幻想郷の守護者『博麗霊夢』
これはそんな彼女が博麗の巫女となり、数多の異変を解決する以前に、始めて訪れた邪悪な妖との戦いの物語。
>>1 世界観と注意
>>2 異変キャラについて
紫
「豺狼は基本的に他の人喰い妖怪と同じように外来人を襲っていて、時折里の郊外に出た里の人間を襲っていると言う行動を取っているわ。」
多数の人間を無差別に襲うのではなく、外来人や郊外に住む人間をメインに時折襲うと言うスタンスをしているため、幻想郷の人間を全て狩尽くそうとしている訳ではない。
この辺りもまた、幻想郷の人妖のバランスが崩れて紫達が動かさざるを得なくなるような状況に陥らないようにしているのだろう。
紫
「けれど……これまでの傾向から、巫女の実力を測った後、博麗の巫女を直接襲う前に力を蓄えるべく、里の郊外にある小さな集落を狙うでしょうね……」
豺狼の狙うターゲット層を教えた上で、これまでの経験から里の郊外にある小さな集落を襲って自分の妖力を蓄えようとするのだと言うことも教える。里の外には幾つも村とも呼べないような小さな集落があるのだが、その何処が襲われるのは、霊夢の勘が教えてくれるだろう。
本当に小物ね・・・・・こっちの状況をコソコソと伺いながら、戦う時までは決して安易に姿は見せない・・・・・臆病者の証だわ・・・・・
(博麗の巫女という、幻想郷には絶対に欠かせない存在をを何人も喰らってきた極悪妖怪ではあるものの、そのコソコソとした卑怯極まりないやり方と、戦う時までは他者を利用して自分は力を蓄えながら決して安易に姿を見せることは無いその思考が、完全に臆病者のソレだと霊夢は評価する・・・・・)
>>紫
紫
「本当に厄介なのはコソコソ逃げ隠れしたり、ルールの裏から出ようとしない臆病者なのかもしれないわね?」
自分の力に自信を持ち、堂々と悪行を行い、討伐のための大義名分を得られやすい悪よりも、豺狼のように勝利や栄光よりも、自らの保身のみを念頭に置いて行動している豺狼の方が厄介なのかもしれないと呟く。
その言葉の裏にあるのは、臆病なまでに警戒心や注意力の強い豺狼の厄介さと、自分のような幻想郷の秩序を守る事を第一とする者では手出しのしようがない場面へ逃れる豺狼への微かな苛立ちが感じられる。
いずれにしても、厄介か厄介じゃないかじゃない、悪は問答無用で滅するべきということ・・・・・
(豺狼は幻想郷を蝕むばい菌でありながら、妖怪と人間との距離感を保っているような立場になっていることが何とも言えない・・・・・
博麗の巫女を喰らうことで力を蓄えるという、臆病者のクセしてやることは本当に汚いのもまた、怒りを通り越して殺意を抱く・・・・・)
>>紫
紫
「怒りは良いわよ、許せないと言う強く純粋な怒りは限界を超える力を与えてくれる。」
豺狼のあまりにも卑怯な手段や、まだ満足に戦えずに弱い状態の者を狙うその性質を知って怒りと殺意を抱く霊夢を見て、スキマの縁に腰をかけたまま言う。
紫
「けれど……その怒りに欲望と願望が混ざれば憎悪となる。憎悪は怒りと似て非なるもの……貴方が抱くのは怒りのままでいられるかしら?それとも憎悪へと変貌してしまうか……」
だが、その怒りと殺意の混ざった状態を見て、紫は憎悪へと変貌してしまえばそれは即ち破滅へ通じる事になるのだと警告する。怒りに呑まれ、憎悪に心満たされた存在の末路は幾つも見てきたが故に、紫は霊夢にはそうならないように、そうなって欲しくはないと考えている。
紫
「………何にせよ、私からはこれ以上干渉する事は難しい……この件については先代と先々代と同じように、巫女である貴方に任せるわ。」
最後に紫は豺狼について、このまま里の外れの集落を襲うであろう豺狼の行動を先回りして阻止するも良し、神社に結界を張って二度と襲撃してこなくしても良し、もしくは豺狼を確実に仕留めるために動き出すも良し、後の行動について紫から指示したり束縛するのではなく、霊夢の意思に任せると言う。
【本来であれば到底力及ばぬ博麗の巫女を、まだ弱い雛の状態で喰らうべく執拗に狙う狼……それが豺狼です……!!】
・・・・・憎悪・・・・・?アンタ、私が欲望や願望を抱いて今に至っていると思っているの・・・・・?アンタは手を出せないにしても、何代も前から博麗の巫女がただただそいつの力の糧にされ続けているのが悔しくないの・・・・・!?
(霊夢には、霊夢なりの怒りがあるのだろう・・・・・
いや、だからこそ紫は忠告するのだろうか・・・・・
怒りの感情なんて、違うもので、そして怒りは時に、破滅へと繋がるのだから・・・・・)
【どう足掻いても漂ってしまう悲しき小物感・・・・・】
紫
「悔しい……?」
霊夢がこれまで我欲を持って来たと思っていたのかと言う問いに応える前に、何人もの巫女が僅か数ヶ月足らずで殺され、その力の糧とされて来た事が悔しくないのかと問う霊夢の言葉にキョトンとした表情で反芻するように同じ言葉を呟く。その様子はまるで悔しいと思ったことが無いかのように見える。
・・・・・アンタは、心ってもんがないのね・・・・・もういいわ・・・・・
(そう言うと、霊夢はそのままその場を後にする・・・・・
一番博麗の巫女と関わってきていながら、何もわかっていないじゃないかと、より一層悔しさが増す・・・・・
紫はただの傍観者であり理解者ではない、霊夢はそう判断した・・・・・)
紫
「……悔しい……ね、久し振りに聞いた言葉だったわ……」
幻想郷において、ある程度の換えを用意していたため、例えば霊夢が命を落としたところで新しい候補者を紫は複数考えていた……
悠久の時を生きている中で時間感覚も倫理観もまた、人間のそれとはかけ離れてしまっているのか、一人が死んでもまた新しい博麗の血筋を呼んでそれを代わりにすればいい。何人かは殺されるものの、先代や先々代のようにそれを撃退する才がある者も確かに存在する。その確率について、紫は二人の前例を元に計算した結果考え付いたものであり、巫女の生存率や生存期間、それぞれの感情については微塵の考慮もされていない……
心や感情について抑え込んでいる内に、紫自身も元々持っていた感情が圧殺されてしまっているからか、幻想郷の維持が出来るのならば、命さえも消耗品として見なしてしまう冷徹かつ非情、機械的なまでに無慈悲な思考に至ってしまっている……
【現状では、幻想郷の維持のためなら巫女の命さえも短期間限りの消耗品としか考えていない紫と、用意周到になるがあまり、登場前であるにも関わらず小物化している豺狼wwww
紫はこれから少しずつ変わっていくかも……?】
蔵蜜「・・・・・あの巫女の言う通りだ・・・・・幻想郷のこともわかるが、お前は代わりがいるからと博麗の巫女が命を落とすことさえもあまり大事として考えていない・・・・・」
(紫が幻想郷を想う気持ちもわかるものの、それでも博麗の巫女の命を軽視し過ぎだと忠告をする・・・・・
いくら代わりがいるとしても、命は無限に生まれる都合のいい道具ではない・・・・・
紫の今の考え方には、蔵蜜もかなりモヤモヤしていた・・・・・)
【豺狼さんの言われっぷりがどんどん酷くなってゆく・・・・・WWW】
紫
「………そうね、猛省するわ。」
軽口を言う霊夢をからかうようにして発した言葉だったのだが、確かに当事者の前で命を軽視した発言は些か不用意だったかと考える。
かつては紫もまた、少し変わっているだけの人間でありながら、途方もない年月の中を妖怪で居た事で内面的にも人間からかけ離れてしまっている事を自覚し、目を閉じるとそのままスキマを閉じて自身の屋敷へと帰って行く。
霊夢がこのまま豺狼による集落の襲撃に向かうか……それとも、神社の守りを固めて迎撃に専念するか……二つの道がある。
・・・・・紫の奴は、時々空気が読めないというか、何というか・・・・・
(やれやれどうしたものかと思いながら、上記を言えば、自身も森へと戻ってゆく・・・・・
そして、蔵蜜も単独で豺狼について調査を始める気でいた・・・・・
いくら力が強くても、妖怪との戦い方をまだ把握しきれていない霊夢は力的には見込みはあれど、このまま戦えば過去の悲劇を繰り返すだけだと思ったようだ・・・・・)
【博麗神社内】
・・・・・私は、間違っていないわ・・・・・
(紫の言葉についカッとなってしまうことや何とも言えない怒りを覚えてしまう・・・・・
が、間違っているのは紫だ、自分は間違っていない、そう思うことで幾分か気を紛らわすことが出来た・・・・・
が、時々、紫も沢山辛い思いをしてきて今のような性格になったのではないかと思えてくる・・・・・)
【返信送れてすみません!】
【誤字していました、遅れて、です、すみません!】
114:八雲 紫◆3.:2020/07/17(金) 18:36 【大丈夫ですよ〜、お気になさらず〜
この後里郊外に移動しますか?それとも神社でもう少し居ますか?】
【ありがとうございます!
