平穏な日常、当たり前の毎日の中には、見えない悪夢が隠れている・・・・・
その悪夢がどんなに小さな些細なものであったとしても、気づいたならば決して見逃すことは許されない・・・・・
平穏を崩されたくないのであれば・・・・・
美鈴
「あはは、まあ、此所は悪魔の住む館とも言われていますからね、化物や化物じみた者しか居ないと思いますよ?では、外へ案内しましょう。」
美鈴は再び笑みをして、紅魔館には化物か、化物じみた者しか居ないと応えつつ、先程まで挑発的だった相手が潔く自分の言葉を承諾したことから、この広間を出てから何らかの能力を向かって反撃してこようと直ぐに反応できるように数歩分だけ相手からの離れながらも、館の外へ案内しようとする。
化け物に仕える奴は化け物じみてるってか・・・・・おわっ!?
(美鈴に案内されるまま外へ向かう途中、特に何も無いところで躓いて転ぶ・・・・・
美鈴との戦いで疲れているのか、立ち上がるのにかなり苦戦していて・・・・・)
美鈴
「!!」
美鈴は彼の言動の一つ一つに注意を払っている。
広間から出たことで、何か飛び道具を投げてくるかもしれないし、炎や雷を放って攻撃を仕掛けて来るかもしれない、何をしてくるのかはわからないものの、相手が依然として特異な能力を隠し持っているであろう事は容易に想像がつく。
だが、その言動の全てに悪意あるものであると勘繰りすぎたが故に彼が躓いた際に反応が遅れ、手を伸ばしはするものの、警戒のために歩数を開けていたため、それが届くことはなく、彼が倒れないように支える事が叶わなくなってしまう。
ったく・・・・・これだから硬ぇ床は嫌なんだ・・・・・
(立ち上がろうとしてはいるが、美鈴から受けた攻撃によりまだ残っているダメージと、転んだ痛みで足が震える・・・・・
普段からこんな館に入ることも無いため、慣れていない硬い作りの床に文句を言いながら・・・・・)
美鈴
「お手をお貸ししましょうか?」
美鈴は伸ばした手をそのままに、立ち上がろうとしている彼に対して手を貸そうかと問いかけてみる。しかし、ふと美鈴はここで彼が自分を油断させたり、接近させようとする事そのものを狙っているのではないかとも思い、念のために相手から攻撃がされても平気なように自身の体の表面に気を纏わせて直接触れることが出来ないようにしつつ、純粋な攻撃耐性を得ようとしていく。
この技術は普段は弾幕ごっこにおける"体力"に相当しており、これがあるからこそ、霊夢や魔理沙から弾幕を受けてもある程度耐えられるようになっていた。
・・・・・いや、それには及ばない・・・・・
(美鈴が伸ばしてくれた手を払い除けると、そのままゆっくりと立ち上がる・・・・・
そして、歩き始めようとしたその時・・・・・)
レミリア「あら、美鈴・・・・・門番としての役目はどうしたのかしら・・・・・?って、その子はどちら様?」
(美鈴が何故か館内にいて、しかも見知らぬ子供を連れているのを見て、不思議そうな表情をしながら・・・・・)
美鈴
「あ、お嬢様、おはようございます!
今から彼にお帰りいただこうと思い、外までの案内をしているところです。これも館を守る者としての勤めの一つです……よね?」
美鈴は主であるレミリアの姿を見ると、頭を下げて会釈する。
主であれば、現在、自分が気の防御膜を展開している事と、少年の持つ邪気や不穏な雰囲気から、此方から教えなくとも察知する事が出来、間違っても不覚を取ることはないだろう。
だが、主の手を煩わせる訳にはいかないため、これはあくまでも自分の業務の一つであろうと伝える。
・・・・・そうね、で、あなたは何者・・・・・?
(美鈴が連れている謎の人物に問う・・・・・)
・・・・・
(黙りをしたまま、レミリアの問いには何も答えずに時間だけが過ぎる・・・・・
が、次の瞬間・・・・・)
ダッ・・・・・!
(謎の人物はレミリアめがけて物凄いスピードで触れようとする・・・・・)
美鈴
「おっと、」
先程相手がこけた際に反応が遅れてしまった教訓として、相手の一挙手一投足に対しても注意を払うようにしていたため、彼が駆け出したのを見ると、直前の膝を曲げて走るために脚に力を入れた瞬間にはもう動き出し、走り出した彼に対して足払いを仕掛ける事で彼を転倒させてレミリアに近付く前に床に倒そうとする。
そう来ると思ってたぜクソがァあっ!!!!!
ザッ・・・・・!
(足払いを仕掛けてくると予想していたらしく、寸前で対処するかのように避けるとそのままレミリアの足を掴む・・・・・)
レミリア「ちょっ!?放しなさい・・・・・!」
(レミリアはあまりに突然の出来事に戸惑いながら驚きを隠せずにいて・・・・・)
美鈴
「それなら、こうしますよ。」
美鈴は足払いが避けられると、そのまま払うために繰り出した脚の勢いを利用して自身の体を横に捻るようにして体を捻り、回転から生まれた遠心力と蹴りの勢いを利用して宙に飛んで避けた相手の腹部に対して強烈な拳によって突き上げ、天井にまで叩き付けようとする。
武術、身体能力においては美鈴の方が上だと言うことは彼自身が認めており、然り気無く触れて能力を奪おうとするのならばともかく、正面から駆け出したのであれば、武に秀でた美鈴によって容易に先読みされてしまう……
加えて、美鈴は気を読むことが出来る。
気は体の運動や思念のエネルギーでもあり、それを使えると言うことはつまり、相手が何をしようとしているのかを先読み出来るのと同意であり、突発的な行動や回避は更なる追撃を招くことになってしまうだろう……
ぐぁっ・・・・・!?
