【東方】「始霊伝」

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1:語り手◆3.:2020/06/24(水) 20:39

幻想郷の守護者『博麗霊夢』
これはそんな彼女が博麗の巫女となり、数多の異変を解決する以前に、始めて訪れた邪悪な妖との戦いの物語。

>>1 世界観と注意
>>2 異変キャラについて

301:博麗の巫女◆gI:2020/10/10(土) 06:20

・・・・・ハ・・・・・ハハハハハ・・・・・アハハハハハハハハハ・・・・・!!!!!

(豺狼にトドメを刺されそうになっている中、霊夢は突然高笑いをし始める・・・・・

その高笑いは、これから訪れる死に対する恐怖からくるものなのか、それともこの現状を打破する何かしらの策を思いついたことからくるものなのか・・・・・

いずれにしても、この状況は、霊夢の立場からすれば、とても笑えるような状況ではないことは確かなのだが・・・・・)

302:殺意の獣◆3.:2020/10/10(土) 18:58

《ガガガガガガガガガガガガガッ》

犲狼の放った三種の力が合わさり、雷撃の如く放たれたエネルギー波が高笑いするだけで何の回避も防御もする様子の見えない霊夢に向かい、本物の落雷が直撃したかのように激しい轟音と周囲へ迸る火花と閃光により、霊夢がいた場所の付近の地面が大きく抉れ、周囲にはあった草木が綺麗に消し飛ばされてしまう……

これだけの威力の技が直撃した場合、並みの人妖はおろか、大妖怪クラスでさえ、無傷で助かることはないだろう……

303:博麗の巫女◆gI:2020/10/11(日) 08:14

カッ・・・・・

ドォォォオオオオオオオオオオオオォォオオオッ!!!!!

・・・・・

(霊夢がいた場所に豺狼のエネルギー波が直撃し、霊夢は邪悪な光の中へと消える・・・・・

エネルギー波が直撃した場所が爆風と砂埃によって何も見えなくなるものの、砂埃が晴れると、そこには霊夢が付けていたリボンが、ボロボロになった状態で無残に地面に落ちていた・・・・・)

304:殺意の獣◆3.:2020/10/11(日) 08:23

犲狼
「ふん、跡形もなく消し飛んだか。
あの博麗の巫女とは言え、所詮は成り立ての人間の女に過ぎないと言う事だな!血肉と力を喰えなかったのは残念だったが、この程度の奴なら喰っても大した足しにはならなかっただろうなァ!」

霊夢の付けていたリボンがボロボロになって地面に落ちているのを見て、霊夢が跡形もなく消滅したのだと判断すると、首をマヨイガと博麗神社の方に向け、頭骨の眼孔にある不気味な赤い光が強い悪意を帯びた輝きを放つ……



犲狼
「さぁて、次は俺様の下僕共を使って先ずはあのスキマの隠れ家、マヨイガを潰し、次いでに博麗神社も占領してやる!!!」

霊夢を仕留めたと考え、増長した犲狼は、次はマヨイガと博麗神社の双方を占領する事で幻想郷における優位な地位の獲得を狙うと言うように、いよいよその野心を隠す素振りすら無くなっている。

犲狼の操る妖狼達は犲狼の妖力によって操られているだけの野犬の群れ、つまりは使い捨ての駒だ。幾ら消耗しようと幾らでも代えの効く雑兵軍団に過ぎない……

305:博麗の巫女◆gI:2020/10/11(日) 12:56

跡形もなく消し飛ぶのはアンタの方よ・・・・・

(豺狼の背後から、あの忌々しい巫女の声が聞こえてくる・・・・・

その声は勝ち誇った気でいる豺狼にのみ聞こえる幻聴か・・・・・

それとも、確かな現実か・・・・・)

306:殺意の獣◆3.:2020/10/11(日) 15:28

犲狼
「おいおい、生命力だけはゴキブリ並みじゃねぇ……か!!」
《ヒュッ》

犲狼は背後から霊夢の声が聞こえると、先ずは目線だけを少し動かして霊夢の位置を推測すると、振り向き際に霊力を纏わせた右腕の爪を振るってそのまま引き裂こうとする。

幻聴にせよ何にせよ先ずは確認してみるべきだろう。何せ、自分には他者を殺害する事に対する良心の呵責から来る幻覚も、過剰な警戒心や恐怖心の現れとしての幻影も見ることが無いため、幻ではなく、本当に背後にいると推測している。

307:博麗の巫女◆gI:2020/10/11(日) 17:11

・・・・・

(豺狼の爪には何も当たらず、やはりさっきのは聞き間違いか何かだったのかと思わせたつぎの瞬間・・・・・)

他人の力に頼ることでしか戦えない臆病者は、どこの誰かしら・・・・・?

(再び豺狼の背後から声が聞こえてくる・・・・・

聞き間違いではない、間違いなく霊夢はそこにいる・・・・・

豺狼の推測は当たっていた、だからこそ避けた、それだけの話ではあると思うが、一回目の爪を振るった攻撃は空振りに終わった・・・・・

二回目は、果たして・・・・・)

308:殺意の獣◆3.:2020/10/11(日) 17:49

犲狼
「ふん、お前は馬鹿か?どの道雑魚が持っていても仕方のねぇだろ?
それなら俺様の野望の糧になれた方が良いに決まってんだろ?」

犲狼にとって他者は己の力の糧か葬るべき敵対者のどちらかでしか無い……故に他者の力を使うことへの躊躇いも罪悪感や後悔すら抱いていない彼にとって霊夢の言葉はまるで通じていない。

爪による一撃を避けたのを見ると、今度は口内に魔力と妖力を混合させて具現化させた赤黒い炎を口内に集束させ始める。

何も霊夢が避けると言うのならばそれでも構わない。
集落襲撃の時のような轍はもう踏まない、すばしっこい巫女を潰すのならば、受けざるを得ない状況や、足を止めなければならない状況を作ってしまえばいいだけの事だ。

犲狼の狙いはこの辺り一帯の森そのもの。
自然ならざる炎は何処までも延焼していくだろう、そうなればこの辺りにいる妖怪も動物も絶命する上に、その炎は人間の里にまで及んでしまう。

一度放たれてしまえばその最悪の予想は的中してしまう事になるだろう……

309:博麗の巫女◆gI:2020/10/11(日) 23:11

そこまで言うならアンタも、幻想郷の未来の為の糧になりなさい・・・・・

ドォッ・・・・・!!!!!

(今までは霊夢の声だけしていたが、とうとうその声が堅実のものであるという確かな証拠が出てくる・・・・・

豺狼の右腹部を、何かが貫いてそのまま風穴を開ける・・・・・

豺狼が他者の力を己の強さの糧にするのであれば、霊夢もまた、どうしようもない悪を幻想郷の未来の糧にする為に倒す、似たようで真逆の構図が出来上がっている・・・・・)

310:殺意の獣◆3.:2020/10/11(日) 23:21

犲狼
「ふん、俺様が糧になるだと?ふざけた事をぬかすな!俺様は"特別"だ。俺様こそが人間も妖怪も、神々をも支配する王に相応しい!!そんな俺様のためにシねるのだから寧ろ光栄に思いやがれ!!!」

犲狼の体を守るエネルギー体による防御装甲……
"フォースシールド"とも言うべきものにより、霊夢の攻撃が阻まれてしまう……歴代の巫女の中でも最高の才を持つものの、巫女となってもまだ数日しか経っていない霊夢では、その経験や知識は歴代の巫女の足元にも及ばず、犲狼の防御を崩す事は困難だろう……



黒白の魔女
「ふ……ざけんなぁ!!!」

犲狼
「ご……がッ!!?」

犲狼の腹部を狙った攻撃が防がれると、口内に集束された魔炎が解き放たれようとした矢先、帽子が無くなり、ボロボロになった状態ではあるものの、辛うじて生きていた魔理沙が奪われずに残った魔力と、ポーションによって回復させた魔力の大半を身に纏い、箒に乗ると犲狼の顔に向かって激突し、犲狼の口内で集束させていた魔炎が大爆発を起こし、自滅させる事に成功する。

311:博麗の巫女◆gI:2020/10/11(日) 23:38

・・・・・っ!!!!!・・・・・アンタ・・・・・

(あの魔女が生きていたことを知ると、驚きと理解の追いつけないのが同時に訪れるものの、まずは何よりも、相手が生きていたという嬉しさの方が勝っていた・・・・・

そして、相手に近づくと「よかったわ、生きていたのね・・・・・」と呟き)