里郊外でお願いします!】
魔理沙
「はあ…はあ……くッ!次から次へと沸いて来やがって……!倒しても倒してもキリがない……!!」
人間の里の郊外にある小さな集落では、霊夢が到着する少し前に豺狼の操る瘴気によって凶暴化した野犬の群れが襲撃しており、集落の戦える男衆と共に金髪の、魔法使いを連想するような白黒の服装をした少女……魔理沙が手にした緑色の液体が入った爆発性のある瓶を手に野犬と応戦している。
しかし、多勢に無勢、元々数人しかまともに戦える集落の男がいなかったのに対して相手は百にも及ぶ圧倒的なまでの野犬の大群であり、一人、また一人と倒れ、魔理沙もまた、服のところどころが野犬の爪や牙によって引き裂かれてしまっていて、その下には幾つもの傷口が作られてしまっている。
>>霊夢
【了解しました!!】
・・・・・何か嫌な予感がするわね・・・・・
(博麗の巫女のとしての直感か、霊夢は里の方で今正に凄まじい戦いが起きていることなど知らないものの、嫌な予感がすると呟く・・・・・
自分でも何故いきなりそう感じたのかは定かではないものの、確信とも言えるほどの自身が不思議とあった・・・・・
霊夢は、急いで里へと向かい始める・・・・・)
>>魔理沙
豺狼
『ククク……お前は確か魔法使いの成り損ないだったなァ?お前を喰らえば魔力とやらもこの俺様のモノに出来るだろう。詰まらねぇ肉塊共よりも前にお前をこの俺様の糧にしてやるよ!!』
魔理沙
「く……そ……ッ!
ここまで……か……。」
魔理沙もまた、集落を守るためにまだ未完成な魔法技術を用いて応戦していたものの、最大魔力量も人並みしか無く、会得出来た魔法もほんの初歩の基礎魔法を数個だけであり、戦い始めて直ぐに魔力が底を付いてしまう……
眼前には体長3mにも及ぶ見上げるように巨大な二足歩行をする狼の頭蓋骨を被り、赤黒い刺が身体中から生え、禍々しい異様な姿をした巨大な怪物……豺狼が抵抗する集落の人々をその爪の一振りでバラバラにしながら迫って来る。
そして、手の届く距離にまで豺狼が近付き、数多の命を奪って来た巨大な鉤爪を振り上げた時、既に両足も動かせないほどに消耗してしまった事から回避さえも出来なくなった現状から、自身の死をも悟り、目を瞑る……
目を瞑った魔理沙の脳裏には勘当され、あれほど憎んでいた筈の父親と母親の顔が脳裏を過る……あの二人の事だ、一人娘だった自分を勘当したところで、もう新しい養子を迎え入れている事だろう……
里の大人達からも魔法を使うために魔法の森に住むようになった狂人奇人と蔑まれて来た……だが、死が目前に迫った時、ふと瞼の裏に思い浮かぶのは嫌っていた筈の両親と里の光景だ……
立派な魔法使いになりたかった。
何でも守れる偉大な魔法使いになりたかった。
最後に両親の顔を見たかった……
もはや叶わない数多の願いを抱きながら目を瞑る魔理沙の頭上には、振り下ろされた豺狼の鉤爪が空を切り裂きながら迫る………
>>霊夢
随分やってくれたじゃない、下等小物妖怪・・・・・
ビシイィッ・・・・・!
(魔理沙に振り下ろされる鉤爪が迫る中、豺狼の背後から「下等小物妖怪」という言葉が聞こえる・・・・・
そして、豺狼の背中に何かが貼りつくような違和感が走る・・・・・
気配などなかった、突然背後に現れた・・・・・
そうとしか言えないほど、いきなりの出来事だった・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
豺狼
『ぐ……!なんだ……!?』
魔理沙
「誰だか知らないが助かった!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
目を閉じ、来るべき死痛に備えていた中、豺狼が背中に違和感を感じた事で振り下ろされた鉤爪が寸前のところで止まり、豺狼の唸り声が聞こえたところで、目を開けた魔理沙はそのまま両手を豺狼に向け、その掌から残っていたありったけの魔力を光の波動に変えてぶつけ、豺狼の巨体を吹き飛ばし、直ぐ様立ち上がる。
>>霊夢
・・・・・どうやらこのお札、相当効くみたいね・・・・・
(先ほど操られていた野犬にも効いたお札を何枚か持ってきていた為、それを使ってなんとか豺狼の動きを封じてみせると、このお札は相当効くみたいだと呟く・・・・・
そして、魔理沙のところまで行くと「アンタこんなところで何してるの?死にたいの?」と言い・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「おい!後ろ!!」
豺狼
『ガアァァァァァァァァッ!!!』
《ゴオッ》
魔理沙は側に近付いた霊夢を見て言葉を返そうとするが、豺狼が御札による邪気払いを受けながらも動き、その巨大な鉤爪を振るうのを見て、霊夢に飛び付いて地面に倒れ伏すようにして豺狼の爪から一緒に逃れようとする。
野犬であれば御札一枚でその邪気を全て払えていたものの、その根元たる豺狼が持つ邪気は操られていただけの野犬とは比ではなく、加えてこれまで喰らった博麗の巫女の宿していた霊力をも取り込んでいるため、動きを一時的に鈍感させるぐらいにまで軽減されている……
>>霊夢
っ・・・・・!あ、危なかった・・・・・こんなのに巻き込まれたら、一溜りもないわね・・・・・
(魔理沙が飛び付いて助けてくれたおかげで、間一髪でなんとかなった・・・・・
しかし、こうして忠告や避難をさせる間も与えず、即座に攻撃を仕掛けてくるとは・・・・・
小物の割にはやることはかなり大胆と見た・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
豺狼
『この目障りな力は……博麗の巫女か。また新しい巫女(エサ)を持ってきたようだが、わざわざこの俺様の前に出すとはとうとう気でも狂ったか賢者共!!』
その気になれば、本来であれば巫女になる以前の記憶がない霊夢どころか、まだ魔法使いとしても魔女としても経験の浅い魔理沙でさえも反応できない速度で豺狼は攻撃出来ていたにも関わらず、魔理沙が霊夢と共に回避出来た事から御札の力で自分の動きが大幅に鈍化している事を知り、その苛立ちを吐き捨てるように霊夢を見下ろしながら言う。
豺狼
『だが……この俺様がわざわざ戦うまでもねぇ!テメェら!コイツらをまとめて八つ裂きにしろ!!』
豺狼は御札によって体の動きが鈍っている事から、豺狼は後方へ飛び退いて距離を取ると同時に、万が一を考慮して周囲にいる百匹前後いる野犬の大群に攻撃命令を下す。
すると、野犬の大群はジリジリと霊夢と魔理沙の二人を包囲するように動きながら少しずつ距離を詰め、隙があれば即座に飛びかかろうとする。
【見下している相手に対しても、自分では直接戦わずに幾らでも替えの効く手下を使って様子見をする卑怯者スタイル……!】
>>霊夢
【あ、雑談や相談用の場所を建てましたので、もし宜しければどうぞ!
http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1595239279/l2】
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それとも)
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それともまた違った感じなのか・・・・・
札にも限りがある、慎重に戦わなければと思いながら・・・・・)
【途中送信すみません!