(謎の人物は美鈴の攻撃をもろに受けてしまい、天井に叩きつけられた後、床に落ちて再び叩きつけられる・・・・・
だが、謎の人物は「クク・・・・・ククククク・・・・・辛うじて・・・・・辛うじてだ・・・・・触れたぞ、貴様がもう少しだけ早く俺に一撃入れていたら駄目だったぜ・・・・・ありがとうよ、ウスノロさん・・・・・」と、追い詰められながらも意味深なことを言い・・・・・)
美鈴
「……!なるほど、その発言やこれまでの様子からして、貴方の能力はさしずめ"接触系"と言い訳ですか……ですが、それなら好都合。私に直接触れることは出来ませんよ?」
頑ななまでに遠距離攻撃や弾幕を放たなかった事や、相手の一連の言動から美鈴は相手が接触系の能力である事を見抜くと、地下へ案内する時から相手からの攻撃に備えて体表に纏わせていた気の防御膜によって直接接触する事は出来ていないため、体表に纏わせていた気の防御膜は幾らか失われるかもしれないが、直接触れられなければさほどの脅威にはならないだろうと考え応える。
美鈴
「お嬢様、此所は私に任せて下さい。」
美鈴はレミリアと相手の前に移動すると、再び構えを取り、相手からの攻撃に備えつつ、即座に攻撃に反応出来るように備える。本来ならば自分を超える身体能力を持つはずの主が反応しなかった辺り、下手に主を巻き込んでも相手の持つ得体の知れない接触系能力により、不利になってしまうだろう。
貴様なんぞに触れられるかどうかなんてもう気にもせんさ・・・・・さぁ、始めようか・・・・・
(立ち上がると、左手を首に当てて首をコキコキと鳴らしながら上記を言う・・・・・
謎の自身に満ち溢れているが・・・・・)
美鈴
「随分な自信ですね?」
なるほど、相手は自分の能力に対して強い自信を持っていることが伺える……となると、接触した相手に何らかの状態異常やダメージ……いや、最悪触れた対象を操ったり即死させる能力かもしれない。
ならば、弾幕攻撃を警戒して展開していた気の防壁が役に立つだろう。そして、これがブラフでなければ、相手が否定しなかった事から接触系の能力であることは確定した……
なら……自分が出来ることは一つ。
接触しても能力が発動するよりも速く、重い一撃を叩き込んで相手の意識を昏倒させて館の外へ追い出せばいい。
美鈴は床を蹴って飛び上がると、空中で身を捩り、その回転による遠心力を乗せて相手の頭目掛けて右足を用いて強烈な回し蹴りを放ち、即座に脳に衝撃を与えて意識を奪おうとする。
面白ぇ冗談だな!
ガッ・・・・・!
(美鈴の一撃を、片手で簡単に右足を掴むことで止める・・・・・
さっきまでなら絶対にできなかったことであり、身体能力のすべてのスペックは、圧倒的に美鈴の方が上だった・・・・・
それが、今では美鈴の一撃を片手で簡単に取られるまでに身体能力がアップしている・・・・・)
美鈴
「………!!」
まさか本気を出していなかった?
いや、確かに手応えがあったし、明確にダメージを受けていた。
身体強化の魔法や能力がを発動する素振りも無かった。
と言うことはつまり、先程の接触系能力と言う推測と合わせて考えると、相手は此方の身体能力を奪う力を持っていると言うことになる。
美鈴は両手を床に付けると、相手が受け止めた右足を軸にして体を再び捻って右足を振り払うと同時に左足を相手の顔に向けて蹴りだそうとする。この距離での追撃ならば身体能力よりも反射神経が必要となる。
身体能力は高くても、おつむの方は足りてねぇみてぇだな・・・・・
ガッ・・・・・!
(さっきと同じように今度は左足を掴んで攻撃を止めてみせる・・・・・どうやら反射神経もかなりあるらしい・・・・・
そして「力試しといくか・・・・・」と言い、美鈴の足をもう片方の手で殴る・・・・・
すると、美鈴の左足がメキメキと骨にダメージがいく音がする・・・・・)
美鈴
「……お嬢様、少し"手荒い"対応になってしまうと思うので、咲夜さんとパチュリー様に伝えておいてもらえますか?」
美鈴は相手が掴んだ右足を軸にし、床に付けた両手と左足を用いて相手が押さえている事を逆に利用して自身の体を側転させる事で相手の掴んでいる腕を弾くと同時に、相手の繰り出した拳に対して左足で受け止め、そのまま殴り飛ばされる勢いを利用して後方へ下がると、背中が廊下の壁に当たる。
今の一通りの戦いの中でだいたいの相手の力量は測れた。
これは少し戦い方を変えなければならず、それをするためにはこの通路ではあまりにも狭すぎるため、レミリアに対し、咲夜とパチュリーに"手荒な手段"を取ると言うことを告げ、それに備えて欲しいと告げる。
レミリア「わ、わかったわ・・・・・」
お前らが何をしようと俺は構わないぞ?何ならこの館の奴ら全員でかかってこいよ?
(謎の人物は美鈴だけでなく、この館内にいる全員でかかってきても構わないと発言する・・・・・
一体実力のほどはどれくらいなのだろうか・・・・・)
【あ、結構話が流れてしまったので、現在の状況を説明すると、人間の里から場面が移り、紅魔館の地下通路にて、美鈴が不審者を排除しようとしている感じですね!!】
422:華人小娘◆3.:2021/05/11(火) 22:41 美鈴
「侵入者は不審者の排除も私の役割ですからね。それにお嬢様達に怪我をさせてしまったら私が咲夜さんに潰されちゃいますから。」
美鈴
「(さて、と。それじゃあどう攻めようかな。
弾幕による決闘をするつもりは毛頭なく、私の推測通りなら直接触れるのは悪手、それなら下手に接近はせずに距離を取りつつ、相手の出方や技を測り、時折相手の思考や会話を通じて狙いを探ってみるか………)」
両足を広げて準備運動がてらストレッチをして体のバネと間接の稼働範囲、身体の調子を確認しながら攻め方について考える。最初の打撃で決着が付かなかった事から瞬時に撃破する事は難しい以上、相手の力や技の底を伺い、得体の知れない相手の力量をまずは把握してから一気に潰すと言う戦闘スタイルに確定する。
美鈴
「さ、先手は譲ってあげます。何処からでも来るといいですよ!」
右足を大きく上げ、頭上高くにまで足を上げてから勢いよく地面に右足を下ろして軸足をとし、更にその勢いを活かして腰を落とし、少し前に出る。
頭部への攻撃や急所である首、心臓のある胸部に対する攻撃にいち早く対応できるように両手で拳を敢えて作らずに構え、再び臨戦態勢を取る。
相手が背後に回り込み、死角からの攻撃を仕掛けてくると言うのが相手の基本戦法である事は先程の戦いからわかっている。自身の背後に注意を払いつつ、背後からの奇襲に備えて背面に気を集めて簡易的かつ不可視のバリアを展開(本来なら弾幕ごっこの時に使うものを)して相手の攻め方を伺うためにも先手を譲ると言う。
・・・・・
(先手を譲ってくる美鈴を睨みつけるような視線で見ながら、黙り込む・・・・・
よくよく考えれば、今ここで美鈴と力と力による真っ向勝負、これをすることよりも、この紅魔館内にいることを逆に利用して戦うという戦法もあるじゃないか・・・・・
そう考えれば、ニヤリと不気味に微笑む・・・・・)
美鈴
「……どうしました?まさかとは思いますが、あれが貴方の全力でしたか?それとも………私の力を見て怖くなったのですか?まあ、無理は言いませんよ。大人しく"逃げ帰る"のなら止めはしませんよ。」
プライドや自尊心の高い者ならば確実に乗ってくる。
様子見がてら相手の力や技を見切るために攻撃を誘発させてその力量を測り、知る事で戦況分析をより詳細なものとする。
見たところ相手は敵対者であっても対象を見下す者だ。それはつまり自分の能力や実力に自信があるからだろう。だがこれでもし、プライドや誇りを捨てて挑発に乗らずに自分に対する攻撃や干渉以外の別の戦法や行動を取ろうとすれば好機、一瞬の隙を伺っている自分を前にして刹那の瞬間でも隙を見せれば即座に相手を叩き潰せる。
それだけの力が備わっていると美鈴は先程の戦いを通じて確信した。
館の防衛体制については、空間を掌握している咲夜と、既に彼女から報告を受けているであろうパチュリーの両名が幾らでも対策を練っていられる。仮に今ここで自分が倒されたとしても、その二人の時間を稼げればそれで充分役目は果たせる。
・・・・・いや、帰りはしないが、止めないと言うのならばお言葉に甘えて逃げさせてもらうとしよう・・・・・
ダッ・・・・・!