312:殺意の獣と黒白の魔女◆3.:2020/10/11(日) 23:56

黒白の魔女
「油断するな!アイツは……この程度じゃ倒せない!!」

黒白の魔女は犲狼が吹き飛んだ方向を見て、立ち込める爆煙の中でその姿は見えないものの、この程度で倒せるほど弱い敵ではなく、油断せずに警戒しているようにと伝える。

不意打ちが成功したとは言え、アイツは何処までも得体の知れない奴だ。この程度で倒せるのなら苦労はしない。
私から魔力を奪い、その魔力を自分の力にして使っている……色んな魔物や怪物を書物を通じて知っていたが、こんな奴は見たことも聞いたこともない。アイツの言葉の中にもあった"特別"と言う単語から、何かしらの特異体質を持っているのだろう。
自分の魔力も底を尽きかけている。大技を使えるとしてもあと二回が限界だ……巫女の様子を見る限り、まともにやりあっても勝ち目は無いだろう……

魔理沙は犲狼に対抗するための策について考えながら、自身も魔力を練り、作戦に備え始める。

313:迫り来る恐怖◆gI:2020/10/12(月) 06:17

わかってるわ・・・・・アイツは他人の力を奪うことでしかその真の恐ろしさを発揮できない反面、奪った力をとことん私利私欲のために使っている・・・・・

(二人とももう既に体はガタガタの状態だ、この戦いで終止符を打つことができるかどうかも、正直怪しくなってきた・・・・・

だが、幻想郷に害を及ぼす悪は野放しにはできない、やるなら今この戦いで、終わらせるしかない・・・・・

そして、この魔女も護らなくてはならない・・・・・)

314:殺意の獣と黒白の魔女◆3.:2020/10/12(月) 12:18

犲狼
「この俺様に不意打ちとはやってくれるじゃねぇかァァァァ!!!」

激しい怒気が込められた咆哮のような怒鳴り声と共に爆煙を引き裂いて犲狼がその姿を露にする。だが、

元々魔理沙の魔力であった事や、魔力を使った事が無いためその支配(コントロール)が完全ではなかったようで本来の持ち主である魔理沙とぶつかった影響により、犲狼を守る防御装甲に歪みが生じ始めている。


黒白の魔女
「……なあ、まだまだ力は残っているか?」

魔理沙はその魔力の揺らぎを見て、突破出来るかもしれない策が一つだけ思い付き、霊夢にまだ力が残っているかどうか問う。だが、この策は自分一人の力だけでは実現させる事は出来ず、失敗すればかえって犲狼を強化してしまうことになる……
だが、このままではどれだけ上手く立ち回ってもフォースシールドがある限り、ジリ貧を強いられ、最終的には二人とも倒されてしまうだろう……



【今のところ、犲狼の言葉を一つも論破出来ていませんね……
(;・ω・)】

315:博麗の巫女◆gI:2020/10/12(月) 18:39

あるように見える・・・・・?

(とは言いつつも、霊夢は何とかしようと、わずかにまだ残っている力を絞り出そうと集中し始める・・・・・

二人の力を合わせても、正直勝てる確率よりも、負ける確率の方が高いだろう・・・・・

しかし、やらなければやられる、この二人でやらなければ誰がやる、ボロボロで今にも手当を受けなければならないほど痛手を負わされている今、もはや体が勝手に動いているような感覚だった・・・・・)

【ここだけの話、論破系はほんの少しだけ苦手です・・・・・W】

316:殺意の獣と黒白の魔女◆3.:2020/10/12(月) 21:34

魔理沙
「なら、コイツをやる。元々自由に作り出せるエネルギーならコイツである程度回復出来る筈だ!」

魔理沙は手元に簡易的な転移魔法を展開するとそこから緑色の液体が入った小さな瓶(ポーション)を取り出し、視線を犲狼に向けて警戒したまま霊夢に投げ渡し、それを飲んで力を回復させるように言う。
失われた力だけでなく、傷もある程度は治すことが出来る。これがあったからこそ、一度犲狼に負けた際にも逃げ切ることが出来た。

……だが、このポーションで回復できる量はせいぜい大技三回分だけだ。使うタイミングをミスしたり、小技を繰り出して消耗してしまえば、それが命の危機へと直結してしまうだろう……


【マジですかwwwこれはもしかしたら、今後、敵対者の持つ思考や思想を崩して弱体化させる必要がある時や、説得や交渉をする時など、かなり苦戦するかも…?】

317:博麗の巫女◆gI:2020/10/12(月) 22:12

魔女っていうのはなんでもありなのね・・・・・ありがたく貰うわ・・・・・

(歪みぼやける視界、震える手でなんとかポーションを受け取る・・・・・

そして、ポーションを飲み干し、徐々に体力は回復し始めるものの、問題はここから・・・・・

大技のタイミングが、この幻想郷の未来を、運命を左右することとなる・・・・・)

【でもまぁ、ヴァルター様と戦った時と比べたら、論破方法を考える方がまだ全然マシかもですW】

318:殺意の獣と黒白の魔女◆3.:2020/10/12(月) 22:58

魔理沙
「褒め言葉、と捉えておくぜ。さあ……行くぞ!!」

犲狼
「俺様が一番強い!スキマ妖怪や後ろ戸の神、鬼や天魔共ならまだしも、テメェらごとき人間がこの俺様に勝てると思うなよ!!!」
《ズガガガガガガガガガガガッ》

犲狼は雄叫びと共に右腕を勢い良く二人に向けて突き出す……
すると、先程霊夢に大ダメージを与えた魔力、霊力、妖力の三つが無秩序に混合された強烈なエネルギー波をまるで電撃のようにして解き放ち、二人を纏めて消し飛ばそうとする。

これが後に、霊夢と魔理沙が本格的に共闘する最初の出来事となる………
そして……この構図は"来るべき決戦"にも繋がる……

319:博麗の巫女◆gI:2020/10/13(火) 06:16

よくわかってるじゃない!!!!!人間如きが怖いからこうもムキになって攻撃するんでしょうがっ!!!!!

ググッ・・・・・!!!!!

(霊夢はここで攻撃を避けるか、攻撃をぶつけて相殺させ、その間に豺狼に更なる追撃をするかを強いられるが、いつでも攻撃を放てるようにと準備はしてある・・・・・

体力が回復したとはいえ、限度がある、その限度の中で豺狼を倒すには、肝心のタイミングを見極めるのはまさに至難の技とも言える・・・・・)

320:殺意の獣◆3.:2020/10/13(火) 12:44

犲狼
「ガハハハハッ!違うなァ、鬱陶しい奴らがいたら普通叩き潰すだろ?」

黒白の魔女
「ああ、その通りだな、それじゃあとっとと退場してくれるとありがたい……な!!」

犲狼の放った強烈な一撃に対し、魔理沙は上空へ飛ぶことで逃れつつ、左手で自分の右手首を掴み、無数の黄色の光弾を放ち、牽制として犲狼に攻撃を加えることで犲狼を守るフォースシールドを少しでも削ろうと反撃し始める。

321:博麗の巫女◆gI:2020/10/13(火) 18:41

・・・・・アンタ、そのまま攻撃を続けられる・・・・・?

(霊夢は何か策を思いついたのか、相手にそのまま攻撃は続けられるかと聞く・・・・・

しかし相手も豺狼に一度負けた状態、ポーションの効き目にも限界がある、このまま攻撃を続けることは力の消耗に繋がる・・・・・

だが、それをわかった上の策であるのもまた事実・・・・・)

322:殺意の獣◆3.:2020/10/13(火) 23:02

魔理沙
「……!お前も何か策があるのか?いいぞ、その策に乗ってやるよ!」

魔理沙は大技を一つ放つための力を全て光弾に変えて放ち、更にわざと犲狼の足元に光弾を当てて爆破させ、足場を崩すと同時に土誇りで犲狼視界と動きを制限させていく。
犲狼はその間、苛立ちのこもった唸り声をあげるが、視界も足場も悪い状況では自慢のパワーも精度が落ち、放たれた魔力波も簡単に避けれらるものになっている。

323:博麗の巫女◆gI:2020/10/13(火) 23:22

これは賭けよ・・・・・失敗する確率も大きい、けどアイツが今まで卑怯な手を使ってきたように、こちら側も卑怯な手を使わせてもらうわ・・・・・

グォオッ!!!!!

