時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

248: アーヤ◆TQ:2017/09/24(日) 17:27

恋する乙女だよね
今の夏音は沖田さんと土方の二人のお陰で良い感じに気になる展開だよ。

それにしても今度は何処になるか楽しみ

249:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 18:34

>>248 ありがとう!次のタイムスリップ先は、どこにしようかな・・・(笑)

250:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 18:42

「なっ、何で!?」

信長さんはごくふつうの顔で、

「この時代は、夏音たちには似合わない。血で血を洗う、そんな力ずくの時代だからな」

ふうん・・・。
信長さん、冷静にこの時代を見極めてるんだなぁ。
お市さまと茶々ちゃんたちと別れるのは、嫌だけど・・。
信長さんの言うとおりだから、帰らないといけない。

「信長さん、ありがとうございます」

「それよりも、夏音の母上はいるのか?」

えっ・・・??
お母さん??
・・・そういや、姿が見えないな。
と、猿顔の武将が信長さんに駆け寄った。
あとで知ったけど、この武将は豊臣秀吉だった。

「殿、この者がさっきから・・・」

武将の指した先には、お母さん!
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
私は、どしどしとそっちへと向かう。 

251: アーヤ◆TQ:2017/09/24(日) 18:55

何をし出かしたの

252:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:04

>>251 ありがとう!さて、お母さんは・・??

253:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:15

お母さんはノホホンと、タイムスリップマシーンをカチャカチャいじってる。
私は精一杯怒りを押し殺して、聞く。

「・・・どこに行ってたの?」

どれくらいドスが利いてたかは、隣にいた侍が震えたことから分かるよね。
お母さんはまったりと、

「ん〜。秀吉さんと会ってただけ〜♪」

私の肩から、力が抜けた。
この人は・・・!
『集団行動』とか『協力』に一番、遠い。

「ホントに、会ってただけ?歴史、いじってない?」

「大丈夫〜〜♪それより、はやくマシーンに乗った方がいいよっ」

なぜ?
お母さん、なにかたくらんでる?
お母さんはわざとらしいくらい真面目な顔で、

「ほぉら!あと、30秒で乗らないと置いてかれるよ」

疫病神は、飄々と言いやがった。
新撰組のみんなを呼んで、マシーンに乗り込む。
マシーンの窓から、お市さまと茶々ちゃん、初ちゃんと江ちゃんの姿が覗けた。

「さようなら」 

お市さまがそう言ったのが、かろうじて聞こえた。
お母さんが張り切ったように、“○○時代”のボタンを押した。
激しい風圧を感じる。


(Bへ続く)

254:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:20

あとがき

ハイッ、中途半端のところで終わりました!
お母さんが押したのは、果たして何時代でしょうか?
話は変わりますが、私は歴女です(キッパリ)!
そのため、このシリーズを書いてるときがスゴい楽しいんです!
今回は、織田信長、最後に豊臣秀吉が出て来ました。
徳川家康は出るのか!?
・・・とまあ、次をお楽しみに。
Bでは、沖田さんとの距離を修復できるか、土方さんと接近するのか。
恋と歴史のドキドキを、伝えられますように。
最後になりましたが、コメントをくれた皆さま、ありがとうございます。
これからも付き合っていただければ、幸いです!  

255:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:26

『時を駆けて、初恋*します。』B

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。
しっかり者。
沖田さんとの恋で、最近変わり始めてる・・?

沖田 総司
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
最近、夏音と不協和音が流れてる?

土方 歳三
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
夏音に想いを寄せている。

近藤 勇
新撰組の局長。
幕末からタイムスリップ。
夏音の兄的存在。

藤堂 平助
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。

永倉 新八
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。

城里 茜
夏音の母。
無責任で、侍と絶賛恋仲中。


幕末からタイムスリップ。
茜と絶賛恋仲中。
長州の藩士で、今回、名が判明・・?

256:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:37

1,江戸幕府初期!?

「ね〜、お母さん」

私はニッコリ笑って、お母さんに聞く。
やっぱり和やかに聞かないとね。
お母さんもニッコリ微笑んで、

「なーに、夏音」

と、聞き直す。
私は笑顔のままで、

「何時代を押したの?」

お母さんも笑顔で、

「江戸時代の初期だよ☆」

そっかぁ〜、江戸時代の初期ね〜・・・。
私は笑顔をなんとか作って、お母さんに言う。

「・・・・なんで初期なの?」

お母さんはやっぱり笑顔で、答える。

「徳川家康さんを拝みたいから」

私は笑顔をかき消して、お母さんの頬を引っ張る。

「拝みたいから・・・?何よ、そんな理由!」

「ふぉふぇてぇ(止めてぇ)」

ふんっ!
止めるもんか。
娘に言うことはないのか!  

257:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 21:20

2,家康さん

はあっ。
お母さんの相手は疲れる。
ため息を吐いて、タイムスリップマシーンから出る。
新撰組のみんなはもう、外にいる。
外に出ると。

「怪しい!大御所さまのところへ連れて行く!」

なぜ!?
でも、永倉さんを見て納得。
綺麗な女の子の手を握ってる。
女の子、逃げようとしているけど永倉さんは離さない。
しかも格好的に、微妙に違うから怪しいよね。
沖田さんが、

「家康公と会える・・・」

感極まったような声で、つぶやく。
私は微妙。
だって、家康さんは豊臣氏を滅ぼしたもの。
つまり─────茶々ちゃん(淀君)を殺したことになるから。  

258: アーヤ◆TQ:2017/09/24(日) 21:28

凄い展開で、これからどうなるのというか頬をつねったりマジ可愛い親子だね。

それに永倉さんって、もしかしなくても女たらし

259: アーヤ◆TQ 李斗?、会長?、副会長?のどっちが好みで好き?:2017/09/24(日) 21:33

あと、私も更新しました。

260:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 21:33

>>258 ありがとう!うん、女たらし(笑)
決してシリアスキャラにはなれない(笑)

261:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 21:35

>>259 おおー!読むね〜!李斗くんが好みかな(´V`)♪

262: アーヤ◆TQ 李斗?、会長?、副会長?のどっちが好みで好き?:2017/09/24(日) 21:37

ありがと❤
私もリリカさんみたいに文章力を面白く少しずつやってみます。

263:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 21:49

>>262  いえいえv(^o^)文章力・・・はて?どこにあったっけ?(笑)
『思春期シンデレラ』楽しみだよ〜! 

264:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/25(月) 17:54

しかも、肖像画とかだと目がすごい飛び出てるし。
あんまり、好かないんだよね。
あれこれ考えてるうちに。
ひたすらに歩いて。

「大御所さま、怪しい者をお連れしました」

家康さんと会える!
お母さんと沖田さん、土方さんの顔がキラキラ。
そんなに会いたいもんかね・・・。

265:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/25(月) 19:41

3,輝き ※沖田 side

「夏音さん、困ってるならちゃんと言ってくださいよ」

そう言うと、夏音さんは笑った。
とびきり輝いた笑顔で。
菊乃・・・。
ふと、屯所にいたころそばにいた、恋人を思い出す。

『私は、総司が大好きだから。新撰組のみんなが大切だもん!ずっと、そばにいさせて・・・』

あの笑みが、離れない。
夏音さんと菊乃は、違う。
なのに・・・。
面差し、立ち姿、すべてを勘違いするほど想えてしまうのは・・・。
あの輝きを、誰にも向けてほしくない。
自分だけで良いのに・・・。
そう思ったのは、初めてだった。 

266:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/25(月) 20:42

4,家康さんのワガママを叶えよ!?

若干、緊張する。
徳川家康さんかぁ・・・。
いい人っぽい・・・とは思えないのは、やっぱり淀君の事があるから。

「なんじゃ、そこの者。無礼な」

突然現れた、おじいさんが言う。
何となく、肖像画と似てるけど・・・。

「大御所さま、この者たちがおかしな事をしておりました!」

永倉さん・・・。
永倉さんのやったナンパが、悪く出たよ。
って言うか、ホントの徳川家康さんだったんだ!?
ビックリ。

「素姓は?」

家康さんが突然、聞く。
素姓って言われても・・・ねぇ?
悩みながら、家康さんの問いに答えた。

「未来から、来ました」  

267: アーヤ◆TQ:2017/09/25(月) 22:03

沖田さんの恋はやっぱり切ない想いがいっぱいになって、重ねてしまっているんだね。

でも……ナンパの言葉に悪扱いに出てきて、新撰組の皆って意外に個性豊かな人ばっかりで面白可笑しくどんな皆も好きになれるから良いね。
土方はツンデレで、沖田さんはミステリアスだからね。

268:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/26(火) 18:57

>>267 ありがとう!沖田さんは、切ない感じで(笑)
土方さんは、とことんツンデレだよ(*^^*)
新撰組のキャラ、みんな個性的にしたぜ(笑)
個性的な感じの方が、良いよね(´V`)♪

269:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/26(火) 19:03

「ほほう。未来から、とな・・・。良いことを思いついた」

家康さんは、ニヤリと笑った。
なんでだろう、嫌な予感。
そして嫌な予感は、的中し。

「江戸幕府の末の時代に連れていけ」

江戸幕府の末の時代・・・。
幕末って事ね。

「な、なぜ?」

家康さんはニコニコと、

「幕府の末を、見たいだけだ」

うーん。
言っちゃ悪いけど、あんまし良い結末じゃないんだよね・・・。
新撰組の方をチラリと、見ると。

「げっ!」

思わず、口にしてしまった。
だってみんな、目をキラキラさせて家康さんを見てるから。
キャラ、変わってない・・・?
家康さんはそれを見てか、こう言った。

「この家康の願いを叶えよ!」

なんで家康さんのワガママを叶えないといけないの!?

270:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/26(火) 21:24

5,慶喜さんと家康さんの奇跡の(!)対面

乗り気な新撰組とお母さんたちを見て、私はあきらめた。
この人たちの勢い、消せないもん。

「よしっ、じゃあ家康公、きてください」

超ノリノリな、近藤さんが家康さんをタイムスリップマシーンまで乗せる。
新撰組とお母さんと侍、私が乗り込む。
お母さんはルンルンと鼻歌を歌いながら、『幕末』のボタンを押した。
風圧に、

「なんじゃっ!」

家康さんの悲鳴が聞こえた。

271:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/26(火) 21:31

再びというか、幕末。
場所は・・・。
江戸城!?
私は、お母さんが空恐ろしくなった。
こんなのを作れるなんて・・・。

「何者!?」

驚く声。
当たり前だよね、突然目の前に現れたんだから。
声の主は、キリリとした精悍な人。
まあまあカッコイいから、モテるんじゃないかな。
カッコイい人は、家康さんを見てさらに驚いたみたい。

「家康公・・・!?」

「そう言うそなたは、何者じゃ?」

家康さん・・・。
聞き方ってモンがあるでしょーが。

「江戸幕府十五代将軍、徳川慶喜ですが・・」

家康さんはつまらなさそうに(!)慶喜さんの見て、それから私に目を向けた。

「最後の将軍の代は?」

言いにくいけど・・・。

「十五代です」

家康さんが目をむく。
あらら、スゴい驚いてるよ。
何せ、出会ったのが最後の将軍だもんね。

272: アーヤ◆TQ:2017/09/27(水) 08:39

>>269家康が先ず行きたい場所に驚き,何気なくキャラが何故か変わった新撰組に驚いた。
目を輝かせながら言った発言が,新撰組の一同が言ったのかなって思えた「叶えよっ」の言葉に?

>>270そしてお母さんと、新撰組の乗り気って凄いって思った。
夏音の言う通り止められないってどんな感じって思う。

>>271
確かにこんな者作る人って,恐るべし人って先が読めないから夏音も止められない時ってあるのかな今さっき以上に……

273:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/27(水) 20:31

>>272 ありがとう!

274:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/27(水) 20:35

「なぜに、家康公が!?」

慶喜さんの問いは、もっとも。
家康さんは胸を張って、

「もちろんこれからも、江戸幕府の時代に変えるためだ」

ウソ!?
ずうっと、江戸幕府の体制にしたいの!?
歴史だと、明治時代が次なんだけどな・・・。
今度ばかりは、新撰組のみんなも驚いていた。

275:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/27(水) 20:39

私は、溜め息。
まず幕末に来た時点で、ダメだった。
私は、腰に手をあてて、

「家康さん。ワガママは、ダメですよ」

近藤さんたちもうなずいてる。
しかし、家康さんは。

「将軍に命令すると言うのか!」

逆ギレ!?

276:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/27(水) 20:43

慶喜さんが仲裁するように、

「家康公、ここは落ち着きましょう」

はあっ。
家康さんのワガママはひどいし、江戸幕府を続けるなんて!
困るんですけど!
場所を改め、家康さんと慶喜さんが向き合う。
私たちは、2人の周りにいる感じ。
家康さんが口火を切る。

「最近、幕府の力は強まってるのか?」

慶喜さんは溜め息を吐いてから、

「・・・いいえ、むしろ弱まってます」

家康さんの額の血管が、浮き上がる。
倒れるよ!? 

277: アーヤ◆TQ:2017/09/28(木) 15:44

本当にワガママだね……
でも何か可愛いって気にもないわけじゃない、少しは可愛いワガママだったら良かったけどやっぱり無理感半端ないよ家康!?

278:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/28(木) 17:37

>>277 ありがとう!家康は大物感がヤバい(笑)

279:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/28(木) 17:45

6,家康さんの暴走

家康さんは、すうっと息を吸ってから、

「それをどうにかしろ!」

と、怒鳴った。
お歳の割には、案外元気だね。
ヘンなところで感心しつつ、私は呆れた。

「家康さん、これは歴史どおりなの。これからどんどん、幕府の力はなくなっていって、最後は倒されるんだよ」

そう言ったら、家康さんが私にかみつくように言った。

「それはありえん!」

ありえんじゃないよ。

280:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/28(木) 18:50

史実だもの。
変えたら、私が生まれなくなっちゃう!
と、家康さんがすっくと立ち上がった。

「わしが自ら、赴こう。それで幕府の力は強くなる」

いやいやいや。
もうとっくの昔に弱まってるよ。
色々とツッコミながら、話の流れをつかもうとしていると。
沖田さんが、

「家康公が自ら行くと言っても、公家は信じるでしょうか?」

おおっ、マトモな意見!
しかし、家康さんは・・・。

281:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/28(木) 20:53

「何を言う。江戸幕府を開いた、徳川家康ぞ」

何って・・・。
自慢、してるね。
慶喜さんは困ったように、微笑んだ。
沖田さんほどではないけど、土方さん並みにカッコイい。

「幕府を守る者すら、いつ反旗を翻すかわからないんですから」

幕末は、複雑、だな・・・。

282:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/29(金) 17:59

恐らく家康さんは鈍いのだろう、慶喜さんの気持ちに気づかずに言う。

「そんな者は、処刑するの・・・「ストップ!」

家康さんの言葉をみなまで言わせず、私はストップをかけた。
家康さんが不審そうに、こっちを見る。

「なんだ、ただのおなごのくせに」

ムッカァ!
怒り狂う私を、沖田さんがなだめる。

「夏音さん、落ち着いて。家康公も、言い過ぎですよ」

家康さんは、フンッと顔を背けた。

283:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/29(金) 19:57

7,侍の名は・・・

ヘンな空気が流れていると、沖田さんがとりなすように、

「そう言えば、そこの方の名前、聞いてませんでしたね」

と、お母さんとイチャイチャしてる侍を指さす。
って言うか、この空気でイチャイチャする!?
あり得ないんだけど!
お母さんが、心配げに何かささやく。
かろうじて聞こえてきたのは、

「・・・良いの?言ったら、追われるわ」

私には、普段言わないのに(!)心配そうな声。
侍は、フッと笑った。
何でだろうね。
お母さんが、侍に惚れた理由も、分かってしまった。

「結局、だ」

そして、立ち上がって、

「長州の桂小五郎だ」

土方さんも立ち上がって、思いっきり、桂さんを睨む。
 

284: アーヤ◆TQ:2017/09/30(土) 08:41

桂 小五郎っていう侍か…?

285:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 09:30

>>284 ありがとう!侍と言うか、志士だね(笑)思春期シンデレラ、楽しみだよ!(^^)!

286:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 16:40

土方さん・・・もともと怖いのが、さらに怖くなってますよ。
近藤さんも、永倉さんも藤堂さんも刀に手をかけてる。
静かなのは、私と沖田さんぐらい?
家康さんは何も言わない。
気づいてない・・・わけは、ないよね。
興味ないのか〜・・・。
私は、溜め息を吐いた。
別に、桂さんを庇うってわけじゃないけど。

「あの、土方さんと近藤さん。ここで、桂さんを斬るんですか?」

土方さんがギロリと、私を睨む。
怖いなぁ。

「言っちゃなんですけど・・・将軍の御前ですよ?そんな事しちゃったら・・・」

脅すように、ゆっくりと言う。

「新撰組は、ただの人を斬る集団になりますけど?良いんですか?」

人生初の、脅しだけど・・・。
近藤さんと永倉さん、藤堂さんは納得したように刀を収める。
土方さんは、桂さんを睨んだまま。
さすが“鬼の副長”と呼ばれてるだけ、あるなぁ。
目をそらさない桂さんも桂さんで、スゴいよ。
やがて、土方さんが、

「小童の言うことは正しい。今は、斬らない」

と、“今は”の部分を強調した。
ひとまず、桂さんを斬る事は、なくなったから良かった。 
 

287: アーヤ◆TQ:2017/09/30(土) 17:56

沖田さんに土方は、やっぱり恐るべし人だよ!
沖田さんは,怒ったら最強に恐いね……
土方は「鬼の副長」って言う人が、いつ斬るか心配……

夏音は、この二人に想われているのが凄い素敵……?


あと、楽しみにしてくれてありがと😆💕✨
更新したので見て下さい。

288:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 18:42

>>287 ありがとう!沖田さんは、怒らせたら一番ヤバいかも・・・(笑)
うん、夏音は最強(?)というか、奇跡!

(゚o゚)/期待してるよ〜! 

289:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 18:53

8,ストッパーの役目

・・・ちょっと待て!
“今は”ってことは・・・。
土方さんが、

「此処を離れたら、斬るからな!」

おいっ!
私は、土方さんのところに行った。
鬼とは言え、それはないよ!

「なんで桂さんを斬るんですか!人斬り土方さんになって良いんですか!?それでよく、新撰組の副長になれましたね」

最後の方は、嫌味。
土方さんの額に、青筋が。
ぶちキレた・・・?