豺狼の小物感がどんどん増していく・・・・・もはや小物とかいうレベルに収まり切るのかどうか・・・・・W
雑談所了解しました!】
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「博麗の"巫女様"が来たのなら心強い、パーッとコイツらを蹴散らしてくれ!」
魔理沙は懐から傷や失った魔力の一部を回復する事が出来る特製のポーションの入った小さな瓶を取り出しながら、霊夢に蹴散らして欲しいと頼む。
豺狼の言葉が本当なら、彼女はあの博麗の巫女であるため、野犬の百や二百なら簡単に蹴散らせるだろうと思い、豺狼の追撃に備えて回復に専念しようとしている。
だが、幾ら才能があるとは言え、霊夢は巫女になって二日目であり、まだ博麗の巫女としての力を充分に引き出すのは難しいだろう……
【いえいえ、お気になさらず〜。
雑談所の方もありがとうございます!
豺狼の小物ウェーブが止まらないwwww】
>>霊夢
・・・・・随分簡単に言ってくれるわよね・・・・・
バッ・・・・・!
(霊夢は素早い動きで野犬達に次から次へと札を投げつけてゆく・・・・・
野犬達に効いたとしても、豺狼に対しては一時的に動きを鈍らせるほどの効果しか得られない・・・・・
となれば、豺狼を一時的だとしてもどうにかして里から遠のかせなければならない・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【ありがとうございます!
豺狼が可哀想になってきた・・・・・W(哀れみ)】
魔理沙
「よっし!魔力もだいぶ回復できた……って、なんだなんだ?"巫女様"ならもっと派手なやつで一掃すると思ったんだが……」
ポーションを一息で飲み干し、自分の右手を見ながら開閉し、失われた魔力が回復して来た事を実感しながら、ふと視線を戻すと、霊夢が回避をしながら札を野犬に貼り、少しずつ野犬達を浄化して回っているのを見て、博麗の巫女であれば強力かつド派手な範囲技で一掃すると思っていた魔理沙は驚きのあまり目を丸くする。
野犬達は魔理沙など目に入っていないかのように霊夢にだけ幾度となく飛び掛かかり、牙や爪を振るっている。それもその筈だ、魔力も体力も尽きかけの魔理沙よりも、どんな技や力を使うのか未だに未知数の霊夢を警戒するのは当然だろうか……
>>霊夢
【しかも、地獄に堕ちても畜生界で早鬼さんにボコられると言うwwww】
アンタ何してんのよ!喋っている余裕があるならすぐに逃げなさい!!!
(今相手にしているのは豺狼ではなく、豺狼の手下の野犬達だ・・・・・
つまり、今この時、豺狼本人を相手にできるほどの余裕は、霊夢にはない・・・・・
回復した上での見知らぬ魔法使いの少女の実力がいかほどのものなのかは知らないものの、喋っている余裕があるなら今すぐこの場からできるだけ遠くに逃げるように声を荒らげて忠告する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【小物道を突き進む、正に小物の鑑ですねW】
魔理沙
「おっと、この大魔法使い魔理沙様の噂を知らないのか?そろなら、山をも焼き尽くすこの私の力を見せてやる!」
魔理沙は右手を挙げて指を鳴らす。すると、魔理沙の周囲に薄緑色の魔法陣が四つ展開され、そこから魔法陣と同じ緑色に発光する多数の光弾が一斉に解き放たれ、
霊夢が点で攻撃するのに対して、魔理沙は面による同時攻撃を行う事で、生き残っていた集落の人々に襲いかかろうとしていた野犬も撃破し、守ることに成功する。
最も得意としている一点集中攻撃では無いため、その魔力の消耗が激しく、一発一発の威力も落ち、建物を破壊しないように注意や意識を分散させているが、それでも複数発光当たれば野犬を戦闘不能に出来るだけの威力がある。
集落の守護をしていた時は消耗を抑えて戦っていたが、博麗の巫女である霊夢が到着した事で、最悪敵の親玉である豺狼は霊夢に任せれば良いと思い、攻撃に専念する事が出来るようになる。
>>霊夢
【ですwwwww】
アンタ・・・・・いくら魔法使いだからって、私は立場上一般人を戦いに巻き込んじゃいけないのよ!援護は嬉しいけど、早く逃げなさい!
(いくら魔法使いでも相手は一般人、博麗の巫女である以上、一般人を戦いに巻き込んでしまったら元も子もない・・・・・
援護は助かるものの、過去に博麗の巫女を何人も喰らってきた凶悪妖怪が目の前にいる以上、非常に危険な状況であることに変わりはない・・・・・
霊夢は再び魔理沙に忠告をする・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【断末魔とかも小物っぽくないそう・・・・・W】
魔理沙
「はッ!私を舐めるなよ!このくらい直ぐに片付けてやる!」
魔理沙は辺り一面にいた野犬を一掃すると、近くに落ちていた箒を自分の手元へ引き寄せてそれに乗り、箒の上でバランスを取りながら立ち上がり、そのまま勢いよく空中を飛び回り、手にした八卦炉から金色の光弾を放って霊夢による野犬退治の手助けをしていく。
そんな中、魔理沙に気を取られている霊夢に向けて四匹の野犬が正面から飛び掛かり、霊夢の体を引き裂こうとする。
>>霊夢
【断末魔ってwwwwww】
《まさかここまでの実力とは・・・・・》
(魔理沙がここまでの実力を持っているとは思わなかったのか、言葉には出さないものの、表情には驚きを隠せずに表れている・・・・・
そして、魔理沙の戦い方に気を取られていたものの、瞬時に「邪魔よっ!!!!!」と言い、札を投げつけて対応する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【悪役は断末魔で全てが決まる(嘘)】
豺狼
『……ちッ!思った以上に厄介だな……此処は一旦雑魚を喰って力を蓄え直すか……!!』
霊夢と魔理沙の二人が数の差をものともせずに百にも及ぶ獰猛な野犬の大群による攻撃を避けながら反撃し、撃破して行っているのを見て、このまま二人まとめて相手にするよりも、怪我を負った集落の人々を喰らって力を底上げした方が良いと考え、勢いよく地を蹴り、近場の民家に突っ込み、中にいる人間の親子を喰らおうとする。
魔理沙は迫り来る野犬の大群に対処するので手一杯であり、とても民家や豺狼への警戒や注意が出来ずにいるため、防げないだろう……
>>霊夢
【グ…ズ…ギュアアアアアムッ!とかどうですかね(ネタが古い&マイナー過ぎる)wwww】
【あ、それと向こうの方にもちょっと質問を投稿しておきました!】
138:博麗の巫女◆gI:2020/07/23(木) 20:48 アンタ、博麗の巫女の前で堂々と里の人間喰らおうとするなんて、小物の雑魚にしては随分いい度胸してるじゃない・・・・?
ドゴォッ!!!!!
(霊夢は片手に札を構えたままの状態で、豺狼の顎を思いっきり殴り飛ばし、そのまま札を貼り付け、そして
「死にたくなかったら早く逃げなさい!!!!!」
と、親子を避難させようとする・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【独特過ぎるW 人間じゃなさそう・・・・・W】
【了解です!】
豺狼
『ゲヘェッ!!?』
《バキバキバキバキバキッ》
民家の壁を破壊して巨大な口を開けて怯える齢5歳ほどの小さな子供と、その子供を守ろうと抱き締めていた母親をまとめて喰らおうとしている中、豺狼の顎に直撃した霊夢の一撃によって豺狼の巨体が民家の内壁へ殴り倒される。
母親
「ありがとうございます、巫女様!このご恩は忘れません……!」
豺狼
『グググ……クソッ!!たかだか人間(エサ)ごときが図に乗るなァ!!』
《ギュオッ》
霊夢に頭を下げて急ぎ足で豺狼のいる民家から外へ逃げ出し、そのまま里に向かって娘を抱いて走って行く。
外では魔理沙が野犬達を引き付けているため、追撃の心配も無いだろう。
だが、立ち上がった豺狼は殺意を隠す事すらしなくなり、憎悪と憤懣を露にし、罵声と共に右腕の爪を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする。霊夢の御札による浄化によってダメージを受けてその力も抑えられているにも関わらず、その爪は人体を引き裂くには十分すぎる程の威力がある。
>>霊夢
【はい、人間じゃない&ラスボスの断末魔ですwwww
FFだったかなwww
なんだか面白そうなので、人助けをしたり、幻想郷にとってプラスになる事をした場合、今後の展開や、後の物語にも関係してくるようにしようかなと思います!
