(1章)
堅実に生きる妻
せっせ せっせと
家の事
現実を見ずの猟師夫
今日もまた
獲物が捕れずの木の実だけ
あくる日
夫が帰ってきたら
其処には妻と握り飯
これは旅人の置き去りし物
妻は妻の親族から
言伝を
あんな奴に食わせるな
家でただ威張るだけしか
能が無い奴なんかに
夫の手には柿の種
何かを思いついた
交換しよう
種と握り飯を
種はいつか実に生るが
握り飯は増えりゃしない
そんな理由で取り上げた
目先の利益に囚われる夫に
将来の利益を得た妻よ
第惨部
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『磨羯鋏』(狼と七匹の子山羊)
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『御伽語 猿蟹奇譚』(猿蟹合戦)