「随分と余裕だな、器よ。」
そりゃあな。
ふっと一つ笑い飛ばして、不敵な笑みでこの空間のどこかにいるであろうギーゼを睨み付けた。
「あいつは.....俺たちの新導クロノは、」
「お前なんかにゃ負けねーよ」
刹那ーーー、一瞬離れたと思ったギーゼの一部が、カズマの首に巻き付いた。
「.....貴様は死ぬ運命にあるのだ。」
静かな声。怒りにうち震えた声が辺りに響く。
首の触手は、カズマを絞め殺そうと強く締め付けてきた。
声にならない悲鳴が喉の奥の辺りで鳴った。
ギーゼの一部を引き剥がそうとするが、さすがに自分の何十倍もの体格差の相手を引き剥がすのでは、分がわるい
「がはっ.....」
やべー。死ぬ。
どこかに客観的な自分が中にいる。
「虚無は、無色透明。.....この世の中のすべての悪事、悲しみ、後悔、痛み.....それらを無に帰することが可能。」
触手に精一杯爪を立て、へぇそうかい、となお挑発的に返事を返す。
「もちろん、貴様の過去も無に帰るだろう。」
俺の過去.....?
【紫のアネモネ】
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ヴァンガに沼ってください(呪い)