「小童も斬るぞ!?」

脅すけど、私は臆せず、

「斬れば良いじゃない!土方さんの名誉に関わりますけどね!」

土方さんの顔が、怒りで赤くなる。
目もどんどん、つり上がっていく。
リアル、赤鬼。
土方さんが、スッと息を吸う。
次は、どんな罵詈雑言が言われるか待ちかまえてると。

「夏音さんも、土方さんも。止めてくださいよ」

ごくふつうな感じで、沖田さんがそれとなく止める。

「土方さん、大人気ないですよ」

そうだそうだ!
次に、沖田さんは私を見て、

「夏音さんも。土方さん相手に、怒らないでください」

沖田さんが言うなら・・・。
しぶしぶ私と土方さんは、沖田さんの言葉に従った。
私たちのストッパーの役目をしてるのは、沖田さんだ。
沖田さんを怒らせて、命をなくすのは・・・。そこまで考えて、ゾッとした。
土方さんもそれを思ったらしく、顔が青ざめていた。 
 

290:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 20:29

9,歴史を変えたい、家康さん

家康さんがふわあっと、あくびをする。

「つまらん」

と、言いかけて目を見張った。
そして慶喜さんにくってかかる。

「幕府の力を、もう一度強めるのだ!」

慶喜さん、めっちゃ困った顔。
誰だってそうだよね。
突然現れた、徳川家康が幕府の力を強めるとか言い出すんだもん。
慶喜さんが何にも言えないと、家康さんはクルリとこっちを仰ぐ。

「そこの者たちは、変な物に乗ってきたな。それで幕府を守るのだ」

もしかして・・・。
タイムスリップマシーン!?
お母さんが目をキラキラと輝かせて、

「家康さん!それは、タイムスリップマシーンと言って・・・」

と、説明する。
私は、頭が痛くなってきた。
家康さんは、お母さんの説明を聞いてさらに、目を輝かせる。
そして、私を見る。

「幕府の力が衰えた、時代へ連れていけ!」

はぁぁ。
私は、深い溜め息を吐いた。 

291: アーヤ◆TQ:2017/09/30(土) 21:05

>>289
本当にちょっと待って夏音が,土方から離れたら斬るって突っ込み満載だねぇ(゜゜;)\(--;)
でも夏音の言葉にぶちギレになって、夏音まで何故斬るって言うの!?

でも夏音が負けじと土方に挑む感じに「どうぞ,斬っても良い」にしか聞こえないよ…😨

でも夏音と土方の間に割って入ってきたのが,沖田さんで良かった。
赤鬼土方がボス沖田さんに勝つ日はいつの日かね……


それに私は、夏音と土方のやり取りは大丈夫ですしもっと見てみたい。
この喧嘩するけど仲良しな感じが良いね。
(でもって,沖田さんは夏音と土方のストッパーだねぇ)

292:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 21:18

>>291 ありがとう!どっちも、案外あまのじゃくだからね・・・(笑)

土方さんが沖田さんに、勝つ日は果たして・・・?

素直になれない同士の、仲は良くなるよ、絶対(笑)

良い感じに沖田さんが・・・(笑) 

293:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 21:23

「なんで、幕府の力が衰えたとこに行きたいんですか?」

「そこで幕府を勝たせたいからだ!」

家康さん、即答。
スゴい信念。
呆れるより、清々するほど感心する。
お母さんがなぜか、指揮を執って、

「さあ☆戊辰戦争の真っ只中にlet's go!」

let's go!のところで、めっちゃ発音がいい。
気取ってるのか?
ヘンなところで、がっくりしながら、新撰組+桂さんとお母さん、私に家康さんでタイムスリップマシーンに乗る。   

294:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 07:49

10,盛り上げ隊

お母さんが、『戊辰戦争』のボタンを押した。
あれ?
そういや、そんなボタンあったっけ?
首を傾げながら、風圧が顔で感じる。

「着いたよ〜!」

お母さんの元気な声。
いつの間にやら、桂さんと手を繋いでる。
はあ・・・。
ラブラブっぷりを、こっちに見せないでよ。
出るときに、少しつまづいた。
しかも、マンガみたいに顔から、ね!
あぁ!
最悪。
土方さんがゲラゲラ笑う。
むうぅ!

「大丈夫ですか?」

沖田さん・・・。
嬉しい!
けど、スゴい恥ずかしい。
未だにゲラゲラ笑ってる、土方さんを睨んでから、私は外に出た。

295:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 09:02

ああ・・・ガチでヘコむ・・・。
あんな転け方、最悪。
しかも、よりによって沖田さんの目の前で・・・。
嬉しいんだけど、ヘコむ。

「夏音ちゃん、歳があんなに言ってゴメンな」

近藤さんが謝ること、ないよ・・・。
ネガティブとは、このこと。
と、永倉さんが不意に叫ぶ。

「あれ、何だ!?」

えっ・・・?
永倉さんの指した先には、大砲と最新式の銃を構える兵。
お母さんが、桂さんとタッタッと、兵たちのところへ向かっていく。
はぁぁ。
撃たれても、知らなーい!
お母さんが、叫んだ。

「この人たち、新政府軍だって!」

家康さんの目が、暗くなった。
殺気もほとばしっている。
怖い怖い・・・!

「旧幕府軍はどこだ!?」

家康さんが唾が出るほど、大声で聞く。
うるさいって・・・!

「もう少し先だって!」

それを聞くと、家康さんの目はさっきと違って、キランと光った。

「行くのじゃ〜!」

なぜか、新政府軍が盛り上がった。
なんか勘違いされてない!?
新政府軍を家康さんが率いてるみたいな感じだし!!

 

296: アーヤ◆TQ:2017/10/01(日) 10:28

土方の夏音に対しての馬鹿って思っているところは、久々に見た。
でも,好きな人に見られたらショックなのは解りますね。

297:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 19:57

>>296 ありがとう!土方さんもなかなか、感情ださないからね(笑)
確かに、ショックだよね(笑)

298:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 20:08

「あの人に続いて行くぞ〜!」

「お〜!」

新政府軍の士気が、高まってる。
良くも悪くも、家康さんは新政府軍の盛り上げ隊なんだね。

「よし、幕府軍に行くぞ!」

家康さん、結構な歳なのに、元気だね。
むしろ安心しちゃう。
いつぶっ倒れるか分からない、弱々しいおじいさんじゃなくて良かった。

299:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 20:14

11,謎の少年

「アハハ・・・。君たち、バカだね」

不意に背後から、失礼な声が。
振り向くと、とてもこの場に相応しくない、白い水干姿の、後ろに髪を結った少年がいた。
少年の目は、ギラギラした赤色。

「徳川家康が戊辰戦争に参加するだなんて・・・。予想がつかないのかい?」

少年は歌うように、言う。

「・・・新政府軍が負けるんだよ」

「なっ、何を言ってるの・・・!?」

私は、思わず口にしていた。
沖田さんも土方さんたちも、驚いたように少年を凝視していた。

「僕は、君たちにお願いがあって来たんだ」

いやな予感。
不思議な少年の事だ、何を言うかが怖い。

「・・・歴史を変えてほしい」

冷たい風が吹いた。  

300:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 21:05

「なんで・・・?」

少年はニヤリとほくそ笑み、

「・・・それは教えない。やってくれないと・・・」

お母さんを抱きすくめる。
驚いたのは、当のお母さん。
少年はニヤリと、

「お前の母を手に掛けてやる」

「それは止めてっ・・」

お母さんが、叫んだ。

「夏音!歴史は、変えたらいけない!絶対に、よ!」

「あ〜もううるさいな。って事で、必ずやってくれる事を期待してるよ」

少年は指を、パチンと鳴らした。
そして消えた。 

301:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/01(日) 21:09

12,やるべきこと

嘘・・・・。
お母さんが、消えた。
謎の少年と共に・・・。
と、沖田さんがハッとしたように、

「夏音さん。やるべきことは?」

やるべきこと・・・?
土方さんも意地悪く、

「歴史を変えるのか?変えないのか?」

あっ!
そうだった!
しっかり者モードに切り替えないと。

「もちろん、変えない!」

変えたら、絶対後悔する。 

302: アーヤ◆TQ:2017/10/02(月) 07:38

わぁ……凄い発想だね、でもどうなるの?

更新したよ

303:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 17:49

>>302 ありがとう!思春期シンデレラ、楽しみ(恋歌ちゃん可愛すぎっ!←)

いつの間にやら、300だねえ(笑)
コメントありがとう! 

304:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 17:56

13,妬ける ※土方 side

「もちろん、変えない!」

妙に勇ましくアイツは言った。
そして、総司に笑顔を向ける。
なぜか俺に向けない笑顔で、苛つく。

「私も、手伝いますから」

この野郎。
童顔のくせして、女を落とすのが得意なモンだ。
ああ・・・あ。
まぁた、“総司だけの”笑顔を向けやがって。

「仕方ねぇな。手伝ってやる」

今度も、アイツは微笑む。
でも、総司だけの笑顔じゃなく、平等な笑顔。

「あ〜あ。腹立つ」

無駄に妬ける。  

305: アーヤ◆TQ:2017/10/02(月) 19:30

土方最高😃⤴⤴
もっとみたい

306:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 19:32

>>305 ありがとう!ツンデレは最高〜(≧∇≦)b

307:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 19:43

14,KY(空気読めない)発言

土方さんも、

「仕方ねぇな。手伝ってやる」

って言ってくれて、嬉しい。
土方さんが素直になってくれるなんて・・・!なんか感動。
場所が場所だけに、泣けないけど、涙いるモノの感動!

「俺も手伝うぜ〜」

「いつでも頼ってな!」

永倉さんと近藤さんもありがとう!
頼もしい兄ができたみたい!
藤堂さんもニッコリしてるし、みんなを頼れる!
と、会話に加われなかった家康さんが、ヤケになって、

「わしは、江戸幕府の将軍じゃ!新政府軍なんか叩き潰してやるわ!」

KY・・・。
空気読めない発言は、止めといた方が・・・。
呆れかえる私たちと、魂が抜けたような顔の桂さん。

「茜・・・」

茜って言うのは、お母さんの名前。
そんなにがっかりしなくても。
私も、少なからず驚いてるけどね。
 

308: アーヤ◆TQ:2017/10/02(月) 20:28

家康以外、皆だけが手伝うって言ってくれるのが良いね

309:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 21:15

>>308 ありがとう!家康さんは非協力的だからね(笑)

310:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 21:29

15,胸キュン&ドキドキ

しらけた雰囲気のまま、ただ歩いていく。

カーンッ

金属の打ち合う音。
えっ・・・?
よくよく見たら、馬に乗って、刀を構えてる人たちばかり。
刀をよく見たこと無いけど、そうとう怖い。

「新政府軍を討つぞ!」

家康さんの一言で、旧幕府軍が勢いづいた。
それと同時に。
新政府軍がやってきて、旧幕府軍へと向かう。
私は、踏み込みすぎたみたい。

「小娘っ!」

一人が、私に襲いかかる。
ヤバい・・・。
私、死ぬのっ!?
動けない。
と、沖田さんがガバッと・・・。

「夏音さん!」

「沖田さん・・・っ!?」

私を抱きしめて、避ける。
沖田さんと接近した・・・。
めっちゃドキドキ!
しかも、男の人とあんなにまで接近したことなんて、ないからさらにドキドキ。

「夏音さん、大丈夫ですか?」

わわゎっ!
顔が・・・近い!

「はいいぃ!大丈夫ですっ!」

「なら、良かったです」

沖田さん、優しい。
胸がキュンとなった。 

311: アーヤ◆TQ:2017/10/02(月) 21:43

これ羨ましい
私でも沖田さんに守ってもらいたい夏音に嫉妬する

312:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/03(火) 06:35

>>311 ありがとう!確かに、羨ましいよね(*´ω`*)
夏音はかなり、良いよね〜(笑)

313:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/03(火) 17:51

16,あだ名が決定

土方さんが、苛ついた顔でこっちを睨む。
怖いし、ムカつく。

「なんで睨んでるんですか!」

「いや、苛ついただけだ」

そんなに飄々と言うなよ・・・。
脱力・・。

「土方さんって、やっぱり意地悪いっ!」

土方さんは心外だと言う顔をして、

「小童が言うな」

むうぅ!
私は、意地悪じゃないし!
ホーント、土方さんは性悪。
あっ!
土方さんのあだ名、決まった!

「土方さんは、性悪野郎でいい?あだ名」

土方さんの顔が、赤鬼のようにつり上がって怖くなった。
怖いなぁ・・・。

「よくないっ!」

うわぁ・・・。
ぶちギレてる・・・。
でも、なんか笑える。
こんなにムキになる、土方さんなんてそうそう見れないもの。

314: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 18:47

あだ名が、そのまんまって面白いね🎵

もっとムキになった所、見てみたい

315:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/03(火) 19:05

>>314 ありがとう!ムキになった土方さんも萌えるかも(笑)

316:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/03(火) 19:40

17,変わってしまった歴史

私たちが何やらかんやらしてる間に、家康さんは“何か”していた。
怪しい・・・。
私の視線に気づいたのか、家康さんがビクゥッとする。

「わしは、何もしてないぞ!?旧幕府軍を勝たせるなんて思ってなんか・・・」

ハイハイ。
思ってるんだね。
私は、至極真面目な顔をして、

「家康さん。歴史は、変えたらダメなの。だから、家康さんの時代に戻ろう」

家康さんはやっと真面目になったらしく、うなずいた。
これにて、終わりかな?