(霊夢は霊力を集中させ、それを魔理沙が放っているように光弾に変えて豺狼がいると思われる場所めがけて、多くではなく、数こそ少ないものの連続で撃ち始めるが、これだと効果があったとしても勝ち目は無いのは目に見えている・・・・・

一体何をするつもりなのだろうか・・・・・)

324:獣と魔女と ◆3.:2020/10/13(火) 23:28

犲狼
「ガアァァァァァッ!!邪魔だァ!!!」

犲狼は魔理沙が巻き上げた土埃を切り裂くようにして右腕を勢い良く振るいながら、激情に任せて怒鳴り声をあげて残る土埃をまとめて吹き飛ばす。


犲狼
「ククク、この俺様にそんなチンケな技が通用するかぁ!!!」
《ゴオッ》

そんな中、霊夢の放った質を重視した光弾が犲狼に次々と着弾していくものの、多少揺らいでいるとは言え、犲狼を守るフォースシールドは依然として強固であり、これだけではまともなダメージにはなっていない。


【雑単の方でもちょくちょく文を投稿していると言うwww】

325:博麗の巫女◆gI:2020/10/13(火) 23:50

引っかかったわね!!!!!

ドォオオッ!!!!!

(霊夢はこの時を待っていたと言わんばかりに、豺狼が土埃をまとめて消し飛ばしてくれたおかげで、豺狼の正確な位置がわかるようになり、霊夢は特大の霊力弾を豺狼が今光弾に気を取られている隙を狙って、咄嗟に防御に回ることは難しいであろう背後から豺狼の体を貫く勢いで放つ・・・・・)

【すみません!すぐ行きます!】

326:獣と魔女と ◆3.:2020/10/14(水) 08:07

犲狼
「………!!?」

黒白の魔女
「やったか!?」

魔理沙が巻き上げていた土埃によって二人の位置を把握できずに犲狼もまた攻撃の精度が下がっていた中、土埃を払った瞬間に背後に回り込んだ霊夢の放った光弾が炸裂すると凄まじい轟音と衝撃、そして青白い電撃が辺りを走り回る。
その様子を見た魔理沙は遂に倒したのかと思い、電撃による閃光で犲狼の姿は見えないものの、倒せたのかと言う。

327:博麗の巫女◆gI:2020/10/14(水) 14:38

気を抜かないで!奴はこの程度じゃ簡単にはくたばらない・・・・・!奴は隙を突いてくる・・・・・!

(霊夢は豺狼この程度で倒せるとは限らないことを考え、相手に気を抜かないようにと忠告をする・・・・・

一瞬でも気を抜けば、豺狼はその瞬間を突いて攻撃してくる・・・・・

もし今、どちらか一人が欠ければ勝機は無くなる・・・・・)

328:獣と魔女と ◆3.:2020/10/14(水) 17:22

犲狼
「ハハハッ!そう言うことだ!!」

魔理沙
「!?
……くッ!!」

完全に不意を突いて霊夢の妖怪に対して絶大な効果を持った霊力の塊が直撃したことで倒したかと思いきや、今の犲狼が纏っているのは魔力や妖力だけでなく、本来ならば妖の天敵である筈の霊力も込められていた。
そのため、霊夢の一撃も大幅にその威力を軽減されてしまっており、青白い電撃を突き破るようにして現れた犲狼が箒にのって上空を飛ぶ魔理沙に向かって飛び掛かる。

辛くも魔理沙は小技を放つための力を全て防御壁の展開に回すことで防ぐことに成功するが、即席の防御では強度が低く、無数の亀裂が生じてしまう……

329:博麗の巫女◆gI:2020/10/14(水) 18:46

この卑怯者!!!!!アンタの狙いはこの私でしょうが!!!!!

(そう言うと、今度は霊夢の方から豺狼めがけて飛び掛ってくる・・・・・

霊夢の長所であり、短所でもある、誰かが危機にさらされるとカッとなって考えるよりも先に勝手に体が動いてしまうのが、吉と出るか凶と出るか・・・・・)

330:獣と魔女と ◆3.:2020/10/14(水) 21:14

犲狼
「ククク、馬鹿め!まんまと来やがって!このまま始末してや……」

魔理沙
「させるか……よ!!!」

犲狼は先程の里郊外の集落を襲った時に霊夢の性格については大方知っていた。だからこそ、敢えて魔理沙を狙っており、それに釣られて此方に向かって来る霊夢を見て、回避困難な速度で魔力と霊力、妖力を混合させた破壊エネルギーの塊をぶつけようとする……
だが、それに気付いた魔理沙は即座に防御魔法陣を拘束魔法に切り替え、渾身の力を込めて犲狼の動きを止め、霊夢が攻撃するためのチャンスを作ろうとする。

331:博麗の巫女◆gI:2020/10/15(木) 03:13

感謝するわ・・・・・!できる限りそのまま頼むわよ・・・・・!

(霊夢は必死に豺狼の動きを止めてくれる魔理沙に上記を叫ぶと、そのまま豺狼の心臓部めがけてさっき豺狼に背後から不意打ちを仕掛けたのと同じように、光弾を放つ・・・・・

ポーションによる回復の限界も近い、早急にこの戦いには終止符を打たなければ、未来はない・・・・・)

332:獣と魔女と ◆3.:2020/10/15(木) 08:09

犲狼
「ぐ……おォォォ……!!」

魔理沙
「今だ!畳み掛けろ!!!」

霊夢の放った光弾が犲狼に激突すると、身に纏ったフォースシールドによってその威力を軽減されているもののの、彼の巨体を弾き飛ばし、その体勢を崩すことに成功すると、魔理沙はその隙を見逃さずに両手に魔力を宿して反撃の準備を整えながら霊夢にも畳み掛けるように言う。

333:博麗の巫女◆gI:2020/10/15(木) 20:28

わかったわ・・・・・!!!!!

(光弾を心臓部へと、真近で更に力を込めて放つ・・・・・

豺狼が防御や抵抗はできないほどにスピードと威力を増した光弾が、豺狼の胸へと激突し、そのまま押し上げるようにして体を貫こうとする・・・・・)

334:獣と魔女と ◆3.:2020/10/15(木) 22:29

犲狼
「ぐ……おォ……!!餌ごとき……が……調子に乗るな……よ……!!」

犲狼は霊夢の放つ光弾が直撃し、みるみる内にフォースシールドが削られていく中、魔理沙の拘束魔法がかかっているにも関わらず、強引に腕を動かし、胸部を貫こうとしている霊夢の頭を掴んで握り潰そうとする。
更に、残ったフォースシールドの大半を胸部に集めているため、その硬度は非常に高くなっており、これが犲狼が反撃するための時間稼ぎに使われている。

335:博麗の巫女◆gI:2020/10/16(金) 05:29

っ・・・!!!!!ぁぁあああああぁああああああああぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁ・・・・・!!!!!

(頭を掴まれ、いつグチャグチャに握り潰されてもおかしくはない状況になり、霊夢は聞くに耐えない悲惨な叫び声を上げる・・・・・

博麗の巫女と言えど人間、という覆ることは無い種族という壁が、霊夢を苦しめる・・・・・

今ここでやられるわけにはいかない、しかし抵抗すらまともにできない、にっちもさっちといかない絶望的な状況とはまさにこのことか・・・・・)

336:獣と魔女と ◆3.:2020/10/16(金) 12:39

魔理沙
「………ッ!!」

犲狼に頭を掴まれ、握り潰されようとしているのを見るが、これで拘束魔法を解いてしまえばその瞬間に二人とも切り刻まれしまうだろう事が推測できたため、魔理沙は霊夢を助けには向かえない……
霊夢の光弾は依然としてフォースシールドが集中されている腹部には届いておらず、逆に犲狼は更に力を込めてギリギリと万力のようにして霊夢の頭を握り潰そうとする……

337:博麗の巫女◆gI:2020/10/16(金) 17:05

あ・・・・・ぁ・・・・・

(視界がぼやけ、意識が遠のき始める・・・・・

ここまでしてもまだ勝てないというのか・・・・・ここで諦めるわけにはいかないのはわかっているが、もう手足に力が入らない・・・・・

痛みも段々感じなくなってきた・・・・・)