(美鈴がどう出てくるかを伺っていたその時、止めないと言うのならばその言葉通りに帰りはせずに逃げさせてもらうと言葉を返せば、できるだけ美鈴から遠く、そして紅魔館の他の住人を襲おうと計画する・・・・・
美鈴と戦うにしても何にしても、今のままではまだ不利だということはわかった、ならば有利な状況にこっちから近づくまでだ・・・・・)
美鈴
「背中を見せましたね?」
例え注意や警戒を自分の後方や美鈴に向け続けていたとしても、背中を向けた瞬間は完全に視界から消え、死角が生まれてしまい、反応や対応が遅れる。それを狙い済ましていた美鈴が即座に攻撃に移ったとなれば、否応無くその対応や対策は限られる。
美鈴は虹色の気を纏った右拳を拳銃の弾丸にも優る速度で相手の背中目掛けて突き出し、そのまま相手の体を地面へ叩き付けて戦闘不能に追い込もうとする。
例え相手が反撃に転じたとしても自分は身体中に気を纏っているため、張り巡らされた気がバリアのように緩衝材となってダメージや干渉から美鈴を守るだろう。
もっとも、視覚の優位性を自ら捨てた相手にとってこの速度での攻撃は回避や防御も困難なものになる。それがわかっているからこそ、戦闘の最中に敵対者に向けて自ら背中を向けると言うことは危険であり、死を意味する……
ぐぉっ・・・・・!?
(どうにも思っていたように上手くいくことはないほどに、美鈴を甘く見くびっていたようだ・・・・・
死に至るまではいかずとも、地面へ叩きつけられたことによりピクピクと痙攣をし始める・・・・・
反撃に出なければこのままやられるが、反撃に出ても今のようにまたやられる可能性の方が高い・・・・・
窮地に追い込まれる、とはこのことかと痛感する・・・・・)
美鈴
「(……コイツはこの場から離れようとした……大人しく館外に出ていくつもりが無いのは先程からのやり取りでわかっている。つまりこの館内で他の人(妖)を狙いに言ったと言うことになる。だけどそうして外へ意識を反らせば自ずと隙が生まれる……!)」
美鈴は弾幕による戦闘や魔力、霊力の類いを用いた戦闘が苦手だ。だがその分優れた身体能力と、龍族の膂力、磨き抜かれた武術による戦闘技能を持ち合わせている。
弾幕ごっこでの決闘ではあまり強い部類ではないが、肉弾戦となればその戦闘能力は幻想郷でも上位層に位置するだろう。あのヴァルターの子供であり、最高位の吸血鬼に君臨するレミリアやフランドールにも匹敵する強靭な肉体を持っている。
そんな強大な力の矛先が彼に向けられ、そのまま相手の頭部を殴り潰すべく拳を振り上げる。勿論、相手が何をしかけてくるのかはわからないため、相手の一挙手一投足にも注目し、少しでも不審な動きを見せればその瞬間に相手を叩き潰すだろう。
くっ・・・・・!ま、待て・・・・・いいのか?俺をこのまま始末すれば、大変なことになるぞ・・・・・?
(もはや絶体絶命と言わんばかりのこの状況下で、嘘偽りない発言か、それともただの悪足掻きか、このまま自分のことを始末したら大変なことになると忠告する・・・・・
今までのことからして、虚言であることは確かだろう・・・・・)
美鈴
「それは敵意をもって"悪魔の館"で言うべき言葉ではありませんね?」
《ゴオッ》
美鈴は普段は紅魔館の庭園で野菜や植物を育てていたり、門番をしている時に軽く妖精達と話したりとほのぼのとしているものの、一度館や主に害を成すと判断すればその全てを擲ってでも敵対者を滅ぼそうとする龍族らしい荒々しさと穏便さを兼ね備えていた。
そして、眼前にいる相手は明確にこの幻想郷に仇成す害悪だ。
となれば自分が手を止める理由は無い。
気を察知する事で敵対者の位置や悪意ある攻撃を探知する事が出来る自分に不意討ちや奇襲は通用しないし、分身の形成や協力者の暗躍も容易に見破り、滅ぼしに行ける。
脅しどころか時間稼ぎにすらならない。
遠巻きに様子見をする必要すら無かったなと思いつつ、美鈴は虹色の気を纏った拳を相手の顔面目掛けて振り下ろし、この戦いを終わらせようとする……
ぼっ・・・・・!?
グチャァッ・・・・・
(美鈴の拳を顔面に受けると、下顎だけを残して頭部は跡形もなく飛び散る・・・・・
幻想郷に害をなす凶悪な存在だったものの、博麗の巫女の活躍どころか、美鈴がほんのちょっと力を出せば全然倒せる程度の戦闘力であったことが幸いだったため、大規模な異変になる前に早期解決する・・・・・)
美鈴
「………ふぅ、これで一段落と言ったところですね?」
相手の頭を打ち砕き、床にめり込んだ拳をゆっくりと引き抜き、身体中に付いた返り血を全身に纏う気を用いて打ち消すと、頭を失った骸を見ながらゆっくりと立ち上がる。
美鈴
「(一応、館内外にも気を巡らせつつ、パチュリー様や咲夜さん達にも知らせて警備を強化しておきますか……)」
用心に越したことは無い。
先程のが命乞いだったにせよ、真実であるにせよ、侵入者を確認した以上、共謀者がいる事も視野に入れて警備を強化しておいた方が良いだろう。
自分の気を使う能力によって館内外を探知し、パチュリー様の多重障壁結界で外部からの侵入するのを防ぐことは勿論、空間転移や瞬間移動すらも阻み、咲夜さんの能力で館内の空間を少し組み換えてお嬢様と妹様を守ると同時に発見した侵入者を排除する。
この頭を失った骸も咲夜さんが処分してくれるだろう……たぶん。
・・・・・
ぴくっ・・・・・
(美鈴が戦いに決着をつけ、あとは咲夜がこの死骸を片付けてくれるだろうと思っていたその時、動くはずのない死骸の指がぴくっと一瞬動く・・・・・
見間違いか否か、ただの痙攣ならばまだいいが・・・・・)
【区切りが良さそうなので聞きますね!
