
気付かない
腹の中身が
子山羊から石に
なっている事を
第惨部
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『磨羯鋏』(狼と七匹の子山羊)
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『御伽語 猿蟹奇譚』(猿蟹合戦)