「タイムスリップマシーンに乗り込んで!」

新撰組と家康さん、気の抜けたような桂さんに声をかけ、タイムスリップマシーンに乗り込む。
これで歴史は変わらないハズ!

・・・と、思ってたんだけど・・・。
歴史は変わり始めていた。

317: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 22:04

どうなんの!?

318: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 22:05

あと、明日小説を更新するので楽しみにして下さい!

319:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 14:18

>>317 ありがとう!さて、どうなる・・?

>>318 今日、楽しみ!

320:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 14:35

家康さんをもとの時代に帰し、私たちは現代へ。
ふう。
やっと、家に帰れた!
つけたままのテレビでは、KIRURIとやらがおどってる。
それに萌えてるのは、鈴ちゃん。
久しぶりのご登場。
鈴ちゃんはこっちを見ずに、

「お帰り。遅かったね」

無愛想だなぁ・・・。
と、いきなりLIVEだったのがニュースに切り替わった。

「なに、これ!」

鈴ちゃんが憤る。
よほどの、速報かな。
まさかテロとか!?

『速報です。江戸幕府○○代将軍、徳川・・』

はあっ!?
今、江戸幕府って聞こえたよ!
しかも、将軍!?
でもニュースキャスターは普通のように、

『将軍が倒れた事で、政治はどうなるのでしょうか?』

と、続けた。
私は、引きつった顔を、新撰組の方に向ける。
沖田さんは不思議な顔で、土方さんは普通の顔、近藤さんと永倉さん、藤堂さんにいたっては、聞いてない。

「まだ、幕府はあるんですねえ?」

そんなわけ、ない!
だって結局、幕府は倒れるのに・・・。
私は、急いで社会の教科書を出した。
幕末、幕末・・・。
年表を探しても、“明治時代”が書かれてない!よって、“大正”“昭和”“平成“がない!

「ウソでしょう・・・」

ずっと、江戸時代なんて!
しかも、

『十五代将軍、徳川慶喜のとき、反乱が起きた。しかし、幕府軍が圧倒。反乱の中心人物は、処刑された』

反乱の中心人物・・・。
反乱はきっと、戊辰戦争だよね。
中心人物は、大久保利道、西郷隆盛とかだよね!

「歴史が変わった・・・」

絶対に変えたらいけないのに! 
 

321:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 17:52

18,やり直し

うーむ。
どうしよう?
ちなみに、ニュースはもう終わってて、KIRURIのLIVEに戻っていた。

「やり直し、しないとダメかなぁ?」

だって、そうしないと。
あの不思議な少年の言ったとおりになっちゃうし・・・。
お母さんも、歴史を変えたらダメって言ってたし・・・。
沖田さんが、ヒョイッと教科書をのぞき込む。

「歴史はどうなってるんですか?」

沖田さんの顔が近い!
ドキドキする心臓を抑えながら、

「た、正しい歴史は・・・」

と、教える。
教えて良いのかな・・・?
でも今は、歴史をもとに戻さないといけない。

322:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 19:10

19,華々しく生きる者たち

・・・新撰組は結局、みんな死んでいってしまう。
それはあらがえない、”時代“。

「頼ってな!」

って言ってくれた、近藤さんは斬首。
意地悪だけど、ときどき優しい土方さんは、戊辰戦争で死んじゃう。
好きな沖田さんに関しては・・・。
病気で死んでしまう。
なんか、切ない。
何で、こんな事考えちゃうんだろ・・・。

「夏音さん、これからどうするんですか」

沖田さん・・・。
優しく微笑んでる、沖田さん。
悲しんでる場合じゃないっ!

「もちろん、やり直しますよ!」

もう一度、家康さんの時代に行って、家康さんを止める。
これで歴史は変わらない。
家康さんを連れてった時点で、歴史は変わってたハズだもの。

「分かりました」

笑って、新撰組のみんなに伝える沖田さんの背中を見て、新撰組は歴史に飲まれた、華々しく生きる者たちがいたんだなと思った。

323: アーヤ◆TQ:2017/10/04(水) 19:42

良いけど……新撰組達を思ったら最後どうなるって思うよ

324:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 20:16

>>323 ありがとう!最後は・・・切ないよ(泣)思春期シンデレラ、恋歌ちゃんと初音ちゃんの絆、深いね(≧∀≦)良いなぁ。 

325:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 21:26

20,タイムスリップ

タイムスリップマシーンに乗り込んで、江戸時代へ!
あっという間に、江戸時代。

「あっ、さっきの綺麗な遊女!」

永倉さん・・・。
さっきの女の子に、声かけてる。
感心しないけど、そのままだから、良かった。
そしてその後は、家康さんの前に連れて行かれ。

「素性は?」

はいはい。

「っと、田舎から来まして・・・」

と、あの兵が余計な口出しをする。

「大御所さま!此奴ら、突然現れたんです」

むうぅ!
なに、こいつ!
余計な事、言うなぁぁ!
内心、怒りながら答える。

「いえいえ、見てないだけで・・・」

「怪しい」

家康さん、断定すんなぁ!
あああ。
なんで、上手く事は運ばないの?
沖田さんが言い添えて、

「信じてくれないのですか?」

「ぬうぅ」

家康さん、唸る。
よしよし、風向きが変わってきたぞ!

「・・・見間違ったようだ。帰って良い」

よっしゃ〜!
これで歴史は変わらない。
上手く事が運んで、嬉しい。 

326:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 20:30

21,次なるタイムスリップ先

あっけなく解放され、江戸の町へ。
お酢のお店や、筆のお店、いろんなお店があってにぎやか!