(*´ω`*)】
《これで巻き込まずに済むわね・・・・・さて・・・・・》
そっちこそ・・・・・小物ごときが図に乗るんじゃあないわよっ・・・・・!!!!!
ボチュッ!!!!!
(霊夢は豺狼の次の攻撃を大体予想できていたのか、瞬時に豺狼の動きに対応して攻撃を避けると、そのまま高く飛んで豺狼の右目をさっき顎を殴り飛ばした時と同じ威力で殴り飛ばす・・・・・
眼球に拳がめり込む音が、実に生々しくて気持ち悪い・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【どのような感じで関係してくるのか、期待ですね・・・・・】
豺狼
『グ……オォォォォォォォッ!!?』
右目の視界が漆黒に変わると同時に脳を駆け巡る激痛により、豺狼が凄まじい咆哮を上げて華奢な霊夢の体を吹き飛ばし、右手で右目を押さえ、少し後ろに後退る。
豺狼
『ツッッッ……!!クソッ……クソッ!クソガアァァァァァァッ!!!』
【「暴魔の一撃」】
《ゴアッ》
霊夢によって潰された右目からは血が滴り、豺狼は殺意と憎悪に満ち、血走った目で霊夢を睨み付けると、右腕にこれまでの歴代の巫女達から奪い、蓄積して来た莫大な力の一端を破壊エネルギーの塊として地面に叩き付けると、地面には直径10mのクレーターが形成され、さらにクレーターを中心に周囲の地面に無数の亀裂が地面には刻まれ、集落の建物の一部が倒壊し、辺り一帯が土埃で満たされてしまう……
魔理沙
「しまった……!!?」
豺狼
『ある程度の力があったら大人しく下がってやろうと思っていたが止めだ!お前は必ずこの俺様の手で引き裂いてその臓物を貪り尽くしてくれる!!!』
立ち込める土埃の中、豺狼は呪詛のような言葉を口にすると、豺狼の気配が消え、何処かへ去って行く……
だが、豺狼が残したクレーターと亀裂によって倒壊した民家の中にはまだ多数の集落の人々が取り残されており、大勢の人々が倒壊した建物の下敷きになったり、脚が瓦礫によって潰され、動けなくなった人々の悲鳴と助けを求める声が聞こえてくる……
豺狼はこうして広範囲に被害を与えることで霊夢と魔理沙が追えないようにする事で、逃亡するための時間を稼ぐことを考えているようだ……
豺狼にとって、人々の命など自分の逃走手段に使える多数ある手段の一つにしか考えていない事がわかる……
>>霊夢
【お試しとして、最初の選択肢!
→豺狼を追わずに集落の人々助ける
→豺狼を追って集落の人々を見殺しにする】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、)
【途中送信すみません!選択肢は前者の方でお願い致します!】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、霊夢は崩れた建物の下敷きになっている里の住人達を必死になって救おうと、瓦礫をどかし始める・・・・・
そして「アンタも手伝って!あんな小物今じゃなくても倒せるから!!!!!」と、魔理沙にも手助けを求める・・・・・
思いっきり吹き飛ばされようが、逃げられようが、今は里の人間達の救出が第一だと判断して)
>>魔理沙
魔理沙
「ああ、わかった!」
豺狼の撤退と共に生き残っていた野犬や、魔理沙に倒されたものの、意識を取り戻した野犬達も撤退し、逃げて行く。
霊夢が豺狼への追撃ではなく、集落の人々の救出を選び、自分に助力を求めたのとわかると、急いで霊夢と一緒に崩れた建物の瓦礫除去を手伝う。
集落の住人
「ありがとうございます、巫女様……!」
辛うじて野犬と戦いながらも生き残っていた集落の男衆も共に瓦礫の撤去を手伝い始め、次々と瓦礫の下で身動きが取れなくなっていた人々を助ける事に成功する。
だが……中には瓦礫の下敷きになり、押し潰されて死亡している人々もいた……
とは言え、霊夢が救出を選んだ事で、数多くの人々がその命を救われ、霊夢への感謝の言葉を口にしていく。
>>霊夢
【いえいえ、お気になさらず〜。
(*´∀`)ノ
はい!了解しました!!】
・・・・・当然のことをしたまでよ・・・・・
(そう言うと、崩れた建物に押し潰されて命を落とした住人達を見ては、霊夢は複雑な表情になる・・・・・
自分は命を救うことが出来たが、同時に救えなかった命もある・・・・・
それなのに「ありがとうございます」と感謝されるとは・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【ありがとうございます!】
魔理沙
「私達だけじゃとても手が足りない……里の方からも人を呼んでくるからちょっと待っててくれ!」
魔理沙は自分や霊夢のように細い腕、大人の男に比べて非常に少ない筋肉しか無い事から瓦礫が重すぎるあまり持ち上げられないものもあるとわかると、箒にまたがりながら霊夢に里からの応援を呼んでくると告げ、応答を待たずにそのまま里の方へ向かって飛んで行く。
救えた命と救えなかった命……
この二つを前にした時、紫の言葉が幾つか蘇る……
"全ての者を救うことはできない"
この非情な現実がまざまざと霊夢の前に立ちはだかってしまう……
>>霊夢
《運命は変えられない・・・・・‐》
(あの時の紫の言葉が脳裏に蘇る・・・・・
もしこれも運命だったとしたのなら、最初から既に決まっていた結末だったとしたのなら・・・・・
自分は今、変えられなかった運命を目の当たりにしているということになる・・・・・)
・・・・・
(無言で瓦礫に手をかけたまま俯き、冷や汗を流す・・・・・
これが変えられない運命というものなのか・・・・・
違う、変えられるはずの運命を変えるのに間に合わなかっただけだ・・・・・きっとそうに違いないと、霊夢は思うしかなかった・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
運命とは何だろうか。
紫の言う決められた道筋……未来なのか。
それとも人が生まれながらにして背負う業なのか……
その答えは神ですら知らないのかもしれない……
ほどなくして人間の里から多数の男衆を率いた魔理沙が駆け付けた事でこれまで女手だけでは重くて持ち上がらなかった瓦礫や残骸を退ける事にも成功し、倒壊した民家の下敷きになっていた集落の人々の半数が救われ、家を失った人々は改めて人間の里へ移り住むようになった。
だが……残る半数の人々は瓦礫に押し潰された事で死亡しており、その中にはまだ幼い子供の骸もあった……
豺狼が襲撃しなければ、最初に神社に豺狼が斥候と共に霊夢の実力を測るために訪れた時に倒せていれば、こんな悲劇は起こらなかったのかもしれない……
>>霊夢
【これで豺狼を打ち倒す理由ができましたね……!
殺された巫女の仇、集落の人々の仇……!!】
・・・・ぁ・・・・・ぁあ・・・・・
《どうして・・・・・?あいつをどうしてあの時私は倒さなかったの・・・・・?あの時倒していれば・・・・・どんなに自分が傷ついてもあの時に倒していれば・・・・・どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして》
(子供の亡骸を見た途端、両手で頭を抱え、怯えるようにガタガタと震えながら何故野犬が神社を襲撃したあの時に豺狼も倒しておかなかったのかと自分を責め始める・・・・・
心が今にも砕け散りそうなほどに・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【小物なのに割とやることがかなり凶悪な豺狼さんWWW】
151:運命◆3.:2020/07/24(金) 20:08 魔理沙
「……?おいおい、博麗の巫女と言うことだからとんでもない力を持った超人だとばかり思っていたんだが、普通の人間とそんなに変わらないんだな?」
霊夢が自責の念と後悔に押し潰されそうになっている中で、この幻想郷において博麗の巫女は悩まず、迷わず、悔いず、超然とした人間でありながら神や妖を超えた超人だと思っていたため、いざ目の前にすると博麗の巫女も大したことがないんだなとからかうように言う。
>>霊夢
【これが我が逃走経路だァーーーーッ!!!】
・・・・・は・・・・・?目の前で救えたはずの命が救えなかったのよ・・・・・?何で平気でいられるの・・・・・?