次誰か別のキャラを私がやりますか?】
【誰をやってもらおうか、今ちょっと迷ってますW】
436:◆3.:2021/05/22(土) 11:12 【決まりましたらお教え下さい〜。
あ、ちなみに自機組や多作品に出ているキャラの場合は、時系列も教えてくれると強さ調整や言動の調整がしやすくなります!】
【了解です!なるべく早めに決めますので少しお待ちください!】
438:◆3.:2021/05/24(月) 00:19 【そんなに気張らなくても大丈夫ですよ〜。
考え付いた時にでも返して下されば私はいいですよ!】
【ありがとうございます!一応時系列は、比較的最近の話として位置づけようかと思っています!
やっていただきたいキャラとしては、妹紅と輝夜の天敵組をやっていただきたいと思っています!】
【了解しました!!となると、個人的に虹龍洞のキャラも出せそうですね!
把握しました!この二人もかなりの実力者ですね……!】
【時系列を最近の話にすることで、時系列的に出せないキャラがいるということにならないようにしました!
私の敵のコンセプトとしては、なるべく小物で、それでいて戦う相手が強者すぎるので追い詰められがちという、言わば小物の中の小物って感じなので不老不死の天敵組と対峙させることでなるべくボッコボコにさせたいと思いましたW(鬼)】
【なるほど!いいですね!!
(*´ω`*)
幻想郷内でも上位に位置する強者ばかりに挑んでいくとは……!
しかも、輝夜さんと言えば最強議論でも必ず上位に出てくるぐらいの存在なので、かなりの戦力差がありそう……
(;・ω・)】
【戦力差がありすぎるどころか、輝夜さんからすればほぼほぼ微生物同様レベルだと思いますWWW】
444:◆3.:2021/05/25(火) 12:25 【なにせ……時空操作系統の最高位に位置する能力ですからね……
認識できないほどの刹那の瞬間と、無限や永遠を自在に操れると言う幻想郷屈指の能力持ちですからね……!本気を出したらヴァイスリゾームクラスでもヤバい……
しかも、そんな異次元の化物と何百年も戦い続け、戦闘経験や潜り抜けた死線の数は幻想郷屈指だと思われる元人間の妹紅の二人……!!
もう少ししましたら本編に投稿しますね!】
【迷いの竹林】
《ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォッ》
竹林の一角にて虹色の光と燃え盛る炎が激突し、辺りの竹を薙ぎ倒し、或いは瞬時に炭化させ、広間が作り出される。激突の中心となっているのは不死鳥のごとき炎翼を生やし、燃え盛る炎を纏った右腕が突き出した妹紅と、その拳を右腕で掴み、炎で掌が焼かれる事も厭わずに受け止めているのは、永遠亭の姫と呼ばれ、高貴な生まれながら強大な霊力、能力、膂力を兼ね備えた月の姫、蓬来山輝夜の二人。
妹紅
「こうして戦うのは何度目……いや、いちいち数えてなんかいられないか?」
【時効「月のいはかさの呪い」】
巨大な炎翼を広げ、自身の拳を掴む輝夜に向けて左翼から緑の光弾を、右翼からは青の光弾を零距離から輝夜に目掛けて撃ち込み、至近距離でありながら相手の逃げ場を奪い、後ろへ逃れようとしてもそのまま撃ち抜けるように技を展開するのだが……
輝夜
「そうね、いちいち数えてなんかいられないわ。哀れな不死鳥を撃墜した数なんて……ね?」
【神宝「ブリリアント・ドラゴンバレッタ」】
妹紅が放つ光弾によって体が次々と撃ち抜かれながらも平然とした様子で妹紅の体を投げ付け、投げ飛ばされた妹紅を自由の効きにくいであろう空中で仕留めようと同じくスペルを発動させ、掌から無数の色とりどりの光弾を放ちつつ、自身の眼前からの反撃を警戒して無数の虹色のレーザーを放つ。
妹紅
「言ってくれるじゃねぇか!私の翼は月にも届くぞ!!!」
投げ飛ばされた先にあった竹を空中で力強く踏み、竹が反発する力も利用して弾かれたようにして輝夜に向かって行く。両手に持った赤い御札と青い御札の二つを投げ付けて眼前から迫ってくる色とりどりの光弾を相殺しつつ、放たれたレーザー群の間に自分の体を捩じ込むようにして致命傷を避けつつも距離を詰めていく。レーザーが掠った事で肌や髪の一部が焼かれるものの、即座に再生し、そのまま向かって行い、輝夜目掛けて再度巨大な炎塊を纏った右拳を振るうとそれを防ごうと無数のレーザーを放って迎撃としようとする輝夜とぶつかり、二つの巨大なエネルギー同士の衝突によって大爆発が巻き起こる……
【幻想郷が本気を出せばヴァイスリゾームは一捻り説
ではでは、第二部開始といきましょう!(ちなみに、私も一人キャラ追加しますね!)】
・・・・・
(戦う二人の近く、何者かの視線が二人に向けられる・・・・・
元々そこにいたのか、それとも今竹林へと来て二人を監視し始めたのか・・・・・
そして、観戦しているのか観察しているのか・・・・・)
【おけです!!(*´ω`*)】
輝夜
「いえ、不死鳥なんて高尚なものではないわね?
どちらかと言うと飛んで火に入る夏の虫……"飛んで夏に入る火の虫"かしら?」
爆風を突き破って輝夜の虹色のレーザー群が妹紅の体を貫こうとするものの、巧みな身体能力を活かし、高速でバク転しながら放たれたレーザーを連続で回避し、10m程後方に下がったところで勢い良く地を蹴って飛び上がり、レーザーを避け切る。
妹紅
「ふん、火に入るのはお前の方だけどな!!!」
今度は拳ではなく、右足に炎を纏わせてそれを回し蹴りの勢いに乗せて放つ事で広範囲を焼き払う横凪の炎の斬撃波を解き放ち、本来ならば大量の水分を蓄えているため、燃えることの無い竹が妹紅が持つあまりの熱量を前に次々と竹が焼き斬れていくものの、輝夜もまた空中へ飛び上がる事で回避してみせる。
だが、輝夜が避けた事で二人の決闘を見ていた人物に向かって妹紅が放った炎斬波が迫る。もし直撃すればよくて焼き斬れる。最悪竹林の一角もろとも焼き尽くされてしまうかもしれない。
えっ!?ちょっ!?!?!?
ゴガガッ・・・・・!!!!!