338:獣と魔女と ◆3.:2020/10/16(金) 17:12

【数刻前…】



「………蔵蜜、そこにいるかしら?」

犲狼との死闘が始まる前、丁度霊夢が犲狼を退治するためにスキマを通ってから直ぐに紫は死地へ赴く霊夢の後ろ姿を見ながらスキマを閉じた時、紫は視線を動かさないまま、蔵蜜がまだいるかどうかを問いかける。

339:博麗の巫女◆gI:2020/10/17(土) 06:08

あぁ、いるが・・・・・

(そう言うと、蔵蜜は紫の前に姿を現す・・・・・

そして「あの巫女、私が思うに、先代にどんどん近づいていってる気がする・・・・・」と、蔵蜜には霊夢と先代巫女の姿が重なって見え始める・・・・・

これは、蔵蜜なりの忠告だ、紫はこのまま霊夢が死んでしまってもいいのかどうかという忠告だ・・・・・)

340:妖怪の賢者◆3.:2020/10/17(土) 12:21


「……貴方はまだ知らないとは思うのだけれど、初代の巫女と瓜二つの姿もしているわ。先代の巫女と初代の巫女、この二つの性質を兼ね備えているのかもしれないわね。」

紫は記憶の奥底に眠る初代と、かつての吸血鬼異変の時に命を落とした先代の巫女の二つに似ているのだと静かに語る……
確かに彼の言うとおり、現代の巫女はその才能だけじゃない……かつての博麗の巫女の才の化身なのかもしれない、ならば彼女が生まれた理由、存在する理由はもしや………


「だからこそ、こうして目をかけたくなるのかしら……ね?」

紫は右手の指先に部分的に妖怪でも持てるように紫の妖力が纏われたお祓い棒をスキマから取り出すと、それを手に懐かしげに眺め、かつてこれを手に数多の妖怪を屠った初代の巫女の姿を想起しながら呟く。

341:博麗の巫女◆gI:2020/10/17(土) 18:59

だったらもっと気にかけたらどうだ?あのままじゃあいつ、本当に早死にするぞ・・・・・?

(紫はそこまで似ていると思っていながら、気にもとめないようにただただ見守るようにしている辺り、言っていることとやっていることが矛盾しているように感じる・・・・・

このままじゃ霊夢も同じように早死にする運命を辿るという嫌な予感がする・・・・・)

342:妖怪の賢者◆3.:2020/10/17(土) 19:49


「……ここまで言えば私が何を考えているのか……わかるでしょう?」

紫は微かに微笑みながら霊夢に助け船を出すことを求めている蔵蜜に対して、お祓い棒を手にしたまま自分が何を考えているのかもうわかっただろうと問いかける。

343:博麗の巫女◆gI:2020/10/18(日) 03:35

・・・・・やれやれ、付き合いが長いっていうのも考えものだな・・・・・

(言葉を交わさずとも、大体のことがわかるほどに付き合いが長いのも、時と場合には考えものだと蔵蜜は呟く・・・・・

そして「お前はいつの間にか、昔と変わってしまったな・・・・・博麗の巫女は、いつの世代でも大体共通して似通った部分があるというのに・・・・・」と、紫と旧知の仲であるからか呟いて)

344:妖怪の賢者◆3.:2020/10/18(日) 06:19


「あら、言葉が無くとも通じ合えるだなんて素敵なことだとは思わない?それに、私は変わってなんていないわ、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視している事に変わりは無いのだから……」

紫は相も変わらずに微笑んだまま、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視していると言う根幹部分に変わりは無いと答えると、紫が持っていたお祓い棒をゆっくりと蔵蜜に向けて差し出す。
妖怪が触れても大丈夫なように紫がお祓い棒の持ち手に一時的に妖力を纏わせておくことで妖怪でも手に出きるようにしてある。




「あのまま戦えば今の巫女はこれまでの巫女と同じように喰われてしまうでしょうね……だからこそ、貴方には彼女"達"を助けに行って欲しいの。」

紫が蔵蜜に頼みたいこと……それは霊夢達の補助であり、犲狼討伐のための手助けだ。
紫の言葉の中には、霊夢の他にも共に戦うであろう者(魔理沙)の姿も含まれており、更に霊夢達の力だけでは犲狼を倒す事が困難である事もわかっている。
ならば……蔵蜜が霊夢達に助力し、博麗の巫女の宝具の一つであるこのお祓い棒(大幤)を渡すことで、新たなる攻撃手段……それも紫が見て犲狼に対して最も効果を発揮するであろうと先々まで見据えている。

345:博麗の巫女◆gI:2020/10/18(日) 11:29

・・・・・どうやら、私も間違ってたみたいだな・・・・・お前は確かに変わっていないよ、何一つとしてな・・・・・

(そう言うと、蔵蜜はお祓い棒を受け取り、そして「にしても、私にわざわざ行かせるぐらいなら、最初からあの巫女に渡しておけばいいものを・・・・・お前はそういうところも変わらないんだな・・・・・」と、このお祓い棒を最初から渡しておけば、豺狼との戦いは霊夢達がもう少し有利になっていたのではないかとも思えてくる・・・・・)

346:妖怪の賢者◆3.:2020/10/18(日) 13:17


「ええ、宜しく頼むわ。貴方の力が必ず必要になるでしょうから……」

紫は指先を右手の横を横へゆっくりと振ると、まるで空間を引き裂いているかのように空中にスキマが開かれ、蔵蜜も犲狼の元へ行けるようにする。
本当ならば自分が助けに向かいたいのだが、犲狼は先述の通り、良くも悪くも幻想郷維持のためのシステムの一つのようになっているため、不用意に自分が手を出せば逆に幻想郷の寿命を削ることになってしまうのだとわかっている。



「それは御札や針と違ってテストをしていないものだったから、使える確証が無かったのよ。現にこれまでの巫女の中でもこれを使える者は三人しか居なかったのだから……」

この大幤はあくまでも保険のようなもの、万が一にも霊夢が使えなかった場合の切り札のようなものだ。例え自分の読みが外れ、大幤の力を満足に使えなかった時でも蔵蜜の保護の下でなら練習も行えるだろうと考え、蔵蜜に託している。

347:博麗の巫女◆gI:2020/10/18(日) 15:10

・・・・・そうか・・・・・わかった・・・・・

(紫の・・・・・いや、お互いをよく知った旧知の親友の言葉を聞けば、わかったと呟き、スキマが開かれ外へ繋がっている出口まで歩を進め、紫に背を向ける・・・・・

そして「・・・・・なぁ、紫・・・・・」と、今正に戦地へ赴くという時に、今度はこちらから口を開いて、背を向けたまま何かを言おうとする・・・・・)

348:妖怪の賢者◆3.:2020/10/18(日) 17:48


「あら、どうしたのかしら?」

これで犲狼を打ち倒す事が出来る筈だ、そう考えながら蔵蜜を見送る中、犲狼と霊夢達のいる場所へ繋がる開かれたスキマの中に入って行く直前で足を止め、こちらに何かを話そうとしている蔵蜜の言葉を聞いてどうしたのかと聞いてみる。

349:博麗の巫女◆gI:2020/10/19(月) 05:04

・・・・・その・・・・・あぁ、何だか長い付き合いであるお前にこれを言うのが、ちょっと恥ずかしいし気が引けるな・・・・・

(そう言うと「・・・・・もし、私が死んだら・・・・・骨を拾ってもらいたい・・・・・いや、もしかしたら骨なんて一欠片も、粉塵すら残らないかもしれない・・・・・でもお願いだ、もし私が死んだ時は・・・・・私のことを、忘れないでもらいたいんだ・・・・・私は、誰かに忘れ去られて、本当に死んでしまうのが怖いんだよ・・・・・紫・・・・・」と、背を向けたまま、少しだけ顔を紫の方に振り返るようにして、縁起でもないことを言い・・・・・)

350:妖怪の賢者◆3.:2020/10/19(月) 08:08


「………?
ええ、わかったわ……
先代の霊夢に似た事を言うのね……?」

犲狼の実力についてはまだ未知数ではあるものの、その元々のスペックから彼ほどの実力者であればさほど危険を伴わずに勝てるだろうと考えていることもあり、その言葉の真意について知らずに不思議そうに首を傾げながらも忘れないで欲しいと言うその言葉を受け入れる……

351:博麗の巫女◆gI:2020/10/20(火) 05:20

私もまた、どこか似通った部分があるのかもしれないな・・・・・

(上記を述べると、そのまま蔵蜜はスキマから外へ出る・・・・・

紫は言葉の真意を理解していないようだったが、寧ろ蔵蜜自身からすれば察してもらわない方が救いがあるのかもしれない・・・・・

スキマから出る際の蔵蜜の背中は、先代巫女と非常によく似ていた・・・・・)

352:力への渇望◆3.:2020/10/20(火) 08:07

犲狼
「ハハハハッ!弱い奴は犬コロのように惨めに絶える。お前もその弱者だったようだなァ!!」

紫は蔵蜜を無言で見送る中、開かれたスキマの先では犲狼が霊夢の頭を握り潰そうとする手に力を加え続け、意識さえも朦朧としている霊夢にトドメを刺そうとしている……

353:博麗の巫女◆gI:2020/10/21(水) 00:49

弱っちい犬っコロはお前だろう?