「沖田さん、江戸って、にぎやかですね!」

「夏音さん、初めてでしたよね?」

「はい!」

あぁあ!
お団子のお店もある!
美味しそう〜。

グウウゥ

嫌だ、お腹減った音!
うわぁん!
沖田さん、こっちを見ないで。
土方さんは、ゲラゲラ笑い。

「総司!団子買っていこうぜ!」

永倉さんにさんせーい!
腹が減っては、タイムスリップできぬ!
かく言う事で、お団子を買って、タイムスリップマシーンに。
うわぁ、すんごい美味しい。
と、沖田さんが、

「夏音さん、新撰組の屯所に来ませんか?」

ええっ!?
沖田さんが、ニコニコと、

「夏音さんに見せたいものがあるんです」

見せたいもの!?
そして、次なるタイムスリップ先は、幕末へ!


(Cへ続く)

327:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 20:45

あとがき

ハイッ!
グダグダな感じでしたね、B。
なに書こうか、途中で迷ったり、しました。
思い入れは、一番深いかもしれません(笑)。
歴史を変えたらどうなるのか、今回で上手く書けて良かったです!!
Cでは、幕末。
私、幕末が一番好きなんです。
さて夏音と新撰組、幕末でどうなるんでしょうか!?
書きたい事が色々・・・(笑)。
色々と詰め込んでいきたいです。
コメントをくださった方、ありがとうございます!
いつも力になってます!
これからも、読んでくださると嬉しいです。

328:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 20:51

『時を駆けて、初恋*します。』C 登場人物

城里 夏音
主人公。
しっかり者で、沖田さんに絶賛片想い。

沖田 総司
新撰組の隊士。
優しい。
夏音に対して・・・?

土方 歳三
新撰組の”鬼の副長”。
夏音に意地悪だが、夏音を想ってる。
あだ名は、性悪野郎。

近藤 勇
新撰組の局長。
おおらかで、夏音の兄的な存在。

永倉 新八
新撰組の隊士。
大食いで、女たらし。

藤堂 平助
新撰組の隊士。
賢く、モテる。       

329: アーヤ◆TQ:2017/10/05(木) 21:28

色々あったストーリーだったけど、面白いから次の幕末編も気になるね🎵

330:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 21:30

1,三度目の幕末

風圧を感じて、幕末です!
家康さんの頃の町風景と、多少違ってる。

「お団子だ!」

イエーイ。
お団子、食べたいな〜。
ジュルジュルと唾を飲み込んで、先立って歩いてる沖田さんを追いかける。

「お団子のお店は、あっちかぁー!」

お団子のお店を覚えて、屯所へ向かう。
沖田さんが振り向いて、

「京は、夜に人斬りがいるので夜は、気をつけてください」

ハイッ!

331:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 21:31

>>329 ありがとう!次も楽しみにしてて(´V`)♪

332:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 17:42

沖田さんが言うほどだから、よほど危ないんだな。
軽く考えながら、屯所へ。
新撰組の屯所になってるのは、八木邸。
そこの子どもたちが、沖田さんにまとわりつく。

「総司兄ちゃん!遊んでよ」

と、私の方に視線を向けて、

「誰?」

可愛い!
私は、

「お世話になる、夏音です」

子どもたちは、ニッコリ笑う。

「夏音姉ちゃんも、遊んでよ!」

もちろん。
  

333:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 17:55

2,男装!?

中は、広々としていて流石、屯所。
ヘンなところで感心しながら、奥へ。
と、沖田さんがこっちを見て、

「局長。夏音さんを、男装させましょう」

男装!?
なんで!?

「男所帯に女一人ですよ?どうなるか、分かりますよね?」

・・・恋愛に現を抜かすから?
ってか私、男っぽくなれるかは分かんないよ?

「着物に着替えましょう。いくら何でも、変ですし」

そういや、洋服のまま。
八木邸の人たちが、私たち分の着物を用意してくれた。 

334:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 19:16

「男装、似合ってますかね?」

一応、着物と袴を着るけど。
暑いよ・・・。
髪も、いつものようにポニーテール。
この時代、ポニーテールがちょんまげ風な感じだからかな?
男っぽくはないよね・・・。

「だいぶ、女々しい容姿の男じゃねぇか」

土方さん・・・。
私、女々しいもなにも女ですよ?

「はっ、小童は女のうちに入らないだろ」

ムッカァ!
酷いよ、性悪野郎め!

「いえ、別に変じゃありませんし」

沖田さんが言うなら、いっか。
と・・・。

「おーい、総司・・・って、そんな隊士いたか?」

めっちゃ眉も濃くて、いかにも武士って感じの、男の人が入ってきた。
私のこと・・・だよね?
その人は、じろじろ私を見て、

「女々しいな。名前は?」

やっぱり、女々しいんだ。
名前か・・・。
名字で良いのかな?

「城里・・・です・・・だ」

“です”は、明らかに変だよね。
慌てて口調を変えたけど、男の人は怪しそうに見てる。
女だって、バレた?
途端に、男の人はニッコリ笑った。

「城里か!よろしくな、俺は斎藤」

斎藤さんは、めっちゃ気のいい笑顔。
この人、騙されやすいんじゃ・・・? 
 
  

335: アーヤ◆TQ:2017/10/06(金) 19:54

男性に変装ってどんな感じなの!!

でも,夏音に沖田さんの距離感が縮まって良い感じ!

336:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 20:29

>>335 ありがとう!夏音と沖田さんの距離はさらに・・・( ̄ー ̄)ニヤッ 

337:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 20:37

3,沖田さんの見せたいもの

斎藤さんはニッコリ笑いながら、私の肩をバシバシと叩く。

「城里、これから頑張ろうぜ」

痛いよぉ。
でも、嬉しいよ。
沖田さんが、

「城里さん、来てください」

夏音さん、とは言わなかった。
斎藤さんにバレたらヤバいもんね。

「はい!」

沖田さんに返事して、斎藤さんに一礼。
私が、年下だもの。
斎藤さんや土方さん、近藤さんたちと別れて沖田さんについて行く。

「沖田さん、どこへ?」

沖田さんは私の質問に答えず、ずんずん歩いていく。
案外、早歩きだから追いつくのに必死。
まだ春なのか、あったかい。
桜も咲いてるかな?
沖田さんが見せたいもの・・・って?

「夏音さん、見てください」

沖田さんに言われて、顔を上げる。
そこには・・・。
 

338:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 20:58

「綺麗〜!」

めっちゃ桜が咲き誇ってて、綺麗。
ちょうど風が吹いて、桜吹雪に。
沖田さんの横顔と、桜吹雪がすごい似合ってて、ドキドキ。

「この桜、夏音さんと見たかったんです」 

その笑顔、反則!
キュン死確定!