(炎斬波が迫り来る中、輝夜と妹紅の戦いを見ていた人物は、咄嗟に氷の壁を作ってなんとか防御する・・・・・
そして「もぉー!いきなり危ないじゃん!!!!!」と、輝夜と妹紅の二人の前へ出てきて、勝手に近くで見ていたくせして観客に危なくないように配慮して戦えと言わんばかりに物申し始める)
妹紅
「やばっ……って、なんだ氷精か。
今は危ないから離れていた方がいいぞ。」
チルノの展開した氷壁と妹紅の放った炎斬波が激突すると凄まじい勢いで氷壁を蒸発させて行くものの、妹紅にとっては牽制程度の力しか込められていなかったからか、氷壁が完全に溶けきる前に爆発四散して消滅する。
それを見て思わず一般人を焼き付くしてしまったかと心配するものの、爆炎と水蒸気の中から相手が飛び出して来たのを見て安堵する。
輝夜
「ごめんなさいね?妹紅ったら手当たり次第周りを巻き込む危ない攻撃ばかりするから……」
妹紅
「あッ!?お前のレーザーも大概ヤバいだろうがッ!!」
輝夜
「私はいいんですー!
アンタと違ってちゃーんと滅衰率を調整してある程度の距離まで進んだら弱まって消えるようにしてあるからいいんですー!
まあ、アンタにはとても出来ないでしょうけれどもね?」
妹紅
「面白れぇ、それなら引きこもりのお前じゃ出来ないような高度な術を見せてやるよ。」
《ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……》
妹紅と輝夜はまだ喧嘩を続けようとしているのか、輝夜が優しく微笑みながら謝るものの、そこには妹紅への皮肉がはっきりと付随しており、そこから再び二人の間に険悪な雰囲気が生じ始め、妹紅は両手に炎を、輝夜は自身の周囲に無数の虹色の光球を生成し始める。このまま行けば直ぐにこの場は壮絶な死闘の場に戻ってしまうだろう。
うーん・・・・・よくわからないけど、二人とも容赦っていうのを知らないんじゃ「馬鹿」じゃん・・・・・?
(妹紅と輝夜、二人の因縁は知らないものの、いくら人気のない竹林での勝負だからといって、容赦もせずに手当り次第技を放って殺し合いをしている二人を見ては上記を何の悪気もなく呟く・・・・・
馬鹿から言われる馬鹿という言葉ほど呆れと怒りが込み上げるものはないだろう・・・・・)
輝夜
「……………!」
妹紅
「………おい、今何か言ったのか?」
今まさに二人が激突しようとした矢先、チルノの"馬鹿"という言葉を聞き、二人の手が止まり、輝夜は視線だけをチルノに向け、妹紅は何時でも炎弾を打ち出せる状態のままチルノの方を向いて今何かを言ったのかと問いかける。
え?馬鹿じゃんって言ったんだよ?
(妹紅に今何か言ったかと聞かれれば、再び何の悪気もなくストレートに上記を言う・・・・
チルノからすれば本当に何の悪気もないが、真剣に戦っている二人からすれば、今のチルノの言葉は侮辱以外の何ものでもない・・・・・)
輝夜
「……あら、長く生きると命に対する執着も無くなってくるものなのかしら?悪いことは言わないわ、直ぐにここから離れた方が身のためよ?」
実力的に言えば即座に排除する事が出来るほどの力の差があるからか、突拍子も無いチルノの発言を聞いても余裕の姿勢を崩していない輝夜はあくまでも冷静にこの場から去るように言う。
今度はアタイ二人の攻撃がなるべく当たらないように観戦するから大丈夫だよ!
(輝夜の忠告が戦いに巻き込んでしまうからという意味合いだと思ってか、チルノは二人の攻撃がなるべく当たらないように今度は観戦するからと言う・・・・・
そういう問題ではないと思われるが・・・・・)
輝夜
「ええ、お願いするわ。」
チルノの自信家な言動や、自分達二人の戦いを前にしても臆さずに無邪気に応えるその様子を見て、口許を袖で隠しながらクスクスと微笑み、妹紅の放った炎弾を避け、その反撃として七色に輝く小型の高速光弾を放ち、再び二人が戦い始める……
にしても休んだりもしないでよくこうもずっと戦っていられるなぁ・・・・・
(妖精の立場からすれば、本気の殺し合いというものはあまりわからずに、よくもまぁこうやって休む時間などもなくずっと全力で戦っていられることがあるなぁと感心する・・・・・
妖精たちが戦う場合は、本気の殺し合いではなく遊び程度だからか、二人の戦いは全然知らない世界でもある・・・・・)
妹紅
「はははは!今日こそは勝たせてもらうぞ!!」
広げられた炎翼を羽ばたかせる事に無数の炎弾を放ち、隙を見ては赤や青の御札を投げることで幾重もの飽和攻撃を繰り返し、更に炎の延焼効果により、掠るだけでも炎が体に燃え広がるため、対峙する輝夜は回避するために大きく動かなければならないため、体力の消耗が通常の回避よりも激しくなっている。
あっ、そーだ・・・・・ねぇねぇ二人とも、この辺りに変なやつ来なかった?
(〇し合いをしている二人に、空気も読まずにこの辺りに変なやつが来なかったかどうかと訪ね始める・・・・・
本人達からすれば真剣な戦いの最中であっても関係なく普通に聞いてくる辺り、もはやてチルノはバカを通り越しているのかもしれない・・・・・)
輝夜
「私は見ていないわね。妹紅、アンタは誰か見た?」
《ゴオッ》
輝夜は妹紅が放つ無数の光弾や炎弾を回避しながら右腕を妹紅に向けて翳し、掌から虹色に輝く綺麗なレーザーを放ちつつ、自分は今日、不審な人物を見た覚えは無いと応える。
妹紅
「おいおい、果たし合いをしている奴に話しかけるか?
