「なあ、お前さ、ヤマザキ……って覚えてる?」
「ああ、いたよなあ。教室の隅にいるタイプだったよな」
そうか。だから気が付かなかったのか。地味なヤツの顔なんて、俺がいちいち覚えているはずがない。あいつが俺を覚えていたのは、人気者だったからに他ならないのだ。
「もしかしてお前、覚えてねえの?」
友人が俺に驚いたような顔を向けてくる。だからなんだ、今納得したばっかりなのに。覚えてるわけないだろと言うような視線を投げると、友人はさらに
怪訝そうな顔になった。
「いつもお前に引っ付いてたじゃん、あいつ。まあパシリみたいな感じだったけど。……マジで覚えてねえの?」
「……そういえば」
いたな、そんなヤツ。
眼鏡で前髪めちゃくちゃ長くて、女子には避けられてて、何故か俺になついてたヤツ。
「でも、俺が見たヤマザキはそんなんじゃなかった」
俺に声を掛けてきたのは、野暮ったい前髪も無くて、ダサい眼鏡も無くて、通るだけで女子が色めき立つようなヤツだった。
おかしい。どう考えても、おかしい。
「へえ。イメチェンしたのかなー」
地味だったヤツが俺よりも人気者になってるなんて。そんなおかしな話、あっていいはずがない。
その後の友人の話なんて、一切耳に入って来なかった。
*
>>124の〜〜ノリと愛でかいた
>>125,>>127, ひと段落するまで続けようと思う 多分ね
>>125,>>127,>>129/元地味男と元王子様のはなし
>>136,>>127,>>138/殺し屋さんと中学生のはなし
続けるんだか続けないんだかって感じ 多分続かない
>>125,>>127,>>129,>>152,>>165/元地味男と元王子様のはなし(人を選ぶ話なので迂闊に見ると死にます)