(霊夢が今正にトドメを刺されようとしている中、突如として豺狼の聞き覚えのない声が聞こえてくる・・・・・

しかも短い言葉の中には豺狼をとことん見下している感情が詰まっており、挑発や煽りというよりかは、思ったことをそのまま豺狼に吐き出した感じであり・・・・・)

354:力への渇望◆3.:2020/10/21(水) 08:07

犲狼
「(新手……か、この魔女のせいで動きが鈍くなっているが、先にこの巫女を握り潰してから対応するか)」

犲狼
「グハハハハッ!群れるところが尚更犬コロらしいなァ!!」

犲狼は声が聞こえた次の瞬間、即座に周囲を警戒しながら、その狡猾な頭脳によってまだ姿も見えず、声からしてもまだ距離がある新手に備えるよりも前に、迅速に霊夢を握り潰してから対応しようと考え、そのまま霊夢の頭を掴む手の力を更に込め、一気に頭蓋骨を握り潰そうとする。

355:博麗の巫女◆gI:2020/10/21(水) 15:57

博麗の巫女を優先するか・・・・・そうかそうかそうだよなぁ!!!!!雑魚下等妖怪の犬っコロからすれば、こんなに弱っていても博麗の巫女は怖いもんなぁ!!!!!

(このままでは渡すに渡せない・・・・・それに、攻撃を仕掛けるなら不意打ちの方が効くだろう・・・・・そう思った蔵蜜は、霊夢から自身へと対象を移させるべく、罵詈雑言を浴びせ始める・・・・・

どんなに力があろうと、借り物の力・・・・・所詮下等妖怪は下等妖怪、博麗の巫女がこんなに弱っていても優先して排除しようとするのは、結局は怖いからそうするのだろうと言い)

356:力への渇望◆3.:2020/10/21(水) 17:22

犲狼
「テメェ……!!
……って、その手には乗らねぇぜ?俺を挑発させてこの巫女から注意を逸らさせようって魂胆だろう?いきなり煽り始めた事からわかるぞ。」

犲狼は生まれつき力の強い妖怪だった訳じゃない。
元々は人間の買う犬の一匹に過ぎなかった。だが、そんな彼が人間に捨てられ、他の兄弟や母のように惨めに命尽きること無く、地獄のような環境を生き残る事が出来たのは、小動物のような警戒心の高さがあったからこそだ。

犲狼は始めて聞く声の主が罵倒し、挑発し始めた事を冷静に考察し、現状と照らし合わせた結果、霊夢から注意を逸らして救出しようとしているのだと見抜く……
これで彼が姿を見せて不意打ちをしていれば、そのまま隙を突くようにして霊夢を助けられたのだが、そのチャンスも無くなってしまう……



魔理沙
「こうなったら一か八かだ……!
誰だか知らないが、後は頼んだぞ!!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》

霊夢の頭蓋骨に亀裂が生じる寸前、これまで犲狼の動きを拘束魔法で鈍らせていた魔理沙が蔵蜜に希望を託すと、手元に箒を引き寄せ、残った大技一回分の力を全てを込めて犲狼の腹部に向けて叩き付ける。
すると、犲狼の体が大きく弾き飛ばされ、霊夢もまた解放される。
だが、その代償として魔理沙は全ての魔力を使いきり、戦線離脱を余儀なくされてしまう。

357:博麗の巫女◆gI:2020/10/22(木) 06:12

・・・っ・・・・・!感謝するぞ・・・・・!!!!!

(戦線離脱を余儀なくされた魔理沙に聞こえているかどうかはともかく、感謝の言葉を述べると蔵蜜は開放された霊夢が地面へ落ちて叩きつけられる前に瞬時に飛んでいってキャッチする・・・・・

「博麗の巫女!!聞こえるか!?助けに来たぞ・・・・・!!!」と、必死に声をかける・・・・・)

・・・・・ぅ・・・・・うぐ・・・・・ぁ・・・・・

(最悪の事態は免れたものの、霊夢はやっと声を出せる程度にまで弱っていた・・・・・

あの巨体、あの力で頭部を握り潰されそうになっていたのだから、何ら不思議ではない・・・・・

豺狼の凶悪さを改めて認識する・・・・・)

358:力への渇望◆3.:2020/10/22(木) 08:08

犲狼
「どこまでも……どこまでも足掻くか、人間!!!」

魔理沙の全魔力が宿り、金色の彗星のように放たれた箒が激突した事で犲狼を守るフォースシールドの一部、魔理沙から奪った魔力が大きく消耗されており、その防壁の硬度が著しく低下しながら、弾き飛ばされた犲狼が立ち上がり、憎悪と怒りを込めた眼光で霊夢達を睨み付ける……

359:博麗の巫女◆gI:2020/10/23(金) 05:32

くそっ・・・!もう起き上がってきやがった・・・・・!

(豺狼が立ち上がると、蔵蜜は焦りを見せ始める・・・・・

魔理沙は霊夢救出のために力を使い戦線離脱、霊夢は豺狼に掴まれていたことで既に瀕死の状態・・・・・

この状況で有利なのは豺狼のみと言ってもおかしくはない状況になっている・・・・・)

360:力への渇望◆3.:2020/10/23(金) 08:08

犲狼
「邪魔するってんなら誰だろうと容赦しねぇ……テメェら全員犬死にだァ!!」

犲狼もまた、魔力の大半を失ってしまったものの、まだ犲狼自身の妖力と博麗の巫女候補達から奪った霊力が残っている事に加えて、戦力的にも自分の優位性がまだある事を知っているため、蔵蜜の登場に対してもさほど動揺はしておらず、獣の瞬発力を活かして蔵蜜目掛けて飛び掛かり、その実力や能力を測ろうとする。

361:最後の戦い◆gI:2020/10/24(土) 06:13

犬だけにか!?随分洒落たことを言うじゃないか!!!!!

ドォッ・・・・・!!!!!

(自分へ飛びかかってきた豺狼の腕へめがけてまずは全力の打撃を入れる・・・・・

何としてでもここで少しは豺狼へダメージを与えなければならない・・・・・

だが、自分の力で少しでも食い止めができるかどうか、という不安も混在していた・・・・・)

362:力への渇望◆3.:2020/10/24(土) 07:05

犲狼
「グワハハハハッ!そんな細い腕でこの俺様の一撃が止められるかよ!!」

犲狼はその明らかに人間のサイズを超えた巨体を活かした圧倒的な体重と筋力を乗せた右腕の一撃が蔵蜜の繰り出した拳と激突する。
犲狼を守る三つの力の内の一つである魔力が大きく削れているため、犲狼の腕を通じて少なからず犲狼にもダメージが及んではいるものの、選局を左右する程のものでは無いようで、続けて犲狼は左腕を横に凪払うようにして振るい、追撃を仕掛けようとする。

幸いにも犲狼は魔力が大きく削られ、その防御力が落ちている事にはまだ気付いていないのか、補充する様子も見られない。

363:最後の戦い◆gI:2020/10/25(日) 05:19

弱い犬程よく吠えるじゃあないか!!!!!試してみるかゴルァアアアアッ!!!!!