私もここに来るまでの間に変な奴を見てはいなかったな。
あ、いや……この竹林に氷精が来ると言うのも少し変だよな?」
輝夜の放ったレーザーを回避するものの、光速で迫るレーザーを完全に回避しきる事は出来ず、長い白髪の毛先の一部が焼き切れるものの、即座に左腕を振るって輝夜に向けて炎を放ち、爆破させながら応える。
いやぁ〜、その変なやつに喧嘩売られてさ、アタイがさいきょーだってことを思い知らせてやろうと思って追いかけていたら見失っちゃって、探していたらここまで来ちゃったんだよね・・・・・
(二人の見ていないという言葉を聞いた後に、妹紅の何故こんなところにいるのかという問いかけに喧嘩を売られて追いかけていたら見失ってしまい探している内にここまで来てしまったと応答する・・・・・
そして「見た目はアタイや大ちゃんと同じような妖精や子供みたいな感じ」と、一応容姿の説明をする)
輝夜
「………………。」
チルノがこの場所へ誘導されるように訪れた事や、毎日地形や景色が変わる事から案内人無しで下手に足を踏み入れてしまうと竹林から抜け出るだけでもかなりの時間と労力を必要とする"迷いの竹林"に侵入した者がいる事から、そのあまりの行動の不自然さや違和感から何かを察した輝夜は無言のまま妹紅の放つ光弾を避ける。
妹紅
「……そいつは間違いなく人間じゃないな。何の目的かは知らないが、人間じゃないのなら餓える心配は無いだろう。」
人里離れたこの場所に子供が訪れる事は考えにくい。道中で下等妖怪や野生動物に襲われる事が多いからだ……ましてや、人間の子供では幾ら妖精とはいえ、チルノから逃げ切ることは不可能。となると妖怪の類いである事は疑いの余地も無い。それなら特に自分が気にする必要もないと考えた妹紅は右手に炎を集束させ始める。
輝夜
「………………。」
妹紅の引き起こした爆炎の中を上へ飛翔する事でダメージを最低限に抑えた輝夜は少し思考する。
チルノがこの場所へ誘導されるように訪れた事や、毎日地形や景色が変わる事から案内人無しで下手に足を踏み入れてしまうと竹林から抜け出るだけでもかなりの時間と労力を必要とする"迷いの竹林"に侵入した者がいる事から、そのあまりの行動の不自然さや違和感から何かを察した輝夜は無言のまま妹紅の放つ光弾を避ける。
妹紅
「……そいつは間違いなく人間じゃないな。何の目的かは知らないが、人間じゃないのなら餓える心配は無いだろう。」
人里離れたこの場所に子供が訪れる事は考えにくい。道中で下等妖怪や野生動物に襲われる事が多いからだ……ましてや、人間の子供では幾ら妖精とはいえ、チルノから逃げ切ることは不可能。となると妖怪の類いである事は疑いの余地も無い。それなら特に自分が気にする必要もないと考えた妹紅は右手に炎を集束させ始める。
でもさぁ、見た目の割にはなんか攻撃力高かったんだよねぇ・・・・・
(チルノはどうやらその何者かに攻撃を受けていたらしく、見た目の割には攻撃力が思っていたよりも高かったということを述べる・・・・・
チルノもそこそこ戦えるには戦える、と考えればその何者かの戦闘力はチルノと同じくらいか、或いは・・・・・)
輝夜
「……貴方はあの氷精を竹林の外にまで案内してあげたらどう?
どうせ今回も決着は付かないんだろうし。」
《ガッ》
一気に距離を詰めて炎を纏ったまま回し蹴りを放ったのに対して輝夜は妹紅の脚を掴んで制止させ、妹紅の炎によって手が焼かれるものの、それを意にも介さずに妹紅に戦いの手を止めてチルノを竹林の外にまで案内した方がいいんじゃないかと言う。
だが、その視線は一度もチルノを見てはいない……
妹紅
「おい、何だよ怖じ気付いたのか?
だがまあ、他に用事が出来たのならそっちを優先すべきだな。」
輝夜によって足が掴まれたものの、掴まれた右足を軸にして空中で体を高速で一回転させる事で輝夜の握力を振り切って再び自由になると、妹紅はチルノを見る。
チルノの発言に対して、それなりに力のある妖怪ならチルノと接戦になっていても可笑しくはないため、それほど気にしてはおらず、特に警戒もせずにチルノに竹林の外へ案内しようと声をかける。
妹紅
「後は私達に任せてお前は竹林の外に出ろ。
竹林の中で餓死するのは嫌だろ?」
えー、もう終わりなの?もっと見ていたかったのにぃ・・・・・
(観戦者の立場であるチルノからすれば、もっと戦いが見ていたかったという中での突然の戦い終了に若干不満気味な表情を見せる・・・・・
しかし、わがままを言ってばかりもいられないと流石のチルノも理解して渋々竹林から出ようと飛んでゆく・・・・・)
妹紅
「果たし合いなんて見て喜ぶもんじゃないんだがな。
直ぐに戦いを止めたからよかったものの、あのまま続いていたら肉を見ただけで吐くようになってしまっていたぞ?」
あはは、と笑いながら、もしあのまま戦い続けていた場合、互いの霊力が尽き、霊力が尽きた後の血みどろの肉弾戦を繰り広げていたと教える。そんなグロテスクなものは相手も見たくはないだろうと考えている。
そんなに酷いことになるの?
(いくら不老不死とはいえ、毎回毎回そこまで血にまみれた戦いをしているのかと思えば、普段からそこまでの戦いをすることは無いチルノからすれば、そんなに酷いことになるのかと聞いてみる・・・・・
妖精達は本気の殺し合いに発展するほどの戦いなんてまずしない・・・・・)
妹紅
「私もアイツも不死身だからな、どうやったって決着は付かないし、戦いが終わることもない。だから先に霊力やら妖力やらが尽きて殴り合いになるんだよ。」
通常の不死者や高速再生能力を持った者である場合は封印やら生き埋めにしてしまえばそれで終わるのだが、自分達はそれらが使われようと一時的に風 封じられるだけで魂を起点にして何度でも肉体を再構築することが出来てしまう。
そうなると、どれだけ攻撃しても動きを封じても無意味であり、どれほどの霊力や妖力があっても、そのエネルギーそのものが先に無くなってしまう。その果てにあるのは小細工無しの殴り合いだ。それもただの殴り合いではなく、どちらかの体力が尽きるまで繰り広げられてしまうと言う……
結局は戦いに意味なんてないんじゃん
(どれだけ戦っても、妹紅と輝夜の二人の戦いには結局ハッキリとした決着がつくことはないのだとわかれば、どんだけ戦ったとしても無意味だと言う・・・・・
逆に、終わることのない戦いをし続けなければならないということに対して、可哀想にも思えてくる・・・・・)
妹紅
「けど、たまにはああやってぶつかり合わないと積層した鬱憤が晴らせない。私もアイツらも、変化を拒んで不死を得たんだ、永遠に戦い続けるしかない。例えそこに意味なんか無くてもな?」
輝夜が見送る中、竹林の出口に向かってチルノを連れて歩き始め、その中で例え意味など無くとも永遠に変わること無く戦い続けるしかない……今となっては父を奪った輝夜への憎悪や憤怒は殆ど残ってはいないが、衝突し合い続けなければならない……これこそが蓬莱人となる対価なのだろう。
なんか難しい話・・・・・
(チルノの頭脳では、わかりそうでわからなく、妹紅の言っていることはわかる範囲からわからない範囲へと変わってチンプンカンプンな話に早変わりする・・・・・
蓬莱人の感覚は、妖精には理解しづらいのかもしれない・・・・・)
妹紅
「ははは!同じ不死身同士でも妖精にはわからない感覚だったかな?」
自然の化身である妖精の大半は人間よりも遥かに長く生きているものの、その多くが人間のように哲学的な思考をした事がなく、深く物事を考えること無く暮らしていた者ばかりだ。
自分のように本来は短命な種でありながら永遠の命を得てしまったが故に生そのものに強い虚無感を感じている者の考えは理解できないのかもしれない。
いや、長命な者の中では自分達のような考えこそ少数派なのかもしれないと考えながらチルノの背中を軽く叩いて笑う。
アンタ今アタイのこと馬鹿にしたでしょ!