(霊夢は里に出向いて博麗の巫女としての任務を行うのは、今回が初めてだったこと、そして、初めての任務でいきなり何人もの命を救えなかったこと、まだ幼い子供まで巻き添えになってしまったこと・・・・・
霊夢はもうこの時点で心が追い込まれていた・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【逃げるんだよォーーーーーッ!!!!!】
魔理沙
「そうか、お前は責任感が強いんだな……」
魔理沙は帽子の縁を右手で摘まみ、箒から地上に降りると、摘まんだ帽子の縁で目元を隠しながら霊夢の前にまで歩きながら呟く。
魔理沙
「だけどな……責任感だけじゃ何も守れないし救えない。守れなかった命について考えるのは良い、私だってこれまで何度もそうして来たし、今だって忘れたわけじゃない……」
魔理沙は巫女になる以前の記憶がない霊夢と違い、この幻想郷で生まれ育った記憶もしっかりとある。この集落も、人間の里に居られなくなった自分を受け入れてくれていたため、その命を賭けてまで守ろうとしていた。
多くの命が失われたこの結果を見て、最も傷付いているのは、この集落に対する恩があった魔理沙だろう……
魔理沙
「だけどな、そうやって失われた命について考え続けて足を止めて後ろを振り返るよりも、前に突き進み、今目の前にある命を守るべきだろう!?お前が博麗の巫女かどうかなんて関係無い!現在(いま)を見て未来(まえ)を歩き続ける。それこそが生き延びた私達のやるべき使命であり、失われた命達への弔いだろ!!」
魔理沙は愚直なまでに前を見ている。
帽子の縁を摘まんでいた右手で今度は博麗の巫女である霊夢の胸ぐらを掴んで引き寄せ、罪悪感と後悔に苛まれつつある霊夢に対して、真っ直ぐに目を見ながら、彼女自身の意思を伝える。
命を落とした者に明日は訪れない……
だが、生きている者は未来に向かって歩いて行ける。
だからこそ、過去に捕らわれること無く未来に向けて歩き続ける。これこそが弔いなのだと言う。
そして……未来に向かって歩くためには、失われた命の無念を晴らすためには、豺狼を退治し、未来において新たなる被害者が生まれないようにするしかない。
>>霊夢
【過去に捕らわれずに前を向いて歩き続ける……!】
・・・・・そうね・・・・・その通り・・・・・アンタの言う通りだわ・・・・・でも・・・・・
(そう言うと「私はアンタと違って、まだ心の整理がつかないみたい・・・・・」と言う・・・・・
魔理沙と霊夢とでは境遇が違いすぎるからか、前を向き未来へ進むことが弔いだという魔理沙の考え方を霊夢は肯定するものの、博麗の巫女としての初めての出動でこれは流石にキツ過ぎたのか、目に光がない、虚ろである・・・・・)
>>魔理沙
【というのは、霊夢もよくわかってはいるはず・・・・・】
魔理沙
「……それが出来ないのなら、大人しく里の守りに専念していればいい。私がこの襲撃主を潰して里の人間を守る。」
魔理沙は掴んでいた霊夢の襟を突き放すようにして離すと、再び箒に乗り、風で帽子が飛ばされないように押さえながら人間の里とは対照的に、豺狼が野犬の大群を率いて来た方向に向かい、飛んで行く……日は既に傾いており、東の空は夕闇が迫って来ており、夜の到来を告げている……
夜は妖怪の天下。
幾ら野犬の大群を食い止めていた魔理沙でもたった一人で集落をほんの一撃で崩壊させる程の力を持ち、夜闇を味方にした豺狼には敵わないだろう……
>>霊夢
・・・・・+
(魔法を使って戦ったとしても、豺狼相手には倒すにまでは至らないだろう・・・・・
自身も向かう気ではいるが、ここでまた脳裏を過ぎるのは、紫が言っていた「運命は変えられない」ということ・・・・・
戦いに向かった矢先に待ち受けているのは、もう既に決まっている恐ろしい結末なのではないのかと思うと、戦うことが、敵と対峙することが怖くなってくる・・・・・)
>>魔理沙
霊夢が未来への恐怖のあまり立ち止まっている中でも、集落では駆け付けた里の人々による決死の救出作業が続いており、瓦礫の撤去作業も行われている。
霊夢が足を止めている間も世界は進み続けている。
時の流れは時として非情なまでに平等だ。
このまま豺狼に挑まずに魔理沙の言うとおり、神社に戻って結界術を学んで守りを固めているのも良いかもしれない。それをしたところで、紫は何も文句など言わないだろう……先代も先々代もそうして来たのだから……
【選択肢(2)
→豺狼に挑む
→神社に戻る】
>>霊夢
・・・・・あの娘だって、馬鹿じゃあない・・・・・適わないと判断すれば引き返すはず・・・・・
(多くの人間が納得するであろう死者に対する弔いについての自論を語れるような魔理沙のことだ、適わないと早々に判断して引き返すだろうと思うと、霊夢は神社へと戻る・・・・・
倉庫にあった道具の使い方も学んでおかなければと思っていて)
>>魔理沙
【後者の方でお願いいたします!】
【→博麗神社 境内】
《ザッ》
既に傾いた日が完全に沈み、夜闇が辺りを包んでおり、神社周辺の木々の枝葉が風に揺られて擦れ合い、ザワザワと静かに音を立てている……
>>霊夢
【了解しました!】
・・・・・不気味ね・・・・・
(幻想郷という場所だからこそ、幽霊や妖怪などといった存在に対しては恐怖という感情はあまりない・・・・・
が、人間特有の感情なのか、非常に物静かな場所でザワザワと音がするのは、人間の本能が恐怖を感じさせるのだろうか・・・・・
いずれにせよ、どこかから何かが現れる可能性はあるので、気は緩められない・・・・・)
>>暗闇
紫
「……………。」
境内は入ると、辺りは夜闇に包まれている中で紫が霊夢に背を向け、本堂の前で佇んでいる。
何を目的としているのかはわからないが、暗闇の中でもハッキリとその色彩と輪郭が見え、妖怪特有の異様な存在感と雰囲気が感じられる……
>>霊夢
・・・・・何しに来たのよ?また運命は変えられないとかどうとか話しに来たの・・・・・?
(またさっきのように野犬を利用して豺狼が攻めてくるのかと思いきや、現れたのは紫だった為、上記を言う・・・・・
こんなことを言って表面上は鬱陶しがっていても、豺狼ではなかったことにどこか安心しているというのもまた事実・・・・・
そんな自分に納得出来ない・・・・・)
>>紫
紫
「……運命が変えられるのかどうかは、予めその運命を知っている……つまり予知していなければならない……それで、貴方は運命を変えられたかしら……?」
紫はゆっくりと霊夢の方へ振り返ると、鬱陶しがっている霊夢を見ながら感情の読めない笑みを浮かべて霊夢に対して運命を変えられたのかと問いかける。
紫は意味もなく現れたりはしない。必ず何らかの物事を伝えたり、教えるためにその姿を現す……加えて、豺狼の襲撃があった後でその姿を現したと言うことはつまり、紫は霊夢に対して豺狼についての情報をまた一つ教える気になったのだと思われる。
>>霊夢
・・・・・私が運命を変えた結果があれなのか、運命が変えられなくてああなったのか、全然わからないのよ・・・・・
(霊夢自身には、ついさっきの里での悲しい出来事が自身が運命を変えた結果なのか、元々決まっていた運命があれなのか、霊夢自身にはどっちなのかすらもわからない・・・・・
あの状況では戦わずにはいられなかった、だが自分が戦ったことで運命が変わって命が失われるという結果になってしまったのであれば、心が耐えられない・・・・・)
>>紫
紫
「集落が壊滅したのは別に構わないわ。寧ろこれでまた一つ里との統合が完了したのだから……」
紫は集落が壊滅したにも関わらず、それを行幸とでも言いたいように、里への人間の集落統合が成功した事を口にする。
紫は幻想郷と言うシステムが維持されたり、より良い段階へと昇華出来るのなら例えそこに住んでいる者が苦痛と恐怖の中で命を落とそうともまるで気にしていないような言動が伺える……
命を救いたい、守りたいと考える霊夢と、幻想郷が存続していられるのなら誰が苦しもうと、悲しもうとまるで気にしているような様子が見えず、思考があまりにも対照的に見える。
>>霊夢
【紫が守るのは住人達じゃなくて"幻想郷"と言う空間や状態……そこに住んでいる者が幾ら命を落とそうと意にも介さない……】
っ・・・!!!!!
