「何で、電車の中でもジャンプしてもふっとんでかないんだ?」
少し鼻にかかるような青年の声。
「そこ、あんまりテストに関係ないですよ!まず公式を暗記してください!」
明るい、活発な少年の声。
ここは、都内の病院。
その一室に、ストライダーズは集まっていた。
「カズマさん.....まだ起きませんね」
ひとり意識がないわけではあるのだが。
クロノは、タイヨウの声を聞いて少し辛そうな顔をした。それでも、にっと笑って答える。
「絶対、目覚ますっての!いま寝てんのも、狸寝入りだったりしてなー。」
「カズマさん、寝坊常習犯ですからねー」
うんうん、と頷くタイヨウを横目に見ながらまた物理の教科書に目を移す。
ギーゼを倒してから、数週間が過ぎた。
カズマは、まるで死んだかのように眠っている。
その顔があまりにも儚くて。本当に死んでしまったのではないかと何度考えたことだろう。
クロノは、ぽっかりと、胸にとてつもなく大きな穴ができたかのようだった。
本当はずっとカズマの側にいたい。
それでも学校にはいかねばならない。
もどかしい気持ちを抱えながら、クロノは、ただぼんやりと教科書を眺め続けた。
【紫のアネモネ】
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ヴァンガに沼ってください(呪い)