(豺狼の追撃を先読みし、そのまま避けると頭上へ高く飛び自分の妖力を光弾へと変化させて豺狼の脳天めがけて放つ・・・・・

この戦いで・・・・・博麗の巫女が戦う前で、少しでも豺狼の力を大幅に削ることが出来れば・・・・・

その気持ちでいっぱいだった・・・・・)

364:力への渇望◆3.:2020/10/25(日) 13:02

犲狼
「グワハハハッ!!その様子、まさに負け犬の遠吠えって奴だな!!」

頭上へ飛び上がり、放たれた反撃の光弾が犲狼の頭部に直撃すると、更に犲狼を守る妖力と霊力の防壁が削れ、僅かにだがダメージが通る。
だが、犲狼もまたただで防御を削られるのではなく、反撃として犲狼もまた飛び上がり、右腕を振り下ろす事で地上へ叩き落とそうと迫る。

365:最後の戦い◆gI:2020/10/26(月) 06:09

くっ・・・・・!?

ブォッ・・・・・!!!!!

(本当にギリギリ、間一髪のところでなんとか避ける・・・・・

腕を振り下ろされた際の風力で飛ばされそうになるものの、なんとか持ちこたえてみせるが・・・・・)

ごぶっ・・・・・!?

ビチャッ・・・・・

(突然、蔵蜜は口を手で押さえて咳き込む・・・・・

すると、蔵蜜の口から真っ赤な鮮血が出てきては地面へと落ち、血痕を作る・・・・・

しかし、豺狼の攻撃は当たっておらず、風力でこうなったとも考えづらい・・・・・)

366:力への渇望◆3.:2020/10/26(月) 08:05

《ギュオッ》

血を吐く蔵蜜に対し、犲狼が空振りしたものの、腕を振り下ろした勢いを活かして空中で前転するようにして鞭のように長大な尻尾を振り下ろして地上へ叩き落とすための追撃を仕掛けようとする。

367:最後の戦い◆gI:2020/10/27(火) 05:06

くそぉっ・・・・・!!!!!

グォッ・・・・・!

(追撃を受けるわけにはいかない一心で口から血を吐きながらも、必死に追撃をギリギリでかわすと、再び妖力を光弾に変えて今度は連続で発射し始める・・・・・

しかし、威力やスピードが先ほどとは違い、明らかに落ち始めているのが目に見える形でもわかるようになり始めていて・・・・・)

368:力への渇望◆3.:2020/10/27(火) 12:27

犲狼
「どうしたァ?随分と鈍いじゃねぇ……か!!」

犲狼は蔵蜜の放った弾幕が正面から当たり、防壁が更に削れて行くものの、あまり妖力や霊力のコントロール能力が無いからか、その変化に気付いておらず、そのまま蔵蜜の前にまで迫り、そのまま叩き落とそうと右腕を振り上げる……

369:最後の戦い◆gI:2020/10/28(水) 06:05

・・・っ・・・・・!!!!!________

【回想、数ヶ月前・・・・・】

げほっ・・・・・!げほっ・・・・・!

(森の奥・・・・・吐血混じりの咳をしながら、歩みを進める・・・・・

少ししてから、立ち止まると「ついて来てるのはわかってる・・・・・いい加減、こそこそするのはやめたらどうだ?橙、藍・・・・・」と言い・・・・・)

370:力への渇望◆3.:2020/10/28(水) 08:06


「……なんだ、気付いていましたか。」

両腕を袖の中には隠すようにして腕を組ながら自信と橙にかけていた気配と姿、音の三つを消す隠密行動術式を解除した藍が姿を現すと、その藍の後ろで藍の尻尾で隠れるように後にいた橙が顔を覗かせている。

371:最後の戦い◆gI:2020/10/28(水) 21:42

私だってそれぐらいは気づく・・・・・

(そう言うと、袖で口元の血をぐしっと拭き取り、そのまま振り向いて「で、何の用だ・・・・・?何も用がなくてついてきた、というわけではないだろう・・・・・?まぁ、この先に用がある、というなら私の早とちりなだけだが・・・・・」と、二人が自分をつけてきた理由を聞こうとするも、この先に用があるのであれば自分がただ勘違いしていただけだと思って上記を言い)

372:力への渇望◆3.:2020/10/28(水) 23:37


「いや、私達の要件は蔵蜜殿に関係しているものだよ。
……紫様から伝言を預かっている。
『その状態を改善する策はこの幻想郷内にも存在しない』
だそうだ……」

藍は自分のかけた隠密術式に対して、彼の持ち前の嗅覚を活かして自分達の存在を察知できたのだろうと理解をすると、彼の血を吐く様子を前々から知っていた紫が様々な策を講したものの、彼の体調を回復させる手段は見付からなかったと教える……

残酷な現実だが、嘘をつき、何時までも煙に巻き続け、下手に希望を抱かないようにした方が良いと思い、紫が伝えたのだろう……だが、良い報せを持ってくる事が出来なかった事、みすみす彼が衰弱していく様を見ていることしか出来ない自分達の現状に悔しさと苛立ちさえ感じている藍は少し俯く……

373:最後の戦い◆gI:2020/10/29(木) 06:00

紫は知っているのか!?一生懸命隠し続けてきたつもりでいたが・・・・・

(寧ろ、紫側が知っていたということを知らなかった自分の方が無知であり、紫の方が隠し事上手だと思い知らされる・・・・・

「そうか・・・・・あの不老不死の医者のところへ行けば、何とかなるとは思っていたんだがな・・・・・げほっ・・・・・!?」

言葉の後に咳き込むと、再び口から大量の血を吐き両手で口を押さえてしゃがみ込む・・・・・)

【あ、ちなみに八雲一家側のロル内で「彼」になっていますが、蔵蜜は女性ですW】

374:九尾と化猫◆3.:2020/10/29(木) 12:03


「紫様は貴女の生命力が日に日に弱まっている事を知ると、スキマを通じてその原因を探っていました……これまで監視をしていた事を許してほしい。」

藍は袖の中で両腕を組みながら頭を下げ、これまで監視していた事、勝手に動いていた事に対して主である紫の代わりに謝罪する……
そして再び血を吐く彼女の姿を見て、心配そうに声をかけようとする橙の頭を優しく撫でる。
それはまるで、最早自分達には彼女を治す方法が無いと言うことを優しく教えるよう……

375:最後の戦い◆gI:2020/10/30(金) 06:18

・・・・・いや、いいんだ・・・・・長い付き合いであるが故に伝えるのが辛くて、最初に隠そうとしたのは私なんだ・・・・・文句は言えないさ・・・・・

(そう言うと「不老不死の医者が言うには、抗体を打つ度に病原菌が対応して変化する、とか言っていた・・・・・現状では打つ手はないが、何とかするとも言ってくれたんだがな・・・・・正直、諦めてるよ・・・・・」と言う・・・・・

森の中、舞い落ちる木の葉は蔵蜜のじわじわと減り続ける散りゆく命を表しているようにも見える・・・・・)

376:九尾と化猫◆3.:2020/10/30(金) 12:19


「元来、我々妖はそもそもの体構造が違う。心臓も、血液も、脳も全ては存在に付与したものに過ぎない。だから病も毒も効果は無い筈なんだ。例えそれが元獣や人であろうと同じだ。我々にとって心臓や脳の代わりを成しているのが魂であり精神だ。故に我ら妖は肉体よりも精神が重要なものとなっている。」

妖怪とはそもそも、一部の例外を除いて、既存の生命体のように心臓や脳が生命活動の維持に不可欠なものではなく、脳や心臓を始めから持っていない者さえ存在しているぐらいだ。妖怪の天敵は怨霊、これがその理由ともなっている。



「……にも関わらず、貴女の体には病のような異常が見られた……この時点で紫様はただの病や毒によるものではないと気付いていました。おそらく、竹林の医師もそれを知っていたのだろう……」

肉体的な要因よりも精神的な要因が中核を成す妖にとって、病や毒など大した害にはならない筈であるにも関わらず、蔵蜜を蝕んでいる事から、精神や魂に影響を成している事が容易に想像が出きる。
紫も永琳も、彼女がただの病ではなく、"呪い"に準ずる影響を受けているのだと知った事で、手の施しようが無くなってしまっていた……

紫が幾ら外の世界の医療技術を試そうとしても、永琳が幾ら薬を作り出そうと、精神を蝕むものを除くことは出来ない……紫の能力で病と彼女を切り離す事も可能かもしれないが、そうなれば蝕まれた精神は永遠に欠落してしまうだろう……