ガッ・・・・!
アンタ・・・・・それ、本気で言ってるの・・・・・?
(紫の言葉を聞き、とうとう我慢も限界を迎えたのか、紫に掴みかかって物凄く睨みながら上記を言う・・・・・・・・・・・・・・・
一体どれだけ里の住人達が辛い思いをしたか・・・・・下敷きになって暗く苦しい中、死んでいった幼い子供や、家族を失った者達・・・・・
里で何が起きたのか知っていながら何故そんなことが言えるのかまったく理解出来ずに・・・・・)
>>紫
【紫さんの黒い部分が・・・・・】
紫
「……言ったでしょう?大を守るためなら"いかなるもの"が含まれていようと小を切り捨てるように……と。」
霊夢が肩を覆う紫のドレスの布を掴んでそのあまりにも個人の命や幸福を軽んじる言葉に対して怒りを露にした霊夢を見て紫は何処までも淡々とした感情の込められていない口調でそう応える……
紫
「私にはこの幻想郷を守る義務と責任がある……私は自分の命だって喜んで差し出すわ。民の命を捨て駒と思っているのならそれでも良い、けれど……そこに例外なんて無い。」
紫は幻想郷の維持のためなら、民の命どころか、自分の命でさえ何の執着も持っていないと言う……永く生きるにつれて生命に対する考えが軽くなると言うのはよくある話だが、紫の場合は幻想郷の維持は生命の尊重よりも遥かに優先度が高いと言うある種の狂気すら孕んでいる……
>>霊夢
【ダークネス・ユカリ……!!】
パァンッ・・・・・!
・・・・・
(二人の会話を切り裂く破裂音のような音・・・・・否、霊夢が紫の頬をひっぱたいた音である・・・・・
たとえどんなに下級の妖怪相手でも、人間の平手打ちなどほんのちょっとのダメージにすらならない・・・・・
これも同じだろう、たとえ博麗の巫女だとしても、殺めるほどの力を込めていない平手打ちならば、妖怪からすれば頬にてが少し当たった程度にしかならないのは明白・・・・・
簡単に言えば、体は傷つかない攻撃なのだ・・・・・)
>>紫
【略してダリ!】
紫
「……………!」
紫は霊夢による平手打ちを受けると、思わず唖然とした様子で霊夢を見る。まさか人間の、それも巫女に叩かれるとは考えていなかったからだ……だがその唖然とした表情も直ぐに戻る。その紫の顔には怒りも憎しみも無い……
紫
「……これで気は済んだかしら?私を幾ら叩いたところで何も変わらない。何かを変えられるとすればそれは純然たる個の力だけよ。」
まさか博麗の巫女から平手打ちを受けるとは予想もしなかったものの、この行動は怒りによるものだろうと言うことは容易に想像がつく……だが、人間性の多くを切り捨ててしまった紫には霊夢のその本心までは読み取り理解することが出来なかった……
だが、、己の無力感を感じている霊夢に対し、その力を引き上げるための算段があるような言葉を口にしている。
人間性を捨てた自分には人間の感情を完全に理解することは出来ないが、それでも霊夢の抱く願いを知った紫は他ならぬ霊夢自身でその願いを叶えられるようにしようとする……
>>霊夢
【ダユとも言えるかもwww】
・・・・・何も変わらないのはわかっているわ・・・・・わかった上で叩いたのよ・・・・・
(霊夢からすれば、こいつは一発・・・・・いや、何発でもひっぱたかなければならないと思ったのだろうか、まだ拳を強く握りしめている・・・・・
そして、霊夢は紫を睨んだまま「命を何とも思わないようなら、アンタは豺狼と同じよ・・・・・」と罵倒する・・・・・)
>>霊夢
【紫、亜種W】
紫
「あら、随分なお言葉ね?あんな壊して奪うことしか出来ない小物と同じにされるだなんて……」
人間は喜怒哀楽がある。
だが、人ならざるモノである紫には、哀怒の感情を持っていないかのように、ついぞ怒りの感情を見せることなく、飄々とした様子で扇子を口許に当てて微笑みながら、豺狼と同じにされるだなんて心外だと口にする。
紫
「まあ、そんな事は些末な事、今は貴方に眠る力を解放する手助けをしに来たのよ。貴方も力が欲しいでしょう?」
紫はそのまま本題である霊夢の力の覚醒について話す。
紫としては幻想郷の守護者である霊夢が強くなれば代えの巫女を探す手間も省け、異変解決もより容易なものにしてくれる。
霊夢もまた、巫女としての本来の力を引き出せるようになれば、豺狼を前にした事で感じた無力感を満たす事も出来るだろうと双方にとって得になるだろうと考えている。
>>
【亜種wwwww
もしかしたら、希少種かもwww】
アンタは大を守るためなら小を何とも思わないんでしょう・・・・・?自分というものを守る為なら誰がどうなっても構わない豺狼と同じじゃない・・・・・違うなら反論してみなさいよ・・・・・
(霊夢は今、紫が話す力どうこうよりも、自身の怒りに震えていた・・・・・
そりゃあ力は欲しい、誰にも負けない、みんなを守れる力が欲しい・・・・・
だがその力を持ちたい気持ちと同時に脳裏を過ぎるのは、紫が言っていた「運命は変えられない」ということ・・・・・
この先どんなに力をつけても戦いの結末がもし決まっているとしたら・・・・・運命がもう決まっているとしたら・・・・・
霊夢は不安で押し潰されそうになっていた・・・・・)
>>紫
【紫属紫目紫科W】
紫
「あら、何かを得るためには何かを失わなければならない……等価交換の原則は世の常よ?何も失わずして何かを得るなんて事は出来ない……」
紫の思考を構築する要素の一つとして等価交換の原則を口にし、何かを得るためには何かを失わなければならないと告げる。
それは暗に自ら以外の全てを切り捨てることを選択した豺狼と、幻想郷の存続以外の全てを切り捨てることを選択した紫は霊夢の言うように似通っているのかもしれないとその部分においては肯定する。
>>霊夢
【個人的には"辿異種"とかも語呂が良くて好きwww】
・・・・・そうね・・・・・等価交換はいつの時代だって原則としてあり続けてきた・・・・・例えそれが「人命」であったとしても、等価交換はあり続けてきた・・・・・
(今回も現に、冴奈を一時的にではあるが遠退ける為に犠牲者を出してしまった・・・・・
霊夢としては犠牲者は絶対に出したくなかった、今でもずっと思っている、最初に神社に野犬を操って隠れながらこちらの様子を伺っていたあの時、何故もっと対処して置かなかったのか、と・・・・・
等価交換の原則は認める、だがその原則に人命を関与させるなど言語道断、何かを得るために失っていい命など微塵もない・・・・・
もしあるとするならば、それは「幻想郷と幻想郷に住まう者達の安全の為に危険の種をばら蒔く豺狼のようなクズの命」だと思っている・・・・・)
>>紫
【お返事遅くなってしまいすみません!
