紫色の花びらが降り注ぐ。
フワフワと舞っている。華麗で、でも慎ましやかだ。
「東海林カズマ.....」
自分の名を、呼ぶ声が聞こえ、ゆっくりと振り返った。
「虚無を恐れるな。」
低くて、体の芯まで響く声。
普通だったら、怯えて返す言葉もないのだろう。
「.....別に恐れてねーよ」
白い、帯のようなものがするりと舞い降りてきた。
それを、撫でながらぽつりと呟く。
「なるようになるだろ」
嘘。
ほんとはそんなことは思ってなどいない。
「ギアクロニクルの特異点.....新導クロノはお前を助けようとしている。」
そうだろうな。
だってずっと信じてる。
あいつが、助けに来てくれるって。
帰ってこれたら、また一緒に笑いあって、あの生意気な中学生と激辛でも、大食いでもなんでも食べに行こう。
そんで、また騒ごう。
兄さんを連れていくのも面白いかもしれない。
あの完璧超人の兄さんが、どんなリアクションをとるのか。鬼丸家のたっかいカメラでその映像をおさめてやろう。
くくっと笑いを漏らすと、白い帯ーーーもといギーゼの一部は、すっとカズマから離れていった。
【紫のアネモネ】
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ヴァンガに沼ってください(呪い)