377:最後の戦い◆gI:2020/10/30(金) 14:16

・・・・・私は情けないな、無理なものは無理、それを理解出来ずにただただ医者に頼んで紫には隠そうとして・・・・・

(そう言うと、顔を上げて二人を見ながら「・・・・・あの医者が言うには、幸いこれは他者に伝染することはないそうだ・・・・・」と言い、藍と橙を抱きしめながら・・・・・

「・・・・・すまない、少しの間、こうさせてくれ・・・・・」

と言った・・・・・

その声は、今にも消えてしまいそうなほど小さく、震えていた・・・・・)

378:九尾と化猫◆3.:2020/10/30(金) 17:32


「……私は構わないよ……」

藍は今にも消え入りそうな彼女を抱き止めたまま、彼女がこのまま消えてしまわないように優しく言葉を返す。例え伝染する病であったとしても藍は迷わずこうしただろう。
自分はどうしたら良いのかわからない橙はとりあえず藍と蔵蜜の二人を小柄なりに抱き付く。

紫は昔から多くの友や仲間、志を同じくした同胞がいた……
だが、一人、また一人と理解者と呼べるべき友を失って来た……
主の紫はまた一人、親しい友を失うのかと思うと、藍の中で更に悲痛な思いが強くなっていく……

379:最後の戦い◆gI:2020/10/31(土) 05:47

ありがとう・・・・・本当に・・・・・すまない・・・・・

(受け入れてくれる藍と橙の二人に感謝を述べながら、力がこもっているかもわからないような腕力で抱きしめる・・・・・

腕力が低下しているのではなく、声が弱々しいのと同様、込めるに込められないのだろう・・・・・

すると少しして、腕がだらんと下がり、蔵蜜の息も少し乱れ始め、呼吸が不規則になっている・・・・・)

380:九尾と化猫◆3.:2020/10/31(土) 07:56


「…………!?
どうしました?大丈夫ですか?」

藍は抗えぬ運命を前に無力を感じる中、抱き締めていた蔵蜜から力が抜け、呼吸が不規則になり始めると急いで彼女の様子を、体調を伺う。

381:最後の戦い◆gI:2020/11/01(日) 06:04

・・・・・あ、あぁ・・・・・大丈夫・・・・・だ・・・・・最近はよくあることなんだ・・・・・

(そう言うと「紫の前とかだと必死になって隠していたんだがな・・・・・今じゃやっと隠すことさえ叶わない・・・・・」そう言うと、二人に「・・・・・私がいつの間にか何日も姿を現さなくなったら、その時はもう私はいないと思ってくれ・・・・・」と、最期の時を一人で迎えるつもりであることを明かして・・・・・)

382:九尾と化猫◆3.:2020/11/01(日) 06:24


「よくある……?それってまさか……」


「………………わかりました。」

橙も蔵蜜に残された時間が少ないのだと言うことを悟ると、それを言葉にしようとするものの、それを藍が寸前で口許に手を当てて首を左右に振って制止させると、悲しそうな、寂しそうな目をしたまま静かに彼の望みを承諾する……

383:最後の戦い◆gI:2020/11/01(日) 11:39

ありがとう・・・・・

(正直、こんなことを言うのは心が痛むが、自分の最期を見て誰かが悲しむのであれば、まだ一人で逝く方がマシだと考えていた・・・・・)

_________

ゴォッ・・・・・!

・・・・・

(豺狼の容赦ない邪悪な一撃が、蔵蜜の体中の骨にヒビを入れ、そのまま地面へと叩きつける・・・・・

蔵蜜の、せめてこんな自分でも力になれればという想いが、いとも簡単に踏みにじられる・・・・・)

384:九尾と化猫◆3.:2020/11/01(日) 12:18

犲狼
「グハハハハハッ!!!やはり俺様が一番強い!力のある奴が一番正しい!力の無い奴や弱い奴は悪だ!!」

犲狼はその巨大な腕を幾度と無く振るい、残された時間の少ない蔵蜜の体へ無慈悲な一撃を幾度と無く繰り返していく……
二人とも元は同じく犬であったにも関わらず、蔵蜜は守り、助ける事を選び、犲狼は奪い、脅かす事を選んだ……その結果がこれであると言うのならば、この世界には最早人間が思い描く救いの神と呼ぶべき存在などもういないのかもしれない……

385:最後の戦い◆gI:2020/11/01(日) 14:08

《・・・・・》

(蔵蜜は、心の中でですら、もう無言になっていた・・・・・が、ここで決心をする・・・・・)

《・・・・・じゃあな、紫・・・・・》

グォオッ・・・・・!

ガァアアアアァアアアアァァァァアアアァアアアアアァァアアッッッッッ!!!!!

ドッ!!!!!

(蔵蜜は残った力と命の全てを振り絞り、全身が銀と黒の毛で覆われた巨大な犬の化物へと変貌を遂げる・・・・・

しかし、理性は保てているのか、変貌を遂げると、迷いなく豺狼を睨みつけながらうなり声を上げ、そのまま飛びかかって豺狼の体のあちこちを食いちぎろうとする・・・・・)

386:九尾と化猫◆3.:2020/11/01(日) 15:34

犲狼
「………!!?」

犲狼は勝ちを確信していた。
彼女の体格、感じられる妖気、耐久力から攻撃力の全てから考えても、もはや策を練らなくとも力押しだけでも充分に勝てると……
だからこそ、巨大な犬のように変化した蔵蜜への反応が大きく遅れ、不意を突かれるようにして蔵蜜の飛び掛かりを受け、犲狼の体には幾度と無く蔵蜜の噛撃を受け、犲狼を守る防御が大きく削れ、犲狼が歴代の巫女達から奪った霊力が消耗されて行く……


犲狼
「こ……の野郎……!!!」

だが、犲狼もまた、一筋縄では行かない……
犲狼を守るバリアが削れ、犲狼の力が大きく削れて行ったものの、犲狼が身体中から生えた無数の赤黒い棘を伸ばして蔵蜜の体を突き刺し、更に犲狼の妖力から生み出した毒によって彼女の命を削ろうとする。

387:最後の戦い◆gI:2020/11/01(日) 17:11

ガアアァアアッ・・・!!!!!ガアァァァアアアアアアァアアアアアアアァァァアアアァアアッ・・・・・!!!!!

(豺狼の無慈悲な棘が、蔵蜜の全てを貪り始める・・・・・

棘が突き刺さった部分は血が滲み出ながら赤紫色に変色し腐ってゆく・・・・・

が、状況とは対照的に、棘によって自由に身動きもできないばかりか、動けば動くほど棘が更に突き刺さるのは明白であるのに、蔵蜜は再び豺狼に噛みつこうと棘を振り切ろうとしながら暴れる・・・・・

彼女の面影は、もはや誰かの為に尽くすという性格の部分しか残っていないほど、見るも無残に変わり果ててしまっている・・・・・)

388:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/01(日) 17:43

犲狼
「グハハハハハッ!馬鹿め!足掻けば足掻くほどにお前がダメージを受けるだけだ!そんな状態では攻撃どころか回避も防御も出来ねぇぞ!!そのまま犬死にしろやァ!!!」

犲狼は吠えるように蔵蜜が暴れれば暴れる程に犲狼が突き刺した無数の棘が体に食い込み、傷口が広がり、体力の消耗と共にダメージを蓄積をさせているものの、自身を守る霊力で形成された防御が大きく削られている事に気付くと、もし己のダメージを省みずにこのまま攻撃を続けられた場合、自分が滅ぼされると言う鬼気迫るものを感じ、それを振り払うべく巨大な口を開けて今度は犲狼から蔵蜜の喉元に噛み付いて食い千切ろうとする。

389:最後の戦い◆gI:2020/11/02(月) 06:19

グルルルルルァァァアアアアアアアアッ・・・・・!!!!!