もしかしたら突然変異種かもしれませんよ?W
それと、豺狼と紫さんの思考は、見事に対になっているように思えました!】
紫
「人身御供、人柱……例を挙げようとすればキリが無い。
違うとすればそれは神や妖"に"捧げているか、神や妖"が"捧げているかの違いでしかない……」
紫は目を閉じ、命さえも消費される供物として使わざるをえない状況に陥った例を一部だけ口にする。僅かな命で多くの命が、国や文化と言ったコミュニティが存続できるのならばそれを使わないと言う手は無かった……
例え誰が犠牲になろうとも、幻想郷を維持させなければならない。紫は非情とも言えるその選択を何度もしてきた……
霊夢との思考の違いも、その経験によるものなのだろう。
紫
「貴方のこれまでの言動からして、大人しく運命と言う波に身を任せ、不条理に命を弄ばれるのは嫌なのでしょう……?それなら、その不条理や不合理を打ち砕けるだけの"力"を手に入れば良い……」
紫は目を開いて改めて霊夢を見据えると、ゆっくりと右手を差し出して彼女自身の思念や理想を形にするためにも、霊夢に巫女としての力を引き出すための手助けをしようと告げる。
自分にはこうして来る以外の選択肢は無かった……非情に成らざるを得なかった……だが……もし、霊夢が大のために小を見捨て、その命さえも幻想郷維持のために消耗され、人と妖が恐怖以外で繋がれる、そんな可能性を持っているのならそれに賭けてみたい。
そう紫は考えている……
【お気になさらず〜。
(*´∀`)ノ
ヴァルター
「呼んだ?(^w^)ニコォ」
確かに似て非なる感じになっていますね……!!】
・・・・・じゃあその力をよこしなさいよ・・・・・
(霊夢は今回の人里襲撃事件の経験からか、誰かを巻き込みたくない、失いたくないという気持ちが強くなり、力をよこせと焦りが見え始めている・・・・・
だが、それ相応の力を手に入れるには、そう簡単には事は上手く進まないだろう・・・・・)
>>紫
【ありがとうございます!
ヴァルター様・・・・・無間地獄に落とされたはずじゃ・・・・・W】
紫
「その答えを聞いて安心したわ?」
《パンッ》
紫は笑みを浮かべたまま、両手を合掌するようにして合わせると、霊夢の足元の空間が引き裂かれ、そのまま霊夢を無数の目玉がギョロギョロと霊夢を見上げる紫色の異様な空間へ落とそうとする……
【ヴァルター
「私は不死身だあーーーッ!!」
щ(゜▽゜щ)】
なっ・・・・・!?
(突然の出来事に理解が追いつかないまま、ただただ不気味な空間へとその身を落としてゆく・・・・・
時の流れに見を任せるというのは、こういうことなのだろうか・・・・・
恐らくは抵抗もここでは意味をなさない、そう直感していて・・・・・)
>>紫
【不死身が仇になったんだよなぁ・・・・・W】
【???】
紫によって引きずり込まれた空間の先……
そこは紫のいた場所と同じく無数の目玉があり、紫の空が何処までも広がっている事を除けば、博麗神社とその周辺と、地面に生えた草花まで瓜二つに模倣したような世界が広がっている。
この空間において、ふと本堂に目を向けると、賽銭箱の隣に一体の石像が正座するように置かれている。その石像の顔は掠れてしまっていてよく見えないものの、何処か悲しんでいるような顔をしているような、不思議な感覚を覚える……
>>霊夢
【確かにwwwwwww】
・・・・・何よこれ・・・・・
(さっきまでいた幻想郷とは異なるもう一つの幻想郷とでも言えるような空間にて、霊夢は不気味な空と辺りの通常の幻想郷と瓜二つの光景を見て、上記を呟く・・・・・
そして、賽銭箱の横に置かれた石像を見れば「・・・・・石像?」と言いゆっくりと近づく・・・・・)
>>紫、謎の空間
【不死身キャラは敵側だと大抵最後が悲惨説】
紫
「此処は私の博麗神社の記憶を元に構築した疑似空間。ここでなら生半可な攻撃や技ではビクともしないし、破損した場合でも幾らでも直せる、力の解放にはピッタリの場所よ。」
霊夢が近付くと、その石像は巫女服を着ているようにも見える。だが、作られてから途方もない年月が経っているからか、所々が掠れていてその詳細については憶測しか出来ない。
そんな中、霊夢の背後に紫が上下逆さまで浮遊し、話しかける。その姿はまるで重力が働いていないかのように紫の髪も服も翻っていない。
>>霊夢
【無限地獄への入り口になってしまいますからねwww】
なるほど・・・・・あの目はそういうこと・・・・・
(空に広がる不気味な無数の目についてやっと納得し、上記を呟く・・・・・
そして、次に「この石像は何なのよ?元いた神社の方にはこんなのはなかったと思うけど・・・・・」と言い、紫の記憶を元にしたのなら、元々は石像があったのだろうかとも思いながら)
>>紫
【返信遅れてすみません!
死ぬのを何回も繰り返したりしている悪役もいるぐらいなので、まだマシなのかも・・・・・W】
紫
「ああ……それは気にしなくても良いわよ?私の記憶の残滓なのだけれど、貴方に害を及ぼしたり、妨害することは無いわ。」
紫は石像を見て、霊夢の問いかけに対して、記憶から生み出された空間であるため、無意識の内に空間を形成する際に記憶の残滓の一端がこうして形になって現れただけに過ぎないと応えると、上下逆さまのまま、紫はゆっくりと両腕を広げる。
すると、紫の周辺に複数の小さな空間の裂け目(スキマ)を形成し、その中から蔵の中にあった無数の宝具が出て来る。
紫
「この空間では外の時間の一分が十時間になる。
つまり、この世界で14400時間が600時間……
つまり25日間になると言う修行にはもってこいの場所よ。」
紫はスキマから取り出した複数の宝具を浮遊させながら感情の読めない笑顔をしたまま、この空間に飛ばした理由について話す。
>>霊夢
【死ぬと言うことはつまり、まだ刺激があると言うこと……何も無い空間では死や痛みと言う刺激しか無く、抵抗する事さえも出来ないと言うことですね……
地獄の中でも無間地獄が一番キツいのも、それが理由にありますので、一概にどっちがマシなのかは難しいです……!】
・・・・・で、修行相手とかはいるの・・・・・?さすがに張り合う相手がいない一人きりの修行っていうのは、力の向上が見込める気がしないんだけど・・・・・
(この空間の時間の流れが外の世界とは違うということはわかったものの、道具を使いこなせるかどうかだったり、相手がいない一人きりの修行では、豺狼と対峙した時に完全に倒せる確信がないらしい・・・・・
が、裏を返せば、霊夢は豺狼を倒す気満々であるということでもある・・・・・)
>>紫
【痛みがある死に続け地獄、何も無い無間地獄・・・・・
ディアボロとカーズ・・・・・W】
紫
「あら、相手ならすぐ目の前に居るじゃないの?」
紫は広げていた右手をゆっくりと動かして笑みを浮かべたまま、対戦相手は自分だと指し示す。ある意味どれだけの攻撃を受けても平気そうな紫であれば修行相手としても不足は無いだろう。
>>霊夢
【苦痛も幸福も死も生も自由さえ無い地獄ですね……!
悲惨な最期を遂げたお二方www】
へぇ・・・・・そう・・・・・言っておくけど、手加減は必要ないわよ・・・・・?
(紫が対戦相手を示すと、霊夢は手加減は必要ないと言葉を返す・・・・・
霊夢は内心、紫をボコボコにできるという喜びもあったのか、どこか嬉しそうにしていた・・・・・
霊夢自身も、手加減する気は毛頭ない・・・・・)
>>紫
【カーズ様→太陽に落ちて死ぬかもしれない
ディアボロ→ジョルノが死んだら解除されるかもしれない
やっぱりヴァルター様の地獄が一番やばい・・・・・】
紫
「ふふふ、先ずはこの宝具を使いこなせるようにならないとそれ以前の問題になるわよ?」
紫は手加減はしないと言う霊夢に対して自分の口許に右手を当ててクスクスと微笑みながら、宝具を完璧に使いこなせるようにならなければ自分と戦う以前の問題になると応える。
幾ら全ての宝具と高い適正を示したとは言え、豺狼との戦いを見る限り、その使い方や効力を引き出せている訳ではなかった。
紫
「さあ、先ずはこれを手にとってみて頂戴?」
そのため、先ずは始めに宝具の中でも最も古くからあった紅白の陰陽玉を浮遊させながら霊夢の元へと移動させてこれを手に取るように言う。
>>霊夢
【ただ………そんな彼とほぼ同格の存在があと六人もいると言うwww(^q^)】
またなの・・・・・?まぁいいけど・・・・・
(手に取ってみるように言われ、さっきと同じようにまた手に取ってみる・・・・・
そして手に取ると「で?これはどんな風に使う道具なのよ・・・・・?」と、宝具の使い方についてはまだ全然な霊夢は、紫の方を向いて上記を言い)
>>紫
【ただ、あとの6人はヴァルター様ほど悲惨な最期は迎えないでしょうねW】
紫
「それは陰陽玉。初代の頃から使われていたもので、博麗の巫女の大半が使えていた宝具よ。」
紫
「先ず……自分の体の中に血液のように充満し、流れているエネルギーを想像し、その体の中に流れるエネルギーの奔流を手に取った陰陽玉と合わせ、体内にあるエネルギーを陰陽玉に宿すと言った事をしてもらえるかしら?」
紫は漠然としたイメージについて話す。
大雑把な説明だが、核心に迫るものは全て含めてあるため、より分かりやすく、詳細なところまで話すことも可能だが、霊夢の中にある才がどの程度のものなのかをこれで見極めようと考え、敢えて漠然とした説明をしてみる。
>>霊夢
【実は……もっと壮絶な最期も幾つか考えてあったりしますwww】
アンタ・・・・・本当に私にこれを使いこなさせるつもりあるの・・・・・?