(自分のことを最強であると信じてやまないチルノは、わからない感覚だったかなと言われれば、最強の妖精である自分にはわからないことなどないと言わんばかりにチルノはアタイのことを馬鹿にしたでしょと反抗する・・・・・
こういうところがチルノが馬鹿と言われる所以なのだが・・・・・)
妹紅
「さあ、どうだろうな〜。」
あはははと笑いながら両手を自分の頭の後ろで組み、チルノの怒る様子を見て、少しはぐらかすように応える。
まぁ、いいや!
(小さいことはあまり気にせず《小さいことでもない気もするが・・・・・・》チルノは、自分にはあまり関係の無いことだと判断してまぁいいやと言えば「あ、そうだ、アタイが言っていた変なやつのこと、もし何か心当たりがあったり見かけたりしたら、すぐに言って!今度こそ目に物言わせてやるんだから!」と意気込んで)
妹紅
「ああ、わかったよ。見掛けたら私からも伝えておくよ。
そらじゃあ、竹林の出口はこの道を真っ直ぐ行けば外が見えてくるぞ。」
の細部を気にすること無く生きるチルノを見るチルノを見て、彼女の言う探し人が見付かったら伝えておくよと言うと、竹林の一角を指して此所を真っ直ぐに進めば竹林から出られると教える。
それじゃあ頼んだよー!
(そのままチルノは、竹林から出ていく・・・・・
が、次の瞬間・・・・・)
ドサッ・・・・・
(チルノは突如として気を失ったかのように、落下していきそのまま音を立てて地面に落ちる・・・・・)
妹紅
「…………!!」
突然地面に落下したチルノを見て、何かしらの攻撃を受けたのだと気付くと、周囲に対する警戒を強め、何時でも攻撃に反応できるように両手に炎を纏わせ、即座に臨戦態勢に入る。
・・・・・
(臨戦態勢に入る妹紅とは対照的に、辺りは怖いくらいに静まり返っている・・・・・
そして、地面に落ちたまま動かないチルノ・・・・・
只事ではない何かしらが起きている・・・・・)
妹紅
「(……何が起きたのかはわからないが、まだ犯人はこの近くにいる筈だ。妖精は自然現象そのものだから死なないし、私自身も決して死ぬことは無いが……警戒を続けておくか)」
周囲の静寂の中、微かな息遣いや服の擦れる音、視線を辿る事で相手の居場所を特定しようと警戒を続ける。おそらく不意討ちをしかけるのならば背後から、もしくは頭上か地下等の
穴を掘ったり潜るような音は無く、空を飛ぶような羽音や、風を切るような音も聞こえない事から、攻撃が来るとしたら地上から来ると考えるのが正しい。仮に何処かに潜んでいても、こうして此方が動かなければ相手は何も出来ないし、背後に回り込もうものなら強烈な後ろ蹴りをお見舞いしてやればいい。
正面や側面から来るのならば此方に到達する前に炎弾で撃ち抜くし、遠距離からの攻撃を仕掛けて来るのであれば、その攻撃方向から相手の居場所を特定する。
長きに渡って数々の妖魔との戦いを潜り抜けて来た事で、妹紅の脳内では様々な思考が一瞬にして巡り、敵対者からの攻撃に対して予測をして行く。
ガサガサッ・・・・・!
(近くの草むらから何者かが潜んでいると思われる物音がするが・・・・・)
カーッ!カーッ!
(ただカラスが飛び立っただけであると同時に、何かしらの異変起きているのならば、カラスは勿論のこと、他の野生動物たちも何かしらの反応を示す可能性が高いが、今この状況において特に動物達は騒いだりもさせずにいる・・・・・)
妹紅
「風……じゃないな。
大人しく出てこい、出てこないなら……焼き尽くして炭にするぞ?」
妹紅は近くの茂みから音が聞こえると、他の茂みとは違って明らかに動いた事や、このタイミングから考えてただの自然現象ではないと考えるものの、この竹林には永遠亭に属する妖怪兎達がいるため、取り敢えず少し強めに警告してみる。
この警告に応じなければそのまま炎弾を打ち込んで茂みごと焼き尽くす。言葉が通じる者ならばこの警告によって出てくる筈だ。
ガサガサッ・・・・・
た・・・・・助・・・・・け・・・・・
(妹紅の問いかけに答えるように、ボロボロになった妖怪兎の一匹が妹紅の前によろよろと出てきては、助けを求めて近寄ってくる・・・・・
片腕は骨が折れているのか、だらんとして変な方向に曲がり、体中あちこち切り傷だらけで痛々しい・・・・・)
妹紅
「おいおい、大丈夫か?
……一応こうしておくか。」
ボロボロになった妖怪兎が出てきたのを見て、あまりにもタイミングが合いすぎている事や、自分の姿を見て、声も聞こえていただろう状態であったにも関わらず、こうして此方から呼び掛けるまで一切声をかけなかった事に微かに違和感を覚えるものの、妖怪兎の近くに歩み寄り、右手を差し出して動けるかどうかと話しかけてみる。
また、その際に左手を少し振り、妖怪兎の周囲に強力な炎の壁を形成して周囲一帯に攻撃を仕掛けてみる。大量の水分を含み、自然に燃えることの無い竹は燃えていないものの、それでも身を隠せるような茂みは全て焼き払える。例えこの妖怪兎を囮にして奇襲するタイミングを伺っていたとしても先手を取れるだろう。
・・・・・よ、よかつた・・・・・本物・・・・・で・・・・・
(何やら意味深なことを言うと、意識を失いそのまま妹紅の体へと身を預けるようにして倒れる・・・・・
正面を向いていた為見えなくなっていたものの、妖怪兎の背中からは致死量にも匹敵するぐらいの出血が見られ、何か恐ろしいことがあったということが伺える・・・・・)
妹紅
「(……今の発言や、背中の傷跡から幻術の類いを見せてから背後から奇襲する訳か。見たところこんな術を使わないと妖怪兎も倒せないぐらいの実力しか無いみたいだが……直に周囲が炎に包まれる。隠れていても炙り出せるだろう。)」
妖怪兎の言動から侵入者の戦闘スタイルを推測する中、先程妹紅の放った炎が妖怪兎と自分の周囲へと燃え広がり、辺りの茂みといった身を隠せるであろう場所を奪っていく。まだ周囲に潜んでいるのならばこれで炙り出すことが出来るだろう。
ゴオオォォォォォォ・・・・・
(妹紅の考えとは裏腹に、いつまで経ってもただただ炎が燃え滾るだけであり、妖怪兎を攻撃したと思われる何者かは一向に姿を現そうとしない・・・・・
妹紅からの反撃を恐れて既に遠くへ逃げたのか、それとも・・・・・)
妹紅
「………周囲一帯を燃やしてみたが……残り考えられるのは彼女に化けていると言う可能性だが……まあいいだろう。」
囲を霊力と妖力を混合させた炎で囲んだ以上、遠距離から攻撃しようにも炎によって視界も霊力探知も遮られ、狙撃をする事も困難であるため、上空から来るか、この妖怪兎に化けているかのどちらかの可能性が考えられるのだが、上空からの攻撃には探知が効く上に自分は完全なる不死者である蓬莱人である事から相手が妖怪兎に化けて不意打ちをしてこようと平気であること、何よりもこの妖怪兎が本物であり傷だらけで倒れているところを放置すると言うのはあまり気分がいいものじゃないため、彼女を背負おうとする。
・・・・・
(妖怪兎からは、特に邪悪な気配のようなものは感じられず、本当に気を失っているようだ・・・・・
それに、もし妖怪兎に化けているのだとすれば、具体的な能力をわかっていない時点でここまで接近するような命知らずなことをするだろうか・・・・・?)