「ありがとうございます!沖田さん」

そんなに、気にかけてくれて。
軽いデート気分だよ。
春爛漫の中、私は沖田さんがさらに好きになっていた。

339: アーヤ◆TQ:2017/10/06(金) 21:27

デート来た来た😍
続きが気になるけど沖田さんの夏音にそっくりな面影の人は出てくるか気になる新撰組のアジトに居るから出てきて欲しい?

340:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 09:30

>>339 ありがとう!菊乃さん、出てくるよ〜(*´ω`*)

341:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 09:36

4,沖田さんの恋人、菊乃さん

「総司!此処にいたの」

むむっ?
めっちゃ可愛らしい声。
振り向くと、黒髪が綺麗な女の人がいた。
そしてその人は、遠慮なく、沖田さんに抱きつく。
私的に、ムッとするんだけど!
女の人は、私を見て、首を傾げる。

「総司、この子は?」

「新撰組の隊士ですよ」

女の人は微笑んで、

「私は、菊乃。総司の恋人」

じっ、自分で恋人って言った!
衝撃。
菊乃さんは沖田さんを見上げて、

「総司。私、総司に伝えたい事があるの」

342: アーヤ◆TQ:2017/10/07(土) 10:41

出たけど、続き気になる

343:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 12:33

>>342 ありがとう!菊乃さん、どうするかね?(笑)

344:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 12:43

菊乃さんは、少し溜めてから、

「・・・私ね、庄屋の息子と縁談が決まったの」

「・・・・・えっ?」

驚いてるのは、沖田さん。
だってね、恋人が別の人と縁談が進んでるなんて、驚くよね、普通。
菊乃さんは、大きな瞳に涙をためて、

「それと・・・、もう総司には会うなって、言われたの・・・・」

沖田さんは目を見開く。
菊乃さんは、目を伏せた。
私は、複雑だった。
沖田さんと菊乃さんが、会えないのはちょっと嬉しいけど、微妙。

「浪士とは会っちゃいけないって・・・父が・・。せっかく、結婚するからって・・・意味が分からないわ」

お父さんが、決めたんだ。
このご時世、自分の結婚はなかなか決めれないんだ・・・。
沖田さんが、口を開く。

「じゃあ、菊乃・・・」

その後の言葉は、聞こえなかった。
言えなかったのかも、しれない。
菊乃さんは、私を見て、

「隊士さん。総司を、支えてね。新撰組で」

微笑む。
弱々しく、それでいて美しい微笑み。

「じゃあ、ね。総司・・・」

慈しむように、愛しそうに視線を絡ませて、菊乃さんは立ち去って行った・・・。      

345:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 15:38

5,涙

私は、呆然。
菊乃さんの話もそうだし、沖田さんの表情にドキリとした。
だって・・・。
今までに見たことないくらい、切ない顔だったから。

「あの・・・沖田さん・・・?」

私が声をかけても、微動だにしない。
ソッとしてあげよう。
私は、沖田さんの隣に行って、桜を見上げる。
白い感じの桃色の桜が、ひらひらと儚く落ちてくる。
しばらく、とどまっていると。

「・・・あぁ、夏音さん。屯所に戻りましょう」

気づいたように、沖田さんが切り出す。
私は黙って、うなずいた。
屯所に歩いていく時間も、私は沖田さんと会話できなかった。
隣にいる分、見えてしまうから。
沖田さんの頬を伝う、涙が・・・。    

346:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 15:49

6,永倉さんの女理論

屯所に戻れば、ざわざわしていた。
どこか、永倉さんと近藤さんたちがニヤニヤしている。
怪しい・・・。
土方さんは、スゴい嫌そうな顔。
永倉さんが、沖田さんに気づいて、こっちに来る。

「どうした、総司。菊乃に、失恋したのかよ」

軽口のつもりなんだろうけど、どんぴしゃだ。
沖田さんは困ったように、笑った。
永倉さんは、バンバンと沖田さんの肩を叩く。

「菊乃に失恋したのがなんだ。京女はたくさんいるんだぜ。選り取り見取りだ」

流石女たらし。
妙な説得力がある。

「それよりさ、今夜は島原の遊郭に行くぞ!」

遊郭・・・。
遊女とかがいるのかな?
永倉さんが、私を見て、

「夏音ちゃん・・・いや、城里は来なくても良いぞ」

ホッ。
遊郭なんか行きたくないもんね。

「一応、屯所には、隊士を残しておくからな。安心だろ?」

安心だけど・・・・。
沖田さんも遊郭に行くの?

「俺も残るからな、城里!」

あっ、斎藤さん。
斎藤さんの剣の腕は知らないけど、良かった。
でもなぁ・・・。
女だって、バレないかな?
一縷の不安を感じる。 

347:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 17:13

7,二人っきり

「いってらっしゃい!」

私と斎藤さんは、遊郭へ行く組を屯所の玄関で見送る。
完全に“女たらしモード”の永倉さんを筆頭に、みんなは出発。
残ってる隊士って言ったって、小姓とかそう言う人ばかり。
土方さんは、最後まで抵抗していた。

「なんで俺が、遊郭に行かないといけないんだよ!」

永倉さんが、

「一番、女が釣れるからさ。副長がいないとダメなんだよ」

って言ってたっけ。
結局、土方さんは引きずられていたから、爆笑。
ひときわ騒がしい集団を見送り、屯所に戻る。
えーっと、沖田さんから頼まれてたものをしないと。
それは、紋付きの着物や袴。
多少、ほころびてるから縫い直ししないと。

「俺も手伝う」

斎藤さんも手伝ってくれる!
かなりの量があるから、大変なんだよね。

「す、すまない」

あー、男の言葉って、かなりめんどくさい。
こりゃ慣れるのには、だいぶかかる・・・。
しばらく、話すことはなく。
あっ。
チクッと痛みが。
指を針が刺した。
血が出る。
んー、どうしよう。

「痛っ」

言葉にすると、斎藤さんがこちらに身を乗り出す。

「大丈夫か?」

心配かけちゃった。

「ん。大丈夫」

答えても、斎藤さんは私を見たままで。
な、なに。
男の人にこんなに見られるのは、初めてだからどぎまぎ。

「・・・お前、女々しいな。って言うか、女だよな」

どぎまぎどころじゃない!
どうすれば良いのよっ!? 
  


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