(ここまでざっくりとした説明をされると、本当に自分を博麗の巫女としてこの宝具を使わせるつもりはあるのかどうか、かなり疑問に思えてくる・・・・・
が、ここで何もしないでいるのもそれはそれで何の進展もない為、早速実行しようとする・・・・・)
>>紫
【お返事遅れてしまってすみません!
あれ以上に壮絶な最後って一体・・・・・】
紫
「あら、歴代の巫女達は皆、手にした瞬間に私からの説明が無くとも使いこなせるようになっていたわよ?」
紫は霊夢を驚かせようと上下逆さまになっていたものの、何のリアクションも無かったため、普通に地面に降り立ち、霊夢を見ながら歴代の巫女達は自分からの説明がなくとも使えていたと挑発するように言う。
だが、実際には、62人いた歴代の巫女の中でも、説明がなくとも使いこなせるようになっていた者は僅か8人だけであり、更に使えた宝具も一つから二つ、多くても三つだったのだが、霊夢のように全ての宝具を使える才覚があれば、その少数の中にも入れるのではないかと思い、敢えて挑発するような言葉を言う。
>>霊夢
【他の人から見ると、死に続けたり、無間地獄に落とされる方がキツいと思うかもですが、当事者からして見ればそれらを凌ぐ地獄……と言うような感じになりますねwww】
歴代の巫女達がそうであったとしても、私がそうだとは限らないっていう話よ・・・・・
(とは言いつつも、陰陽玉を手に取って目を閉じ、紫が言っていたエネルギーを想像し、陰陽玉へと流し始めようと試みる・・・・・
すると、霊夢は目を閉じている上にまだ巫女になりたてだからか気づいている様子はないものの、陰陽玉が耐え切れるかどうかわからないほどの力が宿り始める・・・・・)
>>紫
【おっそろしい・・・・・悪いことをするとこうなるという教訓ですね・・・・・W】
紫
「(やっぱり……私の思った通り……間違いない。彼女は歴代の中でも最強の巫女に……いえ、博麗の血筋の中でも最強の存在になる素質がある……)」
紫は表情には出さないものの、内心では霊夢が陰陽玉に込めた陰陽玉の許容量限界にまである莫大な霊力を感じ取り、霊夢が巫女としてだけでなく、博麗の巫女の中でも歴代最強の存在になれると確信する。
紫
「……まずまずね。感覚派だからかしら?初見でもある程度形には出来ているけれど、それ以上じゃない。今度はこの針にも同じく力を宿してそこの木に投げてみてくれるかしら?」
過ぎたる力は身を慢心と過信を生み、己をも滅ぼす。
その事を紫は経験上熟知しているため、『まずまず』と形容すると、今度は霊夢の手元へ退魔針を一本移動させると、80mも離れた場所から生えた木を指してあそこに向けて投げてみて欲しいと言う。
>>霊夢
【究極の因果応報ですwwww】
針・・・・・?まぁよくわかんないけど、やってみるわ・・・・・
(そう言うと針を持って、陰陽玉に力を宿した時と同じように力を退魔針に宿し始める・・・・・
そして、ある程度力を宿したら紫が指した木の方へと体を向け、そのまま退魔針を投げる・・・・・
すると・・・・・)
ボゴォオッ・・・・・!!!!!
(木は根元近くの幹を残して完全に跡形もなく消し飛ぶ・・・・・
退魔針は木に当たって威力を徐々に軽減させたのか、地面に何事も無かったかのように落ちている・・・・・
残った幹の部分は、何かしらの爆発にでも巻き込まれたように悲惨なことになっていて・・・・・)
>>紫
【悪人だから仕方が無いですねW】
紫
「(ただ霊力を集めたり、宿すだけじゃなくて、それを維持したまま射出し、更に追尾性を持たせておくことである程度の軌道修正も出来ている……どれも本人に自覚は無いようだけれど、実践可能なレベルに出来ているのなら、もう針や札の投げ方や力の込め方を教えなくても良さそうね……)」
この空間は紫が生み出した世界であるため、そのどれもが高密度の妖力で形成されているため、木が霊夢の力に耐えきれなくなり、破裂したのを見て、豺狼との戦いの際には札を使っていた事もあって、これだけ投擲道具を使いこなせているのなら、より容易な近接道具も手にしただけで使いこなせるようになっているだろうと思考する。
紫
「期待した通りの成果ね。これなら早速実戦に移っても良さそうね?」
破裂した木から霊夢へ視線を戻すと、お陰で基礎訓練やテストを省くことが出来た事から、訓練はこれで終わりにして早速実戦に入ろうろうかと問いかける。
>>霊夢
【ですですwwww】
私は構わないわよ、あのクソったれ下等妖怪を早くぶっ飛ばしたいから体を戦いに慣らしたいし・・・・・
(そう言うと、首をコキコキ鳴らしながら戦闘の構えに入る・・・・・
自身の力に絶対的な自信があるわけではない、だが負ける気もしない・・・・・
霊夢の感情は、一刻も早く豺狼をぶっ飛ばしたい、ただそれだけだった・・・・・)
>>紫
紫
「ふふふ……頼もしい限りだわ。それなら相手を合わせましょうか?」
《パチンッ》
橙
「はいはーい、お呼びでしょうか、紫様!……って、あれ?あっちに居るのは博麗の巫女??」
紫は軽く指を鳴らすと、紫の右隣にスキマが開き、その中から二つの猫の尻尾と耳を生やした茶髪で霊夢よりも更に小柄な少女が陽気に飛び出して来る。
彼女は自分を呼んだ紫と、霊夢の顔を交互に見て今がどういう状況がわからずに困惑する。
紫
「橙、いきなりで悪いのだけれど、少し巫女の相手をしてくれないかしら?」
橙
「えええ!?そんな、直ぐに退治されてしまいますよ!」
紫
「大丈夫よ、"まだ"貴方でも普通に戦えるぐらいの強さしか無いから安心して戦いなさいな?」
橙
「あ、と言うことは先任の巫女はまた……
………はい!それなら安心しました!博麗の巫女!えーっと、名前も状況も何だか知らないけど、私と勝負だッ!!」
橙は紫の説明と命令を聞くと、困惑した様子が無くなり、久し振りに戦えると言う事で、新しい玩具を与えられた子供のようにワクワクと楽しそう無くなり笑顔をして霊夢に向かって勝負を挑む。
橙から感じられる妖力は豺狼にも匹敵する程である上に、その耳や尻尾から、豺狼と似たような戦闘方法をする。可能性が高く、豺狼との再戦や決着を望む霊夢にとって、最良の対戦相手と言えるだろう。
>>霊夢
【唐突ですが、練習戦第一段!
vs橙】
・・・・・アンタふざけてんの?いくら妖怪だからって、こんな小さい子を戦わせる気・・・・・?
(紫の方を見て上記を言う・・・・・どうやら、橙の幼い容姿から流石に妖怪でもこれでは戦いにすらならないと判断したのか、戦闘の構えをやめてしまう・・・・・
そして「私は真剣にやりたいのよ?」と紫に忠告する・・・・・)
>>紫、橙
橙
「むむむ……何だか馬鹿にされているような気がする……
こう見えても人間の貴方よりもずっと長生きだよ!」
橙は二つある尻尾と猫耳をピンと立てて"小さい子"と言う言葉から、霊夢が自分を侮っているのだと思い怒りを露にして抗議する。
>>霊夢