妹紅
「………お前は妖怪だから少し熱いかもしれないが、耐えてくれよ?」
妹紅は妖怪兎が完全に白かどうかの判別が難しかったため、取り敢えず右手を妖怪兎に向けると、その掌から炎を放つ。
この炎は元々は妖怪退治のために編み出したものであり、妖怪や邪悪な思念を持つ者の残滓をその内外から焼き尽くして浄化させる力がある。妖怪兎達は元々ただの兎だったため、少し熱かったり息苦しくなるかもしれないが、邪念が無ければ死にはしない。
古来から伝わる炎は悪しきモノを焼くと言う伝承から伝わった力となっている。……ただ、この炎は輝夜には何故か通用しなくて焦った覚えがある。アイツが邪悪じゃない訳がないのに。
・・・・・ぅ・・・・・ぁあ・・・・・
(妖怪兎は表情を歪め、妹紅の服を掴む・・・・・
妹紅と会った時既にもうかなりの手負いの状況だったからか、かなり苦しそうにしている・・・・・
だが、反応からして妖怪兎は何者かの変装などではなく、本物のようだ・・・・・)
妹紅
「よし、これで毒とか呪いがかけられていても消せたな。それじゃあさっさと移動するぞ、ついでにお前もだな。」
邪気を払う、それはつまり邪気を伴った毒素や呪いがあったとしてもこれで焼き払うことが出来る。更に傷口を焼いて塞ぐことで出血も止めることが出来る事から、相手がまだ生きていることを確認すると地面に倒れたチルノにも同じように邪気を伴うものだけを燃やし、足早に永遠亭に向かって走り出す。
周囲にはまだ妹紅の放った炎の壁が揺らいでおり、後を着けて来ることが出来ないように炎の壁に紛れるようにして撤退しているため、見て追いかけることは困難だと思われる。
ちょっと!こんなに熱いと溶けちゃうじゃん!
(どうやらチルノは体は動かせなくなっているものの、意識はあったらしく、妹紅に熱いと文句を言い始める・・・・・
どこまでも自由気ままでわがままなチルノだが、それはさておき、問題は今回の件に絡んでいる何者かはどのタイミングで逃げたのか、ということだ・・・・・
そもそも、今もこのように辺りが燃えていることもあり隠れ続けるのは限度もあり、そしてこの場から逃げるタイミングも妹紅がすぐに炎を放ったためなかったはずだ・・・・・
と考えると、何者かは妹紅が炎を放つ前にはもう既にどこか別の場所に移動していた、もしくはチルノが輝夜と妹紅の戦いを見物し始める前にもう場所を移動していた、ということになる・・・・・)
妹紅
「文句を言ってる場合じゃないだろ?さっさと下がるぞ。」
助けようとしているにも関わらずわがままを言うチルノに少し呆れながらも、文句を言っている場合じゃないだろうと答えると、チルノと妖怪兎の二人を担いだまま走り出す。
先程チルノと別れた直後に攻撃された。
つまり、この周囲に侵入者がいた事に間違いはない。となれば、周囲を焼き払い、炙り出すために炎の壁を展開した時に侵入者が逃げたと考えるのが妥当だろう。
チルノと妖怪兎の二人を担ぎながら竹林を走り、永遠亭に向かうが、自分を追って永遠亭の位置を把握される事を警戒し、敢えて少し遠回りをして背後や上空に気を払いながら向かって行く。先程展開した視界妨害と炙り出しのために展開された炎の壁は3分ほどで燃え尽きて鎮火されるため、心配する必要はない。
こんなことするのあいつしかいないよ!
(チルノは文句を言っている場合じゃないという妹紅に対して、こんなことをするのはあいつしかいないと、自分に喧嘩を売ってきた何者かを話題に出す・・・・・
そして「あたいが退治してやるぅー!」と、ジタバタ氏始める)
妹紅
「……なあ、お前の言っているアイツってどんな奴なんだ?」
チルノと妖怪兎の二人を抱えながらも素早く竹林を息一つ切らすことなく駆けている妹紅はチルノの言う"アイツ"がどんな奴なのかを聞いて少しでも情報を得ようと考える。
どんな奴?うーん・・・・・女の子にも見える感じかなぁ・・・・・
(そう言うと「変なことも言ってたよ?俺にかかればたとえ鬼のいる城だろうと簡単に入ることが出来るとかなんとか・・・・・」と、何やら含みがあるような発言をしていたとチルノは述べる・・・・・
その何者かが言う「鬼のいる城」というのは、何なのか・・・・・)
妹紅
「鬼のいる城?
……鬼……城……?うーん、その単語から考えられるのは紅魔館ぐらいしか無いが、あれって城じゃなくて館だよなぁ……」
チルノの言う人物の特徴や、彼の言っていたと思われる言葉を聞いても今一つその真の狙いや考え、姿がわからずに首をかしげる。
考えを色々と凝らしていた中、遂に永遠亭が見える程にまで近付いて来たようで、30m程先に永遠亭の入り口がある。
でも見方によってはお城じゃない?
(紅魔館は厳密に言えば城ではなく館だが、見方によっては城っぽくも見えるとチルノは言う・・・・・
そして、簡単に入れるという部分は、いつも居眠りばかりしている門番がいるら簡単に入れるという捉え方もできるものの、だとしたら「俺にかかれば」の部分が謎だが・・・・・)
妹紅
「ははは、まあ確かにあれもこの幻想郷内ではかなり広いし、城っぽい感じをしているな。」
紅魔館を狙っているのだとしたら、わざわざ自分がそれを教えに行く必要も無いだろう。かつて永夜異変の後、館の主である吸血鬼とその従者と戦った事もあるが、いずれも自分とひけを取らない猛者揃いであり、心配はいらないだろう。
そこまで深く考えることはなく、永遠亭の正面口に到着すると、てゐの部下であり、この永遠亭に住む妖怪兎達に声をかけるために声をかけていく。