(喉元に噛み付かれ、血を吹き出しながら聞くに耐えない声を上げる・・・・・

死というものが、まさに今見える形で目前に迫っているような、地獄絵図とも言える状況であると同時に、蔵蜜の抵抗も徐々に弱まってゆく・・・・・)

390:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/02(月) 07:27

犲狼
「(グハハハハハッ!やはり馬鹿だな、奴の体には俺様の伸ばした棘が刺さり、更に喉元を噛み付かれている以上、下手に暴れれば暴れるほどに傷が悪化していく!それに対して俺様は防壁が削られるだけで損傷を抑えられるだろう。これまで俺様が苦労して集めてきた巫女や妖怪の力が無くなっていくのは痛いが……奴らを喰らって力を回復させればいいだけの話だ!!!)」

犲狼にはまだ余裕があった……
どれだけ蔵蜜に噛み付かれようと、爪で切り付けられようと、自身を守るフォースシールドの強度を前に、そのいずれの攻撃もシールドを削るだけで致命傷になることは無いと言うことから、犲狼には焦りが見られず、対照的に死へと落ちて行く蔵蜜の様子を見て喜んでさえいる……

だが、蔵蜜の奮闘により、魔理沙によってあと二回は大技が放てるだけの力が回復している霊夢であれば犲狼の守りを打ち砕ける程に防御が衰えている事に犲狼は気付いていない。

391:最後の戦い◆gI:2020/11/02(月) 19:12

グル・・・・・ルルルゥ・・・・・ガァアアアァアアァァァァアア・・・・・!

(徐々に抵抗力が弱まっていき、そして、とうとう動かなくなる・・・・・

棘が刺さった部分は未だに痛々しく、腐食がどんどん進んでいて、首からは血が流れ出続けている・・・・・

あれだけの抵抗も虚しく、最後なんてあっけないものなのかもしれない・・・・・)

392:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/02(月) 21:16

犲狼
「ふん、手こずらせやがって!だがこれであとはボロボロになった博麗の巫女だけだな!」

蔵蜜はそのまま顎と頚の力を用いて蔵蜜の体を押し退けて立ち上がろうとしながら、目線を霊夢を探すべく周囲へと動かし、彼女の姿を探し出そうとする。
もはや蔵蜜に対する警戒や注意は薄れ、次の敵対者である霊夢への警戒を行い始めている。

393:最後の戦い◆gI:2020/11/03(火) 06:00

・・・・・

(豺狼がその場から動き出そうとする前、まだ近くにいて攻撃がしやすい状況、蔵蜜は豺狼へと再び視線を向けると「お前の負けだよ」と言わんばかりの目つきで思いっきり起き上がり・・・・・)

ガルルルアアアアァァァアアアアアアアァァアアアァアアアアアアアアアァァァアァアアァァッ!!!!!

ズッ・・・・・!!!!!

(蔵蜜は残った力の、本能に絞りカスほどにしか残っていない力を使って、豺狼に思いっきり飛びかかりそのまま豺狼のシールドを全て削る勢いで噛み付き、棘の毒によってもうほぼ腐っている両腕の内片腕を豺狼の心臓付近へと突っ込んで体に風穴をあける・・・・・

もはや火事場の馬鹿力とも言えるような、どこにこんな力が残っていたのかと言わんばかりの強い力で蔵蜜が死んだと勝手に思い込み油断した豺狼へと攻撃を続ける・・・・・)

394:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/03(火) 06:39

犲狼
「!!?」

犲狼
「ちッ!まだ生きていやがったか!!!」

犲狼は先程の霊夢との戦いの時に執拗に心臓を狙う霊夢に警戒してフォースシールドの多くを胸部に集中させていた。
そのため、蔵蜜の攻撃によってフォースシールドの多くが薄れ、削られたものの、特に防御を集中させていた胸部にはまだ高い防御力を有していたため、霊夢と同じように蔵蜜による心臓を狙った一撃も意図せずして防ぎきる事に成功する。

これにより、胸部に集中させていたフォースシールドも大きく削り取られ、犲狼の守りがより薄れるものの、その代償として犲狼は反撃として右腕に奪った霊力を集中させ、威力を増大させた一撃を彼女の頭目掛けて振り下ろす。

その威力は集落を壊滅させたあの途方もない破壊力を秘めたものとほぼ同等の威力が込められている……

395:最後の戦い◆gI:2020/11/03(火) 18:22

・・・・・!!!!!

_____________

幻想郷の住人となる前、蔵蜜は行く宛もない野良犬だった・・・・・

毎日毎日、その日一日を生き抜くのがやっとの日々・・・・・

蔵蜜自身、人間によって親や兄弟を殺され、一匹生き残った・・・・・いや、生き残ってしまった宿命か、人間を強く恨む怨念を背負って生きていた・・・・・

396:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/03(火) 18:37

《ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォッ》

耳をつんざくような、大気と大地を震わすような壮絶な轟音と共に犲狼が振り下ろした右腕が回避も防御も行えていない蔵蜜の頭に直撃し、辺りの地面には無数の亀裂が生じ、その凄まじい破壊力を物語る……

犲狼もまた、霊夢との戦闘時にもあったように、蔵蜜と同じ名も無い野犬の一匹であり、外の世界にて、他ならぬ人間の手によって捨てられ、親兄弟を殺され、激しい怨念と憎悪が渦巻く中でこう悟った……

"弱い奴は何も守れない、強くなければ何も得られない、何かを守ることも、自分の命すら守れない。"

"この世はどこも弱肉強食だ、どれだけ綺麗言を並べようと、弱い奴は屑だ、強くなければ意味がない"

"俺様が誰よりも強くなって弱肉強食の世界を支配してやればいい、そこで俺様の親兄弟を殺した人間を絶滅させ、この俺様の考えが正しかったのだと証明する"

"そのためには誰がどれだけ苦しもうと、息絶えようと関係無い、弱いのが悪いのだ、強さだけが正義だ、強さこそが真理だ。"

こうして強さに執着し、破壊と殺戮を求める犲狼(ケダモノ)が生まれてしまった……

397:最後の戦い◆gI:2020/11/04(水) 06:08

グチャッ・・・・・

・・・・・

《お前は、私と同じだ・・・・・あの時の私と・・・・・

人間を恨み、ただただいつか力を持って復讐してやるということだけを目標にして生きていた、あの時の私と同じだ・・・・・》

(豺狼の一撃が直撃し、右目が抉られ宙を舞い、脳の一部は弾け飛んでゆく・・・・・

蔵蜜は今度こそ本当に動かなくなった体が地面へと倒れゆく中、実際はあっという間の時間だが、倒れゆく蔵蜜自身は走馬灯が見えるほどに長く感じた・・・・・

そして蔵蜜は、今目の前にいる豺狼を、かつての自分と重ねて見る・・・・・)

398:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/04(水) 19:06

犲狼
「しぶとい奴だったが、頭を潰されて生きられる奴なんざいねぇ、これで完全に終わったな!!」

仕留めたと思いきや、立ち上がって反撃をしてきた事には驚いた……
そのせいで自身を守る防御の大半が失われた。
だが、能力の結集である鉄壁に近い防御壁が失われようと、もはや残る敵対者は霊夢だけであり、その霊夢もボロボロだ、もはや自分が負ける事はないと考えると、霊夢の方向に向かって歩き始める。

399:最後の戦い◆gI:2020/11/04(水) 23:17

・・・・・ぅ・・・・・ぁ・・・・・

ガシッ・・・・・

(辛うじてまだ生きている蔵蜜は、生きている内にできるだけ豺狼を食い止めようと、豺狼の足を掴む・・・・・

もう力は残っていない・・・・・豺狼が言う、所謂「弱い奴」の部類になった蔵蜜は、それでも強い相手に反旗を翻す・・・・・

借り物の力で戦う卑怯者の豺狼と、最後まで自身の力で戦い、死が近くてもまだ仲間の為に抗う蔵蜜・・・・・

似たような人生を歩んできた二人の決定的な違いはここだろう・・・・・)

400:貪欲な餓狼◆3.:2020/11/04(水) 23:33

犲狼
「……!!?」
《ゾワッ》

犲狼は蔵蜜の残骸は後で喰らえば良いと考えており、一歩、また一歩と霊夢に向けて近付く中、頭の大半が消し飛ばされていながらも、自分の足を掴んで引き留めようとする蔵蜜の姿を見て、本来ならばとうに事切れている筈のダメージを受けながらも自分を止めようとしている彼女に恐怖さえ感じるようになる。


犲狼
「なんだ…なんなんだお前は!?何故まだ生きている!?」

激しく動揺しながらも、自分の脚を掴む蔵蜜目掛けて、残った魔力を自分の尾に集中させ、まるで刃のように変えると、そのまま彼女の腕に目掛けて振り下ろし、腕ごと切断して引き剥がそうとする……


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